とは学

「・・・とは」の哲学

『老いへの不安・歳を取りそこねる人たち』春日武彦

老いへの不安 歳を取りそこねる人たち老いへの不安 歳を取りそこねる人たち
(2011/04/07)
春日 武彦

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春日武彦氏は精神科医です。精神分析を踏まえての「老い」に対する意見には、一考の価値があると思います。

この本を読んで、「老い」について、なるほどと思えた箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・前向きで溌剌として、笑みを絶やさず、常に頑張る、そのようなキラキラした「若さの神話」を無意識のうちに強制されている

・若さを装うことは、自己肯定につながり、自信をもたらす。初老期を迎えた者が若作りしたがるのは、他人を欺く前に、自分を欺きたいから

・「惰性」は、人間の心を安定させ、安寧を保つ装置。人間は、基本的にマンネリに則って生きている。退屈で変化に乏しくても、マンネリにしがみついている限り、大きな間違いや不幸は生じない

・過去を振り返って、ノスタルジックだとか懐かしいと感じられる事柄の大部分は、惰性やマンネリに彩られていた事物。日々の惰性がストップしたとき、そこに出現するのは異形の現実

・「年寄りが淋しくなったり、可哀相になったりするのは、何も決められなくて、人の言うがままに動かされてしまうから」 (高井有一『老いの巣』)

・老いることは、人生体験の積み重ねであるにもかかわらず、徐々に個性が失われ、雑駁なステレオタイプへと収斂していくプロセスであるかのように考えられている

・若作りは浅ましいことでも、醜態でもない。身の程知らずでなければ、悪あがきでもない。若くありたいと願うほうが自然、といった共通認識が生まれている

・恥という感覚は、無力感に自己嫌悪が注ぎ込まれたときに生ずる。どんなに歳を経ても、どんなに成功体験を重ねても、無力感から脱することはできない

・笑顔と軽々しさと空元気とが混ざり合ったような「アンチエイジング的なもの」には、人生における難儀なものを引き受けずに済まそうとしているかのような印象が付きまとう

・全体として幸福な境遇にはないであろう人たちが、部分だけの極楽であっても「ほんまに、ええなあ」と言い合う妙味には、苦笑しつつも相槌を打てる大らかさがある

・老いを自覚するということには、今までの人生を振り返ることが含まれている。それは、人生の岐路、運命、世の不思議、呆気なさ、遠謀深慮の空しさ、人間の無力感などに対して、感概と虚無を覚え、苦笑を浮かべるといったこと

・老いることは、人生経験を積むことによって「ちょっとやそっとでは動じない」人間になっていくこと。つまり、うっとうしかったり、面倒だったり、厄介だったり、気を滅入らせたりすることへの免疫を獲得していくこと

・世間は、鈍感な者のみが我が世を謳歌できるシステムとなりつつある。歳を取るほど、裏口や楽屋が見えてしまい、なおさら難儀なものを背負いこむことになる

・「ここはひとつ、年寄りの顔に免じて堪えてくれんかのう」と言えば、喧嘩している同士が、しぶしぶ矛先を納める。年寄りとは喧嘩の仲裁ができる人

・歳を取っても、貪欲で、大人げない。つまり、往生際が悪いと、年寄りではなく、中古品の若者や古ぼけた中年としか見えない。歳を経たがゆえの味わいを楽しむのがいい




若作りはしないこと、個性的でいること、自分の考えで動くこと、何事にも動じずにいること。これらの信念を持たないと、老いても、付和雷同の人生を歩むことになると著者は忠告しています。

若いときに、人間を作る努力をしてきた人だけが、老いていくことの楽しさを知り、良き老いを迎えることができるのかもしれません。
[ 2011/07/29 07:23 ] 老後の本 | TB(0) | CM(0)

『憎国心のすすめ・知痴民族の未来』林秀彦

憎国心のすすめ 知痴民族の未来憎国心のすすめ 知痴民族の未来
(2009/12/05)
林 秀彦

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愛国心を唱える人たちは、「憎国心」という言葉に嫌悪感を持つかもしれません。しかし、読むに従って、この言葉が、日本への叱咤激励を示していることがわかります。

著者の林秀彦氏は、映画やテレビの脚本家として活躍した後、17年間オーストラリアに移住されていました。2005年に日本に帰国後、昨年末、亡くなられました。

海外生活が長かったせいか、日本人の弱点を看破する眼に、並みはずれたものを持っておられます。

この本の中で、日本人について気づかされた点が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・消費経済などとお題目をつけて、欲情を肯定し続け、子供にもその欲を教え込む。それが、日本において、過去から現在も続く。すべては、閉鎖的な人間関係の利害を維持する一点で運営されている

・学校で教わること以外の自国の歴史に無関係でいられる日本社会は恐怖である。聖徳太子も、昔はお札に肖像が刷られていたが、何らかの意図で追放され、可もなし不可もなしの人物になっている

・日本人が世界基準での普遍的人間になることは今後も不可能。そのあまりの特殊で、非普遍性ゆえに、世界的な視野からは排除される以外に道は残っていない

・日本民族は他律的な民族である。それは、縄文から続く本性である。他律とは、自分の意志によるものでなく、他からの命令や束縛によって行動するということ

日本人の本性を、骨の髄まで他律的であることを知っている誰かと、どこかの国と、どこかの民族が、その欠点を巧みにつき、利用し、搾取し、操っている

・日本人は、何でもかんでも、目に見え、肌で触れられるもの以外は認めない。しかも、その認識方法は、見えるまま、感じるままであり、それが意味する中まで追求することをしない。つまり、抽象論はまったく理解できないということ

・日本人は、分析することが大の苦手。分析しないということは、物事と物事の間にある関係を無視するということ。分析せず、関係を考えないということは、疑う能力を一切持ち合せていないことに等しい

・日本人のやること、為すこと、言うことには、意味の伝達と意識の相互確認が含まれていない。意味が中途半端で完結しないから、日本は、やりっぱなし、言いっぱなしの「パナシ社会」になる。つまり、「無責任社会」ということ

・日本は、仏教をばらばらに解体してしまった。それでいて、それを仏教と呼んだ。実は、仏教でもなんでもなく、日本教に過ぎない。道元にしても、日蓮にしても、「ウケ」を狙った。今のテレビの視聴率と何も変わらない

・本来の仏教にある戒律は、全部取っ払った。なぜなら、日本人は横着で、あれをするな、これをするなという禁止が大嫌いだから。厳しくすれば、信者が集まらない。誰も来なければ、お布施も入らず、食い上げになる

・あるがままの姿の確認ではなく、あるべき姿の確認を求め合うことによって、連帯が生まれ、コミュニケーションが生まれ、知性が生まれる。人間には、戒律的な感覚は必要

・世界はお互いの民族が、敵視し合い、軽蔑し合っているほうがノーマルな状態。国際親善というのは、それを基本とした上で、成り立っている

・日本語の本は、明治大正はもとより、数年前のものでも、言葉が変化し、内容も古さを増す。死語になっている単語の割合も、英語、フランス語に比べて極端に多い。日本の過去は歴史になっていない。明日につながる蓄積にならず、ただ消え去る時間に過ぎない

・卑怯を知らずして、どうして勇気がわかるのか。不正がわからなくて、どうして正義がわかるのか。自分の意識内容を整理したいとき、相対的に価値の悪い方を徹底的に分析し、知ること

