とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『横井軍平ゲーム館RETURNS』横井軍平、牧野武文

横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力
(2010/06/25)
横井 軍平、牧野 武文 他

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横井軍平さんを知らない人が多いと思いますが、任天堂で数々のアイデア玩具を開発した後、ゲームウォッチファミコンを発明した方です。日本ゲーム界の父であり、日本国に多大なる貢献をされた方です。将来は、ゲーム神社?に祀られるかもしれません。

残念ながら、1997年、56歳で交通事故死されました。亡くなられる直前にインタビューしたものが本書です。日本の技術開発への指針となる言葉が数多く遺しておられます。それらの中から、一部を要約して紹介させていただきます。



・「売ることに徹すること、技術者の見栄を捨てることが、私の開発哲学。そう思って、今までやってきたものが、そこそこヒットしているので、そう外れた考え方ではないと思う」

・「私には専門の技術がない。全体をぼんやりと知っている程度。何かを作るときに、技術が必要でも、自分で勉強せずに、専門家を集めてきたらいい。開発のキーマンは『おまえ何やってんだ』と言われるのが怖くて、自分で勉強してしまう。それが間違い」

・「全体が見られる人間がこの世の中に少ない。みんな細く深く技術を習得していこうという姿勢になる」

・「『こうやれ』と高圧的に命じてしまうと、そのグループは動かないし、知恵も出してくれない。まかせてしまえば、技術者がやる気を出して、いろいろと提案をしてくれる」

・「理屈がわかっていないといけない。理屈がわかっていれば、どんどん応用が利いてくる」

・「難しい計算ができるのが偉いんじゃなくて、その計算をしたら何に役立つかがわかることが大切」

・「不要不急の商品のニーズは『暇つぶし』。暇つぶしのニーズを探り出すのは、そう簡単にはいかない。『何をしたら楽しいか』というのは、なかなか見つけにくいもの」

・「技術者にユーザーが何を求めているかを伝えることは簡単。しかし、『ユーザーが何を求めていないか』を探し出すのは難しい。『ユーザーはこう言っているが、本当のニーズはこうなんだ』ということを技術者に説明するインターフェイスの役目をする人間が必要」

・「インターフェイスになる人は、決して優秀な技術者である必要はない。センスがある人感覚が優れている人にやらせばいい。それを直接技術者がやったのでは、あれもできるこれもできるで、すごい商品を作ってしまう。すごい商品は必要ない。売れる商品が必要」

・「それを、お金を払って買う気になるかをいつも自問自答している。つねに第三者の目で、自分のやっている仕事を見直すことが重要なこと」

・「技術者というのは、自分の技術をひけらかしたいものだから、すごい最先端技術を使うことを夢に描いてしまう。それは商品作りにおいて大きな間違いとなる。売れない商品高い商品ができてしまう」

・「『その技術が枯れるのを待つ』こと。つまり、技術が普及すると、どんどん値段が下がってくる。そこが狙い目。ゲーム&ウォッチを5年早く出そうとしていたら10万円の機械になっていた。それが量産効果で、3800円になり、それでヒットした」

・「枯れた技術を水平に考えていく。垂直に考えたら電卓、電卓のまま終わってしまう。そこを水平に考えたら何ができるか。そういう利用法を考えれば、いろいろとアイデアは出てくる。これを私は『枯れた技術の水平思考』と呼んでいる」

・「ものを考えるときに、世界に一つしかない、世界で初めてというものを作るのが私の哲学。それは、競合がない、競争がないから」

・「安く作らないと売れないというのは、アイデアの不足

・横井氏に入れ込んでしまうのは、アナログ玩具だけの人でもない、デジタル玩具の人でもない、両方で活躍した人だから。こういう人は、世界的に見ても、ゲーム業界以外の世界を見ても、極めて貴重。そろばん職人が、コンピューターを開発したようなもの

・「枯れた技術の水平思考」は、先端技術で勝負するな、アイデアで勝負しろという教え

・「ものぐさ+便利」「動きの面白さ」の二つは、横井マインドそのもの

・横井氏は、「実直そうな人」という印象だが、実は音楽や自動車に造詣が深い「趣味人」。子供のころからピアノを習い、学生時代は社交ダンスで大会に出場、外車を乗り回し、夏にはダイビングを楽しむ学生時代を送った。この頃の感覚が生きているものが意外に多い



ゲーム文化を創った横井軍平さんが、仕事や会社や人生を楽しんでいたことがよくわかりました。文化を創るということはこうでなければいけません。

日本人は、アリのように真面目に働きますが、その上にキリギリスがいないと泥沼に入ってしまうように思います。ずるくないキリギリスの存在が、今後ますます重要になっていくのではないでしょうか。


[ 2013/02/27 07:03 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)
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