とは学

「・・・とは」の哲学

『「教える技術」の鍛え方-人も自分も成長できる』樋口裕一

「教える技術」の鍛え方―人も自分も成長できる「教える技術」の鍛え方―人も自分も成長できる
(2009/04)
樋口 裕一

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著者の本を紹介するのは、「バカを使いこなす聞き方話し方」に次いで2冊目です。

樋口裕一氏は大学教授で、人気ノンフィクション作家ですが、元は、予備校の人気講師だった経歴の持ち主です。

つまり、教える技術の最先端にいた方です。読みながら、何度もうなずきました。この本の中で参考になった箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・教えるからには、学ぶ側が、自分で考えることができるように強制しなければならない。その強制と自立との兼ね合いこそが、教えるテクニックのすべて

・教えるのに失敗する最大の理由は、生徒の能力を読み違えること

・相手が興味を覚え、身を乗り出して聞いてくれるような面白さが必要

・教える人間は、教える内容を盛りだくさんにするのではなく、できるだけ絞って繰り返し説明する方が、相手はしっかりと理解できる

・予備校で人気がある講師は、大事な点を押さえた上で、「ほかは捨てて、これだけを覚えればいい」と言い切る講師。そして、事実、このように教える講師の方が、間違いなく生徒の力を伸ばす

・授業内にできるだけ生徒に覚えさせ、予習も復習もしなくていいようにすること、授業内にこれまでの復習をさせるように仕向けることが大事

・最初に、段違いの力量があることを生徒に見せつけること。教える人間はなめられてはいけない

・懸命に工夫をして教えようとする人間に対しては、少々教え方が下手でも、生徒は付いてきてくれるもの

・間違った場合、素直に認めるのが原則。妙に強がって間違いを認めず、黙って隠したままにしていると、後々で困ったことになる。さっさと間違いを認めてしまうのが、最も害が少ない

質問に答えられない場合、「きちんと答えたいので、家で調べてくる」と言って、できるだけ誠意を尽くす。そうすると、相手はなめなくなる

・教える人間にとって、自慢するのは、教える内容に信頼を持たせるための大事な要素である

・モチベーションを高めるには、伸びを実感させることが最大のポイント

・ほめる時には、漠然と「よくできました」と言うのではなく、この部分のこの点が優れていると、はっきりと具体的に、そして、本音の言葉としてほめるのが原則

・理屈人間と実践人間、まず自分自身がどちらに当てはまるか自覚する。その上で、生徒がどちらかを見極めて教える。理屈人間は「なぜ、そうなるのか」「どんな意味があるのか」といった質問をする。実践人間は「どうすれば、うまくできるのか」と質問する

・理屈人間には「これ以上理屈を考えても難しいので、とりあえずやってみよう。そのうちわかってくるかもしれないよ」と実践を呼びかける。理屈人間は、実践に移るほうが理にかなっていることを説明されてこそ、納得できる

・「」を強調すること、「危機感」を強めること(学んでおかないと大変なことになる)、「裏技」であるかのように語ること、「目からうろこ」を体験させること、「大袈裟な予告」をすることは、教えるテクニックとして効果的

・最も悪い教え方は、知っていることをすべて教えようとすること

・物事を教える時、大事になるのは教える順序。「単純なものから複雑なものへ」「大事な順」「場面順」

・学ぶ側にも参加させるために質問を交える。先生のほうから「なぜ、そうなると思う?」「こうなると、どうなるだろうか?」「次にどんなことが起こるでしょう」などと尋ねる

・相手の学ぶ気持ちを高めるには、「自分で発見するように導く」「実践させながらわからせる」「手本を見せる」「短期的目標を与える」「ゲーム感覚で反復練習をさせる」「その場で暗記させる」「小テストをする」「うまく宿題を出す」こと

