とは学

「・・・とは」の哲学

『江戸に学ぶ企業倫理-日本におけるCSRの源流』弦間明

江戸に学ぶ企業倫理―日本におけるCSRの源流江戸に学ぶ企業倫理―日本におけるCSRの源流
(2006/03)
日本取締役協会、弦間 明 他

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江戸時代の「武士道」は有名ですが、「商人道」は忘れ去られているように思います。

法律も契約書もほとんどない中、道徳と規則をつくり、それを守って、経済を大きく発展させた、江戸時代の商人に敬意を表すべきだと思います。

この本には、商人たちの家訓や遺訓を含め、社訓が数多く掲載されています。今でも、そのまま適用できるものが多いのに驚かされます。

この本の中で、共感できた箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・近江商人は、異郷での商業の成功に不可欠だった信頼の構築に、「薄い口銭」「売って悔やむ(安売り)」「正直」「信用」「出精専一(商売専心)」、「始末」、「陰徳善事(陰での善行)」を大切にした。これが、後の「三方よし」の教えに純化した

・江戸期の商人育成は、6~7歳頃から、寺子屋に学び、3~4年で読み書き能力をつけたのち、10歳前後に、年季奉公として雇用されて、先輩店員(番頭、手代)に現場で鍛えられた(商業徒弟教育)

・寺子屋で使われた教科書が往来物。往来物は、手紙文、日常用語、地理、商売、百姓、諸職に至るまで多彩。「商売往来」は、取引や帳簿記入に必要な文字、物産や商品の名称と知識、商人の心得、取引の心得、諸都市の概況、道徳教育が主な内容

・商人たちが持っていた意識は、奉公意識(主従関係、集団秩序を重んじる)体面意識(家名、暖簾、看板を傷つけない)分限意識(分相応な生活態度をとる)の三つに集約できる

・江戸時代の商人の85の家訓の項目の頻出順は、公儀尊重、奉公人規定、家法店則、質素倹約、店内業務、家業出精、堅実商、分限相応、衣服の制限、外出禁止、得意重視、正直、祖法墨守、支配人指図、遊芸の禁止、別家・出店、孝行・・・

・堤正敏「商道九篇国字解」は最も系統的な内容の書。「1.商術」(場所、業務、人の三択)、「2.知務」、「3.習労」、「4.使令」(使用人の使い方)、「5.教養」、「6.接待」、「7.継業」(商変動の対処法)、「8.主権」(利権強化)、「9.応変」(時流適応)

・井原西鶴は、才覚に恵まれた商人や信心深い商人に対し、必ずしも好意的ではないが、「日本永代蔵」では、「なにはともあれ大福(幸運)を乞い求めながら、長者(富裕者)になることが極めて大切」という到富観を披露している

・質素、勤勉、倹約、正直といった、石田梅岩の心学で手段として強調された事柄は、商人たちの自己意識に合致していたから、広く受け入れられた。逆に、心学が、商人たちの自己意識を強化し、商業道徳を形成していったという関係も見出せる

・西川家は、奉公人に対しても感謝の意を忘れず、三ツ割銀制度を設け、毎年二期勘定の純益の三分の一を店員に配分する賞与を実行し、勤勉者への褒賞や慰労金制度も実行している

・健康と忍耐は、家を興す基。勉強と節約は、福を招く門なり(近江商人・山本平八家の商工格言)

・事業の邪魔になる人は、「職務に精進しない人、融和心なき人、忠告を耳に止めぬ人、感謝しない人、金銭でなければ動かぬ人、反省しない人、威張り外見を飾る人、工夫せぬ人、犠牲心のない人、仕事を明日に延ばす人」。「現状維持は退歩なり」が藤井彦四郎の言葉

・松代藩の恩田杢は、勘略奉行就任後、税制改革責任者として、今後は「1.嘘を言わない」「2.飯と汁以外は食べない」「3.木綿物以外は着ない」の決意を述べ、家族、親戚、家来全員に離縁を申し渡した

・恩田杢は、全権掌握の代償として、その権力が不正に行使された場合は、いかなる処罰も甘受することを誓詞として提出。リーダーシップの確立が独裁や権力乱用に陥ることを防止する相互誓約であった

・「もし、職人たちが使い勝手や形の美しさ、丈夫さを無視して、品物を作り出したとしたら、笑い飛ばし、軽蔑した。そういうものは、恥ずかしいものであり、そういうものを送り出すことは卑しいことであった」 (失われた手仕事の思想・塩野米松)

・「使い手が、自分の気に入った作り手を選ぶことができた小さな社会では、職人は、その小さな社会で生き抜くために、使い手に選ばれるように、常に最高の商品を作り出す必要があった」 (失われた手仕事の思想・塩野米松)

・「いいものは他人のため。いいものを商品に。これは職人たちが長い時間をかけて自分たちの存在を維持するための倫理だった」 (失われた手仕事の思想・塩野米松)


・「五十歳まで宗教は無用」「賭けの遊びは無用」「四十歳まで贅沢してはならぬ」「夜の宴席は慎め」「人の持ち物を欲しがってはならぬ」 (島井宗室遺言状)

・「親しくすべきは、商売好きな人、出しゃばらない人」「親しくすべきでないのは、人を中傷する人、権力者に取り入る人」「物の値段の高い安いをよく覚える」「高値の品は買わぬように」「商人なら、三里や五里の道は歩け」「夫婦は仲睦まじく」 (島井宗室遺言状)

・「福の神の十人の御子は、貯え・朝起き・算用・内居・五常・会釈・有合・斟酌・耐乏・心立て。貧乏神の十人の御子は、伊達仕・無行儀・物好き・人集め・女房去り・系図立て・大火焚き・見物好み・味合い口・厚着仕」 (町人嚢・西川如見)



「傲慢な社会」では、現在を正当化するため、昔のものを葬り去ろうとします。「謙虚な社会」では、「昔の人は偉かった」と考えて、昔を現在の反省材料に使います。どちらが、住みやすい社会なのかは、明白です。

人間の欲は、昔も今も変わりません。変わったのは、技術の進歩だけです。先人たちが遺した言葉は、昔も今も輝きを放っているのではいでしょうか。
[ 2011/06/30 08:26 ] 江戸の本 | TB(0) | CM(0)

『華僑大資産家の成功法則』小方功

華僑 大資産家の成功法則 お金がなくても夢をかなえられる8つの教え華僑 大資産家の成功法則 お金がなくても夢をかなえられる8つの教え
(2005/05/14)
小方 功

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著者は、1992年に北京に留学し、現地の華僑の実業家から、経営の手ほどきを受け、帰国後、会社(株式会社ラクーン)を興し、2006年に東証マザーズに上場した人です。

実際に、華僑の人から話を聞き、商売を実践して、成功した体験の持ち主は、そうざらにはいないと思います。

この本を読んで、共感できた箇所が20ほどありました、「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・ビジネスはすべて『必要』で成り立っている。『必要』はいつの時代でも存在している。経済が不安定なときでも、儲ける人は儲けている。ただし、不安定になると、この『必要』は著しく変化する。この必要の変化に、いち早く気づいた人は大きく得をする

・『必要』を無視して、やりたいことをやってはいけない。もし、会社を短期間に大きく成功させたいのなら、以前はなかったのに、これからないと困るものを見つけること

・お客や市場に『必要』とされることは、従業員にとってもやりがいのあること。お金を支払う客とはいえ、本当に必要なモノやサービスを提供されれば感謝してくれる。この客からの感謝こそ、どんなに高い給料よりも従業員のみんなのやりがいとなる

信念を持たない人は、どの知識を自分の中に残して、どれを忘れていいのか、優先順位を決めることはできない

・自分をつくることの次に大切なのが人間関係。この順番を間違ってはいけない。自分自身に徳がないのに人間関係を広げようとしても、それはうまくいかない。せっかく出会った人でも信頼を失いかねないから

・偉大な人の多くは読書家だが、読書家が必ずしも偉大かというとそうとは限らない。人格や人徳を高めるために必要なのは、知識ではなく『決意』

・成長するには、価値観を人と交換し合うこと。交換し合うことによって、それはさらに鍛えられ、洗練されたものになっていく。これは、武術で言えば、他流試合のようなもの。それをやりながら、自身の価値観に磨きをかけていくのが、一番効果の上がる鍛え方

・その人の成功は、彼自身の好奇心がもたらしているもの。その好奇心と素直につき合うことさえできれば、幸せになれる。まず、目の前の仕事に感謝して、明日使うべき知識を今日学び、今日知らなかったことを今夜勉強することから始めなければならない

・成功者に一定の法則を見出そうとしても意味のないこと。成功者には法則はなく、失敗者のみ法則がある。失敗の法則とは、問題を人のせいにする習慣

頂点を極めた人には、もう相談相手がいない。このようなとき、その人は不安に襲われる。向上心がまだ残っていれば、自分自身を否定するもう一人の自分を自分の中に作ろうとする

・成功する人はチャンスに気がつく人だと思われがちだが、実は何かにつけ、チャンスだと思い込む人。大したチャンスでなくても、本人がそう思い込むことで、本当のチャンスになってしまう

・起業は一種の自己主張。自身の個性をよく理解して決めればいい。決めたら一生涯かけて専門家になること

好きな順に人を大事にしていればそれでいい。偉い人にだけ丁寧に接して、お金持ちに会ったときだけお礼の手紙を出す人がいる。しかし、そういう生き方が、どれほど自分の徳を失うかわかっていない

・一生懸命がんばっている人、真剣にやっている人を見たら応援したくなる。休むことを知らずに必死になっている。その努力は心打つものがある。これを見て感動しない人はいない

・マスコミの情報や人のうわさを鵜呑みにし、楽観したり、悲観したりすると損をする。得をしている人たちは、直接、自分の目で確かめて、自分自身の頭で考え、きちんと自分の頭で判断する

・大義とは、社会の誰から見ても必要と感じられるもの。だから、大義があれば、自然と周りが応援してくれるようになる。また、考えることが正しければ、そこには必ず大義が生まれる。すると、そこに、若くて優秀な人も集まってくる

・先進国の場合、働く人間はやりがいを求めている。お金のためだけでは続けられなくなっている。好奇心と向上心を持った若者は、ひとたび合点がいくととても熱心に働き、成果を出す。現代の経営者にとって、説明することこそが仕事である

・みんなに事情を話し、会社をもっと大きく、もっといい会社にしたいということを話してみたらいい。言葉に嘘がなければ、みんなはついてきてくれる



この本には、現代の華僑の人たちが実行している商売の真髄が描かれています。本当に、経営で大事なことを、丁寧に教えてくれています。

華僑だけではなく、全世界の商売人にとっての成功法則になると思います。これから、起業したいと考えている方に、是非読んでほしい書です。
[ 2011/06/28 06:51 ] 華僑の本 | TB(0) | CM(0)

『名将名言録一日一言』火坂雅志

名将名言録 一日一言名将名言録 一日一言
(2009/11/11)
火坂 雅志

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交通、通信技術も発達していない時代にどうして、統治することができたのか。マスメディアもない時代に、どうして、人心の掌握ができたのか。

その答えは、人の本能に根ざした、シンプルな考え方があったからではないでしょうか。技術の発達していなかった時代だからこそ、言葉を重く感じます。

この本には、中世から明治維新に至る数々の武士、武将の言葉が載っています。その中で、共感した箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・「必ず金銀にて人を使はんと思ふるるは、人心の離るる本なり」 (大谷吉継)

・「命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。此の仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり」 (西郷隆盛)

・「とかく金を持てば、人も世上も恐ろしく思はぬものなり、摺切れば(貧窮すれば)、世上も恐ろしきものなり」 (前田利家)

・「正道は学びかたく、外道は学びやすしとなり」 (今川貞世)
人々が守るべき正しいことは会得することが難しく、逆に道に外れたことはたやすい。しかしながら、難しい正道を学ぶように努めよ 

・「上下万民に対し、一言半句にても、虚言を申すべからず」 (北条早雲)
領民に、ごくわずかでも、嘘をついてはいけない。嘘を言うことは癖になり、せせら笑いされる羽目に陥り、見限られる。さらに、人に糺されたら、一生の恥になる

・「人をばつかわず、業(わざ)をつかふぞ」 (武田信玄)
家臣の人柄や才能を見抜き、役目を与える

・「総じて人は己に克つを以て成り、自ら愛するを以て敗るるぞ」 (西郷隆盛)
無私無欲の心で自らコントロールできれば成功するが、自分の欲望に屈していては失敗する 

・「算用の道知らざるものは諸事に付け悪しき候、常に心懸申すべく候事」 (藤堂高虎)

・「古人云く、国に三不祥あり。賢人有るを知らず一不祥、知って用ひざるを二不祥、用ふるも任ぜざるを三不祥と」 (太田道灌)

・「仁に過れば弱くなる、義に過れば固くなる、礼に過れば諂ひ(へつらい)となる、智に過れば嘘をつく、信に過れば損をする」 (伊達政宗)

・「およそ主君を諌める者の志、戦いで先駆けするよりも大いに勝る」 (徳川家康)
諫言は戦場の功名よりも勝るから、諫言を受け入れよ

・「楽しきと思ふが楽しさの本なり」 (松平定信)

・「意見をしてみるに、直ちに請合ふ者にその意見を保つ者なし」 (小早川隆景)
意見をした時、すぐにわかりましたと返事をする者がいるが、そのような者に限って、人の意見を受け入れない

・「かちの上にけがあれば、かち又敵方へ付く也」 (武田信玄)
合戦に勝ったとしても、そこに過ちがあれば、せっかくの勝ちも、やがて敵の勝利につながる 

・「分に過ぎたる価を以て馬を買ふべからず」 (竹中半兵衛)
分際以上の高価な馬を持てば、執着心が粗略な扱いを妨げる。しぜん、戦中への果敢な攻めが鈍り、功名も難しくなる

・「金銀も用ゆべき時に用ゐずば、石瓦に劣れり」 (黒田如水)

・「害を避くるを知りて、害を避くるの害を知らず。物の勢ひとたび屈する時は、また伸ぶべからず」 (本多正信)
害を避けてばかりいると、勢いを失ってしまう。害に立ち向かうことも必要

・「人材は必ず一癖ある者の中に選ぶべし」 (島津斉彬)



一歩間違った判断をしたら、殺されるかもしれない世界で、正確な判断を下し、統治していた昔の偉人たちの発言には、学ぶところが大いにあります。

人間の行動心理を知りつくしたプロでないと、将の職は務まりません。そういう観点で、昔の偉人たちの言葉に接すると、新鮮な気持ちで読むことができるのではないでしょうか。
[ 2011/06/27 08:40 ] 戦いの本 | TB(0) | CM(0)

『110歳まで生きられる!脳と心で楽しむ食生活』家森幸男

110歳まで生きられる!脳と心で楽しむ食生活 (生活人新書)110歳まで生きられる!脳と心で楽しむ食生活 (生活人新書)
(2007/09)
家森 幸男

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家森幸男氏は病理学者です。京都大学の名誉教授をされています。世界25カ国をまわり、延べ16000人の血液と尿、食事のサンプルを採取されてきました。

この調査データをもとに、長生きできる秘訣が、推論ではなく、科学的に証明された事実として掲載されています。

長寿の食生活を知る上で、本当に役に立つ箇所が30ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・日本食は非常にバランスのとれた食事。ご飯を中心に、大豆、魚、海藻を日常的にとり入れる伝統的な食生活は、長寿の秘訣にかなった素晴らしいもの。しかし、その食事の中で、「塩分の取り過ぎ」は一つの欠点

・大豆(イソフラボン)や魚(タウリン)を十分に食べていると、HDLが十分に増えて、悪玉コレステロール(LDL)が減る

男女の平均寿命の差(7年)は心筋梗塞にかかる率と関係が深い。その理由は、女性ホルモン。この7年は、大豆や魚を毎日しっかり食べることで確実に延ばすことができる。女性でも同じ。減塩による3年と合わせて10年は長生きが可能

・男女とも、長寿の秘訣の第一位は「自身の健康観」。男性は以下「仕事の満足度」「知的課題の遂行」と続く。女性は以下「家庭生活の充実度」「身体機能の評価」と続く。これらの条件がすべて揃うと、男性で16年、女性で23年の寿命延長が可能になる

楽天的に生きる人は、そうでない人に比べて、心臓死に至る確率は45%しかない。心臓死が半分以下になれば、7年の寿命差になる

高蛋白食(大豆や魚)には血圧を下げる効果があり、脳卒中の遺伝がたとえ強くても、食事によって予防できる

・日本人よりもたくさんの肉を食べるグルジア人のコレステロール値が、日本人と変わらなかったのは、肉の食べ方にあった。グルジアでは、ゆでたり蒸したりして、肉の脂肪分を除いて食べる料理が中心

・香辛料を使うのは、シルクロードの地域に共通した特徴。食塩(ナトリウム)は、コレステロールの吸収を促す。その食塩の代わりに、香辛料を使うことで、コレステロールの吸収を抑える

・カリウムはナトリウムの害を打ち消す効果がある。カリウムは、野菜や果物に多く含まれており、グルジアでは日常的にたくさん食べている

・グルジアの病院では、ヨーグルトを内科、外科を問わず入院患者みんなに食べさせる。ヨーグルトを食べると回復が早く、感染症を防ぐというのが、その理由。ヨーグルトには、日本人が不足しがちな蛋白質やカリウム、マグネシウムを補い、健康を保つ効果がある

・グルジアの隣国ブルガリアは、近年、長寿国とは言えず、東欧一、二位の短命国になった。ヨーグルトやチーズを食べ、肉や野菜も食べるが、グルジアに比べて、魚を食べない。この違いが、二つの国を長寿と短命に分けてしまった

・タンザニアのマサイ族の30、40歳代には高血圧の人がいない。マサイ族の食生活には、食塩というものが存在しない。マサイ族は1日3ℓ以上のヨーグルトを飲む。ヨーグルトを飲めば、カリウム、カルシウム、マグネシウムをとることができる

・尿のデータでは、長寿のウイグル族はナトリウムが少なく、カリウムが多い。短命のカザフ族は、ナトリウムが多すぎ、カリウムが少ない。彼らは、塩茶バター茶をよく飲む。カザフ族の多くは50歳代で亡くなるので、60歳以上が見つからない

・主食に米を食べるのは長寿の秘訣の一つ。お米を食べている人たちは、肥満が少なく、コレステロールも少ないため、心筋梗塞が少ない

・ウイグル族の飲み水は天山山脈の雪解け水を地下水系で引いている。その井戸水は、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルがしっかり入っている。この水を毎日飲めば、食塩の害を消せるので、血圧はさがる

・ウイグル族はブドウをよく食べる。ブドウは世界共通の長寿食。ブドウに含まれるポリフェノールは抗酸化力が強く、悪玉コレステロールが酸化され血管壁にたまるのを防ぐ作用がある。赤ワインを飲むフランス人はコレステロール値が高くても長寿でいられる

・ポリフェノールには、レスベラトールという女性ホルモンの一種が含まれている。最新の研究では、レスベラトールを動物に与えると、カロリー制限したときと同じ延命効果のあることがわかってきている

・ウイグル族の長寿の秘訣として、ナッツとザクロがある。一日中座って、アーモンドを割って食べている。アーモンドの茶色い渋い皮も食べる。この渋みが、まさにポリフェノールの味。カリウムやマグネシウムが豊富に含まれている

・魚をとっている人たちには、肥満も、高血圧も、高脂血症の割合も少ない。魚に含まれるタウリンは、交感神経の働きを抑え、副腎や神経末端から出るアドレナリン、ノルアドレナリンを少なくするため、血圧が下がる

・日本全国で尿を調べたところ、大豆を食べている地域では、イソフラボンの値が高く、長寿であることがわかってきた。イソフラボンには血管が新しくつくられるのを抑える効果もあるので、がん細胞の増殖転移を防ぐ

・さまざまな効用のある大豆は、1日70g食べれば、健康に必要なイソフラボンをとることができる。朝、ワンパックの納豆を食べ、夜、冷や奴か枝豆をつまみで食べるくらいで十分カバーできる

・大豆はブドウと並ぶ長寿食の一つ。大豆がたくさんの病気を防ぐ力を持っていることに驚かされる

・南米エクアドルのビルカバンバ(海抜1500m)は世界の長寿地域として有名。主食は芋とトウモロコシ、食物繊維とカリウムが多く含まれる。魚の代わりに、タウリンが多く含まれるモルモットの姿焼の内蔵(肝臓、心臓、肺、脳)をご馳走として食べる

・オーストラリアの先住民族アボリジニは、伝統的な食生活の崩壊を100年以上も前から受け、短命への坂道を転げ落ちてきた。アボリジニにイソフラボンの錠剤を投与した結果、8週間後、血圧が下がり、動脈硬化指数が明らかに改善した

コレステロール値が低すぎると脳卒中が増え、高すぎると心筋梗塞が増えることがわかってきた。中庸の180~200㎎/㎗が最適

ハワイ島ヒロは沖縄からの移住者が多い。70歳以上の人の1日にとる食塩量が、沖縄の人よりも2g少ない。さらに、蛋白質の指標となるアルブミンが、日本のどの地域の年寄りに比べても最も高い。70歳の時にアルブミンの高い人ほど、その後の生存率が高い

・ハワイの日系人のデータの中で注目されるのが、認知症の少なさ。その原因と考えられるのが豊富なビタミンE。ビタミンEを初めとする抗酸化栄養素は、アボガドなどのトロピカルフルーツの中にたくさん含まれる

・ブラジルのカンポグランデで、400人の日系人の食生活改善に取り組んだ。日本の長寿の栄養源である大豆や魚や海藻の特製カプセルを毎日とってもらった。その結果、一度伝統食を捨てた日系人でも、また長寿への道を進むことができるとわかった

長寿の秘訣6法則「1.大豆や大豆加工品をとる」「2.過剰な塩分をとらない」「3.魚はたくさん、肉はバランスよく」「4.牛乳や乳製品をとる」「5.野菜や果物を欠かせない」「6.食卓は明るく、楽しいものに」



よくこれだけの研究をしてくれたものだと著者及び研究班に感謝せざるを得ません。医学や健康の本としてだけでなく、文化人類学の専門書としても、楽しく読むことができます。

全世界の長寿地域のデータから導き出された結果に、素直に従うことが、長生きできる秘訣となるのではないでしょうか。
[ 2011/06/24 08:39 ] 健康の本 | TB(0) | CM(1)

『林輝太郎「相場人生訓」』前野晴男

林輝太郎「相場人生訓」林輝太郎「相場人生訓」
(2008/11)
前野 晴男

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林輝太郎氏の本を紹介するのは、「相場師スクーリング」に次ぎ2冊目です。林輝太郎氏は最後の相場師と言われている人です。

その「相場の金言」を集約したのが、この本です。相場を少しかじったことがある人なら、この本の相場訓に同意することが多いのではないでしょうか。

思わず頷いた箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・今まで、オシレーター(相場の指標)を使って成功した人を聞いたことがない。その根本的理由は、「なにかに頼って儲けよう」とする心にある

・相場師は、意外につまらない商売。時間が自由になる、他人に頭を下げなくてもいいといったメリットがある代わりに、すべて自己責任だから、絶対に冒険ができない、日常生活が地味になる。常に金銭感覚を正しくしていなければならない

・「おかしいな」という判断は、売買している本人にとって適切で確率の高い「価値ある判断」になる

・「終わり良ければすべて良し」が売買。その「終わり」を良くするために、「始め」をどうするか

・お荷物になる銘柄を捨てないのは、下手な売買の見本

・相場をやる人はどうしても過去の足取りや相場を参考にする。だから、多くの人が知らないうちに「後ろ向き」の姿勢になりやすい。過去は参考にしても、溺れてはならず、姿勢は常に「前向き」でなければならない

・記者は、人気にもっとも汚染されているので、市場の人気を記事として書く

・株式投資における「敵」は戦争の相手と異なり、攻撃を加えない。危害がないから、警戒心が薄れて安心する。つまり、敵(値動き)が損害を与えるのではなく、自分が損害をつくる

・静かに買い、静かに売る。忍者ではないが、いつ買い始めたのか、いつ手仕舞いしたのか、損だったのか利益だったのか、わからないぐらい静かな売買がよい

・失敗であると判明した時点で切ることができる玉でなければならない

・大切なのは安定した技術を身につけることであり、利益はその結果に過ぎない

・できることをやっても失敗することがあるのだから、できないことを試みる必要はない

・下手な人ほど利益目標を立てる。しかし、技術で稼ぐものは、上手になることが目標であり、利益はそれに付随するもの

・相場の上手な人は、自分をよい環境に置くことを心掛ける。勝ち癖をつけるのも、そのひとつ

・まず初めに、「高く売る」勉強をしなければならない。これは商売と同じで、需要とは、自分の好みではなく、他人の好みである

・相場の失敗は、予測の誤りではなく、建て玉の誤りがほとんどである



相場観を磨くと、売買が絡むすべてのものに応用ができます。日常生活の中でも、家を買う、売る。車を買う、売るといった大きなものだけでなく、スーパーマーケットの惣菜が何時から何割引きになるかを予測するのも相場観です。