・美を愛する人は、その前に醜を憎める人。汚いもの、醜いもの、正しくないものに、強い嫌悪感を持てないで、美しいものや正しいものを愛することはできない

・知性とは、日本人が想像するような高尚なものではない。いわば「生活の知恵」。生き残りに不可欠な大脳技術

・日本人同士の初対面の挨拶は、しまりのない笑顔で、自分が無防備で、バカで愚かであることを誇示する。それは、じゃれつく犬がひっくり返って、腹をさらすのと変わらない

・悪知恵にこそ、知性が不可欠になる。弱肉強食の強と弱は、知性による悪知恵の有無である

・知性とは、即興で作られ、思考と行動によって磨かれる「過程」のこと

・常にWHYの鍛練をしていれば、共通項を推理、想像できているから、一種の連鎖反応で、未体験な現象にも、的確に反応できる。それが、侵略、裏切り、弾圧などの恐怖と不条理の連続を経てきた白人たちの日常反応。恐怖心こそ、想像力と推理力を育てる源泉

対決精神がないことは、恥ずべきこと。妥協も恥。個人としても、民族としても。知性とは、対決する姿勢。自分にも他者にも。知性とは妥協を拒むこと。自分にも他者にも

・日本人は、狭い範囲の中で作られている社会に生きているから、権威に弱い。進歩的と自称する人々の間でも、特定権威に対して、まったくだらしなく、ヘナヘナになる

・日本人は、自ら繊細な民族と自惚れ、自己認識を誤っている。日本人が繊細に見えるのは、「他人指向性」人間が極端に多いだけのこと

・日本人ほど、みんなという呼称を使う民族はない。その真意は、自分がいないということ。この「自己幽霊化」は、一見繊細に見えるが、みんなの存在を恐れているということ。日本人の他人指向は、みんなと同じレベルの中で生きるということにすぎない

・生存競争に勝ち残る才能と技術は、知性に負っていて、知識や情報でないことは、肝に銘じておくべき



この本は、誰にもわかりやすく読ませようという意図が全くありません。知性ある人のみが読み進んでくれたらそれでいいと割り切っています。

知性的になろうとしない人には、読むのがつらいですが、日本人の本質を知る上で、欠かせない一冊のように思いました。
[ 2011/07/28 07:45 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)

『ドラッカーに学ぶ・自分の可能性を最大限に引き出す方法』

ドラッカーに学ぶ 自分の可能性を最大限に引き出す方法ドラッカーに学ぶ 自分の可能性を最大限に引き出す方法
(2011/03/04)
ブルース・ローゼンステイン 著

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今から20年ほど前、ドラッカーに熱中していた時期があり、ドラッカーの著書を15冊ほど持っています。その中で、このブログで記事にしたのは「非営利組織の経営」だけです。

ドラッカーは、今や誰もが知る有名人になりすぎて、昔の著書を紹介するだけでなく、新しいドラッカー解説本を読むのもためらっていました。

この本は、ドラッカーの精神がよくあらわれているので、ためらわずに読むことができました。仕事と人生の関係を考える上で、共感できた箇所が15ありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・充実した人生を送る人は、二つ以上の世界を持っている。一つだけというのは寂しい

・人は持てる時間やエネルギーを二つ以上のものに振り分けなければならない。違う世界の人と生き、汗を流す。そうすれば、小さな世界の小さな価値観にとらわれずに済む

知識労働者たる者は、若いうちに、非競争的な生活とコミュニティをつくりあげておかなければならない。仕事以外の関心事を育てておく必要がある

・なるべく早いうちに、セカンドキャリア(第二の人生)の助走をすることが、セルフマネジメントのポイント

・成果をあげる能力とは、積み重ねによるもの。必要なことは、すでに上手に行えることを、さらに上手に行えるようになること

・お金、お金と言っている人は気の毒。幸福なのは、成功を手にした後でも、後世に何かを残そうとした人たち

・時間を奪おうとする人や仕事だらけ。優先順位をはっきりさせておかないと、貴重な時間は奪い取られる。まず、無用のことは一切行わないこと

・よき明日を意識するならば、優先順位として、「1.過去ではなく未来を選ぶ」「2.問題ではなく機会に焦点を合わせる」「3.横並びではなく独自性を持つ」「4.無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ」

