とは学

「・・・とは」の哲学

『俺は、中小企業のおやじ』鈴木修

俺は、中小企業のおやじ俺は、中小企業のおやじ
(2009/02/24)
鈴木 修

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著者は、軽自動車でおなじみのスズキの会長兼社長です。83歳の年齢で、3兆円企業の陣頭指揮を取る姿が印象的です。30年もの間、トップを務め、スズキを巨大企業に育て上げたにもかかわらず、自らを「中小企業のおやじ」と断言されています。

今でも変わらず現場主義を貫く姿勢に、参考すべき点が多々あるように思いました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・「安くするために軽くする」は、スズキのクルマづくりの原点。車体が1割軽くなると、コストも1割安くなる。そして、車体が軽くなった分、燃費もよくなる

・「10年で元がとれればいい」なんてことは言ってられない。工場も機械も新車の金型も、3年で投資回収できるという判断がなければ、投資はしない。逆に「3年償却の原則」があるから、投資後、是が非でも3年で元をとるという覚悟で、皆一生懸命やる

・社長に就任してから、営業関係について一つの社内ルールをつくった。「代理店に出向して社長を務めた経験がないと、営業関係の役員に登用しない」というもの

・社長就任後、次にやったのは、独立系の代理店や、整備工場をやりながら、新車を販売してくれる販売店の子弟を、スズキに無試験で入社させること。無試験というと怒られるから、今は「販売店の息子さんを預かる」と言っている

・「スズキは中小企業」。規模の話ではなく、会社の中身が中小企業のままということ。経理など管理部門も、設計など開発部門も全部、中小企業的。国内の営業網も例外ではない

・小さなメーカーが生き残っていくためには、自分のところで売るだけでなく、ある程度のOEMも必要。量が揃えば大量に生産できるから

・バイクのシェア競争に血眼になったときに得た教訓は「1位と2位が本気で戦い始めると、3位以下のメーカーなんて木端微塵に吹き飛ばされる」ということ。3位以下の企業は不安定で脆弱な存在。やはり、小さな市場であってもナンバー1になることが大切

・スズキ流の理想の工場は、プレス、溶接、塗装、組み立ての順番がラインで一直線に並んでいる「うなぎの寝床」型の工場。インドに新しく作った工場は建屋の長さが950m

・毎年、年に1回、国内外の工場に「工場監査」を実施している。丸一日かけて、工場を隅から隅まで自分で歩き、目を光らせる。実際に工場監査を行うと、毎回「なぜこんなムダがあるのか」「何でこんなことをするのか」といったバカげた事例が数多く見つかる

・「死に金は一銭たりとも使わない」というのがポリシー。電気やガスにはお金がかかるが、重力や太陽光はタダ。わざわざコンベヤーを設置しなくても、ちょっとラインを傾ければ、重力で動く。蛍光灯を設置しなくても、太陽光で明るくなるように設計したほうがいい

・スズキの工場では、国内はもとよりインドでも「小少軽短美」というスローガンを掲げている。この5文字は、コストダウンの要諦を表わしたもの。「工場にはカネが落ちている」。ムダを削れば削るだけ、会社の利益を押し上げ、社員や株主へ還元される原資が増える

・車両組み立てラインには、ムダな在庫が山積みの「死に地」が多くある。在庫を取っ払って、空きスペースにして、テープで「立入禁止ゾーン」にすれば、掃除する必要もなくなる。効率の悪い工場は、カネをかけてでも一刻も早く手直しするのが理に適ったやり方

・スズキは、役員人事でも、技術系と事務系が均衡している。執行役員以上の幹部の内訳は、事務系が14人、技術系が16人。人事はどちらかに偏ることなく、年次構成も考えながら、「会長が事務系なら、社長は技術系」といった組み合わせで、バランスを考えている

・GMとスズキの差は、鯨とメダカどころではない。あえて言うなら、鯨と蚊。メダカなら鯨に飲み込まれるが、小さな蚊なら、いざというとき、空高く舞い上がり、飛んでいける

・明確な経営戦略や戦術はなかった。それこそ我流というか無手勝流だった。まさに「ツキと、出会いと、運」。「先見の明があった」などとは口が裂けても言えない。どんな先見の明も、すべて後講釈というか後付けにすぎない。試行錯誤があるだけ

・物事の延長線上で考えるのはダメ。与えられた環境の中で、最善を尽くすことがすべて

・富士山のおいしい地下水も、溜まればボウフラがわく

・「率」は事態を覆い隠す。「個数」と「金額」で判断せよ



格好をつけていては儲かりません。ましてや、ナンバー1企業でなかったら、なおさらです。スズキは3兆円企業ですが、業界ではナンバー1から遠く離されています。

ナンバー1でない企業を、スズキのように、すべて「中小企業」だと考えたら、本書は、ナンバー1でない企業にとって、非常に役立つ書ではないでしょうか。経営とは何か?マネジメントとは何か?を考え直させられるのではないでしょうか。


[ 2013/10/14 07:00 ] 商いの本 | TB(0) | CM(1)
スズキ・・・

甘えんぼの末っ子と幼稚園から小・中と同級生でした。

私と同じくらい、どうしようもない甘えんぼでしたが、同級生の中ではお気に入りでしたv-238
[ 2013/10/14 11:28 ] [ 編集 ]
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