とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『ビジネスに生かすギャンブルの鉄則』谷岡一郎

ビジネスに生かすギャンブルの鉄則ビジネスに生かすギャンブルの鉄則
(2001/03)
谷岡 一郎

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著者は、ギャンブル研究の第一人者であり、大阪商業大学の学長も務められています。

ギャンブルは、学問としては、陽の目を見ない存在かもしれませんが、古今東西、人間の営みの中には、必ず存在するものです。

宝くじ、競馬、パチンコだけでなく、債券や証券の投資だって、リスクを背負うという意味では、立派なギャンブルです。

直接、間接を問わず、われわれは、何らかのギャンブルと関わって生きています。

この本は、ギャンブルがビジネスにどう生かされるかについて書かれたユニークな本です。でも、真面目な本です。

今回、この本を読んだ中で、ためになった箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・競争社会とは、偶然とランダムの支配する社会である。計画は常に狂うし、どんな経済学者にも予想しえないことが必ず起こる。ビジネスだけでなく人生にも起こる。真のギャンブラーとは、それらに対処できる人間

・リーダーは哲学を持ち、そして同時に「良いギャンブラー」でなくては務まらない。人が良いだけで、まとめ役をするだけで、トップでいられた時代は終わっている

・個人レベルでは、ギャンブルを理解せずギャンブルすることが最も危険。国家レベルでは、チャレンジすべきタイミングにチャレンジしなくなることが一番危険

・「才能は必然であっても当たりを引くのは偶然である」「チャレンジなくして当たりは引けない」という二点が重要

・努力すればその人は必ず報いられるというのは教育者にとって便利な言葉。人智を超えた運・不運はどうしようもない

・資本主義社会において、より大きな富を求めて一定の投資をすることは必要条件であり、善行。投資は巡り巡って、社会全体にとってプラスとなり、多くの人々の生活を向上させる

・初期の「資本主義の精神」は、「勤勉」「節約」「蓄積」「再投資」の四点に集約できる。キリスト教では、金儲けは悪であったが、「勤勉・節約」した結果の利益「蓄積」は肯定された。さらに「再投資」も肯定され、アメリカ発展を支えた資本主義が誕生する

・ギャンブルにおける「賭け金」も、ビジネスにおける「資本投下」も、「金を儲ける」ことが目的。金を儲けるのは、お金を増やすことではなく、「目標を定めてそれに向かって利益を集める」こと

・ギャンブルには、ビジネス(お金を儲ける)には存在しない目的であるところの、プロセスを楽しむという、もう一つの目的がある

・ビジネスはコツコツと積み重ねる努力の結果。つまり、必然であるのに対し、ギャンブルは偶然の結果である。しかし、「偶然」の意味がかなり誤解されている

麻雀が強い人の特徴
「自分の手より、場をよく観察する」「勝負手とオリる手を適度に混合する」「基本的に防御が中心」「他人の点棒を計算し、目標に従って手を作る」「じっくり待つ」

麻雀の弱い人の特徴
「場を見ず、自分の手ばかり見る」「どんな手でもあがろうとし、安い手でもオリない」「計算に弱い」「負け始めると、取り返すため高い手ばかり狙う」「ぐちる、言い訳する」

・いくつかの選択肢を適当な割合で混合する戦略を「混合戦略」と呼び、期待値の高い戦略セットを「適正混合戦略」と呼ぶ

・一晩ですべてをなくす人の一番の原因は、「負けを取り戻そう」とすること。この思考回路はギャンブルにおいて最も危険なもの

はまりゆくパターン
「1.勝ち経験→自信+甘い経験」「2.負け続け→金額アップ」「3.借金雪だるま→逃避」

・はまりやすいタイプ
思い込みの激しい人」「プライドの高い人」「意志が弱い人」「真面目だが仕事でうだつがあがらない人」「理屈っぽい人」「数字に強いが認識の甘い人」

・負けが続くとき、大成功を求めるのではなく、失敗を減らす「ミニ・マックス戦略」に切り替えることが重要。派手な成功物語は、現実社会では役に立たない。成功は「単なるツキ」だった可能性が高い

・15戦のうち10勝ならば勝ちすぎ。人生9勝6敗なら万々歳

・もし、この1年間で1回も失敗していないなら、チャレンジは十分ではない。われわれは基本的にギャンブラー。このギャンブラーの目的は楽しい人生を送ること



日本人は遊びもすべて「道」にして、仕事や人生の延長線上として考えます。ギャンブルを単なる遊びとして考えるか、ギャンブル道として考えるかは自由です。

この本を読めば、勝負事に勝つためには、「目標」「観察」「攻守戦略」「我慢」が重要であることがわかります。この要素は、勝負事に限らず、仕事でも人生でも、全く同じです。

そう考えると、ギャンブルは道なのかもしれません。仕事や人生に生かしていけるように思いました。
[ 2010/06/13 07:28 ] 戦いの本 | TB(0) | CM(0)
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