とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『心魂にひびく言葉-森信三語録』寺田清一

心魂にひびく言葉―森信三語録 (活学叢書)心魂にひびく言葉―森信三語録 (活学叢書)
(1995/01)
寺田 清一

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森信三氏は、神戸大学教育学部教授などを歴任し、平成4年に97歳で亡くなられた「教育哲学者」です。宇宙の哲理と人間の生き方を探求する「全一学」という学問を提唱し、全国各地で講演を行いました。

氏が講演したものが、「森信三語録」として遺されています。人間の生き方についての言及は、参考になるところが大いにあると思います。

「心魂にひびく言葉」は、13年前に読んで、本棚の隅にずっと置かれていたものですが、今回、久しぶりに読み直しました。

改めて参考になった箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・死の絶壁にボールを投げつけ、その跳ね返る力を根源的エネルギーとし、日々真剣に生き抜く

・死は人生の総決算である。肉体の朽ち果てた後に、なお残るものは、ただ、肉体が動いている間に為した真実のみ

・幸福とは求めるものではなく、与えられるもの。自己の為すべきことをした人に対し、天からこの世において与えられるもの

金の苦労を知らない人は、その人柄が良くても、どこか喰い足りぬところがある。人の苦しみの察しがつかぬからである

・書物に書かれた真理を平面的とすれば、「師」を通して学びえた真理は立体的

・自己に与えられた条件をギリギリまで生かす事が、人生の最大最深の秘訣

・金についての親の苦労が分りかけて、初めて稚気を脱する。それまでは結局、幼稚園の延長に過ぎない

・「わが身にふりかかることは、すべて天意なり」「この世に両方いい事はない」。この二つの真理によって解決できないことはない。これは、宗教と哲学が一如に溶解した境である

・人間は自伝を書くべきである。それは二度とない「生」を恵まれた以上、自分が生涯たどった歩みを、直接に血を伝えた子孫に書き残す義務があるからである

・教育とは流水に文字を書くように、はかない業である。だがそれを巌壁に刻むような真剣さで取り組まねばならない

・縦横無尽に受けた人生の切り創を通してつかまれた真理でなければ、真の力とはなり難い

・優れた人の特徴は、その徹底性持続性にある。少なくともこの二つを欠いては、真に優れた人とは言えない

・人は異質的両極に立つ思想を切り結ばせることによって、初めて生きた真理をうる

・野の思想家と呼べるのは、生涯定収がないにもかかわらず、しかも死の間際まで道を求めてやまなかった人

・人間形成の三大要因「1.遺伝的な先天的素質」「2.師教ないし先達による啓発」「3.逆境による人間的試練

・大事なことは、「見通しが利く」ことと「肚がすわっている」こと。この両者は関連は深いが、常に一致するとは限らない

・人間は才知が進むほど、善悪両面への可能性が多くなる。故に才あるものは才を殺して徳に転ずる努力が大切である

・人間の真価と現世的果報は、短い眼で見れば合致せずと見えるが、時を長くしてみれば、福徳一致は古今東西の鉄則である

キレイごとの好きな人は、とかく実践力に欠けやすい。実践とは、どこか野暮ったくて、時には泥臭いところを免れぬもの

・根本的原罪は唯一つ、「我性」。すなわち自己中心性である。そして原罪の派生根は三つ。「1.性欲」「2.嫉妬」「3.搾取



この本を読めば、何だか、心がピュアになっていきます。教育は、技術云々より、先生自身が良き見本にならない限り、生徒はついてきません。このピュアこそが、良き見本の代表なのかもしれません。

森信三氏の文章には、教育の実践者としての誇りを感じます。現在、何らかで教育する立場におられる方は、先生の先生と言われた、氏の文章に触れてみるのも悪くはないのではないでしょうか。
[ 2010/09/05 08:16 ] 森信三・本 | TB(0) | CM(1)
こんにちは
森信三氏、知りませんでしたが
良い言葉を残されていますね。
[ 2010/09/05 08:21 ] [ 編集 ]
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