とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『世界に誇る日本の道徳力-心に響く二宮尊徳90の名言』

世界に誇る日本の道徳力―心に響く二宮尊徳90の名言世界に誇る日本の道徳力―心に響く二宮尊徳90の名言
(2006/10)
石川 佐智子

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二宮尊徳(幼名金次郎)は戦時中、軍事教育にも利用されたためか、現在はあまり人気がありません。二宮金次郎の銅像も学校からほとんど消えてしまいました。

しかし、二宮尊徳の書物を読むと、大変素晴らしいことが書かれています。実践で生まれた、生きる知恵やノウハウの宝庫です。

お金の儲け方、お金の増やし方、お金の使い方についても数多く言及されています。

江戸時代末期に活躍したにもかかわらず、勤勉、質素倹約などの精神は、キリスト教のプロテスタンティズムの倫理に通じるものがあります。

この本は、二宮尊徳の語録や夜話を90に絞って、書かれています。二宮尊徳の教えが簡潔にまとめられています。

「本の一部」ですが、ためになったところを紹介したいと思います。



・大事をなしとげようと思う者は、まず小さな事を怠らず努めるがよい。それは、小を積んで大となる(積小為大)から

・自分が早起きをして他人を起こすか、あるいは他人に起こされるか、その得失は一割掛ければこのとおり

・米の多い原因によって、貸し金をつくり、貸し金の原因によって利息を得る

・富をみて直ちに富を得んと欲する者は、盗賊鳥獣に等しい。人はすべからく勤労して、しかる後に富を得ること

・貧者は昨日のために今日つとめ、昨年のために今年つとめる。それゆえ終身苦しんでも、そのかいがない。富者は明日のために今日つとめ、来年のために今年つとめるから、安楽自在ですることなすことみな成就する

・むやみに倹約するのではない。変事に備えるためだ。貯蓄が目的なのではない。吝か倹かは、いわずと明らか

・衰えた村を復興させるには、篤実精励の良民を選んで大いにこれを表彰し、一村の模範とし、それによって放逸無頼の貧民が化して篤実精励の良民となるように導く

・今日のものを明日に譲り、今年のものを来年に譲るということをつとめない者は、人であって人でない。宵越しの銭は持たぬというのは、鳥獣の道であって、人道ではない

・奪うに益なく譲るに益あり、これが天理

禍福吉凶というものは、人それぞれの心と行いとが招ところに来る

・徳に報いる者は、今日ただいまの丹精を心掛けるから自然と幸福を受けて、富貴がその身を離れない

・身分の高い者、富んだ者が、その分を守って余財を推し、これを身分の低い者、貧しい者に及ぼしたなら、天の気が下にはたらき、地の気が上へはたらき、両々相まって世の中の生活は日に豊かになり、国家は必ず治まる

・勤業して分を譲り、人のためにするものは倹約である。私欲から財を惜しみ、己のためにするものは吝嗇である

・聖人は無欲ではない。実は大欲であって正大。賢人がこれに次ぎ、君子はその次。凡夫のごときは、小欲のもっとも小なるもの。学問は、この小欲を正大な欲に導く術。大欲とは、万民の衣食住を充足させ、人々の身に大きな幸福を集めようと欲すること

・大道は水のようなもので、世の中を潤沢して滞らない。そのような大道も書物にしてしまうと、水が凍ったようなもので、少しも潤いにならず水の用をなさない

・善心が起こったならば、すぐ実行するがよい。およそ、世は実行によらなければ事は成就しないからだ

・愚かな者でも、必ず教えるべきだ。従わなくても怒ってはならない。また捨ててはならない

・本来ことごとく外の色あいから自分の色が知れるのである。一切万々、自分の善し悪しは人が見ているもので、自分は案外知らないものである

・世人の好き嫌いは、半面を知って全面を知らない。これまさに、半人前の知識。どうして一人前ということができよう



銅像の二宮尊徳のイメージとは、少し違ったように思われたのではないでしょうか。宗教家兼コンサルタントのような存在だったと思います。

しかし、口先ではなく、自ら現地に暮らし、手本を示し、農民とともに歩んだ実践コンサルタントだったので、皆から慕われたのだと思います。

実践から得た言葉は重みがあります。真面目に読む価値はあると思います。



[ 2009/08/10 08:38 ] 二宮尊徳・本 | TB(0) | CM(0)
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