・大切なのは、人を変えること。ものが見えるようになるお手伝いをすること。見ることは永続する。理論は永続しない

・イエスよりも、ノーと言えるかで、成果が決まる。仕事ができる人とは、「それは私の仕事ではない」と言える人たちである

・人類史上初めて、個が組織よりも長命になった。そこでまったく新しい問題が生まれた。セカンドキャリアをどうするかである

・企業人、医師等で、すでに成功した人たちは、社会的企業家になること。仕事は好きだが、もはや心躍るものではない人は、新しい仕事、特に非営利の仕事を始めたらいい

・人に教えることほど、自らの勉強になることはない。それと同様に、人の自己啓発を助けることほど、自らの自己啓発に役立つことはない

・情報化時代にあっては、いかなる企業も、学ぶ組織にならなければならない。同時に、教える組織にもならなければならない

・知識労働の生産性を向上させるには、継続して学ばせ、継続して人に教えさせなければならない



寿命が長くなった今、分別のある中高年、老人は、何をすべきかが、この本に数多く示唆されています。

既得、既存のものに、しがみつくだけで、歳だけを重ねていくのは、むなしいものです。ドラッカーは、知識人の未来を、真剣に考えた、世界で稀有の人だったように思います。
[ 2011/07/26 08:31 ] 出世の本 | TB(0) | CM(0)

『「交渉力」を強くする』藤沢晃治

「交渉力」を強くする (ブルーバックス)「交渉力」を強くする (ブルーバックス)
(2010/12/21)
藤沢 晃治

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交渉が苦手な人は多いと思います。以前、自分の経験から「値引き交渉力」という記事を書きました。

この本には、値引き交渉だけでなく、すべての交渉事に関することが、書き記されています。交渉が苦手なために、人と会うのが億劫になっている人は、是非、この本を読んで、苦手を克服してほしいものです。

私自身、この本の中で、交渉事で、勉強になった箇所が、20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・交渉がもっとも苦手な人とは、いわゆる「お人好し」。正直すぎて本音を隠せない、他人の話を疑わない、心にもない演技ができないという人

・演技力は交渉の必需品。演技せず正直に振る舞っていては、交渉で負け続ける

本音を隠せないのは、次に投げる球種や球筋を打者に伝える投手のようなもの。あるいは、狙い球を投手に知らしてしまう打者のようなもの。交渉で損をするのは当然

・主張に説明力がなければ、交渉で成果を挙げることはできない。説明の中で、最も重要なのは「論理力」。説得力のある主張ができない人は、説明力というよりも論理力が欠けていることが多い

・相手を追い込みすぎてしまうことも、交渉失敗の原因になる。主張が正当でも、攻めすぎれば、相手の「反発」という感情のスイッチが入ってしまう

・交渉では、相手が嫌がること、喜ぶことを正しく推察する「相手の視点」が必要。「相手の視点」で考えられなかったことが、交渉の失敗原因に多い

・相手が喜ぶような好条件で妥結しそうな印象を与えること。つまり、相手の期待値を上げることは、交渉妥結のハードルを上げ、自らの首を絞めることになる

・交渉は共同作業。交渉で目指すものは、お互いに「自己利益の最大化」であると同時に、「相手が同意する」という平和的解決でなければならない

・スポーツやゲームでの「騙し」や「脅し」は、巧みな技として、むしろ賞賛される。同じような交渉の場でも、「騙し」や「脅し」のテクニックは許される。自分にはなんの損失もないように思わせるのが「騙し」。発生するであろう相手の損失を指摘するのが「脅し」

・交渉では、お互いに、無意識に「公平性の原則」を守っている。しかし、交渉の公平性とは、「ルールの公平性」であって、「結果の公平性」ではない。その意味で、「脅し」や「騙し」があっても、それを隠す「表面的な公平性の原則」が「公平性の原則」ということ

欲しがる者は「お願いする側」であり、欲しがらない者は「お願いされる側」。欲しがる者は、交渉の「弱者」。欲しがらない者は「強者」というのが原則

・相手より先に譲渡すると、自ら「私は交渉成立したがっています」と宣言するようなもの。譲歩したい気持ちをできるだけ抑えること

・相手の主張を突き崩したい場合は、その「主張」自体ではなく、その主張の土台となっている「根拠」の非論理性を攻める。支えていた土台(根拠)を崩された建物(主張)は、もろくも崩れ落ちる

・満足度は事前の期待の程度(期待値)に大きく左右されるので、交渉を上手に進めるには、相手の期待値を下げること

吹っかけることは、交渉の常套手段。当然、相手にも見透かされる。それでも、下手な交渉と比較すれば、吹っかけたほうが、交渉を有利にすすめられる

・相手が、その要求を飲まない場合、それより「大きな痛み」が振りかかることを伝えるのが、交渉における「脅し」

・期限を設けて、あさらせることは、相手の本音を探る有効な手段でもある

・「聞いてもらいたいなら、先に聞け」が大原則。「そうですね」「おっしゃるとおり」「一理ある」と、相手の主張に耳を傾け、共感の態度を示すこと。また、自分にできる譲歩案を相手に尋ねることも、交渉の基本戦略

・相手に譲歩を求める場合は、相手の譲歩案を自ら提案すること。相手に譲歩案を考えさせると、相手側に有利に傾くことが多くなる

・自分の譲歩は、「痛いふり」して、相手に高く売りつける。そのとき、本当に痛い譲歩案を隠しておくのが、交渉のテクニック

・譲歩しようとするとき、「絞り切った雑巾」であることを演ずる必要がある。つまり、「もうこれ以上、譲歩を絞り出すことはできない」と相手に感じさせること。たとえ、自分が勝っていても、相手に「勝った!」と思わせること



交渉事は、自分が完全に有利なように進めることはできません。それでは、社会の眼が許してくれません。ところが、少しだけ、自分に有利に導くことができます。それは、あくまで、相手に気づかれない錯覚の範囲内です。

その錯覚が、積み重なると、大きな利益として跳ね返ってきます。逆に錯覚を被ると、大きな損失として跳ね返ってきます。これが、交渉の本質ではないでしょうか。

そうならないためには、この本を読んで、知的武装をしておくことも大事ではないでしょうか。
[ 2011/07/25 08:43 ] 営業の本 | TB(0) | CM(0)

『世界を救う13人のおばあちゃんの言葉』キャロル・シェーファー

世界を救う13人のおばあちゃんの言葉世界を救う13人のおばあちゃんの言葉
(2007/05/25)
キャロル・シェーファー

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世界の先住民族の女性の長老たちが、ニューヨークに一堂に会し、人類や地球の未来について語り合った本です。

世界中の先住民共通の魂、精神、生命観を知ることができる貴重な書です。この本を読み、興味深かった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・私が説いているのは「持ちつ持たれつ」の互恵主義。私たち2本足は、いつも得るばかりで、滅多に与えない。互いに与えあわなければ、自然のバランスは乱れる (タケルマシレッツ族・オレゴン州)

・私の教えは、「人であれ」ということ、他人を尊ぶこと、そして心を自由にすること (マヤ族・中央アメリカ)

・背伸びをするのではなく、自分が知っている範囲を認めることが肝心。等身大以上の自分になろうとすると、大抵の場合、本当に欲しいものが目の前にあっても、それに気づかない (ユピック・北極圏)

・受け入れることを学び、手放すことを学んだとき、人は本当に人になる (ユピック・北極圏)

・この世界で間違っているのは、自分のことをたいそう偉いと思っている人がいるということ (サントダイミ・ブラジル)

過去と向き合うこと、過去がどういうものかについて、正直になることが必要不可欠。もし、過去を正直に見ないならば、ここまで私たちを連れてきてくれた力に頼ることができない。記憶の欠如は憂鬱の根源 (アフリカ系アメリカ人)

・回復する明るい力は、悠久の太古から持ち堪えてきた自分たちの文化の直接的な結果である (チェロキー族・オクラホマ州)

・新しい体験をする度に、私たちは自分自身を定義し直す力を持っている。だから、過去にどのような過ちを犯したとしても、いつだって変化することができる (ホピ族・アリゾナ州)

・自分は大人だから、たくさんのことを知っていると考えがちだが、それでも学び続けなければならない。この世の出来事は、すべて何らかの理由があって起きているから (マヤ族・中央アメリカ)

・教義や規則ではなく、人間の経験の偉大なる多様性から何を学び、どう生かしていくかを重視することで、文明を復興することができる (マヤ族・中央アメリカ)

・教育は何かの才能や望ましい資質を身につけるためのものではない。良き意図を持ち、肯定的な考えを持つようにさせるのが教育 (チベット人)

・世界中の暴力の連鎖を断ち切るには、加害者の心の傷を癒すことも必要。それには、過去の痛みと誠実に向き合い、過去をしっかりと踏まえて生きていくこと (オグラララコタ族・サウスダコダ州)

・感情は、胸の中に押し込めるのではなく、息を吐くように吐き出す必要がある (ユピック・北極圏)

・毎日ほんのわずかな時間でも人生の目的に心を向けるようにすれば、私たちの生活はもっとバランスのとれたものになる (オグラララコタ族・サウスダコダ州)



先住民族の女性の言葉は、先進国の男性の言葉に比べ、論理的ではありませんが、本能から発せられた声のように聞こえてきます。

科学的でないこと、論理的でないことも受け容れたら、その情緒的、感情的な言葉の中には、地球や人類を救うヒントが多くあるように思います。

時には、大地から湧き出た、切実な教えに、耳を傾けてみることも大事ではないでしょうか。
[ 2011/07/22 07:23 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)

『勝負強さの研究-ここ一番に負けない100のポイント』折茂鉄矢

勝負強さの研究―ここ一番に負けない100のポイント (PHP文庫 オ 2-1)勝負強さの研究―ここ一番に負けない100のポイント (PHP文庫 オ 2-1)
(1984/11)
折茂 鉄矢

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この本は、勝負のあや勝負師の条件などが深く解説されている良書です。25年以上前の出版ですが、全く古く感じません。

ビジネスや人生の局面など、ここ一番に強くなりたいと考えている方には、最適の本かもしれません。

勝負強さの秘密を知る上で、役に立った箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



勝負強い人の共通項とは、「1.実力者である」「2.精神力が強い」「3.努力家である」「4.守備に強い」「5.待つ、休むを知る」「6.勝利への執念」「7.不評さえ買う」「8.派手より地味」「9.自在の自然体」「10.運の強さ」

・「人は生きねばならぬ。生きるために戦わねばならぬ。名は揚げねばならぬ。金はもうけねばならぬ。命がけの勝負はしなければならぬ」 (徳富蘆花)

・「われに勝ち、敵に勝ち、味方に勝つ。これを武将の三勝という」 (楠木正成)

・ワルたちのたくましい魂は鬼神をもひしぐ。強い精神は強い運を呼び、罰が当たるどころか、「人盛んなるときは天に勝つ」を地でいく。そして、時という妙薬があらゆる毒を消し、いつかワルは正義に、悪運は好運へと変わる

・正邪を問わず、神様は気魄と情熱を持つ人間が好きである

・「賭博に熱中した厭世主義者はいない」 (芥川龍之介)

勝負強さとは、「1.勝機をつくる力がある」「2.確実にモノにする」「3.逆境にしぶとい」「4.接戦、乱戦に強い」「5.終盤に本領を発揮」「6.ここ一番に強い」「7.プラスアルファの力を発揮する」こと

・勝負師にとって、喜怒哀楽の情は敵。興奮、動揺、アガルといったことのないタフな神経が、ここ一番で実力を出し切れるための条件

・勝負強さのベースは自信につきる。いざという時に実力を発揮するには、いざという場面に馴れておくのが一番

・名将は、刀を交える前に、敵を徹底的に計算し、勝てるとみれば、初めて戦う。しかも、勝つための準備を尽くしてから開戦するから、自然と勝つ。遮二無二体当たりしても効果はない。計画、根回し、段取りといった事前段階が大切

・勝負師は「読み」でリードを奪う。前夜からの実績、得意技、性格などによって、相手の出方を読み、効果的な対抗策を練る。試合前には、体調、表情から調子を探る。あらゆる可能性を考えて何通りもの展開を読む

・自分の得意を生かして成功する人。ゴールを老年期において大輪の花を咲かせる人。人生いろいろだが、真の王者は、コンスタントに好調を持続できるアベレージマン

・奥の手を秘めておく。勝負師の真価は土壇場でどう燃えるかにある。負けは自分であきらめた瞬間に決まる。最後まであきらめてはいけない

・ベテランの力士が負けがこむのは体力の衰えではない。若い力士と対戦するとき、知らないうちにカッコをつけて、受けて立つようになる。これなら負けても体裁が悪くないし、自分に対する言いわけにもなる。力一杯やるのがテレ臭い。体力の衰えはその後からくる

・年がいもなくと自分の年齢を意識することが闘志に水を差す。他人の目や評判から自由に振る舞う。プライドや虚栄心ばかり人並み以上強い男に、しぶとさしたたかさは望めない。カッコいい勝ち方、勝ちっぷりなど無意味

・勝負事というのは、本質的に孤独な戦い。「黙って見ている強い奴」は、決して、余計な口を出さない

・勝負師は80点主義。現実を直視して対応する融通性があるからしぶとい。カリカリして最善手を目指すより、常に安定して次善手を選ぶゆとりを持つ。だから、多少のミスや汚点は拭って立ち直れる

・敵のリズムを知り、それと「逆の拍子」「対立する拍子」「外す拍子」で立ち向かう。この「背く拍子」の考え方は、相手に得意の場を取らせないことに通じる

・暴れたければ暴れさせ、攻撃してくれば面倒を見てやる。相次ぐ敵の仕掛けを丹念に応接してやって、やがて相手が力尽きて自滅するのを待つ。これを「受けつぶし」と言う

・ベテラン登山家は、天候がくずれるとわかれば、途中まで登っていても、降りて引き返す勇気を持っている。先行き悪材料、見通し不透明のまま勝負をかける勝負師はいない。待つ、降りる、休むは高等戦術と心得ること

・「勝ち誇る兵は、自己の力の幾十倍もの力を発揮する。敗軍の兵は自信を失い、実力の幾十分の一も発揮できない」 (クラウゼウィッツ)

・「敵の待ち構えているところに出ていって何で勝てようか。武士は思いもよらぬことをやり、他の者から見透かされないのが本当の大将である」 (織田信長)

・人の一生には、「炎の時」と「灰の時」がある。「炎の時」は、多少のムリをしてもうまくいくし、ヘマをやっても軽い事態で収拾できる。「灰の時」は、やることなすこと裏目に出るから、じっと控えて時を待つ。人間が失敗するのは、この時期の過ごし方が原因

・将棋の盤外戦で使われる心理戦法は、「1.ハッタリをきかせる」「2.油断を誘う」「3.怒らせる」「4.イライラさせる」「5.クサらせる」。これは相手の実力が上の場合には、効果が薄い

・ナポレオンは新戦術と大砲を駆使して、戦争のプロである古い将軍を一掃してしまった。定石は破られて変わっていく。新戦法を創造する者は勝つ。ここ一番という一発勝負となれば、新兵器の威力は格別である



勝負強いことは、戦争、スポーツ、ギャンブルだけに限らず、人生のさまざまな部分において、必要になります。

人生とは、さまざまな局面で、勝ったか負けたかの積み重ねで決まるように思います。

年齢に関係なく、通算勝ち星を増やしていくことが、その後の人生を豊かにするのではないでしょうか。
[ 2011/07/21 07:30 ] 戦いの本 | TB(0) | CM(0)