とは学

「・・・とは」の哲学

『幸福について-人生論』ショーペンハウアー

幸福について―人生論 (新潮文庫)幸福について―人生論 (新潮文庫)
(1958/10)
ショーペンハウアー

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ショーペンハウアーは「ショーペンハウアーの言葉」に次ぎ2冊目です。ショーペンハウアーは、西洋の哲学者には珍しく、東洋的な思想を持ちあわせているので、日本人の心にも響きます。

この本は、1788年生まれのショーペンハウアーが63歳のときの晩年の作です。少々難解でしたが、内容を吟味しながら、読んでいけば、十分に理解することができると思います。

1958年に出版された本ですが、版を重ねて、ずっと売れているロングセラーです。この本の中で、勉強になった箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・健康はいっさいの外部的な財宝にまさる。健康な乞食は病める国王よりも幸福である

・才知に富む人間は、独りぼっちになっても、自分の持つ思想や想像に慰められる。愚鈍な人間は、社交、芝居、遠足、娯楽と目先が変わっても退屈する

・金持ちに不幸な思いをしている人が多いのは、精神的な仕事をなしうる興味を持ちあわせていないから

人としてのあり方のほうが、人の有するものに比して、幸福に寄与することが大である。にもかかわらず、人間は精神的な教養を積むよりも、富を積むほうに千万倍の努力をささげている

・美は事前に人の歓心を買う公開の推薦状である

・人間の幸福に対する二大敵手が苦痛と退屈。困苦と欠乏が苦痛を生じ、安全と余裕が退屈を生ずる

・内面の空虚から生ずるのが、社交や娯楽や遊興や奢侈を求める心。これらのために多くの人が浪費に走り、やがて貧困に落ちる。こうした貧困を最も安全に防ぐ道は、内面の富、つまり精神の富である

・才知に富む人間は、安静と時間の余裕を求め、隠遁閉居を好み、孤独をすら選ぶ

・自分自身にとって、一番よいもの、一番大事なものは自分自身であり、一番良いこと、一番大事なことをしてくれるのも自分自身である。享楽の源泉が自分自身の内に得られれば得られるほど、幸福になる

対外的な利益を得るために、対内的な損失を招く。すなわち、栄華、栄達、豪奢、尊称、名誉のために自己の安静と余暇と独立とを犠牲にする。愚の骨頂である

・人間は三つの享楽の中から自己に適したものを選ぶ。第一は再生力の享楽(飲食、休息、睡眠)。第二は刺激感性の享楽(舞踏、乗馬、狩猟、運動競技)。第三は精神的感受性の享楽(考察、観賞、詩作、絵画彫刻、音楽、読書、瞑想、発明、哲学的思索)

・煩悩に動かされなければ、退屈で味気ない。煩悩に動かされれば、苦痛になる。それ故、有り余る知性を与えられた人だけが、幸福な人間になる

・現実生活の他に営むべき知的生活には、下は昆虫、鉱物、貨幣をただ蒐集して記録する仕事から、上は文学や哲学の最も優れた業績に至るまで、無数の段階がある。こうした知的生活は退屈によって生ずる有害な結果を予防する

・天才と呼ばれる精神的卓越の極致にある人間は、何ものにも妨げられずに自己を相手とし、自己の思想と作品が痛切な欲求となり、孤独を歓迎し、自由な余暇を無上の財宝とし、それ以外の一切はむしろ無用なもの、厄介なものと考える

精神の足跡を全人類の上に刻みつけることを使命とするとき、幸不幸は唯一つしかない。それは、自己の素質を完全に伸ばして、自己の作品ないし事業を完成することができるか、できないかということ。それ以外は自分にとって取るに足らぬことばかりである

・俗物には俗物の虚栄心の享楽がある。富か位階か、権威や威力などで他人を凌ぎ、それによって他人に尊敬されること。俗物が求める相手は、精神的欲望を満足させてくれる人でなく、肉体的欲望を叶えてくれる人

・富や権勢こそ唯一の真の美点と見て、その点で傑出したいと願っている人間は、人物評価や尊敬をもっぱら富や権勢によって測ろうとする

・医薬は病人のみ、毛皮は冬季のみに役立つもので、唯一つの欲望を満足させるだけ。金銭だけは具体的に一つの欲望だけに合致するものでなく、欲望全般に合致する。金銭を愛することは自然の勢である

・官職、称号、勲章はもとより、富、学問、芸術までが、他人からの尊敬を少しでも大きくすることが努力の究極の目的になっている。これこそ人間の愚かさを証明するもの

・誇りの中でも最も安っぽいのは民族的な誇り。民族的な誇りのこびりついた人間には、誇るに足る個人の特性が不足している。個人の特性が不足していなければ、何もわざわざ自分を含めた幾百万の人間が共通に具えている要素に訴えるはずがない

・人間精神の最高級の業績は、冷淡に迎えられ、長い間冷遇される。やがて高級な精神の持主が近づいてきて、この功績に共鳴し、声価を顕揚する。この経路は、人間誰しも自分と同質的な事物しか理解し、評価することができないことを一貫して教える

・名声は得るのは難しいが、維持するのはやさしい。この点で名声は名誉と反対である。名誉は一度でもくだらぬ行為をすれば失われて二度と回復できなくなる

・アリストテレスが表明した「賢者は快楽を求めず、苦痛なきを求める」という命題が、処世哲学の最高原則だと考える

・すべて物事を局限するのが幸福になるゆえん。我々の限界、活動範囲、接触範囲が狭ければ、それだけ我々は幸福であり、それが広ければ、苦しめられ、不安な気持ちにさせられる

・自己に満足し、自己がすべてであると言うことができれば、それこそ幸福にとって最も好ましい性質。幸福は自己を愛する人のものである

・「自らを低くして人に交わる」意味は理解できるが、自己の本性の恥ずべき部分を介さなければ付き合えないような仲間は、避けたい気持ちになる



日本の江戸時代末期に、ショーペンハウアーは幸福について真剣に考えていました。それを現代の日本人が読んでも、少しも古くないと思えるのが驚きです。

この本は、古今東西、老若男女の幸福を考える上で、欠かせない古典の書だと思います。

『野村の流儀・人生の教えとなる257の言葉』野村克也

野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉
(2008/02/02)
野村克也

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野村元監督の本をとりあげるのは、「野村ノート」に次ぎ、2冊目です。厳しい勝負の世界に長くいられただけに、含蓄のある言葉のオンパレードです。

今回も、ためになり、共感できる言葉が数多くありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・敵に勝つより、常に自分をレベルアップすることを忘れるな

・リーダーには権力と権威が必要

・監督業というのは「気づかせ屋

・しつけの目的は、自分で自分を支配する人間をつくること

・指揮官というものは、どこかで部下と勝負する部分がなくてはならない。その勝負に負けたときが引き際

・コーチの第一義は、自信をなくしている、目標を失っている選手に、いかに意欲を出させるかということ

・どうやったら、ライバルとの競争に勝てるか考えたとき、「1日24時間の使い方の問題だ」と思った

・勝負の選択には、二つのことが考えられる。安全策を取るか、奇策を取るか、どちらかだ

・大事なのは予測能力。「読み」である。「読み」は、「1.見る」「2.知る」「3.疑う」「4.決める」「5.謀る」の5つの段階から成り立っている

・選手を育てるのは「責任感を持たせる」こと。並の選手が「責任感」を持って、初めて主力選手の仲間入りができる。さらに「自覚」が一流選手に押し上げるエネルギーとなる。その底辺にあるのは「信頼感」

・適齢適所

・感性は執念と向上心から湧き出る

・35歳を超えて、敵がいないということは、人間的に見込みがないことである

・上を向いて進め、下を向いて暮らせ、過去を思い出して笑え



短い言葉ですが、深い意味合いがあるものばかりです。修羅場を経験してきた勝負師で、人前で喋り、文章を書く能力を持った人はそうざらにはいません。

リーダー、コーチなどの人を管理、指導する職種についている人にとって、心に響くものが多いと思います。


[ 2010/12/27 09:03 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)

『貧困化するホワイトカラー』森岡孝二

貧困化するホワイトカラー (ちくま新書)貧困化するホワイトカラー (ちくま新書)
(2009/05)
森岡 孝二

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我が家には、高校生の長男がいます。大人しいタイプです。先月、来年度の学校のクラス分けで、文系か理系かを決めなければならず、進路について、真剣に話し合いました。

長男の得意科目は、社会と国語です。数学と理科は、少し苦手にしています。しかし、本人を交えて出した結論は、「理系に進む」ことでした。

営業ができるような活発なタイプだと、文系はいいが、大人しいタイプだと、文系は今後ますます就職に苦しくなっていくのではないかと感じていました。

ホワイトカラーの社員は、中枢部に数名いたら、それでよく、後は作業員でいいというのが、今日の企業の考え方です。

そういうこともあって、この本を読みました。想像していたとおり、ホワイトカラー受難の時代になっていることが記されていました。

この本の中で、参考になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・給与所得者の平均給与は、1997年から2007年の間に、467万円から437万円に低下。非正規労働者が大多数を占める1年未満の勤続者を含めた平均給与の低下幅はもっと大きく、同じ期間に418万円から367万円にまで下がっている

・雇用者中のホワイトカラーの割合は、1960年の41%から1990年に54%に上昇し、2004年の56%をピークに、わずかながら減っている

・職種別に見れば、ホワイトカラーでは事務職と販売職で女性の非正規比率がとりわけ高く、事務職では5割強、販売職では6割強が非正規である。ブルーカラーの女性労働者のうち、サービス職と生産工程・労務職の7割強は非正規である

・2007年の銀行従業員は25万人と、ピーク時のほぼ半分になった。金融保険業の従業員数は、1990年の140万人から2007年に86万人に減っている。これほどホワイトカラーの絞り込みが大量に行われた業界はない

・ホワイトカラー四職のうち、統計上の減少がもっとも顕著なのが管理的職業従事者。民間で言えば、役員、部長、次長、工場長、支店長、課長などの管理職がこれに当る。1990年に234万人いたのが、2007年には170万人に減少している

・管理的公務員は2000年から2005年の間に11.9万人から7.5万人に減り、会社・団体等管理的職業従事者が42.7万人から28.9万人に減っている。公務員も民間雇用者も、管理的職員の人数が近年絞り込まれている

時間当たり賃金は、2001年を100とすると、2005年は91で、1割近く減少した。ホワイトカラーが絞り込まれるだけでなく、搾り取られていることを意味している

・ホワイトカラーの中でも、とりわけ労働時間が長い職業は、専門的・技術的職業従事者の中の教師と医師である

・他の先進国に比して、日本の性別賃金格差が大きい理由の一つは、女性が大多数を占めるパートタイム労働者の時給の著しい低さにある。男性正社員・正職員の時間賃金を100としたときの女性パートタイム労働者の時間賃金は37.5

・パートタイム労働者の組合組織率の上昇は、05年39万人(3%)、08年62万人(5%)と、ここ数年増え続けている

・ILOの「まともな働き方」に倣って言えば、まともな雇用は、働く権利が保障され、安定していて、社会保険などの社会的保護が与えられる雇用である。使い捨て可能な、細切れの非正規雇用はなくさねばならない

・最低賃金は2008年10月現在で、東京766円。年間1900時間働いても、年収は東京で150万円にならない。EUレベルの1時間1300円に段階的に引き上げていくことが望ましい

・まともな働き方を実現するための課題は、企業の責任である以上に、政府と政治の責任である。当然、税制や社会保障制度も政府と政治の責任。政府が企業を動かすか、企業が政府を動かすかで、社会のあり方は大きく異なる



労働組合の怠慢政府の怠慢で、企業の論理がまかり通り、社員の作業員化、非正社員化、低賃金化がどんどん進んでいます。企業経営者のほうが、労働組合幹部や政治家より、一枚上手です。

このまま行けば、1割の管理者1割の専門職8割の作業員という社会になっていくように思います。

「管理者」になれない性格なら、「専門職」に踏みとどまっておかないと、低賃金で、面白くない仕事をさせられることになってしまいます。

そうならないためには、作業員が団結するしかないのですが、日本では、まだかなりの年月を必要とするのではないでしょうか。

この本は、今後、社会がどうなっていくのか、統計的数値を見ながら、判断するのには、いい材料が揃っているように思いました。
[ 2010/12/26 10:40 ] お金の本 | TB(0) | CM(7)

『客家(ハッカ)の鉄則』高木桂蔵

客家(ハッカ)の鉄則客家(ハッカ)の鉄則
(2005/09/17)
高木 桂蔵

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以前、「客家大富豪18の金言」という客家の金儲けに関する本を紹介しました。この「客家の鉄則」は、金儲けだけでなく、人生をよりよく生き抜く知恵が凝縮された内容になっています。

客家の格言」が100近く紹介されているだけでなく、客家の歴史、気質などの解説もあり、客家を知る上で貴重な1冊です。

コンパクトな書ですが、内容は濃く感じます。今回、参考になった箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・「狼多くして人を食い、人多くして狼を食う」
食うか食われるかは数次第

・「人は名の出るを恐れ、豚は太るを恐れよ」
豚はよく太って目につくものから屠殺される。金持ちで目立つ人はとかく狙われやすい

・「商いをよくする者はかならずや愛嬌を要す」
日本の財界人は苦虫をかみつぶしたような顔をしているが、客家の財界人は、じつによく笑う。しかも、その笑いは、相手を気持ちよくさせる笑い

・「泥の菩薩が河を渡るなり」
泥仏=小人物が、自分のことを棚に上げ、人様に説教を垂れる、批判すると、身を滅ぼすことになる

・「人の善きは人に欺かれ、馬の善きは人に乗らる」
お人好しは人に騙され、利用されるが、知能が高く、優れた才能を持つ者も、その知能、才能を利用されやすい。成功するためには、お人好しを利用し、才能、能力あるものを利用しろ

・「山中に虎無ければ、犬も王を称す」
虎がいないところに行けば、犬でも王になれる。うまくやりたいなら、虎のいないところを狙え

・「手面は手背を見られず」
手のひらは手の甲を絶対に見ることができない。親しき仲でも、一度は疑ってかかり、冷静に評価する。さもないと、その相手に裏切られる危険性が見えなくなる

・「笑いは顔より離れざるも、心の内に刀を蔵す」
人間は表面では判断できない。腹の中では何を考えているかわからない。人を裏切る人間は、裏切る顔をしていない

・「理は声の高きところに在らざるなり」
大声を出して怒鳴っているほうに非がある

・「どの家の林にも曲がりたる樹あり」
弱みのない人間、裏のない人間などいない。相手の弱み痛みを知っていても、それを口に出すべきではない

・「兎は巣穴のまわりの草を食べず」
いざというときに自分を守ってくれるものは、遠くにある大きなものではなく、近くにある小さなもの。自分の近くにあるものは、どんなものでも大事にしろ

・「行を隔つるは山を隔つるごとし」
仕事が違えば、山を隔てているようなもの。わかりもしないくせに、他人の仕事ぶりを批評するな

・「利口な嫁は米なき粥はつくれず」
労働力を望まれている嫁は、知性や教養、美貌などは重要ではない。頭が良くても、米がなければ粥は炊けない

・「人を迎えられぬ者は人に迎えられぬ」
人を歓迎しない者は、人から歓迎されなくなってしまう。だから、金を惜しんではいけない

・「にわかに富むも家を造るなかれ、にわかに窮すも粥を食すなかれ」
不景気のときこそ、見栄を張る必要がある。貧乏くさいと、人も金も集まらなくなってしまう

・「富は足るを知るにあり、貴は退くを求めるにあり」
富と権力を握ることは、やがて他人の妬みを買い、破滅に追い込まれる。客家人はけっしてナンバーワンの地位に固執せず、あえてトップにつこうとはしない

・「七十は瓦上の霜にして、八十は風前の灯なり」
やらねばならぬことを今のうちにやっておけ。客家の人々は、生前に遺産を分配する。日本人は、死ぬまで財産を抱えて離さない

・客家は、現在、中国大陸に6000万人。大陸以外に1000万人が存在している。中国全体の5%だが、国家、社会、経済の上で、大きな役割を果たし、多大な影響力を持っている。「漢民族の中のユダヤ人」と言われる

・華僑は大きく分けて、広東系、福建系、潮州系、海南系、客家系の5つからなる。全華僑のうち、客家が占める割合は8%だが、その8%が握る経済規模は、華僑経済の30%以上。ちなみに、日本には40万人の華僑がいるが、そのうち客家は8000人

・中国で戦乱が起きると、漢民族の難民たちは、食物を求めて、揚子江を渡って南下した。その難民たちは、先住民から排斥され、山奥に住み着いた。客家の多くが、広東省、福建省、江西省の山岳地帯に住んでいるのはそのため。客家の客とは「よそ者」の意味

