とは学

「・・・とは」の哲学

『49歳からのお金―住宅・保険をキャッシュに換える』大垣尚司

49歳からのお金―住宅・保険をキャッシュに換える49歳からのお金―住宅・保険をキャッシュに換える
(2012/05/16)
大垣 尚司

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著者は、外資系生命保険会社の執行役員や日本の住宅ローン会社社長などを務められて、現在は大学教授をされている方です。今は、どこの金融機関にも属されていないので、中立の立場で見解を述べられています。

本書では、老後を迎えるにあたって、個人資産をできるだけ流動資産化する(住宅・保険をキャッシュに換える)ことを主張されています。専門家の分析に納得できる点が多々ありました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・「もはや老大国になったわが国で、急成長を遂げる企業が数多く登場する可能性は低い」という考え方は真っ当。ここから単純に考えれば、「素人が株式で高い利回りを得ることは以前より格段に難しくなっている」ということ

・資産運用の目的には、「増やす」(資産形成)と「減らさない」(資産防衛)の二つがある。大雑把に言えば、貧乏人と若者は資産形成、金持ちと年寄りは資産防衛を目標にすべき

・「お金」という視点で考えると、「長生き」は良いことではない。少なくとも、お金に関する限り、自分を「短命」と想定せずに、「長生きしすぎる」という想定で備えておくべき

・標準的な引退サラリーマン夫婦は、退職・引退後に約9000万円の支出が見込まれる。約6500万円の公的年金収入が見込めるから、その差額約2500万円をどうやって埋めていくかということを考える必要がある

・われわれ大人は、株価や地価が右肩上がりの時代に若い時期を過ごしたため、「今日より明日はもっとよくなっている」と信じてしまう。その結果、株価の高い時期に買ってしまった株は、市場が多少戻っても損が消えないことになる。つまり、長期保有は報われない

・株で勝ちたければ、短期的な株価の動きをとらえて、値ざやを稼ぐようなやり方が従来以上に必要になってくる。しかし、短期売買にわれわれ大人が進出しても、若くて瞬発力のあるトレーダーや高速売買のコンピューター相手に勝ち目は少ない

・大人世代のバランスシートは「資産余って銭足らず」。シニアは「アセット(資産)リッチ(裕福)で、キャッシュ(現金)プアー(貧乏)」

・老後を安心して過ごすには、預金以外のすぐにお金にならない資産(非稼働資産)である「保険とマイホーム」の活用方法を考える必要がある

・日本人は平均的に男は6年女は8年ぐらい、「健康とはいえない状態」で死を待つことになる。この期間は、本人がつらいだけでなく、家族や身内に迷惑をかける可能性が高い

・男性は死ぬまでに5~6回、女性では7回以上入院しないと、医療保険の保険料を回収できない。言い換えれば、死ぬまでに1カ月の入院を5回以上、あるいは3週間弱の入院を10回以上するのでなければ、保険料と同じ額を貯金しておいたほうがよい

・相続というと、プラスの財産を受け継ぐことを想像する人が多いが、当然のことながら、借金も同時に相続する。ただし、財産も相続しないなら、借金も相続しないという「放棄」が認められている

滅失した住宅の平均築後年数は、英国77年、米国55年、日本30年。日本人は、魚と家は新鮮なものを好むが、最近は日本全体が貧乏になっているので、やすやすと滅失させる余裕がなくなっている

・自宅に住み続けないなら、賃貸に出せば、日本中どこでも平均的に月7万~9万円の安定収入を得ることができる

・都心までの時間が70分超あたりで「郊外」が終わり、その先「遠郊外」との間に「地価断層」が存在する。つまり、「郊外」と「田舎」の間に、「田舎並み価格」で買える「通勤通学は不便だが都市生活を営めて自然環境もよいところ」がベルト状に存在している

・家族とともに通勤通学時代を過ごしたマイホームに引退後も住み続けると、お金の問題で袋小路に突きあたる可能性が高い。お金に関する限り、上手に住み替えれば、間違いなく豊かになれる

・引退した者にとって、都市は決して心地よく住めるところではない。都市は働かない者にやさしい構造は持ち合せていない。金が尽きた老人は足手まといとなるだけ

・耐用年数の過ぎた住宅にそのまま25年程度住み続けた場合、必要となる修繕費は、少なくても累計800万円。価格が3割程度アップになるが、長寿命住宅は、賃貸価値で見る限り、家を家賃に変換する金融マシンとして機能するため、高い価値がある



著者は、住宅と保険の現金化をすすめています。すぐに現金化できないものは、老人にとって、リスクになると述べられています。

年齢によって、固定資産と流動資産と現金の比率を見直さないといけないのかもしれません。老後の安心を得ようと思われている方には、参考になる書ではないでしょうか。


[ 2013/07/16 07:00 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)
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