とは学

「・・・とは」の哲学

『儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書』川上昌直

儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書儲ける仕組みをつくるフレームワークの教科書
(2013/02/20)
川上 昌直

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著者はビジネスモデルが専門の教授です。このビジネスモデルをどう構築するかのヒントが、本書に記されています。

著者は、企業の社外取締役も務められていますので、具体的事例も豊富です。わかりやすく、ためになるところが多くあります。そのためになる一部を要約して、紹介させていただきます。



・企業の目的は、「顧客を満足させること」。そして、同時に「利益を生むこと」。これを同居させた仕組みが、ビジネスモデル

・「顧客は製品など買っていない。顧客はなんらかの状況で、自分の<用事を片づける>ために製品を<雇う>。そして、既存の製品では未解決の用事があり、それが耐えられない顧客は、それを解決する代替策を雇う」(ハーバード大学・クリステンセン教授)

・顧客が商品やサービスを買うのは、その商品が「ほしいから」ではない。なんらかの「用事を解決したい」から、その解決策として、その商品を「雇っている」だけ

・ニーズでモノを分析する以上、「差別化」ができなくなる。「差別化」するために、ニーズを分析していても、結局は「同質化」を招くという、皮肉な結果をもたらす

・ビジネスに必要な要素は、「WHO」「WHAT」「HOW」、ビジネスをつくり出す要素は、「顧客価値」「利益」「プロセス」。儲けるビジネスを世に送り出していくためには、3×3の9セルをきちんと埋める思考法を身につける必要がある

・儲ける仕組みのツールが、次の9つの質問。「どんな用事を抱える人を客にするか?」「解決策に何を提示するか?」「どう表現するか?」「誰から儲けるか?」「何で儲けるか?」「どのタイミングで儲けるか?」「どの手順でやるのか?」「強みは何か?」「誰と組むか?」

・「顧客の支払意欲」-「価格」=「お得感」。支払った金額以上に感じる「お得感」こそが「顧客価値

・例えば、スポーツ店に来る客を「40代家族連れ」と見るのではなく、「家族でスポーツを始めようと思っているけれど、どんな道具を揃えたらよいかわからないファミリー」いった状況を特定して、客の「片づけるべき用事」は何かを探っていくこと

・売れているものを見て、「何」から「なぜ」へと目線を変えてみて、売れている理由をつきとめれば、「片づける用事」につき当たる

・大切なことは、客の購入時から、使っているとき(メンテナンス)、使い終わった後(廃棄・アップグレード)までを、一連の流れとして客目線で考えること

・すべての会社はサービス業。製造業であれ、小売業であれ、なんであれ、サービスの部分が多いか少ないかというだけで、すべての会社にサービスの要素がある

・顧客の「不」をとってあげる、それこそがビジネスの神髄。不便、不満、不確実性、不利益など。顧客が用事を解決する、あるいは、よりよい生活を送るために、このような「不」のつく言葉の「不」をとってあげること

・顧客がより便利で満足し、確実に利益になるように、なんとかする。それこそが、最終的に顧客の「価値」を生む。その魔法のキーワードが「不とれば価値

課金の方法として、「商品対価」「定額制」「従量制」「利ざや」「紹介料」「広告」がある。儲け方はたくさんある

利益設計のポイントは、「すべての顧客から儲けようとしない」「合算で利益を実現する」「すべての商品・サービスから儲けようとしない」「時間差で儲けることも考えてみる」

・自社の強みと弱みを判断するには「VRIO分析」。価値(Value)があって、稀少(Rarity)で、模倣困難(Inimitability)な資源を有して、組織(Organization)がそれをうまく使えているとき、持続的競争優位をもたらす

・すべて自前ではやらない。リスクを冒したり、資本ストックを集める時間をかけるより、外注先を見つけ、パートナーシップを結ぶほうがいい。協力者を巻き込むことで、新たな知識が混ざり合い、精度の高い、さらに異なったビジネスに変貌を遂げることがある

・すでに流行が終わったような顧客価値提案でも、利益やプロセスの組み立て方次第で、ビジネスモデルが甦り、新しいビジネスモデルとして成功することもある



儲ける仕組みをつくることは、視線をずらして、違うフレームで考えるということかもしれません。その視線のずらし方とずらす具体例が、本書に載っています。

フレームを幾つか持っているだけでも、誰でも少しは賢くなれるのではないでしょうか。


[ 2013/10/16 07:00 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)
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