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「・・・とは」の哲学

『イスラム圏でビジネスを成功させる47の流儀』佐々木良昭

イスラム圏でビジネスを成功させる47の流儀イスラム圏でビジネスを成功させる47の流儀
(2013/07/19)
佐々木 良昭

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著者の佐々木良昭氏はリビア大学出身で、イスラム諸国に豊富な人脈のある方です。大学教授を経て、アナリスト、財団の研究員として活躍されています。

本書には、その豊富な人脈に培われたイスラム圏のエキスが詰まっています。習わし、掟など、ビジネスに必須の事柄も簡潔にまとめられています。役に立つ書です。その一部を要約して、紹介させていただきます。



・現在、世界のイスラム教徒(ムスリム)の数は16億人。インド(人口の20%がイスラム教徒)、パキスタン、バングラデシュの地域に約5億人。インドネシアに2億人以上。ロシアの人口の15%、中国の人口の3%もイスラム教徒。フランスやイギリスでも急上昇中

・イスラム教徒急増中のフランスでは、ハラ―ル(イスラム法上で食べることを許された食品)関連商品を集めた「ハラ―ル・エキスポ」が毎年開催されている。ハラ―ル食品の市場規模は5800億ドル、化粧品や医薬品を加えた市場規模は2兆1000億ドルにも上る

・モノを作る場所としても、イスラム圏は注目されている。勤勉な労働者が多く、賃金の割安なインドネシアやバングラデシュ、中東の雄トルコへと向かう日本企業が目につく

・石油や天然ガスによって好況を維持している湾岸諸国(アラブ首長国連邦、バハレーン、クウェート、カタール、オマーン、サウジアラビアなど)は、ビジネスチャンスにあふれている。これらの国々の富裕層が操る「イスラムマネー」の総額は1兆ドルを突破した

・18000を超える島々で構成されるインドネシアは、国家全体が海に面しているので、部品や製品の輸送に強力な武器となり、「モノを作る場所」としての大きなアドバンテージ。また、石油、天然ガス、レアメタルといった天然資源も豊富

・インド政府は、ものづくりの基礎教育の徹底を図ろうとしている。全土にある職業訓練校(電気工事、旋盤、金型などのコースがある)には、優秀な指導者が不足している。そこで目を付けているのが、日本人の熟練工。リタイアー組であっても引く手あまた

・トルコの大学数は156校。毎年52万人が巣立つ。教育水準の高さとその勤労意欲は魅力で、専門知識や技術を持つ若者が多い。トルコはEUと関税同盟を結び、20ヵ国とFTA(自由貿易協定)を締結しているのも魅力。主要市場への効率的かつ費用効果の高い架け橋

・イスラム圏の人々は、受けた恩義を忘れない。義理人情に厚く、昔気質の日本人に共通するものがある。苦しいときに助けるという先行投資も、やがて実を結ぶ日が来る

・コーラン(イスラム教聖典)は、女性は顔と手以外は隠せよと記している。保守的な地域では、外出の際、「ビジャブ」(頭髪を覆う)と「アバヤ」(ドレス)で身を隠す。「ニカーブ」(目だけ見せる頭巾)や「ブルカ」(目の部分も網目で覆う)などの制約もある

・ぽっちゃりと太った男は、イスラム圏のいい男の条件。その結果、生活習慣病に悩まされており、サプリメントが注目されている。この分野でも、家電や自動車と同じく、日本製の受けが大変いい。健康食品産業は新たな市場としてイスラム圏に目を向けるべき

・アラブの人々に受ける日本料理はすし。手で味わうというDNAが親近感を覚える。他の日本料理で受ける可能性のあるのは、お好み焼、ラーメン、焼きそばなどのB級料理。ただし、その場合も「ハラ―ルの掟」を遵守することが条件

・イスラム圏の人々は、よく「日本人は、やさしい母親のようだ」と言う。その心は、何でも言うことを聞いてくれるから。日本人のきめ細かいサービスは武器となる

・ハラ―ルの世界標準規定に名乗りを上げたのがマレーシア。国家ぐるみでハラ―ルの認証を行い、巨大なハラ―ル市場を相手にビジネスを行おうとしている

・イスラム金融にはスクーク(イスラム債)、タカッフル(イスラム保険)、ムダーラバ(信託金融)などの商品があるが、いち早く政府主導でこの分野に進出したのがマレーシア。発行額844億ドルのスクークの7割がマレーシアで発行される

カラミーヤ(賄賂)は減少したが、ワーシタ(仲介料・口利き料)は今でも強力なビジネスの手段。ワーシタは人脈のパイプを劣化させないための潤滑油

・「独裁者だから許せない」「民主的でないから許せない」というのは、西側諸国の見方にとらわれた一方的なもの。イスラム圏を相手にするビジネスマンは、言動を慎むべき

・イスラム教徒の義務である信仰の方法を「六信五行」と呼ぶ。6つの信じていることは、「1.アッラー」「2.天使」「3.コーラン」「4.預言者」「5.来世」「6、定命」。5つの義務行為は「1.信仰の告白」「2.礼拝」「3.断食」「4.喜捨」「5.大巡礼」



本書には、これらの他に、「母親や家族に気に入られる」「神秘さを漂わせる日本人は強い」「安全第一・整理整頓の標語が武器となる」「女性だけのオンラインビジネスにチャンスがある」などのイスラム圏で成功する流儀が記されています。

ビジネスのヒントがいっぱい載っていますので、イスラム圏でのビジネスに関わっている方の入門書として、最適なように思います。


[ 2013/09/20 07:00 ] 海外の本 | TB(0) | CM(2)
「寿司職人」憧れます。
イスラム圏でも人気なのですね・・・
[ 2013/09/21 05:34 ] [ 編集 ]
日本の職人
海外に行って、日本と比較して、
値が高く、システムも遅れているのに、繁盛している、
そういうものを発見したら、チャンスですよね。

15年ほど前に、ロサンゼルスでラーメンを食べたとき
10年ほど前に、ロンドンで回転寿司を食べたとき、
5年ほど前に、シドニーで菓子パンを食べたとき、
なども、そう感じました。

需要があって、供給が少ないところ、
つまり、競争が少ないところで、商売をするのが一番ですね。

今後は、日本の職人として、
歯医者、散髪屋、そろばん塾(算数教室)などの
サービス業も海外では「大穴」なのかもしれませんね。
[ 2013/09/21 16:03 ] [ 編集 ]
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