とは学

「・・・とは」の哲学

『いい話グセで人生は一変する』小中陽太郎

いい話グセで人生は一変する―人間関係を幸せにする技術いい話グセで人生は一変する―人間関係を幸せにする技術
(2011/09)
小中 陽太郎

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著者は、作家ですが、討論番組の司会やテレビのコメンテーターとしても、ずっと昔から活躍されており、「座談の名手」とも呼ばれています。

その著者が、多人数の中での会話の方法をまとめたのが本書です。参考になる点が多々ありました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・「とりもつ」「フォローする」「会話をコーディネートする」ことは必要。それらは、決して自分をかくして相手に合わせることではない。それによって、自分にも相手にも社会にも可能性が開ける

・「人生とは、座をとりもつこと」。この「座持ち」の思想は、バカにできない

・漫才は、ボケとツッコミだけで成り立っているわけではない。それを見て、楽しむ人がいるから成り立つ。ボケ、ツッコミ、笑う人の三角関係でうまくいく

・座談でも、攻撃する人反撃する人、それを見て、その力をうまくさばいて座をとりもつ人の3人がいる。その場をまとめているのは、座をとりもつ人

・主観的な人間は、自分だけで考え、ひとりよがりになる。対話(弁証法)こそ、真理に到達する道であり、実のある会話。だから、他人に反対されても怒ってはいけない。また、他人に反対することを遠慮してもいけない。最後に必ず一致点を探すこと

・司会者、座談を動かす人は「アジェンダ(議題)」を握っている。このアジェンダを悪用すると、大勢の人の関心を一つに集め、操作する危険な武器になってしまう

・真のコーディネーターは、支配者すらもコーディネート(同格に)してしまう大きさと思いやりがなければいけない

・世界が狭くなり、文化も言葉も、異文化が混じり合った今の社会では、多様な文化や人種をうまく調整する人がとても大切になっている

反体制といっても所詮、うらみつらみの復讐にすぎず、それがはれると、現世的栄誉に走るのが人間

・コメンテーターには「1.解説」「2.予測」「3.意見」の三つの役目が課せられている

・「笑いは常に集団の笑いである」は、ベルグソンの名言。笑いには他人が必要。笑いとは、場に生きるということ

・コーディネーターは、「けじめ役」をかって出て、みんなの意見を簡潔にまとめること。そして、締めたら、サッと引き上げること。これが必須

・シャープ(半音高い)で、目立つ人もいれば、フラット(半音低い)で和ませてくれる人もいて、音楽となる

・他の人と違う何かを訴えるために、人は話をする。会話はいつだって「化学反応

・縁こそが社会のダイナミズム。偶然の出会いという、この不思議なものこそ、会話のコーディネートの信条。それなら、「折角ですから・・・」を効果的に使おう。「折角」は「縁」を増幅させる魔法の言葉

・座持ちがいい人というのは、言われたことをイヤな顔もせずにさばき、客も接待側にも満足してもらえる人。客をたてる、これが座持ちのコツ。それさえ芸にしたのが幇間(タイコモチ)

瞳は人間の心を洩らす。これを会話に生かすには、大事な話を聞くとき、相手の目を見て聞くこと

・会話は言葉だけでない。全身でするもの。それも相手だけではない、周りにふと見せる表情や姿のほうがものを言う

・話し上手は、つきつめれば心の優しさ、そして分け隔てをしないこと

・会話は、論理を伝える。音楽は、感情を伝えるだけでなく、相手の感情を興奮させたり、慰めたりする。会話と感情をうまく調和させることが、真の能力あるコーディネーター



1対1のコミュニケーションや1対多の一方向コミュニケーションのできる人は多いですが、1対多の双方向コミュニケーション(座をコーディネート)のできる人は、意外と少ないものです。

著者は、長年それをやられてきた方です。実践で培われた、そのノウハウが本書に詰まっています。本当のコミュニケーション上手になるために、読んでおいて損のない書ではないでしょうか。


[ 2013/11/27 07:00 ] 営業の本 | TB(0) | CM(0)
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