とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『ランチェスター思考・競争戦略の基礎』福田秀人

ランチェスター思考 競争戦略の基礎ランチェスター思考 競争戦略の基礎
(2008/11/28)
福田秀人

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ランチェスター戦略はシェアを確保して、安定を図る戦略です。ランチェスターはもともと戦争における法則、理論なので、抵抗を感じる人も多いように思います。

しかし、デフレの時代においても、シェアの高い大企業の売れ筋商品は、売上を大きく落としていません。シェアの低い企業、商品が脱落していきました。

このビジネス分野の基本戦略を優しく解説したのがこの本です。ためになった箇所、即活用できる箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介します。

ちなみに、福田秀人氏の著書を紹介するのは、「見切る!強いリーダーの決断力」「成果主義時代の出世術」に次ぎ3冊目です



・衰退期を生き抜こうと決断した場合、その企業は、生存確率を高めるためのさまざまなステップを考慮しなければならない。典型的には、業界で最大の市場シェアを有する企業になっておくこと

・予期せぬ好機や脅威に対応するには、部下が自発的に行動することが必要である。部下の主導性(イニシアチブ)を発揮させる方が、整然と行動させるより、よい結果を生むことが多い

・ナポレオンが連戦連勝を続けているとき、その理由を問われ、「事実に基づいて判断しているから」と答えているが、これは判断の鉄則である

良い戦略「部隊に能力の限界を超す努力を要求せず、目標を達成できる戦略」。悪い戦略「部隊に能力の限界を超した努力を要求し、目標を達成できない戦略」

要職につけてはいけない人は、「戦いが嫌いな人」であり、「やれることしかやらない人」。ただし、怠慢とは違い、「やれることは熱心にやる人」

弱者の戦略「局地戦を選ぶ」「接近戦を展開する」「一騎打ちを選ぶ」「兵力の分散を避ける」「敵に分散と見せかける陽動作戦をとる」

・弱者の戦略は、新しい商品を市場に出して参入する場合、新しい地域に出店する場合、新しいマーケットに参入する場合など、常に新しいものの開発や参入の場合の基本的な発想の原点となるルール

・顧客のセグメンテーション「スキミング層(3~4%)」年収1000万円以上「イノベーター層(10~15%)」扱いにくいグループ「フォロアー層(30~35%)」中間的、平均的であるのに満足「ベネトレーション層(40~45%)」年収300万円以下

・新規開拓のさいは、攻撃の主体をナンバー2に集中していく。この攻撃による新規開拓の成功例が、分析の結果、確率的に非常に高い

・大量販売を追求する近代ビジネスは、終焉するどころか、ますます勢いを増し、「集中と標準化の巧拙」が企業の命運を左右する状況が続いている

・「大きいことはいいこと」「商売というのは、結局、最後は量。量よく質を制すという一面を持っている」

規模と範囲の経済は、大企業にコスト優位を与える。顧客の価格弾力性の高いマーケットでは、大企業は一部を顧客に還元できる。この結果、小企業は大企業が扱っていないニッチへ追い込まれる。小企業が大企業の生産費用に対抗するには、成長する必要がある

戦いの勝ち方は、ナンバーワンをいくつもつかにかかわる。強者であれ、弱者であれ、勝利を得るためには、細分化した領域で、ひとつでいいから、個別にナンバーワンを勝ちとっていかなければならない

ナンバーワンになる順序は、弱者の戦略「地域で№1→得意先の№1→商品の№1」、強者の戦略「商品で№1→得意先の№1→地域の№1」

・一点集中で突っ込むのが「グーの戦略」。多様な展開をするのが「パーの戦略」。多様化を見直し、整理するのが「チョキの戦略」。導入期は「グーの戦略」成長後期は「パーの戦略」成熟期は「チョキの戦略」

・自分が強者なのか弱者なのかを、はっきり数値で認識する

勝ち目のないところに力を入れていれば、他で勝つチャンスを逃す

マーケットシェア率が、あるレベルを超したなら、安全性、利益率、持続可能性、拡大可能性、成長性が飛躍的に向上する

・小さくてもナンバーワンになれる。ないし、なっている得意分野を見つけ、それを起点に、ナンバーワンの領域を広げていく

・先発のやることをじっと見ていた後発組は、デモンストレーションの時期をチャンスと見てとり、間髪を入れずに参入してくる

・特許申請は、技術やノウハウを詳細にさらすため、裏目に出ることが多い



ランチェスターという名前だけを知っている人が新たに勉強するのに、この本は最適です。経営戦略に携わっている人にとっても、得るものが非常に多い本です。

ランチェスターの戦略は、現代のビジネス戦争の「孫子の兵法」かもしれません。ビジネスで競争しなければならない人たちにとって、欠かすことのできない必須の法則、理論だと思います。
[ 2010/07/29 06:42 ] 福田秀人・本 | TB(0) | CM(0)
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