とは学

「・・・とは」の哲学

『メゲそうなこころを支える三十一文字』花車肇+DEN

メゲそうなこころを支える三十一文字―「世間」や「人生」がわかる庶民の処世の知恵『道歌』の事典メゲそうなこころを支える三十一文字―「世間」や「人生」がわかる庶民の処世の知恵『道歌』の事典
(1996/03)
花車 肇、DEN 他

商品詳細を見る

昔の庶民が、五七五七七の三十一(みそひと)文字に表した「道歌」は、世間や人生がわかる処世の宝庫です。

この道歌を600以上集めたのが本書です。思わずうなってしまう歌が多く、「昔の人は偉かった」と感じさせられます。その一部をまとめてみました。



・「塵を呑み 芥を入るる 大海の 広さが己が 心ともがな」
塵や芥のすべてを受け入れる、あの広い海のように、人の心もあればよいのに

・「おのが目の 力で見ると 思うなよ 月の光りで 月を見るなり」
月が見えるのは、自分の目がよいからではない。月が照っていてくれるからである

・「わがばかを ばかと心の つかざれば 人のばかおば そしる世の中」
自分の愚かさを知って、その愚かさに謙虚になれない人は、他人の愚かさを攻撃したがる

・「器用さと 稽古と好きの 三つのうち 好きこそものの 上手なれ」
上手になるための三つの条件「器用さ」「稽古」「好き」の中で、好きであることが一番

・「堪忍の 袋を常に 首にかけ 破れたら縫え 破れたら縫え」
堪忍袋をいつも首にかけていよう。堪忍袋は破れやすいので、破れたままにしないこと

・「可愛くば 二つ叱って 三つ褒めて 五つ教えて 善き人にせよ」
ただ叱って教えるだけでは効果がない。二つ叱ると三つ褒め、それから五つ教えること

・「我という 垢の衣を 脱ぎぬれば 天晴れ清き 神の御姿
過去を思い切って捨て去ってしまえば、誰だって、清らかな、神にも似た姿になる

・「十人は 十色なりける 世の人の 誠は心 一つなりけり」
十人十色という諺があるが、人の心の誠は、ただ一つのものしかない

・「長者山 上りて奢る 道へ出ば もはや下れぬ 坂と知るべし」
徳の高い金持ちでも、道を間違えて「おごりの道」に出てしまうと、再び元へは戻れない

・「貧しくて 心のままに ならぬのを 憂とせぬのが 智者の清貧
俗な世間にへつらわず、そのために貧乏をしても、節操を高く生き、少しの後悔もせず、悔しい思いもしないというのが、本当に知恵のある人の生き方

・「大石に つまづくことは なしとても 小石につまづく ことな忘れそ」
大きな石は用心して、つまづくことはないが、小さな石は見過ごし、つまづいてしまう

・「用心の 良いも悪いも その家の 主ひとりの 了見にあり」
一家の主が用心深いかどうかによって、その家の繁栄するかどうかが決まる

・「美しき 花に良き実は なきものぞ 花を思わず 実の人となれ
うわべや外観だけをきれいに飾る人でなく、人間として実のある人となるべき

・「我を捨てて 人に物問い 習うこそ 智慧をもとむる 秘法なりけり」
賢くなるための秘法は簡単。自負心や我欲を捨てて、知っている人に尋ね、習うだけ

・「算盤は 嘘をおかさず 無理させず かれにまかせば 家内安全」
そろばんで、日々の暮らしを立てておれば、もうそれだけで家内安全

・「身は軽く こころ素直に 持つ者は あぶなそうでも あぶなげはなし
行動が早くて、素朴で、穏やかであれば、一見危なそうでも、危なげない日々が送れる

・「学問は 人たる道を 知るためぞ 鼻にかくるな はなが折れるぞ」
学問するのは、人の道について知ること。道から外れた学問自慢をするな

・「手を打てば 下女は茶を汲む 鳥は立つ 魚寄り来る 猿沢の池」
猿沢の池の端で、人が手を打てば、茶店の女が客が来たと茶を汲み、鳥は驚き、魚はやってくる。同じ手を打つ行為なのに、三種の反応があるということ

・「掃けば散り 払えばまたも ちりつもる 人の心も 庭の落ち葉も」
人間の心の中には、掃いても、払っても、つまらない考えが、積もっていく



以前、「道歌教訓和歌辞典」「三十一文字に学ぶビジネスと人生の極意」という書を、本ブログでとり上げました。

これらも併せて読んでもらえたら、「道歌」という面白い世界が、より一層広がってくるのではないでしょうか。


[ 2014/05/28 07:00 ] 芸術の本 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL