とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『値段から世界が見える! 日本よりこんなに安い国、高い国』柳沢有紀夫

値段から世界が見える! 日本よりこんなに安い国、高い国 (朝日新書)値段から世界が見える! 日本よりこんなに安い国、高い国 (朝日新書)
(2012/11/13)
柳沢有紀夫

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本書は、世界20カ国の物やサービスの値段から、その国の事情を探っていこうとするものです。お金を通して見ると、世界の真実の姿が見えてきます。

現地に住む日本人たちの報告なので、今の世界がよく見えてきます。本書に出てくる値段は、昨秋のものなので、実際には2割前後の円安になっていますが、大筋は変わらないと思います。それらの中で、気になったところを一部要約して、紹介させていただきます。



・オーストラリアは、肥満率がアメリカと共に高い。生活習慣病は多いが、男女の平均寿命は、日本の83歳に近い82歳の長寿国。ストレスの少ない生き方が、健康と長寿の秘訣

・オーストラリアのフードコートで一番安く食べられるランチが日本食。カツ丼や天丼が560円、10貫入握り寿司が800円。ひと昔前まで高い食事の代名詞だった日本食がお手頃になったのは、日本人が努力を怠らないから。低価格は、労働者の頑張りで成立している

・オーストラリアの法定最低賃金は、アルバイト、パートでも1200円。これ以下では働かせてはいけない。この最低賃金の高さが、安いはずのファストフードの値段を高めている

・スウェーデンでは、大学まで進学しても授業料がかからないので、家計の負担にならない。多くの子供が進みたい大学のある町で一人暮らしをする。ここでの生活費(月額14万円)を支えるのが政府からの補助金

・スウェーデンでは、税金を高くしても文句を言う人が少ない領域には、思い切り課税する。20本入りタバコ570円、ビール1ℓ660円、ガソリン1ℓ180円、ストックホルム市内出入通行車1回120円~240円など

・ドイツの失業率が7%と高い原因は、東西ドイツの統一。高い失業率は、生活保護受給者の増大につながる。ドイツの受給者は450万人で、日本の倍以上。人口比では、3倍以上

・ドイツの食料品は安い。牛乳1ℓ60円、パン500g90円、ハム100g45円ビール500ml70円(生活用品消費税7%込)など、日々の生活に不可欠な食材は低価格に抑えられている

・イタリアでは、両親が子供のために家を買うケースが目立つ。都市部では、「シェアハウス」が人気で、大きなアパートに数名が暮らす。キッチン・バス共同のシングルルームで1部屋3万円から

・スペインでは、毎日の生活で食事が極めて大切にされており、1日5回も取るほど。朝ごはんの後、11時に軽食、14時にランチ、18時に軽食、21時過ぎにディナー。仕事の合間に食事をするというより、食事の合間に仕事をしているような感覚

・スペイン人は地元意識が強く、生まれた地域にずっと住み続ける。だから、結婚をして家を出ても、週末は、両親の家に集まり、大家族で食事をする習慣が生きている

・スペインは徹底したコネ社会。能力があっても、コネがないと仕事がなかなか見つからない。コネ事情やスローな時間感覚は、ビジネスにおいて困りものだが、人生を楽しむには、これくらいのいい加減さが必要。スペイン人は、不況の中でも明るい

・ベルギーでは、低価格で家政婦を雇えるシステム(普通に頼めば1時間2000円かかる家事代行サービスが、政府発行チケットを1枚実質525円で購入すれば、1時間のサービスを受けられる)が存在する。忙しい共働きの家庭にはありがたい

・韓国では、塾や習い事に、子供1人1カ月67000円以上かけている。国民1人当たり名目GDPが日本の約半分であることを考えると、どれほど多くの額かがわかる

・韓国の法定最低時給が300円。低賃金の仕事に従事する人の社会的地位も低い。したがって、仕事に責任感が伴わず、仕上がりのレベルも低い。ものづくりに未来と希望が見えないから、ますます子供たちの進路に多様性がなくなり、勉強一本に絞られる

・中国では、一つのところで、じっと耐えて修業をする習慣がない。何か覚えたと思ったとたんに独立して自分で会社を起こす。そのため、中途半端な技術しか習得しておらず、専門知識は貧弱。そして、「日本の物は品質がよい」と、誰もが日本製を買い求める

・スイスはルール厳守に重きを置く国民性のためか、スピード違反にもめっぽう厳しい。時速5キロまでのスピード違反で、3820円の罰金を取られる。街の中心地で、事故が起きやすい場所では、同じスピードオーバーで、25000円へと大幅に増額される

・アメリカで食卓に上がるのは、安価で大量の食べ物。食料自給率124%の農業大国。牛乳1ℓ63円、ビール350ml80円の他、野菜、果物、肉も安い。そのため、成人肥満率が35%



過去に行ったことがある国に絞って、紹介させていただきました。お国事情をある程度見た上で、日本の手本や反面教師となりそうな点を選びました。

お金や値段を通して見れば、さらに客観的、合理的に、その国の事情が見えてきます。参考にできることが多いように思います。


[ 2013/04/12 07:00 ] 海外の本 | TB(0) | CM(2)
こんにちは。

韓国からの留学生は優秀な人が多いのですが、日本人と同じく挫折率も高いのは、先行きが見えない不安が大きいからでしょうね。親の期待にこたえる重みも似ています。

スペインのように大家族で食事をすれば、一日5食でも全体として食費は少なくてすむようです。

オーストラリアも肥満が増えてますね。
肉の食べすぎとか、マクドナルドの影響か(笑)
[ 2013/04/12 09:47 ] [ 編集 ]
ようこそ!
トオリスガリデスさんへ

「鵜の目、鷹の目」「虫の目、鳥の目」
海外事情をよく知ると、
この「鷹の目、鳥の目」の視力がよくなって、
物事の判断力がつきますね。

やはり、海外に行くか、
海外情報に触れることは大事ですね。
[ 2013/04/12 17:38 ] [ 編集 ]
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