・最初に教える時に、「私語は許さない。私語をする人は出ていってもらう」と宣言すること。私語が完全にやむまで、口を開かないこと

・クラスの交流を盛んにし、お互いに友達関係になるように促すと、教えやすくなり、教育効果が上がる

・生徒のレベルを知るためには、最初に能力判定試験をしてみること

・ぎくしゃくしているクラスを和ませるには、後ろにいる生徒に話しかけるのが有効

・雑談の理想は、生徒の全員が笑うこと。10分に1回の笑いがほしい。授業プランを作ったら、その際、どこで何を話して笑わせるかも考える

・全員相手の授業が終わったら、必ず質問タイムを設ける必要がある。そこでこそ、先生としての信頼を得ることができる



一対多のコミュニケーションは、一対一のコミュニケーションより、テクニックが相当必要です。

多くの人に伝える「技」を学んで、その「裏技」も活用すると、今後の人生、必ず「得」になります。逆に考えたら、学んでおかないと「損」することになります。

大勢の人数を率いる方にとっては、「目からうろこ」の教えるテクニックは必要不可欠です。この本は、そういう意味でものすごく参考になると思います。
[ 2011/02/28 09:03 ] 樋口裕一・本 | TB(0) | CM(0)

『生きろ・地獄からはい上がるための教科書』玄秀盛

生きろ 地獄からはい上がるための教科書生きろ 地獄からはい上がるための教科書
(2009/09/16)
玄秀盛

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玄秀盛氏は、新宿救護センターの所長をされています。いつかテレビで、関西弁丸出しで、相談に当たっている姿を見たことがあります。

相談といっても、生易しい相談ではなく、本当に、生と死のギリギリのところを生きている人たちの相談ですから、真剣勝負です。

人生の修羅場をくぐった人でないと言えない言葉が数多く出てきます。体験に基づいた言葉の数々は、お金と人生の勉強になります。ためになった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・「人生は取り戻せる」という人がいるが、そんなもの取り戻さなくていい。経験は上積みしていけばいい。「取り戻そう、取り戻そう」と思うから、無理な話になってしまう

・私の目の前にいる、このただひとりの人を救いたいという気持ちで話を聞く。「何かに傷ついた体験」が一つあって、傷つく痛みを知っていれば、人の話は聞けるもの

・「死ぬな、死ぬな」と言ったら、よけいにモチベーションが落ちていく。逆に「おう、死ね、死ね。死に方を教えてやる」と言うと、腹が立ってきて、私への怒りや憤りが、エネルギーの点火剤になる

・社会で活躍している女性でも、自分にどこか自信がなくて、ご主人様を求めてしまうタイプがいる

・「いつの日か、暴力がなくなって、優しい夫になるかも」などと期待せず、「暴力をふるう人間は、暴力をやめることはない」と見切って逃げること。「すまなかった。暴力をふるわないと約束するからもう一度やり直したい」と言うのは、DV男性の常套句

・一回でも、自分の人権を侵害したり、高圧的な態度に出てきたときは対等にけんかしたほうがいい。そうすれば、男のほうが繊細で怖がりだから、コロッと態度が変わる

・子供が「強い態度に出たり、暴言を吐けば、親は言いなりになる」ことを覚えたら、今度は暴力で支配しようとする。「こんなことが世間にばれたら恥ずかしい」と思う気持ちが、DVを助長する


・人助けはやり過ぎたらいけない。「小さな親切、大きなおせっかい」。これは人助けの基本

・契約書があれば、警察も対応が違ってくる。証明があれば反論もできる。たった一枚の紙切れが人を助ける。最後に紙は人を救う

・金に関係のないように見えるDVや家庭内暴力も、結局は金につながっている。金があれば、DVから逃げ切れる。金がないからイライラして子供を虐待する。金がないばかりに、認知症の親を自宅介護して、夫婦仲がぎくしゃくする

多重債務者の大半は、金の奴隷になって、金の呪縛から抜けきれない。金しか見ていないから、みんなささくれ立っている

・金で死ぬのも、金本位でしか物事を考えられないのも人間だけ。だから、借金による苦しみさえ取り除ければ楽になる

・7年経てば、自己破産の経歴は消える。再出発するために、7年に1回使える法律が自己破産

・自己破産すると、家は管財人に処分しなくてはならないが、住み慣れた家を手放すのはつらい。家を任意売却する場合、その価値は市価の3分の1、競売では4分の1から5分の1。家を合法的に残すには、知人に買ってもらうのがいい方法

・毎月の返済額は銀行など、相手側が決めると思っている人が多いが、そうではない。こちらで決めるもの

・親兄弟でも、絶対に連帯保証人にならないこと。親兄弟へ金を貸す場合でも、借用書を取ること

自己破産すると官報に住所と名前が載る。しかし、官報なんて誰も見ない。裁判所から会社に通知がいくことはないし、もし会社に知れても、自己破産は解雇する理由にならない


結局は、お金絡みというのが世の中の現実なのかもしれません。この本の相談内容のほとんどがお金で解決できることが多いことに驚かされました。

逆に考えれば、悩みの相談を受ける人は、お金で苦労した人でないと務まらないということなのかもしれません。
[ 2011/02/25 07:04 ] 玄秀盛・本 | TB(0) | CM(0)

『スター・ワーズ』星新一、星マリナ

スター・ワーズスター・ワーズ
(2010/10/13)
星 新一 / 星 マリナ

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中学生の時、星新一のショートショートをよく読みました。周りの友人たちもよく読んでいました。エスプリがきいていて、都会的センスがあり、読後のさらっとした爽快感は、他の作家の類に見ないものでした。

星新一の世界は、その時代の流行であったと考えていたのですが、少し前に、NHKでショートショートがテレビ放映されていました。

我が家の息子たちも録画して、熱心に見ていました。これは、時代を超えた何かが、星新一のショートショートにあるのだと思います。

その何かを探るために、この本を読みました。星新一が何を考えていたのかがよくわかりました。時代を超えて、共感できた箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・個性のある人と話すのは楽しい。しかし、それには、こちらも一つの個性を持たなければ、会話が成立しない。人生を豊かにするためには、そういった努力がいる

・できるだけ多くのものを内に秘め、一方、口数は少なく、軽々しい判断はしない。その修行が気品というものを作り上げる

・学問のもとは、好奇心。好奇心を育てるようにしておけば、優れた人物も、自然に育ってくる

・人が夢の世界を持っていなかったら、現実に対して、何の批判もしなくなり、ただただ現実に押し流され、ずるずるとだめになっていく。現実の世界は、それぞれの人の夢の世界で支えられている

・わが国の世の中のごたごたの多くは、ノー・サンキュー精神の欠如が原因かもしれない。この種のごたごたこそ、われわれ社会の特色であり、人生というものを構成している要素かもしれない

・アメリカ社会の特長は、人々が独立心を持つばかりでなく、他人の独立心を尊重し、それに手を貸そうとする点にある

・想像は楽しい。しかし、事実の発見はそれより一層大きな喜びである

・普通ならざることへの直観能力が笑いである。論理の飛躍になるが、笑いは、普通とは何かを知る経路でもある

・みんなが偉大なことを完成するとは限らない。完成ができたほうがいいに決まっているが、できない人だっている。完成を心に描きながらずっと楽しく生きていくのもいい

・人間の成長とは、絶対という緊張感と顔なじみになっていくこと

・忙しく動き回りながら、深く考えることは、人間にはできない

・ニュートンは「どうやって法則の発見を」と聞かれ、「考え続けて」と答えた。執念、ここが大事なのだろう

・まず、ものにこだわること。異質なものを見つける。これを結びつけるために、ものをそれぞれ要素分解していく。すると、全然違うものなのに、似た部分や関連したつなぎが見えてくるようになる

・とにかく、あの人と会話をすれば、何か楽しい時を過ごせる。利口になった気分になれる。そう思ってもらいたい。つまり、それは小説を書く心構えでもある

・われわれが過去から受け継ぐものはペーソスで、未来に目指すべきはユーモア



星新一という人は、イマジネーションと英知という両立し難い能力が、両方強くあったのではないでしょうか。

この両立こそが、センスであり、気品であり、爽やかな印象を感じさせたのかもしれません。

また、深いものを浅く、難しいことをやさしく、暗いものを明るく、読むものを飽きさせない表現になったように思いました。
[ 2011/02/23 07:56 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)

『「諜報的生活」の技術・野蛮人のテーブルマナー』佐藤優

「諜報的生活」の技術 野蛮人のテーブルマナー「諜報的生活」の技術 野蛮人のテーブルマナー
(2009/01/23)
佐藤 優

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著者の本を紹介するのは、これで4冊目です。佐藤優氏は、外務省国際情報局で情報活動に従事し、その後、背任容疑で逮捕されましたが、あり余る才能で、数多くのノンフィクションを執筆されています。

特異な経験と文筆才能を併せもつ人は稀有です。今回もお国の裏事情及び国際人としての考え方や技能など、さまざまなことを学ばせていただきました。

勉強になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・人間の理性を信頼し、合理的な計画で理想的社会を構築できると信じる者が左翼・市民主義陣営をつくる。これに対し、人間の理性や知恵は限界あるものとして、合理的な計画でつくる社会を諦め、伝統や文化、神仏を尊重するのが、右翼・保守陣営である

・一旦、自らの命を何らかの理念のために捨てる覚悟ができた人間は、他者の命を奪うことを躊躇しなくなる。大量殺戮は常に自らの命を差し出す覚悟ができた人々によって行われる。だから思想の危険性を認識しなくてはならない

・「余人をもって代えがたい」人をつくると、「ガン細胞」になり、システムが内部から崩れる危険性がある。資本主義は、均質な人々からでないと社会が回っていかない構造にある

・軍事情報以外に関しては、インテリジェンス機関が必要とする情報の95~98%を公開情報で入手することができる

・新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、公刊印刷物などに注意していて、目的に関係あるものを片っ端から切り抜いたり、書きとめておいて、これを継続的に整理し、総合判断すると、その国の考えなど意外によくわかる

・「事前にあなたの了承を得ておきたい」と一言声をかけるだけで、中長期的にあなたは「信義則を守る人だ」という高い評価を得ることになる

・カネがあるところに権力の実体があるということは、普遍的真理である

・一緒に食事をしながら話をすることはとても重要。外交交渉は、敵の中に友人をつくること。そして、敵と取引しなくてはならない

・動物は、敵の前では排泄しない。案外気づかないことだが、実はトイレでの交渉で、難しい問題が解決することが結構ある。ヨルダンとの平和条約も、最後はフセイン国王と二人でトイレの中で決めた

・偽装して近寄ってくる者は、背後に組織があり、何らかの魂胆を持っている。したがって、相手が嘘をついていることを理解した上で、相手の目的をつかみ、偽情報を与え、相手を攪乱することも情報戦ではよく使われる

・女遊びをするときに一番大切な技法は、女の子が向こうから逃げていくような嫌われる技法を身につけること。そうすれば、トラブルに巻き込まれることはない

・上手にカネを渡すには、相手が運んでくる情報とカネに直接の因果関係をつけないこと。よい情報をもらっても「ありがとう」だけで済ませ、息子が学校に入学するとき、50万円をお祝いで渡す。情報対価ではなく、「友情の印」としてカネを渡すこと

・情報屋と接触して、相手がカネを渡してきたら、そいつはあなたを「モノ」として考えている。要注意のスイッチを入れること。絶対にカネを受け取ってはならない

・実は、何かを始めるとき、まず「終わり」について、決めておくことはとても重要

・一旦できあがった組織は、必ず組織自体が生き残ろうとする本能を持つ。解散について決めておかないと、組織の生き残り本能に翻弄されて、本来の目的以外のところで大きなエネルギーを消費することになる



本当に価値のある情報は、このような諜報的活動によって得られるのだと思います。

こういう人間臭く、労多いやり方が苦手な人は、著者がすすめるように、公開情報をしつこく、コツコツ集めるしかないのかもしれません。

とにかく、その道の情報通になることが、出世や成功に大きな影響を与えることだけは確かではないでしょうか。
[ 2011/02/22 07:16 ] 佐藤優・本 | TB(0) | CM(0)

『一瞬で相手の心をツカむ!笑いのスキルで仕事は必ずうまくい『』殿村政明

一瞬で相手の心をツカむ!笑いのスキルで仕事は必ずうまくいく一瞬で相手の心をツカむ!笑いのスキルで仕事は必ずうまくいく
(2010/05/11)
殿村 政明

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著者は、吉本総合芸能学院(NSC)を卒業後、漫才コンビを組み、心斎橋筋2丁目劇場で5週勝ち抜き、レギュラーを獲得し、テレビ出演も決めた経歴の持ち主です。

その後、相方とのコンビを解消し、営業マンとなって、笑いのセンスで営業成績を上げ、独立開業を果たされました。

初対面の相手の心をつかむのに、笑いが大きな武器になることを、自らの体験で証明されています。その数々を披露されているので、面白く読めました。参考になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・初めて来店してくれた客が、自分のファンになってくれるために必要なのは「質問力」。おすすめは、二拓質問。「お客さん、どちらかと言うと、○○派と△△派、どっちですか?」ときくと、客は答えやすい

