とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『ニンジンの法則』エイドリアン・ゴスティック、チェスター・エルトン

ニンジンの法則―正しい「ニンジン文化」が社員を救い、組織を伸ばすニンジンの法則―正しい「ニンジン文化」が社員を救い、組織を伸ばす
(2008/07)
エイドリアン ゴスティック、チェスター エルトン 他

商品詳細を見る

報酬は金銭ばかりではありません。表彰、評価、承認などの報奨も、立派な心の報酬です。本書は、お金のかからない報酬をいかに有効に使うかに言及しています。

お金をかけずに人を動かす方法論は、まだまだ解明されていない点が多くあります。本書には、それらの事例がいっぱい載っています。その一部を紹介させていただきます。



・職場におけるアクセルは、社員の貢献を認めて称える「レコグニション」(報奨)。レコグニションとは、社員、メンバーの取り組みや成果を的確に認め、評価し、気遣いやねぎらい、商品や報酬で報いてあげること

・「社員の功績を認めている」上位4分の1の組織の株主資本利益率(ROE)は平均8.7%。下位4分の1の組織は平均2.4%。つまり、社員の功績を効果的に認めている企業は、そうでない企業の3倍のROEを実現している

・「社員の功績を認めている」のスコアが最高4分位に入る企業の営業利益率は6.6%。それに対して、最低4分位の企業の営業利益は1%

・職場で高い意欲を示している社員の94%が、「上司は部下の仕事ぶりを効果的に認めている」と答えている。意欲に乏しい社員の56%は、同じ質問に関して、上司に低い点をつけている

・金は、世間で思われているほど効き目のあるニンジンではない。実際、金一封をもらった人の3分の1は、その金を各種請求書の支払に使う。さらに5人に1人は、その金を何に使ったか、あるいは、いくらもらったかを、数か月できれいさっぱり忘れている

会社に対する忠誠心が5%上昇するだけで、利益はなんと50%も増加する(フレッド・ライクヘルド)

・リーダーシップの4つの基本(目標設定・コミュニケーション・信頼構築・責任感を持たせる)にレコグニション(報奨)が加わると、すぐれたマネジメントが生まれる

・すぐれたリーダーは、社員一人ひとりの目標と会社の目標をつなぐことができる

・信頼関係とは、「人は自分が相手から扱われたように相手に接する」ということ

・レコグニション(報奨)を実践するマネージャーの中に、その見返りを期待している「下心マネージャー」と、何の下心もなく部下に報いる「真心マネージャー」がいる。真心マネージャーは、部下を一人の人間として気遣い、一人ひとりの動機付けを探し出している

・マネージャーとしての高い適性は、ニンジンの供給量をコントロールできること

・ニンジンの法則を身に付けたマネージャーは、社員が職場で抱く「ここで何が重要なのか」「どうすれば貢献できるのか」「貢献すれば何が得られるのか」の3つの疑問に答えて、彼らの参加意識と満足度を高めていく

・功績に対するレコグニション(報奨)を改善する時のキーポイントは、「バリュー」「インパクト」「パーソナル」の3つ

勤続報奨は正規の報奨制度の基盤を成す。全社員との信頼関係を築き、結束感を強める

・誰を褒めたか記録をつけること。あまり褒めてもらっていない社員がいたら、彼らにチャレンジの機会を与えること。また、褒め過ぎると、部下たちは褒められることばかり期待し、意味がなくなる

・報酬と報奨は同義語ではない。給与のためだけに、つまらない職場にしがみつく人は少ない。人間は自分が重要な存在だと思いたい。個人の具体的な貢献を頻繁に称えれば、このニーズを満たすことができる

・日頃のねぎらい、チームのお祝い、功績に対する報奨、勤続報奨などで、何らかの品物を用意する場合、たいていの企業は、給与総額の2%を予算にとっている。社員1人当たりに換算して年間8万円あたりが現実的ライン

・有能なマネージャーたちが、部下へのねぎらいに費やしている時間は、週に1~2時間程度。就労時間の5%足らずだが、大きく実を結ぶ時間

・マネージャーはニンジン計算機。社員に正しいインパクトを与え、動機付けとなる報奨をどのように行うかを考えればいい



本書は、米国における「ニンジンの法則」です。日本には日本のやり方がありますし、企業の大小、業界、地域によって、そのやり方はもちろん違ってきます。

しかし、表彰、評価、承認を有効に使ったところが、マネジメントを制するということは、間違いのない事実ではないでしょうか。


[ 2013/06/04 07:00 ] 育成の本 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL