とは学

「・・・とは」の哲学

『「善人」のやめ方』ひろさちや

「善人」のやめ方 (oneテーマ21)「善人」のやめ方 (oneテーマ21)
(2012/07/10)
ひろ さちや

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宗教評論家である著者の本を紹介するのは、これで11冊目になります。このブログで一番とりあげている作者です。

最近は、一貫して、世間にとらわれるな、世間を信じるな、世間にだまされるな、と善良な日本人に対して提言をされています。本書も同様です。その一部を要約して、紹介させていただきます。



・私たちが寄ってたかって「世間」という怪物をつくって、その怪物に人々を騙すという仕事をさせている。そんな騙しに引っかからないためには、「世間」を馬鹿にすべき

・模範社員の「模範」というのが危険。これは会社の物差しで測っての「模範」であって、別の物差しで測れば「人間の屑」かもしれない

・われわれは、働かねばならないから働いている。働かないと生活費が稼げないから、仕方なしに働いている。体制側は、そんな態度で働かれると、職場がぎすぎすするので、働くことは喜びだ、働くことは生き甲斐だ、と必死になって宣伝する

・働くことは喜びだ。世の中の役に立つ人間になれ。真面目に努力すれば、きっと成功する。たいていの人は、そんな世間の常識に従って生きている。それは世間にたぶらかされている

・生活には「成功と失敗」がある。しかし、人生には「成功と失敗」はない。生活の苦労は苦労として、自分の人生を好き放題に生きればいい

・世間を馬鹿にすることは、裏を返せば、主体性を確立すること。自分を大事にすれば、自然と世間を馬鹿にするようになる

・「優等生」というのは、自分をどろどろに溶かして、世間が誉めそやす「優等生」という鋳型に流し込んで、世間が「期待する人間」になった人

・「期待される人間」をつくったら、必ず「期待されない人間」が出てくる

・自由とは、自分に由ること。自由に生きるということは、自分を大事にすること。世間を大事にしている限りは「世間由」で、世間に由っている

・仏教は、「仏の教え」であると同時に、「仏になるための教え

・実力ある者が楽しく勉強すれば、一流大学に合格できる。実力ある者が楽しく仕事をしていれば社長になれる。実力ない人間が高望みして、死に物狂いに努力してもろくなことはない。高望みの目標を設定しないこと、それが楽しい人生を送る秘訣

・あくせく、いらいら、がつがつと働かなければ生きていけなくなり、会社をリストラされてしまうのであれば、それは会社が悪い。社員を奴隷のように思っている

あらゆる欲望が煩悩であって、悪いもの。利益を得たい、得をしたい、儲けたいという欲望は悪。そして、進歩したい、人格を向上させたい、幸福になりたいといった欲望も悪。
でも、人間は欲望をゼロにできない。だから、仏教は、欲望を少なくせよ、と教える

・みんな善人になろうとする。それで人生が楽しくなるのであれば、それでもいい。でも、善人になろうとすれば、人生がしんどくなる

・人間はみんな不完全な存在なんだから、善人というのは、つまり偽善者。善人をやめるということは、偽善者をやめるということ

個性を伸ばすのであれば、音痴がより音痴になるべき。怠け者がより怠け者になるべき。それが個性を伸ばすこと。怠け者がちょっとぐらい勤勉になっても、ありきたりの人間になるだけ。個性がなくなってしまう

・怠け者の価値が劣ると判断するのは産業界。産業界からすれば、勤勉な人間のほうが利用価値が高い、怠け者の利用価値は劣る。しかし、それは世間が勝手に判断する「人間の利用価値」に過ぎない。そんなものに束縛される必要などない

・社会的にステイタス(地位)の高い者は、それだけ義務が大きい。それが「ノブレス・オブリージュ(高貴なる者の義務)」。日本のエリートは、その義務を果たそうとしない。そんなのは軽蔑すべき人種

・自分より世間を大事にするなんて、愚か者の生き方。いくら世間を大事にしたところで、世間のほうは、あなたが使い物にならなくなれば、すぐにあなたを見捨ててしまう



本書は、「自分の人生だから、自分の好きなように生きればいい」と締めくくられています。

世間という怪物、常識という怪物に圧倒されて、自分を、小人として過ごしていかざるを得ないのが、日本社会の現状です。自分をもっと大きく育てていくためには、好きなように生きること、ただそれだけのことなのかもしれません。


[ 2013/10/11 07:00 ] 幸せの本 | TB(0) | CM(2)
「世間様」は残酷なものですね。

特に日本のような「長いものに巻かれろ」という風潮がある国では、皆が同じ方向に向かって盛り上がっているときこそ、危ないのだと思います。

群れに水を差してくれる人の存在は貴重です。
”善人”の顔をした偽善者ほど恐ろしいものはない。

ひろさちやさんの本も、普通に読めるようになりました。
[ 2013/10/11 10:24 ] [ 編集 ]
裕福になっているのに
裕福になったら、
自由になること、自立すること。
それが、精神的な豊かさです。

そのためには、集団主義的行動を排し、
個人主義的行動をとることなのですが、
まだまだ、日本はそうさせてくれません。

そうしようとすると、
「善人」から「悪人」のレッテルを
貼られてしまいます。

私は、今も「世間様」と戦っております。
この本を、普通に読める人が増えてくれる
ことを願っております。
[ 2013/10/14 19:31 ] [ 編集 ]
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