・ツカミの切り札として、笑いがとれる名刺や名札を作ることは大事。自分を印象づけるためには、相手がツッコミたくなるボケを入れておく

・共感、イメージできる会話の的をつかんだ上で、「○○といったら、△△でしょう」などと、「あえて大きくはずす」ことが大事。計算して笑いをとれる賢いアホになること

キャラづくりのポイントは、「誰にも嫌われたくない」という考えを捨てること。みんなに受け入れられなくても、深く突き刺さる数名がいるほうがいい。キャラづくりが成功すれば、自分のファンが増える

・ボケ、ツッコミなどのトークが苦手なら、リアクションで勝負。大袈裟にリアクションするだけでも人は笑う

・お笑い芸人も、舞台裏では「表情」と「言い方」を必死で練習している。大袈裟にしなければ、相手に伝わらないことを認識している。「ありがとう」は大袈裟なくらいでちょうどいい

・思いついた擬音はバンバン口に出して言ってみることが一番。「トゥルントゥルン」「フリンフリン」「スランスラン」、うける擬音が見つかったら、仕事でも使ってみる

・表情やジェスチャーを大袈裟にすると、臨場感が出て、相手にリアルに伝わる

・話し始めるときの「あの~」「え~っとですね・・・」といった間があることで、過去の記憶を思い出している感じが聞き手に伝わり、話にリアリティーが増す

・「口が大きい人」だったら、「ペリカンみたいな口をしている人」。「元気な女子高生」だったら「満開の桜みたいな子」と言ったほうがイメージが広がる。たとえ話がうまい人の話は次が聞きたくなる

・面白いネタを持っていれば、雑談モードになったときに、客を笑わし、リラックスさせることができる。ネタ探しは「異変に気付く」こと。小さな異変は、日常にあふれている

・「面白い!」と思ったことは、その場ですぐにメモするくせをつける。トップ営業マンは、大抵、ネタ帳を持っている

・子供のころの失敗は、大人になるとネタになる。アルバムは過去ネタの宝庫

・元ネタに別の小ネタを付け足したり、数値をオーバーに言ったり、相手を笑わせたいなら、脚色してもいい

・テーマをより明確にしてもらうため、プレゼン前にポイントシートを配る。ムダなことをゴチャゴチャ言わない

プレゼンのポイントは、「私が一番伝えたいのは○○○○です」を意識し、「喩え」+「描写」+「大げさ」=「面白くてイメージしやすい」ようにすること



素人でもできる笑いのテクニックは非常に参考になります。日常で駆使すれば、仕事だけでなく、人気者になれると思います。

口下手であっても、笑いはとれます。笑いがとれる型をつくりあげれば、仕事で成功する確率がかなり高まるのではないでしょうか。
[ 2011/02/21 07:39 ] 営業の本 | TB(0) | CM(0)

『人間風眼帖-昭和21年-昭和49年』山田風太郎

人間風眼帖―昭和21年‐昭和49年人間風眼帖―昭和21年‐昭和49年
(2010/07)
山田 風太郎

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山田風太郎氏の著書を紹介するのは、「人間魔界図巻」に次ぎ、2冊目です。

山田風太郎氏は、独特の人生観、死生観、戦争観を持っています。摩訶不思議な山田風太郎ワールドに魅力を感じます。

この本は、著者の日記から抜粋されたものです。戦後から高度成長期までの日本人の本質を実によく見ています。

これらの箴言で、共感できた箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・日本人は、強いときはいたずらに高姿勢になり、弱っているときはシュンとしている。この点でも日本人は幼児的である

・日本が「外交下手」という言葉の裏には、「宣伝下手」の意が、むしろ得意げに含まれている

・日本人は紋切り型民族である。パターンから外れると手も足も出ない。その習癖は戦争時だけでなく、平和時になっても全然変わらない

・死は死ぬ本人よりも、残された人々に不幸なものである

人に支配されるべき人間が、人を支配するのは悲劇である。人を支配すべき人間が、人に支配されるのはさらに悲劇である

・有名人には多少なりともハッタリ根性山師的なところがある。作家を見る判断の一つにその題名がある。作家のつけた題名を点検すると、その作家のハッタリの程度と種類がわかる

・すべての望みを子供の成長にかけることは尊いことである。しかし、自分たちの愉しみがほとんどないのは哀しいことである。その子供が大きくなって、また同じことを繰り返すとしたら、繁殖には差し支えないが、生は無意味である

・老年に従って成長することはない。ただ変化するだけである

・意地悪だから人に嫌われるのではない。人に嫌われたいから(孤独になりたいから)意地悪になるのである

・人間は、幸福な生活に必要な人々(農夫、労働者、芸術家、売春婦)を虐待し、人間が善良ならば不必要な職業(官吏、政治家、裁判官、軍人)を優遇する

・洋の東西は問わず、地獄極楽は、死んだ人間の報告ではなく、現世の人間が考え出したこと。現世に、悪いことはしないのに不幸のままで死ぬ、悪いことばかりしているのに幸福な大往生をとげるという事実がいやになるほどあることからの着想である

・外国人には、聖者と悪人、それぞれ極端な人間がいる。しかし、国家としては中庸がとれて社会が安定している。日本人は、個人的にケタはずれの人間はいない。しかし、国家としては、極端に走りやすい。「個」がなく「雷同性」のみがあるからである

・幸福は求めて得られるものではない。しかし、快楽は求めて得られる。偶然性の多い幸福を求めるよりは、この短い一生に快楽を貪った方が賢明と言える。酒、美食、女色、趣味道楽然り

・「うぬぼれ」はないと言う。「自尊心」はあると言う。「自信」はあるかないかわからないと言う。日本語とは妙なもの

・体力も衰え、頭脳も明敏さを失っている年長者が、なぜ若い者を制圧しているか。地位や金ではない。それは、年長者が、若者が自信のないことを承知しているからである。ときには、自信を持っている若者もいるが、たいていバカのことが多い

・必要悪の最大なものは人間の長生き。必要なのは当人だけで、他人にはマイナスの影響ばかりである

・身分不相応な結婚式をあげ、流行りのものをやり、人気のものに行列を作り、中年になれば仲人をやり、葬式にはマメに出かけ、葬式が終われば帰りに一杯飲んで、死んだ人のことなど念頭にない。これが普通人の人生である

・人間が孤独になるのは、自我が強くて、しかもそれに比して、その自我の発言力が弱いときである

・五十代以降の人間は、あらゆる夢は消えている。自分の力量の限界も分かっている。前途に待っているのは自分の消滅だけだ。にもかかわらず彼らは生きている。それは子供のためだ。そのために彼らは苦闘している。子供に餌を運ぶ鳥みたいな気がする

・金持ちの子に親不孝が多いのは、親の自我が強く(強いがゆえに富む)、子に対しても、おのれを主張するために、子はそれに反発するからである

・選挙のとき、当選第一報を受けた候補者の感激ぶりは、投票者に命を捧げたいほどの表情だが、それが数時間後、当選者座談会では別人のように、そっくり返っている

お金が嫌いという人間にお目にかかったことがない。あまり好かぬような顔をしてみせる人も、それは見栄か、痩せ我慢か、可愛さ余って憎さ百倍という現象に過ぎない。お金だけは万人好きだから可笑しい

・ケチンボだから人間嫌いになるのではなく、人間嫌いだからケチンボになるのである

・人が孤独を口にするときは、たいてい甘えがある。要するに、人が自分を理解してくれないということである。それでは、自分が人を理解しているかというと、全然していないのである

・日本人は判官びいきだという。しかし判官は死んだから贔屓されたのである。日本人は、判官びいきどころか、勝てば官軍である

・流行作家になる要件は、どこかに読者に媚びるところがなくてはならない。この媚びの一種に自分を道化にするという手がある。しかし、この道化を悪口すべきではない。それは芸の一種である。ひょっとしたら、あらゆる芸や芸術の本質はそこにあるかもしれない



人間の愚かさ、厚かましさをえぐり出す著者の眼力は流石です。著者の力量を知らなければ、嫌なことをズバッと言う意地悪な爺さんのように思うかもしれません。

しかし、山田風太郎氏は、人間の愚かさ、厚かましさを許容しながら、みんなが肩ひじ張らずに自然に生活することを望んでいただけのように思います。

意地悪なことを言う人ほど、根は優しいのではないでしょうか。
[ 2011/02/18 07:44 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)