以前、
古伊万里収集家のお家を訪ねたことがあります。興味が少しあることを話したら、実際に、本物に触れさせていただけることになりました。
その方の収集品は、大手出版社が「古伊万里の写真集」を出す時に、撮影依頼が来たほどのものです。実際に、その写真集には、その方の所蔵品の写真と、名前(○○△△氏所蔵品)が記載されています。
その写真集に出ている実物を最初に持たせてくれました(素手ではなく、白い手袋をはめたのですが)。少し緊張し、手が震えましたが、その感触を楽しめました。
古伊万里についての詳しい知識などありませんが、何とも言えない「
まろみ」と、楚々とした「
気品」を持ち合せた作品であることはわかりました。
その時、
「
これ、いくらだと思いますか?」
ときかれました。
突然のことで、戸惑ってしまいましたが、茶碗のような大きさなので、よくて500万円かと値踏みし、その方を喜ばしてあげようという心遣いも含め、
「
700万円くらいですか?」
と答えました。
すると、
「
これは、1300万円なんですよ」
と言われてしまいました。
その場は、
「
見る目がないので、失礼しました」
と取り繕うしかありませんでした。
さらに、次の所蔵品を持たせてくれました。その感触を確かめている時、また、
「
これ、いくらだと思いますか?」
と尋ねられました。
前の作品が1300万円だとすると、これは、それほどではないなと思い、サイズが小さいことも考えて、
「
200万円くらいですか?」
と答えました。
すると、
「
これは、150万円なんです」
と言われました。
またさらに、次の所蔵品も持たせてくれました。同様に、
「
これ、いくらだと思いますか?」
ときかれました。
前の2作品の値段が頭の中に入っていましたので、
「
70万円ですか?」
と、すんなり答えますと、
「
これは、80万円です。当たってきましたねえ」
と言われました。
古伊万里のことなど、全く知らなかったのに、初めに「いい作品」に触れると、
「いい」か「普通か」の検討がつき、ある程度
値踏みすることができるようになったのです。
偽物の見分け方、本物の見分け方(3)へ つづく
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