とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『「お金持ち気分」で老後を―人生を楽しむエッセンス』邱永漢

「お金持ち気分」で老後を―人生を楽しむエッセンス「お金持ち気分」で老後を―人生を楽しむエッセンス
(2001/12)
邱 永漢

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先日、邱永漢さんが亡くなられました。ブログ「もしもしQさん」を時々覗いていたのですが、ゴールデンウイーク前から、十年以上続いた更新が止まっていたので、気になっていました。とても残念です。

しかも、死亡の記事やニュースが、人々に大きな影響を与えてきたはずなのに、小さく扱われたことも残念でした。各論はともかく、お金に関する総論や「お金の使い方」に関する記述は、本当に勉強になりました。

このブログでも、「お金に愛される生き方」を過去にとり上げました。本書は、本人の体験談による「老後のお金の使い方」が、記載されており、参考になります。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・他人から見て、「時間の浪費」と映るような人生であっても、「自分にとってよい人生だった」と本人が満足すれば、それは、それでよい人生

・人生を旅にたとえれば、会社勤めは「パック旅行」。会社に就職し、会社の決めたスケジュールに従うことに相通ずる。しかし、定年後まで面倒を見てくれる人生八十年のパック旅行はない。定年後をどのようにするか、自前で生活設計を立てねばならない

・定年後の仕事は、儲かることよりも、好きなのか、性に合っているのかのほうが重要な要素

・中国人の伝統的な考え方によれば、人生のしあわせは、財子寿の三つが揃っていること。財とは金持ちであること。子とは子供のいること。寿とは長生きすること。実は、三つ揃うことはなかなか難しい。理想的な老後を送っていない人のほうが多い

・苦労してお金を儲けることができたら、次はお金儲けに挑戦する過程に我を忘れるようになる。気がついて見たら、お金儲けのためだけに、一生を棒にふることになる

・世の中には、お金の勘定はうまいが、自分の人生の計算は下手クソという人が意外に多い。いつか使うつもりで、貯め込んでいるうちに、うっかり死んでしまうとそうなる

・人生とは、生きている時間のこと。お金を貯めるのも使うのも、生きているから。お金はそうした人生に奉仕するためにある。だから、生きている間に上手にお金を使うこと

・豊かな社会のお金の使い方は、第一にエンターテインメント(演劇・映画・スポーツなど)。第二に飲食。第三に旅行。第四に趣味・道楽。第五は健康と美容。そして、第六は教養や文化等の成人教育。豊かになるにつれ、自分の知識や技能を磨くためにお金を使う

・仕事などの目的があってする会食は、どうしても話題が狭くなりがち。だから面白くない。目的のない場合は、話が止めどもなく発展し、興に任せて喋る話は、肩も凝らず、食事もおいしい

・社会的ズレの最大の原因は、生活のマンネリ化。同じことを繰り返しているうちに、世間がドンドン変わっていき、気がついたら、自分が置き去りにされている。人はここでいっぺん死ぬ。もし、そうなりたくなければ、世間の変化に付いていくほかない

贈り物をするときにコツがある。値段の高い高級品で、ランクの低いものを人にあげてはいけない。日用品の中の最高級品を贈るといい

お金の流れは、川の流れのように、しょっちゅう変わる。川の流れが変わってしまって砂漠のようになった場所で、お金儲けをしようとしても、魚のいない所で、魚釣りをしているようなもの

・金の儲かる商売をうまく見つけた人が、多少の運不運はあっても、金持ちになる。学歴とか、能力とかはあまり関係ない

・口を酸っぱくして、口説いても、相手にさっぱり手応えのない商売は、時流に合わない商売。反対に、こちらがセールスに行かなくても、向こうからやってくる商売は、社会的ニーズのある商売

・昔の方がチャンスがいっぱいあったように見えるのは、すでに答えが出てしまっているからで、先の見えないことでは、昔も今も同じ

・初心に帰るということは、「経験」に毒されないということ。時間の経過によって、鮮度を失わないこと。つまり、時間の上手な使い方とは、「時間に汚染されない鮮度の保ち方」ということ



お金の儲け方、貯め方、殖やし方に言及している本は多いですが、お金の使い方を説いている著述家は少ないように思います。

お金の使い方には、「時間」と「お金」を秤にかけることが必要になってきます。邱永漢さんは、お金の神様というよりも、お金の使い方の神様だったのかもしれません。ご冥福をお祈りいたします。


[ 2012/05/24 07:08 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)
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