著者を紹介するのは、「
ゼニの幸福論」「
青木雄二金言集」に次ぎ3冊目です。著者は、お金で苦労を重ねた後に、お金の名作を数々に生み出されました。お金とは何かを熟知されています。
著作には、表と裏で言えば、主に裏の部分が多いですが、お金には変わりません。この本を読み、お金で参考になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。
・「
逆欲」を張ること。最安値で買い叩いた時でないと儲けは出ない。江戸で大火事があった時「禁煙のお触れ」が出て、この時に大金持ちになった男は、お触れを逆手にとって、キセルを買い占めた男であった
・平均値というバーチャルな数字を持ちだすことを政府は好む。バーチャルな
平均市民を仕立てておけば、つらい貧乏を経験則で味わい尽くした民衆の一揆、逆襲を緩和できる
・農業の時代は、農民からいかに効率よく生産物を搾取するかが「経済」であり、工業の時代は、市民の工賃をいかに搾り取るかが「経済」であった
・支配者がでたらめな
税金の使い方をしたその穴埋めを、被支配者がする。まさに古代から続いている「経済」に他ならない
・資本主義とは、借りたものは返さねばならない社会。これは子供でも知る道理。日本は社会主義的要素を濃くしている。完全な資本主義を確立できないまま資本主義を終焉するのであろう
・労働なしに
金が金を生む世界に一度ハマったら、これは薬物よりも怖い
・怖いのは、モラルの没落。これが国を徹底的に荒廃させる。この国が野蛮な国になるのを恐れている。
秩序のない国に「金儲け」という言葉は成立しない
・才能とは「
カネが集まるところに集まる」もの
・就職をするのなら、
労働の強度が弱い公務員を選ぶこと。一般企業であれば、労働の強度がキツイ仕事は、給与面でも待遇面でも低いことになっている
・働きの度合いに応じて分配されるはずの富が、資本主義ニッポンでは、そうはならない。働かせる側、上に就く側が、いい仕事といい給料を取っていき、最後に残った
いやな仕事を下の者が奪い合う仕組みになっている
・金持ちというのは、
ギャンブル係数が低い。
貧乏人の自滅こそが金持ち連中のメシのタネになっている
・世界の大国は、世界に散らばった自国の企業の利益や特権を守るために、軍事力を使って、その国の政府に圧力をかけている。労働力や土地が安い情勢不安定な国でビジネスをしようと思ったら、まず軍隊
・神とは人間にほかならない。古来、その国、地域を支配する人間は、その都度、神と交信するだの、神の意思だのと偽って、自分の都合のよいように政治を行ってきた
この本には、日本の政治体制の中で、どう仕事を選んで、どう金儲けをしたらいいかが書かれています。
長い人生、損したくない、騙されたくないと考えるのであれば、著者の作品を何冊か読む価値があるように思います。