とは学

「・・・とは」の哲学

『気づかれずに相手を操る交渉の寝技』間川清

気づかれずに相手を操る交渉の寝技気づかれずに相手を操る交渉の寝技
(2012/11/22)
間川清

商品詳細を見る

著者は、弁護士として、数々のもめ事を解決されてきた方です。その経験をもとに、交渉をスムーズに行う技術をまとめたのが本書です。

しかし、本書には、真正面からの交渉法ではなく、知らず知らずのうちに人を動かす、秘策のような交渉法が書かれています。それだけに、読んでいて新鮮でした。ためになった箇所を要約して、紹介させていただきます。


・交渉は「相手と勝負して、どれだけ多くのモノを手に入れるかの戦い」という考え方では、柔軟な思考ができず、すべてのモノを手に入れようとする結果、相手の反発を招く。、また、「交渉は戦い」と思うと、交渉している自分、戦っている自分に酔ってしまう

・交渉において、本当に自分が何を目標としているのかわかっていなかったり、交渉を続けていくうちに本来の自分の目標を見失ってしまうのは、人が感情の生き物だから

・「人は正論では動かない」。正論を振りかざすのではなく、事実関係を整理し、把握しておくことが「相手を操る」ためには必要

・交渉や人間関係のトラブルにおいて、優位に立つには、人間が行動を起こす二つの理由「不快を避けようとする」「快楽を得たいと思う」を知って、相手にとっての「不快」と「快楽」は何かを考えておくこと。「メリット」「デメリット」と言い換えることもできる

・「相手が従う人を見つける」。人は自分にとって、絶対的に優位にいる人の言ったことの方を自然に聞くもの。相手が言うことを聞く人が誰かを考えるようにすること

・「穏やかに脅す」。相手にとってのデメリットを示すことは「優位に立つ」ために、とても有効になる。暗に、「こちら側に有利なことをしないと、そちらに不利益が起こるぞ」と相手に告げる

・「誰が本当の敵かを見極める」。敵と思っていた人が、実は単なる人形で、裏でその人を操っている人物がいる可能性ある

・「人のいるところで話し合う」。相手が感情的になることが予想され、そのために話し合いがまとまらない可能性が高い場合、第三者がいるような場所を話し合いの場所とする

・「個人情報は開示する」。個人情報を開示することによって、相手が自分に共感し、結果として優位に立つことができるようになる。「共通点がある」ということの力は強い

・「勝ったと思わせる」。 最初から落とし所と思う金額を提示してしまえば、相手に「交渉に勝った」と思わせることはできない。人はいつも本能的に相手に勝ちたいと思うもの

・「胃袋で人を操る」。食事には、人との距離をぐっと近づける効果がある。敵対する関係を解消し、相手との信頼関係を作ることができれば、気づかれずに操ることも簡単になる

・「客観的資料を提示し、相手の思考を止める」。「正しさ」には、主観的正しさ(本人が思う正しさ)と客観的正しさ(第三者の目から見て)がある。トラブルの多くは、主観的正しさが原因。人は数字を「間違いない」と思って従うので、数字入り資料を用意すること

・「自分で決めたように思わせる」。人は自分の意志で決めたことを覆さずに、一貫した行動をとりたい。そのため、相手に自発的に決めさせたら、その後のトラブルが少なくなる

・「敵とは名刺交換をする」。人は接触回数が多ければ多くなるほど、その相手に対して信頼を感じやすくなり、名刺交換はその絶好の機会となる

・「共通の敵をつくる」。 人は、共通する敵を持つと、他人と強い信頼関係を感じ、一致団結する。相手を意図的に動かしたいなら、まずお互いの共通の敵を強烈に意識させる

・「大量の資料を用意する」。重くて大変だが、プレゼンの準備段階で作成した資料をすべて持参する。プレゼンのとき、机の上にどかっと資料を置いておくと、あなたの主張に対する信頼性が一気に高まる

・「タレコミの力を利用する」。タレコミ先は、「相手がその人の言うことを必ず聞く」人。自分で相手を説得できないなら、説得してくれる人がいないかを考えることが重要

・「名前を呼び続ける」。信頼関係を築く最も簡単な方法は、「相手の名前をしつこく呼ぶ」こと。名前を呼ばれると、人は自己重要感が満たされるので、アドバイスを素直に聞くようになる

・「弱点を開示する」。過去の失敗経験や知られたくない弱点を開示すると、人は強い親近感を持つ。信用性に影響のない失敗経験や弱点は「おいしい」。自分の武器にもなる



交渉事を経験し、トラブルに遭遇することが多かった人ならではの本です。

何事も波風立てずに、穏便に事を運びながらも、こちらが有利になるノウハウが本書には満載です。本書は、日本の人間関係に則したトラブル解決の書ではないでしょうか。


[ 2013/09/23 07:00 ] 営業の本 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL