とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『いい顔してる人』荒木経惟

いい顔してる人いい顔してる人
(2010/05/19)
荒木 経惟

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天才写真家アラーキーの本です。人物写真では、今の日本において、彼の右に出る者はいないと思います。世界的に見ても稀有の才能だと思っています。

なぜ、彼が撮った人物写真が、人々の心を打つのか?本書にて、その種明しをされています。天才写真家が考えるいい顔とは、どんな顔なのか、興味深い点が数多くありました。その一部を紹介させていただきます。


・人間の顔というものが、その時代、時期、時間においての人となり、つまり「本質のようなもの」をいちばん表出するんだ

・顔がいちばんの裸。それを自覚したら、きっと顔つきも変わって、女も男もいい顔になっていくんじゃないか

・過去も現在も全部顔に出る。怖いよ、顔は。隠せないんだから

・短い撮影時間で、あっという間に、その人の芯まで行けるのは、どれだけ修行を積んでも、できないヤツにはできない

・みんな元からいい顔を持っている。それが生きていくうちに、生活や男なんかに引きずられて隠されちゃう

・頂点というものは、たぶん止まっちゃった感がある。そこに行く直前の、動きながら近づいている辺りがいい顔

・いい顔になるいちばんいい方法は、キザだけど、人を愛すること。しかも血の流れている愛、情が通っているやつ。通い合っている喜びがあると、それは必ず顔に出るんだ

・女の顔は、何かに媚びる要素があるとよくなる。媚びる相手は男でもいいし、時代でもいい。ただし、媚び過ぎてはダメ。品が落ちるから。基本は上品じゃないとダメ

・すっぴんと素顔は違う。本人が自分の手でする化粧は、本人の表現。それで、顔は変わってくる。本人が思うなら、化粧したときが素顔。何もすっぴんをさらさなくてもいい

・「痴知性」。知性も欲しいけどアホウも欲しい。いい顔の女には、もっと知ろうとする「知性」と、どうしようもなく抜けている「痴性」のどっちもある

・いい女は猫に似ている。腹が減ったときと、撫でてほしいときだけ擦り寄って、こっちが「手なずけたかな」と思ったら牙をむく。そういう獰猛さというか奔放さみたいなものがある女には、ちょっと忘れがたい引力がある

・「ローマの休日」で、さっぱりと髪を切ったときのオードリー・ヘップパーンが、新しい髪型の自分を鏡で見たときの表情。自分に陶酔して「いま、あたしイケてる」って思うときの女は、やっぱり光り輝いている

・何かが終わったときの女の顔は、向こうへ行って戻ってきた、そんななんともいえない顔になる。無に近いのか、それとも夢の続きを見ているのか、どっちかわからないけど、絶対いい

・男の場合、アクとか毒がない顔って、なんか魅力がない。ただし、アクも毒もありすぎるとダメなんだ

・「周りがどうこう言うから」と言い訳し、自分がやりたいことをやっていないと、「我」がなくなる。「我」は顔に出る。自覚とか目標とか持っていないと、男の顔は、ぼんやりしてくる。我のない、ぼけた顔は「生」がない。そんな顔じゃ勝てない

身体と肉眼を使っている人は、総じていい顔をしている

何かにかけているときの顔は美しい。美男美女を軽々と超えた美しさ。逆に、一生懸命やっていて、顔が美しくならないなら、その仕事は向いていないということ

・人の感情をあおる存在がいると、ちょっと活気が出て、周りまで影響されて顔が変わる

・女は、実際の客と触れ合って、その視線がお化粧をさせる。いい意味で、媚びようとする気持ちが出てくる。さらに、ライバルがいると、どんどんいい顔になっていく

・死に顔は、人生全部の表現だから、死んだときの顔で、そいつの人生はわかる。いい顔で死ぬのは難しい

・いい顔は、愛する人と共にあることで、つくられていくもの。愛し愛される人に出会うと、絶対いい顔になれるんだ


生き方は顔に出る。人生も顔に出る。天才アラーキーが思う「いい顔の人」とは、どんな顔なのか。それを知れば、逆に、どう人生を生きればいいのかの答えが出てきます。

本書を読むと、いい顔になることが、人生の最高の目標だということがわかるのではないでしょうか。


[ 2012/05/10 07:03 ] 芸術の本 | TB(0) | CM(2)
こんばんは!
私が目指すとこはここにありました!
人生の最高の目標ができました(*^o^*)ありがとうございます!
[ 2012/12/14 18:29 ] [ 編集 ]
チョコさんへ
歳をとると、いい顔の人とそうでない人の顔は、一目瞭然ですね。「若い」「きれい」な顔より、目指すべきは「いい顔」。和顔愛語で暮らしていきたいですね。
[ 2012/12/15 19:31 ] [ 編集 ]
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