とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『息身佛そくしんぶつ・ ただ、息をする。ただ、生きる。』板橋興宗

息身佛 そくしんぶつ  ただ、息をする。ただ、生きる。  角川SSC新書 (角川SSC新書)息身佛 そくしんぶつ ただ、息をする。ただ、生きる。 角川SSC新書 (角川SSC新書)
(2011/11/10)
板橋 興宗

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著者は曹洞宗の大本山の貫首管長も務められた後、公職を辞し、再び寺の住職に戻られた禅師です。

病苦と闘い、挫折しながらも、懸命に生きてこられた経験から発せられる言葉には、重みではなく、軽さがあります。何もかも超越した中での軽やかさなのかもしれません。それらを「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・よりよく生きる極意とは、「足るを知る」こと。「足」という字は、「足る」とも、「足す」とも読む。「足る」には、人間の幸せの原点がある。「足す」には、人間の欲望や悩みを生みだす原因になる

・何が「悪」かもわからないほどの病根、これが「愚」。「もっともっと」を続けていったら、人類はいつか「愚」に滅ぶ

・足るを知る人は、地上に臥すような生活をしていても、なお安楽である。足るを知らない人は、天堂に暮らすような生活をしていても、なお満足しない。欲望に引きずられて、むしろ憐れである

・なぜ生きているかと言えば、それは死にたくないから。「生き物」とは、「死にたくないもの」のこと

・名利を求める欲や世間的な評価、常識、怒りや疑い、我欲などを落として、落として、落としていくと、底が抜けて「ずぶの人間性」が現れる。それが「底抜けの人」で、そこまでいくことが悟りの境地。道元禅師は、それを「身心脱落」と言われた

・修行とは、迷っている人間が無駄骨を折ること。逆に言えば、無駄骨を折るほどの迷いがないと、「足りている世界」にも気づけないということ

・幸せ感というのは、命の燃焼度。目標がある人は、燃焼している

・生きたという実感は、振り返ってみて、よくやったなと思うこと。人間というのは、自分自身に納得したい、命を充実させたいと思う生き物

・執着をなくすには、執着するエネルギーを自分のやりたいことに投入すること。やりたいことを見つけて、志を持つ、生きがいを持つ、探究心に変える

・修行だけでなく、一心に掃除したり、何か芸事に打ち込んだり、夢中で仕事をしたり、自分が納得する無心になる方法を探せばいい。私にとっては、それが坐禅

・今ここにいる自分以外に、どこかに自分がいるのか?本当の自分は、もっと素晴らしいのか?

・心のうちに起きた波紋は、消そうとせずに、そのままにしておけばいい。消えるときがくれば、自然に消える

・「今が誕生、今がゼロ歳、今が臨終、今が地獄、今が極楽」、今この瞬間の出合いだけが事実

・人間は、時を「昨日」「今日」「明日」という連続した時間の観念でとらえてしまう癖がついている。これも、言葉で考えた頭の中の独り相撲

・そもそも宗教がなぜ必要になったかというと、この世は一寸先がわからず、いつ死ぬかわからないという不安が人間にあるから。不安を感じないで生きていくために、人間は神や仏を作り出した

生きる極意とは?「あたりまえに生きること」あたりまえとは?「無理がないこと」無理がないとは?「頭を使わないこと」頭を使わないとは?「体がわかっていること」体がわかっているとは?「息をしていること」息をしているとは?「自然に溶け込んでいること」

・私たちは、ともすると、「言葉」を「言刃」にもしてしまう。今、生きている大切な命を、言葉の刃で傷つけてしまう。また、他人をいじめるときも言の刃になってしまう。言葉というのは使い方次第

・道元禅師は、生きる極意を見つけるには、「ひたすら坐禅をして、言葉で思い量る世界を超越し、非言語の世界に入っていくのがいい。ごく自然に息づいていることの素晴らしさに気づくこと、そこに人生の究極がある」と言った。それは、あらゆる芸道の極意と同じ



あるがまま、ありのまま、そのまま、あたりまえ、今ここにいる、考えない、空っぽ、ゆったり。

著者から出てくる重要な言葉は、ほとんどが「ひらがな」です。その「ひらがな」の境地は、無心になるからこそ得られるように思います。

夢中になる、打ち込む、一心になる。これらを見つけて、日常生活で無心になるのが、幸せということではないでしょうか。

[ 2012/03/08 07:54 ] 神仏の本 | TB(0) | CM(1)
お会いしました
本を読み、大変興味を持ち、お寺に行きました。座禅をさせていただき、興宗住職とお会いできお話をさせていただきました。一生の宝物になりました。感動しました。毎日読んでます。また座禅をしに行きます。興宗住職ありがとうございました。
[ 2012/12/10 22:10 ] [ 編集 ]
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