とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『1食100円「病気にならない」食事』幕内秀夫

1食100円「病気にならない」食事 (講談社プラスアルファ新書)1食100円「病気にならない」食事 (講談社プラスアルファ新書)
(2010/08/20)
幕内 秀夫

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1カ月1万円生活という番組がありますが、食べる(カロリー摂取)だけなら、デフレと加工食品隆盛の日本社会において、そんなに難しいことではないように思います。しかし、栄養バランスも考えて、それをどう実行していくかは難しいところです。

著者は、「昔の日本人の食生活」を見習えば、1カ月1万円、つまり、1食100円で、栄養バランスも考えた食生活を簡単に実行できると述べられています。参考になる点が多々ありました。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・基本中の基本は「ごはんとみそ汁」。それに、野菜・海藻・豆・魚を素材とした副食(おかず)が、2~3種類あれば十分。また、副食が漬物・佃煮・煮豆のような保存食であれば、そのあとも何日もおかずの一つに加えることができるので、より経済的

・長寿村のお宅を訪ねたら、その家の台所には、換気扇がなかった。料理に油を使うことがほとんどないとのこと。「体の中をきれいにしたいなら、換気扇をきれいにしろ」というたとえがあるほどだから、この家の人たちの内臓はずいぶんきれいなはず

・長寿村のお宅には、「マヨケソ」(マヨネーズ・ケチャップ・ソース)がなかった。料理の味つけは、塩、みそ、しょうゆだけとのこと。味つけは高カロリーの「マヨケソ」ではなく、低カロリーの塩、みそ、しょうゆであっさりがいい

・日本の伝統食は、そればっかり食べる「ばっかり食」。そのときどきにとれた食材を常備食にしている。そこには、「バランス」だとか、「栄養素」だとかいう理屈はどこにもない

・みそ汁のだしに煮干しを使い、豆腐とわかめとねぎを具として入れれば、それだけで必要な要素(野菜・海藻・豆・魚)をすべて満たすことができる。加えて、常備食が一つ二つあるだけで、ごはんも進む。そして、最後にお茶を飲む。これが日本人の典型的な食事

・日々の献立を考えるときも、「ごはんとみそ汁」プラス「野菜・海藻・豆・魚」の四つの副食から選択すれば、悩まなくてもすむし、それだけで「間違った食事」にならない

・厚生労働書は少し前まで、「1日30品目」を食べるように奨励していた。たった1日でも、30品目食べるのは至難の業。ましてや、毎日食べ続けるなど、とうてい無理な話

・日本人は、昔から、ごはんとみそ汁と少しの常備食だけで元気に生きてきた。戦国武将など、雑穀の入った握り飯に、みそを塗っただけのものを食べながら、ずっと戦っていた

・たばこ、コーヒー、酒、これら「三大麻薬」をやらない人は、砂糖や油にはまる人が多い。ケーキ、チョコレート、ポテトチップスは「ただのお菓子」ではない。四つの精製調味料(砂糖、塩、油脂、うまみ調味料)が三つ以上重なると、依存症や常習性が増大する

・誤った減塩信仰に踊らされて、塩分を気にするくらいなら、むしろ、油と砂糖のとりすぎに注意すべき

・人間は、赤ちゃんのときから、いも類や穀類の甘みを好む。これはでんぷんの甘さで、日本人は、それを主にごはんからとってきた

・30~40代の男性の多くは、21時以降に夕食をとる。寝るのは24時。起床まで6時間程度。朝は胃が重たく、ごはんがおなかに入らない。こういう現実を知らない呑気な評論家は、昔のように早い時刻に夕食をとっていると思い、「しっかり朝食を食べよう」と言う

・みそ汁の具には、季節を感じる旬の野菜を入れられれば理想的だが、旬の野菜が高くなっているとき、おすすめしたいのが、安くておいしい「もやし」

・人間は、暑いとものを噛みたくなくなる。「喉をスルッと流れていくものをくれ」という信号が脳に送られる。夏は、「冷や汁ごはん」(冷たいみそ汁をごはんにかけて食べる)で、食欲増進すればいい

・現代人の多くは夜型の生活をしている。そのため、朝昼晩の食事時刻が、7時・12時・22時くらいになっている。昼食と夕食の間があきすぎているため、おやつを口にする人が多い。本人は、おやつのつもりで食べても、実際には、お菓子が夕食になっている

・弁当づくりの基本は、「ごはん8、おかず2」の割合で詰めること。「弁当は手間がかかってたいへん」と言う人は、ごはんを2~3割しか入れないから。ごはん8割なら、かける時間が1分~3分の「1分弁当」で弁当づくりができる

・冷凍庫と電子レンジを上手に利用すれば、いいおかずが用意できる。最近の冷凍食品には、油をほとんど使わない和総菜もある。それらを使えば、油まみれの弁当を改善できる



ごはんは1杯約30円です。2杯食べても60円。それだけで、320カロリーが摂取できます。そのごはんを中心に、日々の食事をどう組み立てていくかを基本としているのが本書です。

お金がかからず肥満にならず病気にならず」、夢のような食事が、昔の日本の食生活をそのまま真似るだけというのは、何とも皮肉なものです。本書には、昔の常識に戻ることで、食生活を改善していく術が丁寧に記されていると思います。


[ 2013/02/16 07:03 ] 環境の本 | TB(0) | CM(0)
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