とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『暮らしの中のおじゃま虫』上村清

暮らしの中のおじゃま虫暮らしの中のおじゃま虫
(1986/05)
上村 清

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昨年、家にスズメバチがやってきて、困ったことがありました。そのとき、スズメバチ退治の方法をいろいろ調べました。

雨が多く、急に冷えた秋は、スズメバチが好物の昆虫が少なくなり、そういう時、クヌギなどの樹液を吸うことで、冬場に備えるそうです。庭にある背丈ほどに伸びたクヌギをバッサリ切ったら、スズメバチは来なくなりました。

このように、暮らしの中のおじゃま虫は数多くいます。これらを、昆虫、寄生虫、害虫など、虫別にわかりやすく解説しているのが本書です。

虫の生態と、それらの虫の適切な対処法と駆除法を知っておくと便利です。数多く掲載されている虫の中から、「虫の一部」ですが、紹介させていただきます。



・シロアリの被害が多くなったのは、暖房設備の普及で、熱帯性昆虫のシロアリがぬくぬくと冬を越せるようになったこと。結露がシロアリの好きな湿り気を与える

・シロアリ防除剤のクロルデンは環境汚染が問題となり、使用禁止になっている。シロアリからマイホームを守るためには、家のまわりの木片、廃材、切り株などを徹底的に片づけること

・イエバエはデンプン質の食べ物を好み、卵から成虫になるまでに10日以上かかる。ゴミ回収が毎週行われるようになって少なくなった。日中は屋外に出て、日向ぼっこをし、夕方には家に戻って、夜は天井で休む

・体長0.3ミリ大のヒョウダニは、人のふけを食べて生きている。ふけがたまっている古い家にはたくさんいる。気温25度、湿度75%付近で、最も成育、繁殖がよい。じゅうたんは格好の隠れ場所。小児喘息の原因の7~8割がヒョウヒダニと言われている

・バスや電車などの座席にもダニがいっぱいいる。シートの背中や継目には、特別多く見つかる

・カレハ蛾の幼虫マツケムシは、体長6センチの大型の毛虫。触れると、胸の毒針毛を突き出す。触れると、皮膚炎を起こし、痛みの後にかゆみが2~3週間続く。イラガ科の毛虫(柿、梅、桜、栗につく)も毒棘を持っており、触れると、飛び上るほどの痛みが走る

・灯火に集まる虫を求めて、捕食性のムカデ、ゲジなどがやってくる。これらは、昼間は落葉の下などに潜み、夜になると這いだして、ハエ、クモ、ゴキブリまで食べる。人が触れるとすばやく咬みつき、数日間は腫れと痛みが引かない。しかし、殺虫剤には弱い

・クモは肉食性で、各種の昆虫を捕食し、ゴキブリなどの家屋害虫や農業害虫の天敵で、保護すべき益虫。日本の毒クモは、咬まれても少し痛いかかゆい程度

・ヤモリは爬虫類だが、有益動物。家の門灯、ガラス窓、外壁にへばりついて、ハエなどの虫を食べてくれる。トカゲ、カナヘビもヤモリの仲間。身に危険があると、尻尾を自ら切り放す。昼はよく日向ぼっこをし、体を暖めている

・真夜中の台所では、洗い物や流しの上をゴキブリが闊歩している。昼間は、ガスレンジ、流し台の下、食器棚、冷蔵庫の裏に潜み、群がっている。このような場所は、糞で黒く汚れている。夜になると、野菜、残飯など手当たり次第に食べる

・ゴキブリが住みつけなくするには、残飯などを速やかに整理し、流し、ガスレンジ、食器棚などと壁とのすき間を封じ、隠れ場所をなくすこと。また、ゴキブリは水をよく飲むので、流しの水をよく切って、乾燥させておくこと

・本棚や押し入れの中を、銀白色に光るヤマトシミが走る。デンプン質を好み、糊づけした本の表紙、壁紙などをかじり取るが、穴を開けることはない。衣服、毛織物、小麦粉やパンなどの食品も食べる。絶食に1年以上耐え、2~3年生き続ける。乾燥や光を嫌う

・イガもカツオブシムシも羊毛や毛皮のケラチンが大好物で、それを分解消化する酵素を持っている。しかし、栄養にならない化学繊維までもかじる。衣服についた食べこぼし手あかなども食べるため

・スズメバチとアシナガバチの毒液はセロトニン、ヒスタミンが主成分なので、刺されると非常に痛い。ミツバチの毒針のようなかえしがないので、一匹で何回も刺すことができる。秋には、人が巣に触れなくても、付近を通っただけで攻撃してくる

・カメムシは触れると、その青臭いむかつくような悪臭を発することで有名。近年、新興住宅地でも、人家に飛来してくるのは、造成地や空地、斜地に繁殖を始めたクズの群生に卵を産みつけるため



・見た目とは違って、虫の中にも、可愛くて、有益なものもいます。単に、気持ち悪いからと退治するのではなく、有害な虫だけ、駆除していきたいものです。

本書には、人家や人家近辺にいる、一通りの気になる虫が収められています。予備知識をもって、対処することが必要だと思いました。


[ 2012/05/12 07:04 ] 環境の本 | TB(0) | CM(0)
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