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「・・・とは」の哲学

『逆境に強い心のつくり方・システマ超入門』北川貴英

逆境に強い心のつくり方 システマ超入門―ロシア軍特殊部隊が生んだメソッド (PHP文庫)逆境に強い心のつくり方 システマ超入門―ロシア軍特殊部隊が生んだメソッド (PHP文庫)
(2013/06/05)
北川 貴英

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本書は、武道愛好家の中で注目されている「システマ」というロシア軍特殊部隊で使われている技術と、その実社会面での使い方について解説したものです。

特に、窮地における心の落ち着かせ方、身の守り方、対立を避ける方法、群集心理から離れて自由な発想を養う方法など、生きる上で役に立つことが記されています。参考にすべき点が多々あり、その一部をまとめてみました。



・システマの格闘術や呼吸法は、「体力をつけ、精神力を高めることで、攻撃しない人間になる」ためのもの。自分を殺しにきた敵さえも癒してしまう技術

・少しでも緊張や不安、怒りなどを感じたら、すぐにブリージング(鼻から息を吸い、口をすぼめて「フッー」と軽く音を立てつつ吐く呼吸法)をする。タイミングに悩む必要はない。思い立ったらすぐにブリージングする

殺人事件の大部分は、素性をよく知る人との感情的なこじれが発端。まずは、感情的にならず、リラックスして人と接し、円満な人間関係を築いていくことが確実なサバイブをもたらす護身術

・システマで学ぶマーシャルアーツ(格闘術)の技術はすべて、誰かを傷つけないことを最終的な目的としている。それは「破壊の否定」。目指すべきは、対立関係を速やかに終わらせ、誰ひとり傷つくことなく無事に生きて帰れるようにすること

・攻撃を受ける時、恐怖心が芽生える。それに伴い、筋肉が緊張し、脈拍が速まり、呼吸が浅くなり、視野が狭まり、頭の中が真っ白になる。マーシャルアーツは、他者による精神的ストレスが迫る中で、冷静さとリラックスを保っていくのかを自分に問いかける練習

・普通とは、「余計な緊張がない状態」と言い換えられる。恐怖心をコントロールすることで、普通の精神状態を保つことができる

威嚇とは、相手の精神に揺さぶりをかける行為。だから、威嚇を受けた際に、怒りや恐怖心を抱き、動揺してしまった時点で、威嚇が成功したことになる。予想通りに事が進むことで、相手は安心し、さらに強い態度に出て、自分の要求を強く主張してくる

・威嚇してくる相手に逆に動揺を与えるには、こちらが動揺しないこと。威嚇されても動じることなく、落ち着いているだけで相手は混乱し、恐怖心が芽生える。ここで威力を発揮するのがブリージング。身体と心をリラックスさせた後に、話し合いに応じること

・自分の身体にどれだけ怒りが溜まっているかをチェックするには、ミゾオチに指を差し入れてみるといい。指が入らなかったり、吐き気がするほど不快感があれば、黄信号。こうした緊張をほぐしていくことで、怒りにくい状態に整えていくことができる

リラックスしすぎもよくない。身体が緩んで重くなり、動くのが億劫になる。気力も萎えて、行動力や決断力が鈍る。身体が緊張しすぎれば動きは硬くなるし、リラックスしすぎれば今度は重く鈍くなる。いずれにせよ、スムーズで自由な動きが損なわれる

速く動くためには、ゆっくり動く必要がある。一見遠回りにも思えるこのプロセスは、無駄を省き、最小限の労力と手間で、最大限の効果を得るための一番の近道

・必ず3割程度の余力を残し、力尽きても、必ず回復して力を取り戻すようにする。動きを止めることは、戦場では死を意味する。余力を残すことで生存率は高まる。全力を尽くしても、途中で力尽き、燃え尽き症候群になっては、理想を実現するのも困難となる

・大切なのは、一点に意識を集中してしまわないこと。意識を一つの対象に集中させることで姿勢が曲がり、視野が狭まり、致命的なミスに繋がる危険性が高まる。周囲の360度に意識を向けつつ、リラックスし、止まることなく動きを続けていくようにする

・人の上に立つ人は、まず自分自身が落ち着き保つ必要がある。リーダーの役目とは、学校の先生のようなもの。騒ぐ子供達に言うことを聞かせるには、まず注目を集めなくてはならない。一緒になって騒いでいたら、自分に注目させることはできない

・毅然とした態度で呼びかけ、誰がリーダーであるかを再認識させ、部下たちの意識を束ねた上で、的確な指示を出せば、チームは大きな力を発揮する。適切な判断力を持つリーダーが「大きな脳」の代わりを務めることで、群集心理の持つ性質がプラスに転じる

・人は遠くに行こうとすればするほど、多くの人の助けを必要とする。近所のコンビニであれば、一人で行けるが、エベレストに登頂するには、多くの人との助け合いが必要

・カチンときて、言い返してしまうのは、相手の影響下に入ってしまったことを意味する。



感情をコントロールして、精神を落ち着かせることは、人間としての修行かもしれません。武道で訓練することで、その領域に達することが可能です。

心技体のバランスを保ち、堂々とできることを目標に生きることは、大切なことではないでしょうか。


[ 2014/06/23 07:00 ] 戦いの本 | TB(0) | CM(0)
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