とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『実戦!「困った上司」とつき合うヤクザ式心理術』向谷匡史

実戦!「困った上司」とつき合うヤクザ式心理術実戦!「困った上司」とつき合うヤクザ式心理術
(2005/01)
向谷 匡史

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向谷匡史氏の著書を紹介するのは「武道に学ぶ必勝の実戦心理術」に次ぎ、2冊目です。今回の本は、サラリーマンの出世術がテーマです。

日本的な縦社会の組織を完璧に構築しているのが、ヤクザの組織でないかと前から考えていました。

そして、学歴など無用の世界で、何を規準にして出世していくのか、以前より興味がありました。

そういう考えや興味で、この本を読んだのですが、ヤクザの社会が特別なものではなく、一般の会社内で起こることと、さほど変わらないことがわかりました。ヤクザ社会では、よりストレートに結果があらわれるだけのことのように思いました。

この本を読んで、出世術で、役に立った箇所が25ありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・「今夜は無礼講」は、上司の悪魔の囁き。真に受けたら人生は終わる。無礼講と言われたら、いつも以上に気をつかうこと。これが鉄則

・「まかせる」と上司から言われたら要注意。ドジを踏めば「勝手なマネしてどうするつもりだ」が、組織における「まかせる」の正体。「オレは聞いていない」と上司に言わせないためのアリバイをつくっておくこと

熱血漢上司についたら、まず従うこと。そうしておいて、熱血漢に神経を尖らせる主流派に対して、上司の是非を論評せず、「部下の立場で責務に全力を尽くすのみ」とのメッセージを送っておく。これが保険となり、熱血漢上司が失脚しても生き残ることができる

・酒席での上司批判や会社批判は、いわば女房のグチをこぼすようなもので、お互い聞き流すのが暗黙のルール。本気にするほうがどうかしている

・出世競争の世界にいながら、サラリーマンは意外に会話には無防備。酒席で、悪口の尻馬に乗ってペラペラやるのは、他人に弱みを握られることであり、これを怖いと思わないのはおかしい。ヤクザは相槌一つにも命を懸け、出世の階段を上っていく

・「皮肉屋の上司に悪人なし」皮肉屋上司は見かけと違って人情家が多く、面倒もとことん見てくれる。注意すべき相手は、褒め言葉を装いながら部下のケツを叩く上司。衣の下の鎧である

パシリ仕事ほど、命じる上司は部下の態度に神経を尖らせている。だから、有能な部下は、パシリ仕事に不快な顔をしない。自分を認めさせる絶好のチャンス

・職人型上司が率いる部課は、仕事の質において社内外の評価が高い。数字に直結しないのは上司の責任であると社の上層部は知っている。その部課に所属することが、優秀な社員を引き抜く草刈り場となっていることに、社員自身が気づいていない

・仕事で失敗したときのポイントは、「上司に対する言い訳」ではなく、「上司が上司に言い訳できる理由」を考えて話すこと

・部下はまず、切れ味の鋭い道具になることを目指すべき。素晴らしい道具になれば、大工のみんなが使いたがり、引っ張りだこになる。これがステップアップにつながり、やがて、道具を使う大工になっていく

・決断のための一瞬の間を演出して、「やらせていただきます」と決意の返事をする。この一瞬のタイミングがポイント。二つ返事や立て板に水は、かえって信用を損なうもの

・上司も人の子。貧乏クジを引かせるなら、強そうに見える部下は敬遠し、弱そうに見える部下を選ぶ。強い「若い衆」に見られる雰囲気や言葉遣いが必要

・夢が実現可能かどうかは問題ではない。こいつについて行けば、自分の将来が開けるかもしれないという期待感を同僚に抱かせればいい。同僚に認められない人間は出世できない

ワンマン上司は、部下の進言で翻意するのは、プライドが許さない。だから説得してはいけない。経過報告という形で事実だけを告げる。ワンマン上司は有能だから、事態を呑みこめば、的確な判断を下す

・部下の提案はことごとく却下。やる気がないくせに、地位にしがみついている上司には、事前了解を求めるからノーの返事になる。既成事実先行、ワンテンポ遅らせて事後報告にする

・正論で人を説得しようとする人間はマヌケである。正論を受け入れるということは、自分の主張が間違っていたことになるからである。人を説得し、意に従わせるには、正論を正論に見せないようにすることがポイント

・戦略もなく、努力もせずして、意見が通らないと言ってボヤくような人間は無能であり、仕事などできるわけがない

・自慢話を得々とさせる。そうしておいて、「実は」と相談をぶつ。たいていの上司は「やってみろ」と言う。そう言わなければ、上司としての立場がなくなる

・「知ってる、知ってる」としたり顔で言う上司には、「ご存知かとは思いますけど」と枕を振れば、必ず返事はイエスとなる。その後に、意図する案件や頼み事をぶつければ、たいていうまくいく

・職場を見まわして、勤続年数を重ねただけの上司がいたら、それは大発見。リスクのある仕事を担当するときは頭になっていただき、失敗したら責任を取っていただくのもいい

・どんな嫌われ者でも、地位に応じた権限を持っている。凡人はこのことを忘れ、いい上司に群がる。結果として、取り入る競争率はうんと高くなる。嫌われ者の上司は誠実だから、みんなに煙たがられているだけ。嫌われ者の上司ほど自分にはチャンス

・上司からプライベートな質問をされて喜ぶようでは脇が甘い。部下の日常生活に興味を抱く狙いは、ヘッドハンティングの警戒、組合運動への牽制、リストラに向けた布石であり、決してハッピーなものではない

・直属の上司(例えば課長)の不正を知ったとき、部長に密告するのは御法度。部長は決して喜ばない。直訴が功を奏するかは、部長にとって、それを知ることが得なのか損なのかにかかっている

ヤバい仕事が回ってくる部下は、有能でも無能でもなく、ボーダーラインに立つ部下である。でも、ヤバい仕事が回ってきたときはチャンス。その仕事を成功させることができれば、ボーダーから抜け出し、ランクアップできる

・カリスマとは、凡人がマネのできない人間のことを言う。多くの若い衆は、このことに気づかず、マネのできないカリスマをマネしようとする。矛盾であり、無駄な努力である。だから、いつまで経っても成長しない



上司の良し悪しを嘆く前に、出来の悪い上司性格の悪い上司についても出世していくことがサラリーマンには求められます。

上司を選ぶことは、なかなかしにくいものです。上司の性格や立場を見抜いて、対処する術が必要不可欠です。

この本は、30代前半以下の社員が読むと、将来が得になる書だと思います。組織の中の人間関係の綾を学ぶには、最適の本ではないでしょうか。
[ 2010/06/17 07:03 ] 向谷匡史・本 | TB(0) | CM(0)
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