需要と供給で値段が決まる世界は、この相場観を持っている人が有利になります。この最たるものが、株式売買です。

相場の神様である著者の言葉に耳を傾けると、長い一生、きっと得になることが増えるのではないでしょうか。
[ 2011/06/23 06:12 ] 投資の本 | TB(0) | CM(0)

『セコムが教える防犯プロのアドバイス』セコムIS研究所

セコムが教える防犯プロのアドバイスセコムが教える防犯プロのアドバイス
(2006/06/21)
セコムIS研究所

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身の安全を守るプロたちが、現場で蓄積したノウハウとは、どういうものなのか、興味があって、この本を手に取りました。

家宅侵入だけでなく、ひったくり、詐欺にいたるまで、さまざまなトラブルの防止法、対策について、詳しく記載されています。

この本を読み、参考になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・空き巣は電話をかけて留守を確認(下見)することもある。留守番電話では、留守を伝えないこと。電話に出ないで、安易に居留守を装うことも危険

・外出するとき、ラジオをつけっぱなしにしておけば、留守だと思われにくい

・空き巣が侵入する場合、10分以内で鍵を外せなければ、ほとんどが侵入をあきらめる。一つのドアに二つの鍵を付けたり、窓に面格子や防犯フィルムを付けておけば、手間がかかると判断し、最初から侵入をあきらめる

・モニターテレビ付きインターホンやセンサーライトを取り付ければ、防犯対策として有効である

・侵入犯は、外から見える様々な手がかりから、女性の一人暮らしを察知する。表札に書くのは姓だけ。花柄のカーテンや女性らしいグッズが外から目に入らないようにしておく

・車道と歩道がきちんと分かれて、歩道が少し高くなっている道は、バイクを使ったひったくりに遭いにくい

路上強盗は、午後10時から午前4時までの間に54%発生し、午前0時から2時の間がピークになっている。深夜に帰宅する場合には、注意が必要

・スリの多く発生する場所は、ラッシュ時の電車の中、競馬場などの遊戯施設、祭り・イベント会場、バーゲン会場など。特に、賭け事、バーゲン会場などで我を忘れると被害に遭いやすい

・ひったくりが発生する時間は、午後8時~10時が最も多い。続いて午後6時~8時

・電車ドア付近は、痴漢の発生率が高い。ドア付近にいると女性が痴漢に狙われやすいだけでなく、男性が痴漢冤罪を受けてしまう場合も多い。冤罪を晴らすのは実に大変

・夜間に、コンビニを利用する人は、生活圏がそのコンビニ周辺にある場合がほとんど。ストーカーはコンビニで待ち伏せして、つけ狙うことがある。同じ顔の男を何度も見かけたら用心する

・コンビニで不用意に第三者に自分の情報を与えないこと。公共料金などは、生活圏以外のコンビニで支払うようにする

・振り込め詐欺は、銀行へ入金させるため、電話をかけるのは、午前10時から午後2時まで。この時間帯の電話に注意

・放火による住宅火災の半数以上は共同住宅で発生している。放火の多い時間帯のピークは午前1時~4時、月別では、11月、12月、2月が多い

自動車盗難場所は、駐車場(62%)、道路上(12%)、自宅(10%)の順。駐車場が圧倒的に多い。駐車するときは、管理がしっかりしたところを選ぶこと

・レンタルビデオ店やスポーツジムなどの申込書に、運転免許証などを転写、転記することで個人情報がわかるようになっている。万一漏えいした時に悪用されかねないので、不用意にコピーさせてはいけない

・警視庁が泥棒に聞き取りした調査によると、物色する場所は、整理ダンス(51%)、サイドボード(44%)、手提げ金庫(40%)机の引き出し(33%)の順。物色する部屋は、居間(71%)、寝室(51%)、書斎(29%)、台所(18%)の順



犯罪に巻き込まれないためには、犯罪発生率を知っておくのが有効だと思います。この本には、犯罪発生率が犯罪別に具体的に掲載されているので、参考になります。

犯罪者に隙を与えず、命と財産を守る方法を知っていることは、長い一生において、必ずプラスになると思います。
[ 2011/06/21 07:58 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)