とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

浪費家の金遣い(1)~1年価格、1回価格~

Raymond Burki/Vieux Papier/POST CARD
先日、テレビを見ながら食事をしていたら、不注意にも、お箸を落としてしまいました。拾ってみたら、先が少し欠けていました。結婚来15年以上使っていた箸です。でも、その時、ふと「これじゃあ、箸業界は儲からないだろうなあ」と思ってしまいました。

この、お箸は、買った時、500円くらいだったと思います。先は少し欠けましたが、後5年は使えそうです。ということは、20年間、使い続けるとして、

1年価格」は、500円÷20年=25円ということになります。

この箸を今までに使った回数、これからも使うであろう回数は、1年に500回くらいと考えますと、

1回価格」は、500円÷20年÷500回=0.05円=5銭ということになります。

何て、「お買い得な商品」なんだろうと思いました。箸職人や箸業界の方々は、儲からないかもしれませんが、世の中の人々に、毎日毎日貢献していることは事実です。この業界に勤務されている方は、胸を張って生きていけると思いました。

この話とは、全く逆の例として、3年前、税理士さんと雑談している中で、その税理士さんの関係先の開業医の方が、1700万円の高級車を買ったという話を聞きました。思わず、「イッセン!ナナヒャックマン!ですか?」と叫んでしまいました。

このお医者さんは、多忙な方で、お金を使う暇があまりないようです。しかし、非常に稼がれているので、趣味の車に大枚を投じられたというわけです。

しかし、多忙ということは、車に乗る回数、距離も少ないはずです。また、車には寿命があります。耐久消費財というより、消耗品かもしれません。15年乗ったとしても、

1年価格」は、1700万円÷15年=113万円になります。

勝手な想像ですが、通勤用は別の車に乗り、レジャー用で、この高級車に乗っているとすれば、車に乗るのは、せいぜい週2回くらいだと思います。ということは、年100回くらいの利用回数になります。こう考えますと、

1回価格」は1700万円÷15年÷100回=1万1333円ということになります。

先ほどの我が家のお箸と比べると、

1回価格」は、実に11,333円÷0.05円=23万倍ということになります。

単純に比較できるものではありませんが、お箸の方に軍配を上げたい気になります。お箸に比べて、高級車は、何て、「お買い損な商品」でしょうか。

しかも、二酸化炭素の排出や将来の廃棄処理も考えれば、地球環境にマイナスを与えます。そういう意味でも、箸業界に比べると、高級車の業界は、肩身を狭くしないと、生きていけないように思えます。

このように、ある商品を買う前に、「自分にとって、利用価値があるのか?」をためらって、「1年価格」「1回価格」を計算して、じっくり考えるべきだと思うのです。

人気商品を、「1割、安く買えた!」と喜んだとしても、本当に、利用価値が少なく、「1年価格」「1回価格」が高いのなら、その人気商品は安かったのではなく、高かったということになります。

商品購入時に、「1年価格」「1回価格」という考え方を持っていたら、自分にとって、得か損かを冷静に判断することができます。

浪費家で、お金が貯まらない人になるか
倹約家で、お金が貯まる人になるかは、

金遣いの際に、「1年価格」「1回価格」を考えるかどうかの差だけではないでしょうか。


浪費家の金遣い(2)~1坪価格~へ つづく

[ 2009/02/19 12:59 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL