とは学

「・・・とは」の哲学

『最高の自分を鍛えるチームの力』平井伯昌

最高の自分を鍛えるチームの力 なぜ、競泳日本は11個のメダルを取ることができたのか?最高の自分を鍛えるチームの力 なぜ、競泳日本は11個のメダルを取ることができたのか?
(2012/10/25)
平井 伯昌

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著者は、ロンドンオリンピック競泳のヘッドコーチ。競泳メダル総数11個の陰の立役者です。

スポーツの監督やコーチの本が非常に面白いのは、目標に向かって、何が最適かをフィジカルとメンタルの分野を徹底研究しているからで、経営の本が、どんどん薄っぺらになっているのと対照的です。

本書には、具体的な選手の名前も出てくるので、マネジメント手法が目に浮かぶようで、すらすら読むことができます。その一部をまとめてみました。



目標を言えるくらいの自信と準備をしないとメダルは狙えない

勝負師は、自分の手を崩してまで相手を攻めるずる賢さを持っている。プレッシャーをかけて相手の泳ぎを崩すのが勝負師。勝負師としてひと皮むけたら、大きく飛躍する

・人に勝つのではなく、自分に勝つこと。自分に勝つとは、自問自答の繰り返し

・頭の中に悪魔と天使が棲んでいる。悪魔は「こんな辛い練習、やめてしまえ」とそそのかす。天使は「負けないでもっと頑張れ」と励ます。選手の日常は、そうした葛藤の連続

・教育の現場では、ティーチングコーチングの使い分けが求められる。ティーチングは一方通行の指導法。選手に頑張るクセ、学ぶクセをつける上で、非常に大切

・ティーチング(基礎)はレベルが低く、コーチング(応用)はレベルが高いのではなく、次のステップに行くとき、ティーチングに戻ることも必要。応用の次にまた応用を行うのではなく、応用の後にまた基礎に戻って、がむしゃらにやることも大切

・大学生までの間に、努力して伸びる経験を重ねさせると、自主的に努力する大人になる

・ティーチングは重要だが、コーチの指示がないと何もできない「指示待ち人間」を作る。教えて、ある程度できたと思ったら、自分で考えさせ、壁を乗り越えさせるコーチングに入る。そこで「まだ教え足りない」と感じたら、またティーチングに戻ればいい

・トップレベルでは、心技体の中で、心が勝敗を分ける。トップ選手になると、技術と体力に大きな差がなくなるから、心=メンタルの強化が叫ばれる所以

・メンタル強化で一番大事なのは、自分にウソをつかない強い心を育てること。もっと頑張れるのに「これ以上無理だからやめよう」とウソをつく選手は強くなれない

・オリンピックを狙うレベルになったら、ほめて伸ばすのは幼稚なやり方。ほめるよりも正しく評価することが選手の成長につながる

・勝負の世界では、目先の戦術に捉われないで、戦略的な視点を持つことが求められる

・ゴールから逆算することで、練習が戦略的になる。目標を達成するまでに、いくつかの段階があり、そこには毎日クリアすべき小さな課題がある。小さな課題解決の戦術があるが、戦術の積み重ねから戦略を立てるのではなく、戦略から逆算して戦術を作るのが正解

・やる気や意欲を引き出すきっかけの一つは、小さな成功を見つけてあげること。「愛情の反対は無関心」(マザー・テレサ)の言葉があるが、関心を持たれないことが一番ショック

・やる気はないと困るが、モチベーションが高くなりすぎたときは要注意。やる気がありすぎると、いつも以上の力を出し切ってしまい、それが故障や疲労の引き金になる

・「いいときは慎重に、悪いときは大胆に」これが指導の基本の一つ

・選手は、できること、好きなこと、得意なことだけやろうとするが、世界で勝つには、短所の克服が絶対条件。選手に不得意な練習をやらせている間は、普段以上に指導者が評価をしてあげることが重要

・指導者は「計画どおり」立てたプランのプロセスを守ることではない。目標から逆算してプロセスを変えて再施行することが大事

人間形成ができてくるとメンタルも強くなる。他人を尊重しながら、自らを謙虚に振り返るようになると、選手として一段と成長できる

自分と戦って勝利した満足感こそが大きな達成感につながる。自分に負けないで信じた道を進む大切さを教えてくれるのが、スポーツの素晴らしい点



世界のトップレベルの選手たちは、どんな練習をしているのか、どう自分を奮い立たせているのかがよくわかる書でした。

どんな世界でも、克己心が重要。その克己心が育った人が、名伯楽に出会ったとき、大きな花を咲かせるのではないでしょうか。


[ 2014/07/23 07:00 ] 出世の本 | TB(0) | CM(0)
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