とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『「ヤミツキ」の力』廣中直行、遠藤智樹

「ヤミツキ」の力 (光文社新書)「ヤミツキ」の力 (光文社新書)
(2011/12/16)
廣中 直行、遠藤 智樹 他

商品詳細を見る

最近、「やみつき」という言葉がよく使われています。時間を忘れて、経済性を無視して、何かに耽ってしまうこと、それが、いい意味に解釈されています。

この「やみつき」を心理学的に解明しようとしたのが本書です。やみつきは、やる気の源成長の原動力とも考えられます。やみつきを理解することは、とても大事なことではないでしょうか。

本当のやみつきを知る上で、役に立った点が本書に数多くありました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・人間のやることには、どこか「やりすぎ」の部分がある。そして、そういう「やりすぎ」の部分をこそ、私たちは「美しい」と思ったり、「すごい」と思ったりする

・夢中になること、労力をいとわないこと、寝食さえ忘れてしまうことが「やみつき」。私たちの文明はどこか「やりすぎ」「行きすぎ」「剰余」といったものを土台に築かれている

・「見れば見るほど好きになる」とは本当のこと。人の顔でも何でも、ともかく接する頻度が高く、そして最初の印象が悪くなければ、その後はどんどん好きになる。こういうのを「単純接触効果」という

・案外うまくできると、「できたぞ!」という気持ちが生まれる。この気持ちが「自己効力感」。自己効力感が高いと自信が生まれ、自信という快が得られる

・安全なことばかりやっていては面白くない。人間は「少し危険なこと」にも楽しみを見出すようになっている

・他人と「わかりあう」のも「快」を生みだす。わかる人がいると、話がはずむ。同じ趣味を持っている人には、好意的になれる

達成していないと思うからこそ「やみつき」になる。課題が残り続けることが、「やみつき」には不可欠の条件

・普段の生活で、「やすらぐ」ことのできない自分、ストレスを覚える自分がいるから、「やすらぎ」を与えてくれるものに「やみつき」になる

・学校なり仕事なりを終えて帰ってくると、いろいろなことで小さく傷ついた自分がいる。人には、「壊れた自分を修復すること」への強いこだわりがある。こういう「こだわり」もやみつきのキーワード

・「意識と行為の融合」が生じるのは、注意の範囲が狭くなっているから。夢中になっているときには、注意はどこか一点に集中する

・「やみつき」を自覚すると、自分の値打ち(行動を外から見たときの価値)に気づく

・やみつきは「感動体験」(自己肯定感を得られること)と「居場所感」(安心・安全で自分を見つめることができる何か)の両方を与えてくれる

・「やみつき」になっていないと、「いま一歩」というときの「押し」が出ない。「やみつき」はレベルアップをもたらしてくれる

・失敗を重ね、試行錯誤を繰り返しながら、クオリティがだんだん向上していく。それが「やみつき」の効用

・「やみつき」は、想像力にあふれていた子供の時分に戻してくれる。それが「遊び心」というもの

他人の目があると、脳の興奮状態が高まる。そのとき、行動傾向が強められる。自信があれば、他者が存在しているとパフォーマンスは上がる。しかし、自信がなく、不安のほうが勝った状態では、他者が存在しているとパフォーマンスは落ちる

・違う集団の人と力を合わせると、苦しみや喜びが共感的にわかる。同じ目的のために頑張った者はお互いに滅ぼすような争いはしない。生産集団を横切る形で、やみつきになる芸能集団が作られると、各々の生産集団は共存共栄の道を探る



ハマり、のめり込んでいることに対して、人は雄弁になります。それを聞いてほしい、わかってほしいと思うからです。

それらは、一般的に「自己満足」という一言で片づけられてしまいますが、この「自己満足」こそ、ストレスをなくし、活力の源になるもの、つまり「やみつき」です。

本書は、やみつきの大切さと有用性を証明する書です。人間、どこかに、やみつきの部分を持って、生きたいものです。

[ 2012/05/01 07:08 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL