とは学

「・・・とは」の哲学

『本当は恐ろしいアメリカの真実・反面教師アメリカから何を学ぶか』エリコ・ロウ

本当は恐ろしいアメリカの真実 反面教師・アメリカから何を学ぶか本当は恐ろしいアメリカの真実 反面教師・アメリカから何を学ぶか
(2009/08/01)
エリコ・ロウ

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アメリカには、3回行ったことがありますが、最近は10年以上御無沙汰です。

日本人のアメリカに対する憧憬の念は、最近かなり薄れてきたように思います。しかし、アメリカは大国です。世界一の経済大国であり、ドルと軍事力で世界を牛耳る国家です。

つき合いたいかどうかより、つき合わざるを得ないアメリカについて、マスコミで報道されない現実を知りたくて、この本を手に取りました。

知っているつもりのアメリカでも、まだまだ知らないところだらけです。参考になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・アメリカにとっての日本は、ライバルにすれば手強いが、手なずけやすい友人で気の良いお得意様。長所は取り入れ、失敗を反面教師にしている。一方、日本にとってのアメリカは、最初に目にした生き物を親として付き従う刷り込み現象の親のような存在

・アメリカは信者人口で見ても、世界一のキリスト教国。アメリカは合理主義国のように思うが、アメリカを大きく振れさせる諸問題の多くの基盤にあるのは宗教

・教会の人気牧師はテレビやラジオ、インターネット、書籍を通じて全米に布教するセレブ宣教師となり、世論や政治を大きく動かす力になっている

・家や仕事場で、BGM代わりにラジオをつけっぱなしにしている人や、車社会だけに、車内でラジオを聴くのが習慣になっている人が多い。アメリカでは、ラジオは今でも世論を動かす重要なメディアである

・資産家や経営者が支持基盤の共和党は選挙の関心が貧富格差の問題にならないように、ライフスタイル、知性、教育レベルの違いで「エリート対庶民」という人工的対立を作る。共和党は庶民の党、労働者の支持が多い民主党はエリートの党と宣伝する

・アメリカの庶民が潜在的に持つ教育レベルや知性に対する劣等感を利用し、エリート政治家には、庶民の気持ちも苦労も分からないと洗脳するのが、最近の保守派の選挙戦略

・高血圧薬より抗うつ剤のほうが多く処方されている背景には、精神科医によるうつ病治療が過去15年で大きく変わり、以前は盛んだったカウンセリングによる心理療法が廃れ、薬の処方に依存するようになった事情がある

・18歳以上のアメリカ人の4分の1、約5800万人が精神疾患を患っている。なかでも多いのがうつ病で、約1500万人が大うつ病性障害(重いうつ病)、約330万人が慢性の軽いうつ病患者、約570万人が躁うつ病で治療を受けている

・日本はアメリカより自殺率が2倍と高い一方、精神疾患がタブー視され、治療を受けにくい文化だからこそ、いったんタブーが破られれば市場は大きく開ける。向精神薬の有望市場として欧米の製薬会社から期待されている

・ウォルマートを安売りと馬鹿にする中流以上の消費者も、労働者、女性、マイノリティ、環境の敵と毛嫌いする知識層も、ショッピングはやめない。多くの老舗や大手百貨店が売上減に喘ぐ中、ウォルマートだけが売上を増加させている

・報道機関として独立していたテレビ・ネットワークは揃って大企業による買収で経済的自立を失った。そのため、報道機関は、政治家や政府との関係を良好に保とうとする親会社の意向に逆らえないから、鉄則だった政治的中立を守れなくなった

・メディアは訴訟恐怖症にかかり、社会性や意義より先に、訴訟の恐れの有無が報道すべきニュースの第一フィルターになった。入念な取材に時間や経費をかけた末にお蔵入りしかねないスクープよりは、取材は容易で大衆受けする娯楽よりの取材に走りがち

・一般の人がアメリカで有名になって儲けたければ、最も手っ取り早いのは、人目につくスキャンダルを起こすこと。犯罪を罪悪、恥ずべき行為と見る他国では当たり前の価値観も希薄になっている



この本を読めば、アメリカの政治、宗教、医療、メディアなどが、最近どう変化しているかがよくわかります。

アメリカ在住の著者ならではの視点が多くあり、アメリカの実態だけでなく、今後日本に起こってきそうなことも書かれています。

そういう意味で、ヒントになることが多く、参考になる書だと思います。
[ 2011/01/31 07:56 ] 海外の本 | TB(0) | CM(1)

『スローライフの素602』アーニー・J.ゼリンスキー

スローライフの素602(ロクマルニ)スローライフの素602(ロクマルニ)
(2003/01/01)
アーニー・J. ゼリンスキー

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著者の本を紹介するのは、「働かないって、ワクワクしない?」に次いで2冊目です。著者は、人生を楽しむことに主眼を置き、本を書かれています。

この本は、著者の人生の楽しみ方のメモです。あくまで、著者自身の考え方ですが、その中で、これはいいと思えた箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・人生で「これがほしい」と決めることと同じくらい重要なのは、「これはいらない」と決めること。ほしくないものリストをつくり、それから遠ざかるようにがんばる。自分にとって、愉快でないものを一切合財捨てる

・尽くしているわりに、見返りが期待できない相手とは、この際、友情を見直す。不当にストレスや不快を味わわされているなら、さっさと手を切る。自分のためにならない人たちからは、さり気なく立ち去る

惨めな人というのは、誰かにくっつきたいというより、くっつかざるを得ない人。一緒にいると、いつもエネルギーを吸い取られる相手とは、関係を温存しないこと

・よその人が何をやっているか、気にしないこと。大多数の人がやっていることが賢明という保証はない。実際、ほとんどの人は、幸福や満足の間違った追求の仕方を教えられている

・これを買えば生活が向上するという広告には疑いの目を向ける。すでに手元にあるものを楽しむ時間も足りないのに、これ以上買ってどうするのか。外部からの影響ではなく、内部からの欲求を大切にしたほうがいい

・何かを買おうと思ったら、それを買うのに、何時間働かなければならないのかを考える。さて、その価値があるかどうか

・人生における最上のものは、タダか、ものすごく安いものが多い。お金のかからないレジャーこそ、楽しくて満足のいくもの

・ある程度のお金があれば、それを遺すのではなく、自分で楽しむようにする。金持ちとして生きる方が、金持ちとして死ぬよりマシ

カッコよく見せるためにお金を使わないこと。カッコいいということと知的ということはイコールではない。カッコよさを求めて、多くの人が破産の憂き目に遭った

・1日に8時間以上働くのは自然なことではない。週40時間以上働くようになったのは、産業革命以降のこと。原始社会では、1日3~4時間しか働いていない

・完璧を目指さず、上出来を目指す。割り当てられた時間内で最善を尽くす。あとはさっさと引き上げる

・「この仕事にどんな価値があるのか」「もしそれをやらなかったらどうなるのか」自問自答すること

・政治、新しい事件、哲学について定期的にディスカッションするグループがいる場所をあなたの近くに見つけること

・何かを達成することを義務にしないこと。人生の流れにまかせ、あらゆる局面を楽しむようにする。楽しんでいればいるほど、最小の努力で多くのことが達成できる

・子供が気の向かない習い事に行かせようとして、あれこれ時間をかけないこと。子供の時間も、あなたの時間もムダになる

・電話はあなた以外の万人にあるのではなく、あなたのためにある。留守電を使うか、着信番号を表示させて、自分の話したい相手とだけ話すようにする

・心配事の40%は、「決して起きない」こと。30%は、「すでに起きてしまった」こと。22%は「取るに足らない」こと。4%は「変えられない」こと。残りの4%だけが、「働きかけられる」こと。心配事の96%は「コントロールできない」こと

・仕事中以上に、ガツガツと他人と競争し、勝ち負けのあるような余暇活動は避ける

・人をあれこれ批判することに時間を費やさない。人生には、もっと貴重なすべきことがある。人を裁くのは神様の仕事



スローライフとは、人生におけるムダを省いて、生きていくことです。

あくせくせずに、ゆっくり時を過ごし、楽しみたい方には、著者の本は参考になります。ちなみに、私自身も著者に共感するタイプの人間です。
[ 2011/01/28 08:02 ] ゼリンスキー・本 | TB(0) | CM(0)

『貧困にあえぐ国ニッポンと貧困をなくした国スウェーデン』竹崎孜

貧困にあえぐ国ニッポンと貧困をなくした国スウェーデン貧困にあえぐ国ニッポンと貧困をなくした国スウェーデン
(2008/11)
竹崎 孜

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世界で一番幸せな国はどこか?それは、北欧諸国であるとずっと思っています。スウェーデンとデンマークに10年前に行って、国の運営に感動を受けてから、北欧諸国の政治や制度、国民の考え方を勉強するのが、自分のライフワークのようになっています。

この本も、スウェーデンを知るのに大変役に立ちました。著者の竹崎孜氏は、元ストックホルム大学の客員教授で、スウェーデン日本大使館の専門調査員です。

非常に詳しく、スウェーデンのことを調べられています。今回、この本を読み、勉強になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・公的部門で働いている公務員数は、国民人口に占める割合で、スウェーデンがトップ。それに続くのが、フランス、イギリス、アメリカ、ドイツ。先進国中で最少なのが日本

・日本では、若者と女性が実質的に失業同然。潜在する労働力の大きさに比例して、職場を用意できない、ひ弱な経済と労働力市場が目立つ

・イギリスの調査では、日本人の働きぶりは、通勤に時間と体力を費やし、職場での拘束時間が長く、おまけに賃金が安いうえ、生産性が低いとされている

・スウェーデン政府が日本の大学教育を調査したところ、教育内容があまりにも低水準で、参考にならないとの結論が、報告書に書かれた

・近年、低所得層を引き上げ、貧富の格差を減らした国の筆頭はデンマーク。続いてスウェーデン、フィンランドと北欧勢が上位を占める。驚くほどの金満家は少ないが、貧困にあえぐ家庭も皆無に近い。貧富差の激しい、貧困の目立つ低位国は日本とアメリカ

・スウェーデン国民は所持金を2個の財布に分けているようなもの。1個は手元にとどめ、税金の入ったもう1個を国に預けている。財布の管理と中身の運用を任せた国や政治を見張るために選挙への積極的参加を怠らない。投票率はいつも80%以上

・スウェーデンは世界最高の消費税25%を課しているが、生活が苦しいとの非難は出てこない

・スウェーデンの事実婚は、法律婚に代わり、個人が望むかたちでの結婚や家族を前提にしている。法律による規制と干渉をほとんど取り払った。男女は経済的に自立した一個人とみなされ、新しい精神婚となった

・日本は消費税5%だけで生活に困る国民がいるのに、どうして経済大国なのか、ストックホルムの大学生たちは不可解に思っている

・2008年に発表されたスウェーデンの新予算では、減税案が含まれていたが、むしろ世論では反対意見が強く、思いがけない抵抗にあった

・スウェーデンでは、還元される税金が向かう先になるのは、家計へ40%、地方自治体へ15%、国際協力へ7%であり、企業に対しては4%とわずかでしかない

・国へ集められる税金は国民への再分配によって還元されるが、スウェーデンの場合、その財源のかなりの部分は中間所得層が支払う税金に依存している

・スウェーデンの中間所得層が厚くなった背景には、高齢者のための国民年金制度を拡充したのと、全体の労働賃金水準を引き上げた結果である。賃金が職能賃金であるのと、労働組合が企業単位よりは産業ごとに横の連携を保っているのもその理由である

・スウェーデンでは、社会コストが重すぎて、耐えられないと弱音を吐くようであれば、企業の資格なしと、社会は厳しく、企業に甘えを許さない

・「消えた専業主婦」「見当たらない寝たきり老人」「解体された老人ホーム」は、諸外国から、スウェーデンの三不思議と言われている



北欧諸国の政治、教育、制度などを紹介するたびに、日本との差が歴然として、落ちこんでしまいます。

もっと、国民が賢くなって、不公平を許さず、税金の使い道を国民に有利になるようにチェックする必要がありますが、今の日本の政権に期待しても仕方ありません。

気長に待つしかありませんが、私の目が黒いうちにそれを望むのは、あきらめました。しかし、子供たちのためにも、今後も北欧諸国について、学んでいきたいと考えています。
[ 2011/01/26 08:30 ] 北欧の本 | TB(0) | CM(1)

『ユダヤ人が教える正しい頭脳の鍛え方』エラン・カッツ

ユダヤ人が教える正しい頭脳の鍛え方ユダヤ人が教える正しい頭脳の鍛え方
(2005/03)
エラン カッツ

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ユダヤ人に関する本は、いろいろ出版されていますが、この本は、ユダヤ人の勉強法に関するものです。

世界一賢い民族と言われるユダヤ人には、記憶法が伝統的に存在し、これも賢い要因の一つと考えられます。この記憶法を中心に、ユダヤ人の勉強に対する考え方が掲載されている書です。

今回、この本を読み、勉強になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・ユダヤ人に許された職業は、金貸し、不動産業、商業、医師、弁護士、相談役といったサービス業。ユダヤの知性と業績は、19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて、ユダヤ民族が都市的商業的背景を有していたことと関係する

金銭よりも大切と規定されるユダヤ人の性格は、「先入観や固定観念に囚われることのない自由さ」と「流行に原則的に逆らう精神」の二つ

・自分の土地にいると感覚が鈍磨する。新しい事柄が見えない。新しい現象を、違った目で創造的に考えることができない。ある一定の場所に長くいると、人間には思考の限界が生じる

・ユダヤ教の根本には、自明なことは何一つないという考えがある。ユダヤ教が忠実に守ろうとしている基本的かつ非情な法や戒律だって自明ではない

・タルムードには初めも終わりもない。そして、大半は完璧な答えもない。ユダヤ人なら、その時代のラビが下した法解釈の受け入れを拒否しても構わない。それが、タルムードの素晴らしいところ

・発明しなくていい、目の前にあるものを自分に使いやすく改良して利用することが望ましい。ユダヤ人は、柔軟にことにあたり、しなやかに発想してきた

・自信は、すでにことを成し遂げた人物、インスピレーションとやる気の源である人物から以心伝心で伝わってくるもの。ひらめきを与えてくれる人物から学んだ方が効率がいい

・タルムードには「相対して学ぶべき」とある。ハブルータという学習法は、二人組で対面学習をする。それぞれに決まった学習相手がいて、一緒に学ぶ

教育者の立場で相手を教えるときは、相手を訓練する責任が生じる。そこからモチベーションが湧いてくる。それもハブルータの利点

・テレビを音声なしで見るか、音声ありで見るか。声に出して勉強すると、聴覚も使うことになるから、記憶に厚みが加わる。心に記憶され、記憶として刻まれる

・ユダヤ教では、タルムードの勉強は、重要で興味が持てそうな巻から学び始めるようにすすめている。興味を持ち、楽しんでなければ、覚えることはできない

・少し勉強して、それがしみ込むまで待って、それからまた勉強する。それを繰り返していく。多すぎたら、つまり何時間も勉強しても、内容が頭からこぼれてしまったら効果がない

・どれだけ感動したか、楽しんだかによって記憶の度合いが決まる。楽しみや悲しみの大きさ、すなわち印象の大きさが心に残るかどうかを決定する

人の名前を憶えるには、「名前と容姿、性格の間の関連を見つける」「あだ名をつける」「名前を特徴づける略語に変換する」「一人ひとりと独自な別れ方をする」こと

・「相方と声に出して勉強する」「身体を動かして楽しく学ぶ」「簡単で面白そうなところからとりかかる」「印象的なキーワードを見つけてまとめる」「論理的にテーマを整理する」ことが記憶を高める



この本には、心で記憶五感で記憶することの大切さが説かれています。全くの同感です。

体験したことは、忘れません。擬似体験することも、忘れにくくさせます。この疑似体験の方法が、この本の後半に詳細に書かれていました。

記憶するのが苦手な人に、参考になる書ではないでしょうか。
[ 2011/01/25 07:13 ] ユダヤ本 | TB(0) | CM(0)

『バカを使いこなす聞き方・話し方』樋口裕一

バカを使いこなす聞き方・話し方バカを使いこなす聞き方・話し方
(2006/06)
樋口 裕一

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この本は、バカを体系化した貴重な本です。バカとは何か、バカとはどういう人を指すのかを示したものです。

バカが30以上に分類されていますので、誰でも、どこかのバカに属すると思います。私も、その幾つかに属していました。

この世の中において、バカ及びバカな部分と上手に付き合わずに、生きていくことは難しいように思います。このヒントが、この本の中に満載です。

この本を読み、役に立った箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・リーダーとは、一言で言えば、バカを使いこなすことのできる存在である

・リーダーになるべき人が、人望を得て、人々から信頼されるのに、何よりも大事なのは、論理力

・言葉で伝えていることと行動が異なると、部下たちは不信感を抱く。言葉で伝えるのと同じくらい、行動によって伝えなければならない

・バカな人間にもプライドがある。いや、意味のないプライドを強く持っているからバカになっている

・バカであればあるほど、言葉を信じない。言葉に対して、不信感を持っている。自分が言葉を使いこなせずにいるために、言葉に除外されているという意識を持っている。それゆえ。言葉の達者な人間を信じない。理屈を言う人を目の敵にする

バカの話し方には、「ワンセンテンスが長い」「何を言いたいのかわからない」「途中でどんどん話がずれる」「感情的になる」「少ない知識で判断するので、暴論になる」「根拠を言わない」という特徴がある

・「世間の狭いバカ」が世にはびこっている。自分の周囲が自分の世界のすべてなので、外の世界を知らない。そのため、狭い世間ですべて判断する。言ってみれば、田舎者

・「体育会系のバカ」は、元気のよさだけが自分の取り柄だと思って、大声で挨拶したり、先輩に異常に低姿勢だったり、後輩に先輩風を吹かせる

・「すべてにルーズなバカ」は、時間を守らない。約束したことを実行しない。お金のやり取りもいい加減。お金を借りても返さない。物を使うと放りっぱなし。書類はすぐになくし、大事なことはすぐ忘れる。人はいいのだが、自分からは何もしようとはしない

・「大物ぶりたがるバカ」は、まるで自分が大物であるかのように吹聴し、子分を作りたがる。実力がないので、派閥の長にもなれずに、飲み屋に後輩を連れていき、上司の悪口を言い、大きなことばかり言う。態度だけでかくて。仕事はさっぱりできない

・「ワンパターンで考えるバカ」は、応用が利かず、これまでしたことをそのまま繰り返す。また、何かをしなければならない状況になったら、先輩がどうしたのか知ろうとして、それをそのまま真似しようとする。人の影響を受けやすいタイプ

・「情にもろいバカ」は、何が正しいか、どうすれば得かで動かない。相手が人間として、情に厚いか、どれくらい心を込めて対応してくれたかによって動く

・「冗談の通じないバカ」は、悪い人ではない。しかし、融通が利かず、物事をすべて真面目に取り、面白いことは少しも言わず、お笑い番組を見ても面白いと思わない。ちょっと批判めいたことを言うだけで、睨みつけられる

・「自分に自信がないバカ」は、誰かが批判めいたことを言うと、すぐに自分の意見を撤回する。周囲の人が感心して聞いてくれないと、自分の意見を翻す。上司だけでなく、部下に対しても気をつかう

・「無教養バカ」は、視野が狭い。世の中に深い考えがあることを知らず、精神的な価値をすべて金に換算してしまう。単に物を知らないだけでなく、人間として幅が狭い

・「一攫千金を夢見る怠け者バカ」は、今の自分が冴えないのは、運が悪いからだと考えている。この種の人は、巨万の富を手に入れること、大物になることを簡単なことだと思っている。思っているだけならまだしも、口を開いて、それを言う

・「カッコつけバカ」は、容姿がいいわけではなく、カッコをつけても滑稽なのに、おしゃれをし、ハイセンスの店に行こうとする。そして、仕事の上でもカッコをつけようとする。がむしゃらに仕事をやり遂げようとせず、スマートに物事を運ぼうとする

バカと付き合うためには、「わかりやすい言葉を用いる」「あえて反対意見を出させる」「一分以内で話す」「話を一貫させる」「具体的な話をする」「高度なたとえや皮肉は使わない」「メールやメモでの指示は、箇条書きにする」こと



「○○のバカ」の例を10ほど取り上げましたが、この本には30以上記載されています。自分自身が、その例に当てはまることもあると思います。

でも、自分の中にあるバカな部分と、どうつき合うかを認識している人は、バカではありません。本物のバカは、自分がバカであると認識していない人です。

この本は、バカな人が、バカにならないための書ではないでしょうか。
[ 2011/01/24 07:11 ] 樋口裕一・本 | TB(0) | CM(0)

『一隅を照らす「人を育てる」心の説法』山田恵諦

一隅を照らす―「人を育てる」心の説法・9章一隅を照らす―「人を育てる」心の説法・9章
(1995/11)
山田 恵諦

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ここ一年ほどの間、京都滋賀のお寺によく行きました。その中で、なぜか、天台宗のお寺を数多く訪れています。

大原「三千院」、洛北の「曼殊院」「赤山禅院」、比叡山「延暦寺」、大津「三井寺」、湖東三山の「金剛輪寺」「百済寺」「西明寺」などです。

これらの寺は、俗っぽいところが少なく、閑散としていて、落ち着きます。天台宗は歴史的に、天皇家との関係が深いせいか、商売下手なところが多いように思います。

この本は、天台宗のトップである、天台座主(第253代)を20年に渡って務められた、故山田恵諦座主が書かれたものです。

一隅を照らす運動を推進された有名な座主だけあって、本質的なことを平易に書かれており、非常に読みやすい本です。

この本の中で、勉強になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・この世は無常であり、苦悩に満ちたもの。本当の人生は、ものごとを正しく見ることから始まる。限りある人生を有意義に過ごすためには、正しく見たことについて、正しく考え、そして正しく対処していくこと

・存在価値がないものは、存在し続けることができなく、消えていくのが自然の大原則。したがって、それが存在する限りにおいて価値あるものと認め、その価値を発見しなくてはいけない

・この世に存在するすべてのものを価値あらしめるように助けていく。これが本当の政治というもの

・あらゆる生きものは、自己完成を目指して進化している。もちろん自分一代ではできない。自分一代の進歩や完成度なんて小さいもの。進歩の成果は確実に子や孫に、さらに何代も何代も引き継がれて完成を目指している。それが進化というもの

・少しずつ悪いものは消え、善い種が残っていく。それが大自然の道理。だから、少しでも自分が進歩して善いものを子孫に伝える努力をする。そうでなければ、この世に存在した甲斐がない

・自分という種、あるいは自分が蒔いた種がしかるべき場所を得て、芽を吹くように、善き因縁を結ばしてもらうためにどうすればいいか。このことを日常の基本にすえていけば、必ず宗教的な生活ができるようになる

・社会的地位や名声のある人よりもずっと偉いのは、己の道を究めようとする人たち。自己の利益よりも他の利益を重んずる人たち。自らの光でもって周囲を明るく照らす人々

・釈迦は、三つの力が一つに合わさった時に、善い結果が得られると説いた。第一は「自分の努力」。第二は「周囲からの援助」。それでもうまくいかず、善き因縁がないとき、第三は「神仏に手を合わせ、天に向かって加護を願う」こと

・この世の姿とは、一つは「世は無常である」こと。すべてのものは常に変化し、生まれたものは死んでいく。もう一つは「すべてのものが相対的に存在している」こと。天があれば地がある。善があれば悪がある。この世の姿に逆らったところで、どうにもならない

・世の中の真理と現実をいかに調和させ、上手に扱うかによって、すべては生かすことにも、殺すことにもなる。真理と現実とを調和させ、うまく活用することは善である

・出家して坊主になるばかりが仏道ではない。問題は心。心を込めて仕事をすることで、それぞれの天分に合った個性を発揮していけばいい

・目の前の欲望を満たすことばかり考えていると、結局は欲に溺れる。いつの間にやら、欲を満たす仕事に縛られ、自由を奪われ、仕事に支配される。理想とするものがないから、自己を発揮し、自己を示すことができずに、むなしい思いをする

・一隅は、片隅ではなく「居るところ」という意味。一隅を照らすことの本当の意味は、その場、その状況において、役立つ人間、欠くことのできない人間であれということ

すべての道は一つに通ずるということは、どのような場所でも、一カ所を深く掘り下げていけば、やがてはその底から清い泉が湧き出してくる。あるいは、山の頂上を目指して登るにしても、どの道を通ろうと行き着く先は一緒になるということ

・最澄は、自分だけが人間として完成し、悟りの境地に達し、心の安楽を得ることを望んではいない。善人も悪人もすべてをひっくるめた全世界の人々が、高い人格を備えた人間として完成し、仲よく生活する真実の安楽の世界を作り上げたいと願った

・人間の性格を変えるには四代かかる。子供に善い性格を伝えようと努力し、同じ努力を子や孫が引き継いで、ひ孫になった時にはじめて、理想として代々努力してきた性格が、ある程度実を結ぶ

・次の三つの言葉に、伝教大師の精神と教えが集約されている。第一は「道心の中に衣食あり、衣食の中に道心なし」という言葉。第二は「一隅を照らす」人になれということ。第三が「忘己利他」の精神



山田恵諦座主は、政府が景気対策で「内需拡大」を訴えたところ、「内需拡大とは贅沢をしろということ。人間はいちど贅沢の癖がつくと直らない。とんでもないことだ」と反対したそうです。

こういう人が、世の中にいると、道を間違えずに、正しい方向に進んでいくことができるように思います。

この本を読めば、最澄の理想、天台宗の精神、山田恵諦座主の考え方一隅を照らす意味がよくわかるようになるのではないでしょうか。
[ 2011/01/21 08:32 ] 神仏の本 | TB(0) | CM(0)