とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『選択日記』シーナ・アイエンガー

選択日記 The Choice Diary選択日記 The Choice Diary
(2012/07/20)
シーナ アイエンガー

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本書は、前の会社の上司であったFさん(「文化と達成」ブログを執筆)にいただき、読みました。

著者は、インド系の女性で、全盲ながらコロンビア大学ビジネススクールの教授を務められています。本書の内容は、「選択を記録し、評価するだけで、人生が豊かになる」というものです。

実際に、コロンビアビジネススクールで、その道のトップレベルになる力を養成するプログラムで実践されてきたものです。参考になる点が幾つかありました。それらの一部を紹介させていただきます。



・人間の「選択」には、二つの方法がある。一つは、条件を一つ一つ検討して決める「理性による選択」、いま一つは、「直感による選択」。その道の第一人者と呼ばれる人は、この両面をあわせた方法で「選択」している。それが「経験にもとづく直感

・「選択」において、人が失敗するのは、人間の認知システムが様々なバイアスによって歪められているから。適切な「選択」ができるためには、自分が行った「選択」をそのままにしておかずに、書き留め、その結果を折りにふれて評価することが必要になる

・「選択日記」は、「自分の行った選択」「そうするにいたった思考プロセス」「判断に用いた情報」を書き留め、その後、その判断について、「結果を自分で評価」「なぜ、うまくいったか、いかなかったか」を考える、というもの

・選択をするとき、私たちの脳は近道をしようとする(直感を使おうとする)。直感が判断のよりどころにするのが記憶。ところが、記憶は一定の方向に偏っている。人は、記憶の中の取り出しやすい情報を重視することが多い

・たくさんの選択肢を与えられたとき、一番思い出しやすいのは、最初と最後に出てきたもの。選択肢の内容よりも、それが現れた順番に判断を左右される

・記憶は情報の鮮明さや、入ってくる順番、頻度に大きく影響されるため、当てにならないことが多い

・大多数の人よりは目立ちたいが、奇抜で孤独な少数派にはなりたくない。その結果、他人の目を気にして、自分の意に沿わない選択をする。逆に言えば、人は自分がどう見られたいかを基準にして選択をするものである

・私たちは、日常生活において、自分の意見を裏付けたり、以前行った選択を正当化する情報のみを受け入れる。しかし都合の悪いことも直視することが必要

・理性で行う選択には、定量化データに頼るという致命的欠陥がある。定量分析では扱いにくい、感情に関わる事項がないがしろにされる。感情的側面も含めての「選択」には、「理性」と「直感」の「最適解」のゾーンが無意識のうちに見えてくる「選択日記」が有効

・人間の知覚判断には限界がある。どんな感覚でも、ほとんどの人が5つから9つまで(7±2)のものにしか対処できず、それを超えると、知覚の過ちを犯しがちになる

・選択肢が多すぎると、三つの弊害が起きる。1.「選ばなくなる」2.「ひどい選択をするようになる」3.「選んだ結果に満足しなくなる」。顧客の立場に立つなら、選択肢を絞ってあげることが必要

・個人主義社会では、「選択」の際、まず「自分」を中心におく。集団主義社会では「選択」の際、「私たち」を優先する。自分を、家族、職場、村、国など自分の属する集団との関係性でとらえる。見合い結婚と恋愛結婚はまさに二つの世界を象徴する「選択」

・自分のなじみのない「選択」の言語を学ぶことで、逆に自分のいる世界のことがよくわかってくる。常に異なる価値体系について考えることで、自他をよりよく理解できるようになる

・「一つのことを1万時間やり続ければ、その道で一流になれる。1万時間費やした人は、やり遂げるという意思を持って、何度も選び続けた人」(ビル・ゲイツ)

・成功した個人に共通する資質の一つが、「継続する意志」。目的を達成するために、継続しているうちに、次第に周りが脱落していき、自分が残っていく

・「人生とは、すべての選択が積み重なったもの」(アルベール・カミュ)

・そのブランドを選ぶとき、あなたは過去の思い出を買っている



本書には、
上欄に「下した選択」「日付」「選択にいたるまでの思考プロセス」「用いた情報」、
中欄に「結果」「日付」「点数・1~10点」、
下欄に「なぜ、うまくいった、うまくいかなかったと思うか」「日付」「点数・1~10点」
の選択シートが付いています。

選択の機会があるごとに、これに書き留め、結果を振り返っていけば、豊かな人生が切り開かれていくのではないでしょうか。


[ 2012/11/21 07:00 ] 育成の本 | TB(0) | CM(0)
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