・客家の住んでいた山の中の乏しい畑では、一家の次男、三男を食わせていくことができない。そこで、客家の人々は、子供に字を覚えさせた。字を知っていれば、町に出ていっても、商店、教師、役場の書記などの仕事に就けた

・客家の人々は、科挙試験、地方公務員の採用試験、中央政府の文官試験をこぞって受けた。客家の科挙合格率は極めて高く、普通の漢民族のほぼ6倍近くであった

・客家はほかの漢民族から蔑視されており、特定の職業にしかつけなかった。客家人の職業と言えば、官僚、軍人でなければ、質屋、金貸し、黄金製品の売人、土建業というところに落ち着く



客家は、差別され、厳しい環境に置かれたので、賢く生きていくためにはどうすればいいのか、たくさんの知恵が伝わっています。

やさしい言葉で書かれた格言が多いですが、内容的には厳しく諌めるものが多いように思います。処世術として、役に立つのではないでしょうか。
[ 2010/12/23 09:00 ] 華僑の本 | TB(0) | CM(0)

『創業者百人百語-生きる知恵・成功の秘訣』谷沢永一

創業者 百人百語―生きる知恵 成功の秘訣創業者 百人百語―生きる知恵 成功の秘訣
(2001/11)
谷沢 永一

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創業者は、企業規模の大小にかかわらず、ユニークな人が多いと思います。そのユニークさが、仕事に行き詰った状況を打破するヒントになります。

この本は、日本の代表的な創業者を取り上げ、著者が解説するものです。ユニークな言動が数々あります。面白くて、役に立った言葉が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・私の悪口はすべて報告せよ。しかし、言った人の名は言うな(永野重雄)

身近な人材を昇進させるな(宮崎輝)

人は誰でも自分の周囲に長くいる人を特に信用して優遇したくなるもの。その連中と一緒にいる時は心がなごむが、そこに自分を取り巻く膜ができる。そうなれば、巣に籠ったごとく、消極的になり、非常に危険

・持てる力を一点に集中すれば、必ず穴が開く(鬼塚喜八郎)

一つの商品に力を入れ、シェアが70~80%になるまで、他に手を出さない。集中、徹底である。集中こそ人生のあらゆる局面に効果100%の万能薬

危機に勝つには「頼るな」「戻るな」「恐れるな」(米山稔)

他人を頼りにする時、頭脳は決してフル回転しない。人間の能力は、追い詰められると必死になるようにできている。此の世は自分ひとり

・お客様の満足に、自分が喜びを感じるようになれ(青井忠治)

客の満足を見て、してやったり、と思うようでは人格者と言えない。客の満足を喜びとする精神が人柄を大きくする

・勝負とは「間」と「スピード」の結合で決まる(奥村綱雄)

・店が忙しい時は大丈夫、ヒマな時に店は腐る(伊藤雅俊)

人間とは、自分が世間から必要とされることを最も喜びとする可憐な生き者。人間が最も幸福な心境になり、気分が高揚する時は、今自分が必要とされていると自覚した一瞬

小さな損にこだわって、大損をするな(矢野恒太)

百の利益を取りたい、と思うところを八十の利益で我慢する。割をくわすのは、得なように見えても、決して得にならない

・勝負の決め手は引く手にあり(吉田忠雄)

経営とは、高速道路のように滑らかではない。事業とは、寄せては返す波打際に身を晒す賭博である。高潮を一刻も早く予見し、瞬時に身の安全を講じなければならない。七分勝って三分負ける。その難局を知る者が名将

無理難題が企業を発展させる(能村龍太郎)

・経営もまた口説きですよ(大塚正士)

口説きの眼目は誠実。雄弁なんて反感を買うだけ。口説きたい相手よりも上手な言いまわしは禁物。成功した商人は決まって口下手

・活眼を開いて、眠っておれ(出光佐三)

活眼とは要点を頭の中に叩きこむ心の働き。問題の全体を支えている力学の中心さえわかってしまえば、あとは、寝て暮らせばいい

おいあくまの精神(堀田庄三)

自分に言い聞かせるべき五つの言葉「おこるな」「いばるな」「あせるな」「くさるな」「まけるな」。この五文字の頭文字をとるとオイアクマ



非常識ではないが、常識ではない。そんな言葉の数々が、この本には掲載されています。常識を疑うことこそ、大活躍した創業者の根源ではないでしょうか。

常識にとらわれすぎて、頭が固くなったと感じている方に、おすすめの書です。
[ 2010/12/21 08:06 ] 商いの本 | TB(0) | CM(0)

『「ずぼら」人生論』ひろさちや

「ずぼら」人生論「ずぼら」人生論
(2010/01/27)
ひろ さちや

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ひろさちやさんの本は、今回で9冊目です。最近は、日本の大企業の悪行?に対して、宗教学者としての立場から、厳しい意見を述べられることが多くなっています。

この本は、日本の大企業に勤める人たちに、会社とは何か?仕事とは何か?自分とは何か?を問う材料を提供されています。

面白かった箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・真面目な人は、相手の期待に応えようとする。相手は個人の場合もあれば、国家だとか世間、勤務する会社の場合もある

・他人からの期待に応えてもいいが、他人からの期待に「過剰反応」してはいけない。過剰反応しないことが、「ずぼら」の「ずぼら」たるゆえん

・「しないわけにはいかない」から、「しないですむ方法を捻り出す」に変える。発想の原点をそこに据えれば、いくらでも「嘘」が湧いてくる。思いついたうまい嘘をついておけばいい

・「つきあいたくないやつとはつきあわない」。まず、その決意を固めること。それが揺るがなければ、道はおのずから開けてくる

・日本人は、「必要なものは善、不必要なものは悪」という価値観で物事が判断する。「必要悪(不必要善)」という価値観が抜け落ちている

・「必要不必要」ではなく、「善悪」の物差しで競争を考え、競争は悪だということを根底に据えると、社会全体の見え方が変わってくる。会社の中で、出世だ、昇給だと、競争に血道を上げていることのバカらしさがわかってくる

・幸せな人は損ができる。不幸であったら、お金にも、地位にも執着がある。不幸の源は執着にある。そこから解き放たれていたら、幸せ

・「清貧に生きたい」ということ自体が、すでにこだわっている。こだわりもなく、とらわれもせず、あるがままに自然に生きて、それが周囲に清貧と映ったら、それでいいし、映らなければそれもまたいい

・なぜ、ケチにならないのか、なれないのか、がわからない。必要がないものを求めない、要らないものを持たない。それだけのこと

・欲しいものはないのに、給料がもっと欲しいと考えるのは、お金に対する欲以外のなにものでもない。日本の社会には「誰もが欲に振り回される」しかけが仕組まれている

・生活のためには仕事をしなければならないが、間違っても頑張らない。常にほどほどにやる。頑張れば頑張るほど、奴隷として飼いならされていくのが見えないといけない

・世の中の奴隷、会社の奴隷の道をまっしぐら。そんなハメに陥らないためには、人生をついでに生きるしかない。「生まれてきたついでに生きている」

・リストラしたらそれでおしまい。経営状態がよくなっても、できるだけ給料の安い人材を雇い入れて、復職させないのは、日本企業だけ。アメリカの企業は、経営が持ち直し、雇用が増えたら、クビを切った人間を雇わなければならない

・短所だと思うから、悩んだり、嫌いになったりする。個性だとわかったら、おおらかに自分らしく生きられる

・宗教を持っていない人は、美学で生きようとする。宗教を持っている人は、ずぼらにのんびり生きさせてもらえる

・リストラが不安だという人は、実際にリストラされていない。親の介護が不安だという人も、現実には介護をしていない。不安を持とうが持つまいが、ものごとはすべて「なるようにしかならない

・原理原則が、何かを考えるときの基本、行動するさいの規範になるのだとしたら、一面性しか見ないまま硬直化している現状は危険。相反する二つの面を包み込む懐の深さがあってはじめて、原理原則たりえる

・リストラは生活の危機。生活の危機を人生の危機と取り違え、人生の危機を何たるかを知らないままに生きている

・働くということは、いくら理由をつけたところで、所詮は金稼ぎ。生活の糧を得るための手段。そういう正しい発想を持てるようになったら、仕事六分目の力加減も自然とわかってくる



著者の言うとおり、生きるとは「死ぬついで」。働くとは「金稼ぎ」だと思います。

ただ、それだけのことなのに、意味や講釈をつけたがるのが人間です。また、つけないと生きていけないのが人間です。

この本は、世の中をバカにしながら生きていけば、楽になることを教えてくれる良書です。
[ 2010/12/20 06:27 ] ひろさちや・本 | TB(0) | CM(0)