とは学

「・・・とは」の哲学

『図解スイス銀行―究極のプライベートバンク』永井 隆昭、楠本博

図解スイス銀行―究極のプライベートバンク図解スイス銀行―究極のプライベートバンク
(2010/06)
永井 隆昭、楠本 博 他

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以前、スイスの地方に行った時、駅前の銀行店頭に、自動通貨交換機がありました。1万円札を入れたら、スイスフランが自動的にサッと出てきたのに驚きました。ドルならわかりますが、円にも対応しているところが凄いところです。

また、スイスのテレビで、日本株式の個別銘柄の終値が放映されているのにも驚きました。スイスのお金に対する考え方、投資に対する考え方は日本と相当違うようです。その代表的なものが、スイスのプライベートバンクです。

本書は、スイスのプライベートバンクについて、図入りで詳しく解説した内容になっています。日本と違う見所満載の書です。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・スイスの銀行を大別すると「州立銀行」「大銀行」「地方銀行」「貯蓄銀行」「組合銀行」「個人銀行」に分けられ、その総数は327行。そのうち、「個人銀行」(パートナーシップ制による資産運用業務が中心)はたったの14行。スイスの銀行から見ると数%しかない

・プライベートバンキングは、スイスの銀行が担う重要な役割。個人銀行ならずとも、巨大銀行でも、全収益の3分の1をプライベートバンキングが占める。一説によると「世界の個人資産の3分の1がスイスで運用されている」とも言われている

・スイスの大銀行は、預金や貸出といった業務だけでなく、社債、株式発行、証券売買の仲介引受、投信、投資顧問など、金融、証券、保険等の分野で活動を展開している

・スイスの銀行には「秘密保持」の原則がある。銀行員には、医師、弁護士、裁判官などと同様に、秘密を外部に漏らしてはならないという「守秘義務」が課せられる

・スイスへの外資流入の大きな要因は、「金準備が豊富」なこと。スイス国立銀行法には「金準備は銀行券発行高の少なくとも40%相当額で、国内にあるもの」と明記されている

・1572年フランスのサン・バルテミルミーの虐殺(新教徒狩り、犠牲者5万人)で、大量の難民が、多くの金と財産を持ってスイスに逃れてきた。事業家や銀行家も多く含まれていて、その難民がスイス繁栄のきっかけとなった

・スイス人の関心は「商売」にあった。商売のためにならないということで、「封建制」に反対し、「専制主義」や「中央集権国家主義」「社会主義」に反対した。だから、革命もほとんど起こらず、戦争に至ることもなかった

・「スイスの輸出品は人間」と言われた時代があった。貧しい農村の人減らしに、ヨーロッパの軍隊に傭兵として輸出され、その期間は500年、人数は延べ200万人に及んだ

・スイスの個人銀行の主な特徴は、「広告宣伝は避ける」「一度取引が始まると一生涯続き、さらに何代も続く」「顧客が多過ぎるとサービスがおろそかになる」という考え

・スイスの銀行、ことにプライベートバンクでは、郵便物に自分の銀行名やアドレスは書かない。郵便物が万一開封された場合、顧客の「秘密」がなくなってしまうから

・スイスの銀行員は、まず海外の銀行に行って、言葉と腕を磨き、スイスに帰ってくるというパターンが多く、広い世界観を持った銀行マンとしての知識と技術をもって初めて一人前とされる。その転職の多さ行動範囲の広さは、日本の銀行員の比ではない

・スイスでは金融が重要な産業になっている。その収益は、スイスの実質総生産高の11%以上。金融産業に働く20万人という数は、総就労者数の6%を占めている

・スイスのプライベートバンクでは、金融資産で、「豊か(1000~3000万円)」「裕福」「富裕(1~5億円)」「特段な資産家」という言葉でランク分けしている。対象としている層は、1億円以上の貯蓄を所有している富裕な個人顧客

・プライベートバンクの顧客のほとんどは資産家であり、その多くは相続で悩んでいる。したがって、その相談に乗るのが、プライベートバンクの最も大きな業務

・日本とフランスの資産家はよく似ている。官僚や学閥が強く、相続税が高いという類似点を踏まえ、「自分からは資産家と言わず、また、そういうふうに見せないし、見えない」

・スイスのプライベートバンクの伝統的運用手法は「国際分散投資」。リスクを分散させることが最も大切という考え方であり、100年以上にわたって培ったノウハウがある

・スイスのある銀行の「資産を失わないルール」は「1.浪費しない」「2.革命等、社会制度の急変に備える」「3.詐欺にあわない」「4.資産を特定の株式に集中しない」「5.インフレ時に現金、預金など保守的資産に集中しない」「6.重い相続税に備える」



日本とスイスでは、歴史も違うし、文化も人口も違います。しかし、マイノリティ国家が豊かに生きる道として、スイスは参考になる点が多いように思います。

本書は、スイスの金融面だけを掘り下げた本ですが、日本の生きる道が隠されているように感じました。


[ 2013/06/18 07:00 ] お金の本 | TB(0) | CM(2)
勉強になりました!
初めまして!

とても読みやすく分かりやすく
書いてくださっていたので
凄く勉強になりました!
ありがとうございます!
また見にこさせていただきます♪∩^ω^∩
[ 2013/06/19 03:01 ] [ 編集 ]
ようこそ!
はじめまして

感想ありがとうございます
これからも見にきてくださいね
お待ちしています
[ 2013/06/21 07:37 ] [ 編集 ]
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