とは学

「・・・とは」の哲学

『千年のまなざし』坂村真民

千年のまなざし―未来を開いてゆく愛と平和のために千年のまなざし―未来を開いてゆく愛と平和のために
(1999/01)
坂村 真民

商品詳細を見る

年末に、NHKのラジオ深夜便に、坂村真民さんの娘さんが出演されていました。坂村真民さんは、毎朝、「念ずれば花ひらく」の石碑に手をかざし、詩のインスピレーションが湧いてくることを祈り願っていたそうです。

一行、一節の短い文に秘められた作者の大きな思いを感じることが詩の醍醐味なのだと思います。

坂村真民さんの本」を紹介するのは、これで5冊目になります。本書は、既存の詩集に入っていないものを収めたものです。その一文をまとめてみました。



・「一心」 限りある命だから 蝉もこおろぎも 一心に鳴いているのだ 花たちも あんなに 一心に 咲いているのだ わたしも 一心に 生きねばならぬ

・「」 孤が 人間を磨く 人間を 本ものにする 孤雲 孤鳥 孤木 孤は わが終生の友

・「歴史は神である」 虐げられた人たち 賤しめられた人たち 苦しめられた人たち そういう人たちに いつかは必ず光が射してくる それが歴史である だから歴史は神である ・・・

・「大念願」 殺さず 争わず 互いにいつくしみ すべて平等に 差別せず 生きる これが 大宇宙の 大念願なのだ ・・・

・「よい夢を持とう」 国籍のない 鳥たちは 無限の夢を持ち 太古から 空を舞い 海を越え 群れをなして 飛んでゆく ・・・ それに比べて 人間たちの 何というみじめな夢か 金や名誉や地位のため 二度とない人生を 支離滅裂なものにし ・・・

・「愛のまなざし」 宇宙を分類したら 真善美となる そしてその調和が 愛のまなざしである

・「回帰」 魚が帰ってゆくように 鳥が帰ってゆくように 星が帰ってゆくように わたしも生の初めに帰ってゆこう 長い間流れ流れて 行方を知らぬ流木のような生活から 古い血が動き出し 生まれた家の柱が呼ぶ ・・・

・「成就」 自分の人格の成就 自分の念願の成就 世界平和の成就 この成就こそ 目に見えるもの 見えないもの 生きとし生けるもの 祈りであり 願いである ・・・

・「凛凛」 リンリンと天地冴え リンリンと霊気満ち リンリンと心機燃え リンリンと梅花咲く ・・・ 凛凛は わたしの好きな 座右の銘 仏島四国の一隅で リンリンの気を吸飲し リンリンと生きてゆこう 鈴よリンリンと鳴れ

・「流れ」 流れ雲 流水 流れてゆくのが 一白水星生まれの わたしの運命 流転の教えが わたしの信仰 つゆくさのつゆとなり ころころころがり 霧となり雨となり またもとの流れとなる ・・・

・「湧き水」 春の湧き水のように 湧き出てくる詩の泉が まだわたしの体の中にはある これがある限り わたしは詩を作り続けてゆける ・・・

・「こおろぎ」 ・・・ わたしはこおろぎの声を 聞いていると 地球のある限り 歌い続ける 深い切ない 愛を感じる あまりにも純粋にして 一途なゆえに わたしはわたしの願いを この小さいこおろぎに 託しておきたい気がする ・・・

・「今」 咲くも無心 散るも無心 花は嘆かず 今を生きる 花の下に立つと いつもそう思う ・・・

・「呼応」 花ひらく時蝶きたり 蝶きたる時花ひらく と良寛さんはうたう まことにまことに 森羅万象が この詩のように 呼応のなかに生きてゆく その喜びを知るまで 生きながらえたありがたさよ ・・・

「嘆くなら」 嘆くなら ただ一つ 愛の足りなさに嘆け 金がないとか 思うようにならぬとか どこそこが痛むとか そんなことよりもっと大事な 愛の足りなさに嘆け ・・・

・「愛」 愛は すべてを 結ぶ 帯である



本書だけでなく、他の詩集も併せて読めば、坂村真民さんの世界が、より味わえるように思います。

自分と自然と世の中を見つめ、問い続けた、坂村真民さんの詩の世界に「回帰」し、「呼応」するのも悪くはないと思うのですが・・・


[ 2014/01/06 07:00 ] 坂村真民・本 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL