とは学

「・・・とは」の哲学

『自助論』竹内均、サミュエル・スマイルズ

自助論 (知的生きかた文庫)自助論 (知的生きかた文庫)
(2012/08/16)
竹内 均、S・スマイルズ 他

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1858年に出版された「自助論」は、明治4年に「西国立志編」のタイトルで、日本語訳が出版されました。「天は自ら助くる者を助く」のフレーズは、今も語り継がれています。

世界中で翻訳され、世界の若者たちを奮い立たせた名著を改めて読んでみました。その中から、共感した箇所を一部要約して、紹介させていただきます。



・外部からの援助は人間を弱くする。自分で自分を助けようとする精神こそ、その人間をいつまでも励まし元気づける。保護や抑制も度が過ぎると、役に立たない無力な人間を生み出すのがオチである

・いかにすぐれた制度をこしらえても、それで人間が救えるわけがない。だが人は、幸福や繁栄が得られるのは、自分の行動にではなく、制度の力によるものと信じたがる

・われわれ一人一人が勤勉に働き、活力と正直な心を失わない限り、社会は進歩する。反対に、怠惰とエゴイズム、悪徳が国民の間にはびこれば社会は荒廃する。「社会悪」と呼ばれるものの大部分は、実はわれわれ自身の堕落した生活から生じる

・「人は専制支配下に置かれようとも、個性が生き続ける限り、最悪の事態に陥ることはない。逆に個性を押しつぶしてしまうような政治は、それがいかなる名前で呼ばれようとも、専制支配に他ならない」(ジョン・スチュアート・ミル)

・人間は読書ではなく労働によって自己を完成させる。つまり、人間を向上させるのは文学ではなく生活、学問ではなく行動、そして伝記ではなくその人の人間性である

・「自らの富を否定し、自らの力のみを信頼できる人間だけが、生計を立てる道を習い、自分が善だと思うことを他人にも実践していけるようになる」(ベーコン)

・富は、安逸で勝手気ままな生活へと人間を強く誘惑する。しかもわれわれ人間は、生まれつきこのような誘惑には滅法弱い。そのため、豊かで恵まれた家庭に育ちながら、快楽に満ちた生活を軽蔑し、毎日を勤勉に生きた人間こそ尊敬に値する

・どんなに立派で賢い人間でも、他人から大きな恩恵を受けている。だが、われわれは、自らが自らに対して、最良の援助者にならなければいけない

・「秩序立てて仕事をすることを知らない人間は、いかに天賦の才に恵まれていようと、その才能の四分の三は浪費しているのも同然だ」(ビュフォン)

・観察力の優劣は、人間に大きな差をつける。ロシアの諺にあるように、注意力の散漫な人間は「森を歩いても薪を見つけられない」

・強者と弱者の違い、偉人と取るに足らない人間との違いは、その人間が旺盛な活力不屈の決意を持っているかどうかにかかっている。旺盛な活力と不屈の決意さえあれば、どんなに才能や境遇やチャンスに恵まれていなくても、この世に不可能なことはない

・生活の苦しい人間は、税金のような社会制度上の問題にばかり目を向け、克己心や自助の精神の重要性などほとんど顧みない。真の自立を勝ち取るには、個々人が倹約と将来の備えに励むことが一番大切なのに、誰もその点に関心を払おうとはしない

・「古来、世の中には二通りの人種がいる。金を貯める人間と金を使う人間。すなわち倹約家と浪費家。資産をムダに消費してきた人間は、常に倹約家の奴隷だった」(コブデン)

・「貧乏にだけはなるものか」と決心せよ。手もとにあるものは何でも倹約せよ。貧乏は幸福を脅かす大敵だ。それは自由を破壊し、時には美徳をも麻痺させる。つましい生活さえできれば、心に平安が訪れ、他人にも恩恵を与えれる

最良の教育とは、自分自身に与える教育。他人から押しつけられた教育は、自分で熱心に努力して得たものほど身につかない。自らの汗と涙で勝ち取った知識だけが、完全に自分の所有物となる

・「知識は、物を売って金儲けするための店舗ではなく、人間を救済するための豊かな倉庫」(ベーコン)。物質欲を満たす道具として、精神を利用するのは、実にさもしいこと。人生の成功は、知識ではなく、勤勉によって得られる

・「つまらぬ友と付き合うくらいなら一人で生きよ。人間の価値は常に、友の価値によって決まる」(コリングウッド)

・人に対する思いやりは、万物に生気を与える日光のように無言の影響力を持つ。大声を張り上げたり力ずくでゴリ押ししたりするより、優しい態度で接するほうが効果は大きい



自助とは、勤勉に働き、自らの運命を切り拓くことで、他人や国家に頼らずに生きることです。つまり、自助の精神を持つ人が増えれば増えるほど、世の中はよくなっていきます。

本書を読むと、自助の心の育成が、教育の目的であると、改めて気づかされるのではないでしょうか。


[ 2013/10/01 07:00 ] 出世の本 | TB(0) | CM(0)
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