とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響』ユーリ・バンダジェフスキー

放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ放射性セシウムが人体に与える 医学的生物学的影響: チェルノブイリ・原発事故被曝の病理データ
(2011/12/13)
ユーリ・バンダジェフスキー

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真善美の「真」を求めるのが学者、「善」を求めるのが宗教家、「美」を求めるのが芸術家だとすれば、「金」を求めるのは商人です。

今の世の中には、学者の仮面を被った商人が多くて困りものです(ちなみに、ひねくれ者の私は、商人の仮面を被った学者を目指しています)。ところで、この本の著者、ユーリ・I・バンダジェフスキー氏は、純粋に「真」を求める学者です。

チェルノブイリ事故被害者の内部被ばくを10年間、国からの援助や資金を受けずに、執拗に調査(病理解剖、臓器別放射線測定、汚染地域住民の健康調査など)し続けた、ベラルーシのゴメリ医科大学元学長です。

その姿勢が、ベラルーシ政府当局に嫌われ、1999年に不当に逮捕され、国際人権保護団体(アムネスティ)らの訴えにより、刑期途中の2005年に釈放された筋金入りの「学者」です。現在、ベラルーシを国外追放となり、ウクライナの病院に勤務されています。

放射能汚染に関する情報で、真実は何かを知りたくて、この本を読みました。その多くの真実を「本の一部」ですが、紹介させていただきます。


・放射性セシウムが土壌に浸透すると、植物にすぐに吸収され、食物と一緒に人間や動物の体内に入り込む。農産物の中でも、牛乳、キノコ類、ベリー類(液果類)、野生動物の肉のセシウム濃度は著しく高い

・高度汚染地域の住民調査では、年長の子ほど体内セシウム濃度が倍ほど高い。その理由は、セシウム137の半減期間が、年少の子より長いから。年少の子には、現行の食品規制に適合した食料を支給されているから

・男性は、女性よりはるかに多く、放射性セシウムが蓄積する。このことは、動物実験の結果やゴメリ州住民の体内放射能測定で確かめられている

・放射性セシウムの濃度は、妊娠中の母体でかなり高くなるが、胎盤が生理的防御壁になって、放射性セシウムが胎児へ移行することを防ぐ。しかし、その後、母乳を与えることで、放射性セシウムが子供の体内に取り込まれ、次第に蓄積していく

・放射性セシウムは、おもに腎臓から体外に排出される。体内に入ったセシウム137の80%までが1カ月以内に排出される。ただし、人体からセシウム137が半減するまでには、おおよそ70日かかる

・汚染地域に住む子供たち(生後14日~14歳まで)を対象に心電図検査を行った結果、心電図異常が高頻度(56~98%)に認められた。主に、心筋内伝導障害起因の不完全右脚ブロック、心筋の酸化還元反応混乱、心房内洞結節伝導系の自律機能障害による心電図異常

・汚染地域に住む子供たちの血圧を分析したところ、セシウム137の体内蓄積量が増すと血圧の高い子供の数が増えるという相関関係が認められた(汚染地域に住む子供の42%に高血圧の症状)

・チェルノブイリ事故後、突然死したゴメリ州の患者の部検標本を検査したところ、99%の症例で、心筋異常が存在することが明らかになった。特に注目すべきは、びまん性心筋細胞の異常である

・視覚器官は、外部からの放射線にも、内部被曝にも非常に敏感。汚染地域の村に住む子供の視覚器官を調査したところ約94%の子供の視覚器官に何らかの病理学的変化があった。特に体内セシウム137の量と白内障の罹患率の間には、正比例関係が明瞭に認められた

・セシウム137は、ネフロン構造の尿細管糸球体の血管系に悪影響を与える。なによりも、糸球体が構造的、機能的に破壊され、典型的な組織学的所見を呈する

・セシウム137が常に体内に取り込まれていると、甲状腺は十分に修復できず、細胞分化が阻害され、免疫反応の亢進に伴って、自己抗体と免疫適格細胞が甲状腺を傷つけ、自己免疫性甲状腺炎や甲状腺がんを発症する

・1995年のベラルーシでは、1976年に比べて、悪性新生物の発生率が腎臓で男性は4倍、女性は2.8倍、甲状腺は男性で3.4倍、女性で5.6倍になった。ゴメリ州は、腎臓がんの症例数は男性で5倍、女性で3.8倍、甲状腺がんの症例は男性で5倍、女性で10倍になった

・まず考慮すべきは、重要な臓器に対するセシウム137がもたらす毒性であって、他の放射性元素による障害ではない

・セシウム137は、まず心筋に取り込まれ、深刻な組織病変と代謝変化を引き起こす。公式の医学では、この事実を完全に無視している


放射能汚染による人体への影響は、何を信じていいのか、よくわからないのが現状です。広島、長崎の事例を出されても、事故の形態や規模も違うため、参考程度にしかならないように感じていました。

やはり、参考になるのは、チェルノブイリ原発事故です。その正確なデータ、症例を知ることが大事だと思っています。

それらの情報が、マスコミを通して、なかなか入ってこない状況下においては、ユーリ・I・バンダジェフスキー氏の著書は、信じられる確かな情報の一つではないでしょうか。

[ 2012/02/25 07:05 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)
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