とは学

「・・・とは」の哲学

『「使える人材」を見抜く・採用面接』細井智彦

「使える人材」を見抜く 採用面接「使える人材」を見抜く 採用面接
(2013/02/26)
細井 智彦

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面接の受け方の本が、書店にいっぱい山積みされていますが、本書は、面接を受ける側の本ではなく、面接をする側の本です。

全く立場が違うと思われるかもしれませんが、相手(敵?)の心理を見抜くことは、面接という戦いにおいて役に立ちます。本書の中から、気になった点を幾つか紹介させていただきます。



・内定辞退者の70%もの人が、「面接官の印象によって志望先を変えた」と答えている。面接官が応募者を観察するように、応募者も面接官をよく見ている。面接官の印象で、企業の良し悪しを判断し、入社するか否かを選択することもある

・優秀な人材を採用したいなら、自分も見られているという意識が必要。面接も「ビジネスの現場」と肝に銘じ、クライアントとの打ち合わせのように、気を締めて臨むこと

・面接の評価をすべて数値化すると、「ずば抜けた能力を持ちつつも、マイナス面のある人物を見逃す」「優等生タイプばかりになる」「面接官の好みに左右される」「直感による評価が反映されなくなる」のような問題点が起こる

・相手に一度よい印象を持ってしまうと、その人のよい面ばかりが目につきやすくなる。だからこそ、最初に好印象を抱いた人にほど、「言っていることは本当かな」という視点で、具体的なエピソードを聞く必要がある

・「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」など、聞き心地のよい言葉だけが一人歩きして、採るべき人材を具体的に想定できている会社が、意外に少ない。採用活動を成功させるには、会社にとっての「使える」人材をはっきりさせること

・企業は「しんどい状況でも我慢して頑張ってくれる人(ストレスに耐える人)」を求めるが、本当に必要なのは、ストレスに耐える力ではない。ストレス耐性とは、ストレスへの対応力や適応力。だから、ストレスをためこまず、うまく「逃がせる力」のほうが重要

・応募者にだまされまいと「見抜こう・見破ろう」とする意識が働くのはわかるが、取り調べ型の面接は、応募者に過度なプレッシャーや不快感を与えるので、注意が必要

・理想にぴったり当てはまる応募者を探す「マッチング」にこだわりすぎると、結局、採用したい人が見つからない状態に陥る

・どういう人を採用したいかを具体的にイメージできるよう、社内で見本となる人物を数名ピックアップしておく。「明るく元気で・・・」のタイプだけでなく、「口ベタだが・・・」「押しは弱いが・・・」「聞き上手で・・・」など、デキる営業マンはいろいろ

・経歴や外見などの表面的な情報で採否を決めるのは、直感ではなく、ただの「思い込み」。勝手に思い込まないよう、ロジカルに判断した上で、直感を働かすこと。そして、「何かあったら自分が責任を持つ」と思えたら、直感を信じるべき

・相手に気持ちよく話してもらうことが重要なので、面接官は「是非話を聞かせてください」というスタンスで、相手の話を聞くこと

・「不満や文句を言う人はNG」と考える人が多いが、仕事に不満はつきもの。求めるべきは、不平不満を言わない人ではなく、それを人のせいにせず、少しでも状況をよくしようと行動できる人。チェックするのは、不満の有無ではなく、不満とのつき合い方

・自社の魅力を伝えるのに、用意したいのが「ウラ話」。「実は、今ヒットしている商品が生まれたキッカケは・・・」などの秘話を話せるようにしておくこと。内情を話してもらった応募者は、信頼された気持ちになる

・応募者に選ばれるには、会社のこと、仕事のことをわかりやすく伝える必要がある。例えば、転職希望者が本当に聞きたいのは、給料やボーナス、残業時間、有給消化率など、とても生々しい内容

・「とても優秀だが、何か見落としている気がする」「完璧すぎて、なんとなくうさんくさい」など、落とす理由がないが、心に引っ掛かるものがある場合、試したいのが「雑談」。過去の仕事内容や実績ではなく、普段の生活についてのリアルな話を聞き出すこと

判断ミスをなくすためには、「1.第一印象で決めつけない」「2.経歴や肩書で判断しない」「3.応募者同士を比較しない(印象のよい人を過大評価しない)」「4.判断がブレないように(面接が続くときは注意)」「5.感覚的な評価も無視しない(直感も大切に)」



いい会社に就職したいと願う人も必死ですが、いい人を採用したいと願うほうも必死です。

その両者の立場を理解できる人は、冷静に、落ち着いて、面接に臨めるのではないでしょうか。面接を受ける側なら、面接をする側の本を一回くらい読む必要があるように感じました。


[ 2013/11/06 07:00 ] 育成の本 | TB(0) | CM(0)
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