とは学

「・・・とは」の哲学

『幸福について-人生論』ショーペンハウアー

幸福について―人生論 (新潮文庫)幸福について―人生論 (新潮文庫)
(1958/10)
ショーペンハウアー

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ショーペンハウアーは「ショーペンハウアーの言葉」に次ぎ2冊目です。ショーペンハウアーは、西洋の哲学者には珍しく、東洋的な思想を持ちあわせているので、日本人の心にも響きます。

この本は、1788年生まれのショーペンハウアーが63歳のときの晩年の作です。少々難解でしたが、内容を吟味しながら、読んでいけば、十分に理解することができると思います。

1958年に出版された本ですが、版を重ねて、ずっと売れているロングセラーです。この本の中で、勉強になった箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・健康はいっさいの外部的な財宝にまさる。健康な乞食は病める国王よりも幸福である

・才知に富む人間は、独りぼっちになっても、自分の持つ思想や想像に慰められる。愚鈍な人間は、社交、芝居、遠足、娯楽と目先が変わっても退屈する

・金持ちに不幸な思いをしている人が多いのは、精神的な仕事をなしうる興味を持ちあわせていないから

人としてのあり方のほうが、人の有するものに比して、幸福に寄与することが大である。にもかかわらず、人間は精神的な教養を積むよりも、富を積むほうに千万倍の努力をささげている

・美は事前に人の歓心を買う公開の推薦状である

・人間の幸福に対する二大敵手が苦痛と退屈。困苦と欠乏が苦痛を生じ、安全と余裕が退屈を生ずる

・内面の空虚から生ずるのが、社交や娯楽や遊興や奢侈を求める心。これらのために多くの人が浪費に走り、やがて貧困に落ちる。こうした貧困を最も安全に防ぐ道は、内面の富、つまり精神の富である

・才知に富む人間は、安静と時間の余裕を求め、隠遁閉居を好み、孤独をすら選ぶ

・自分自身にとって、一番よいもの、一番大事なものは自分自身であり、一番良いこと、一番大事なことをしてくれるのも自分自身である。享楽の源泉が自分自身の内に得られれば得られるほど、幸福になる

対外的な利益を得るために、対内的な損失を招く。すなわち、栄華、栄達、豪奢、尊称、名誉のために自己の安静と余暇と独立とを犠牲にする。愚の骨頂である

・人間は三つの享楽の中から自己に適したものを選ぶ。第一は再生力の享楽(飲食、休息、睡眠)。第二は刺激感性の享楽(舞踏、乗馬、狩猟、運動競技)。第三は精神的感受性の享楽(考察、観賞、詩作、絵画彫刻、音楽、読書、瞑想、発明、哲学的思索)

・煩悩に動かされなければ、退屈で味気ない。煩悩に動かされれば、苦痛になる。それ故、有り余る知性を与えられた人だけが、幸福な人間になる

・現実生活の他に営むべき知的生活には、下は昆虫、鉱物、貨幣をただ蒐集して記録する仕事から、上は文学や哲学の最も優れた業績に至るまで、無数の段階がある。こうした知的生活は退屈によって生ずる有害な結果を予防する

・天才と呼ばれる精神的卓越の極致にある人間は、何ものにも妨げられずに自己を相手とし、自己の思想と作品が痛切な欲求となり、孤独を歓迎し、自由な余暇を無上の財宝とし、それ以外の一切はむしろ無用なもの、厄介なものと考える

精神の足跡を全人類の上に刻みつけることを使命とするとき、幸不幸は唯一つしかない。それは、自己の素質を完全に伸ばして、自己の作品ないし事業を完成することができるか、できないかということ。それ以外は自分にとって取るに足らぬことばかりである

・俗物には俗物の虚栄心の享楽がある。富か位階か、権威や威力などで他人を凌ぎ、それによって他人に尊敬されること。俗物が求める相手は、精神的欲望を満足させてくれる人でなく、肉体的欲望を叶えてくれる人

・富や権勢こそ唯一の真の美点と見て、その点で傑出したいと願っている人間は、人物評価や尊敬をもっぱら富や権勢によって測ろうとする

・医薬は病人のみ、毛皮は冬季のみに役立つもので、唯一つの欲望を満足させるだけ。金銭だけは具体的に一つの欲望だけに合致するものでなく、欲望全般に合致する。金銭を愛することは自然の勢である

・官職、称号、勲章はもとより、富、学問、芸術までが、他人からの尊敬を少しでも大きくすることが努力の究極の目的になっている。これこそ人間の愚かさを証明するもの

・誇りの中でも最も安っぽいのは民族的な誇り。民族的な誇りのこびりついた人間には、誇るに足る個人の特性が不足している。個人の特性が不足していなければ、何もわざわざ自分を含めた幾百万の人間が共通に具えている要素に訴えるはずがない

・人間精神の最高級の業績は、冷淡に迎えられ、長い間冷遇される。やがて高級な精神の持主が近づいてきて、この功績に共鳴し、声価を顕揚する。この経路は、人間誰しも自分と同質的な事物しか理解し、評価することができないことを一貫して教える

・名声は得るのは難しいが、維持するのはやさしい。この点で名声は名誉と反対である。名誉は一度でもくだらぬ行為をすれば失われて二度と回復できなくなる

・アリストテレスが表明した「賢者は快楽を求めず、苦痛なきを求める」という命題が、処世哲学の最高原則だと考える

・すべて物事を局限するのが幸福になるゆえん。我々の限界、活動範囲、接触範囲が狭ければ、それだけ我々は幸福であり、それが広ければ、苦しめられ、不安な気持ちにさせられる

・自己に満足し、自己がすべてであると言うことができれば、それこそ幸福にとって最も好ましい性質。幸福は自己を愛する人のものである

・「自らを低くして人に交わる」意味は理解できるが、自己の本性の恥ずべき部分を介さなければ付き合えないような仲間は、避けたい気持ちになる



日本の江戸時代末期に、ショーペンハウアーは幸福について真剣に考えていました。それを現代の日本人が読んでも、少しも古くないと思えるのが驚きです。

この本は、古今東西、老若男女の幸福を考える上で、欠かせない古典の書だと思います。

『野村の流儀・人生の教えとなる257の言葉』野村克也

野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉野村の流儀 人生の教えとなる257の言葉
(2008/02/02)
野村克也

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野村元監督の本をとりあげるのは、「野村ノート」に次ぎ、2冊目です。厳しい勝負の世界に長くいられただけに、含蓄のある言葉のオンパレードです。

今回も、ためになり、共感できる言葉が数多くありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・敵に勝つより、常に自分をレベルアップすることを忘れるな

・リーダーには権力と権威が必要

・監督業というのは「気づかせ屋

・しつけの目的は、自分で自分を支配する人間をつくること

・指揮官というものは、どこかで部下と勝負する部分がなくてはならない。その勝負に負けたときが引き際

・コーチの第一義は、自信をなくしている、目標を失っている選手に、いかに意欲を出させるかということ

・どうやったら、ライバルとの競争に勝てるか考えたとき、「1日24時間の使い方の問題だ」と思った

・勝負の選択には、二つのことが考えられる。安全策を取るか、奇策を取るか、どちらかだ

・大事なのは予測能力。「読み」である。「読み」は、「1.見る」「2.知る」「3.疑う」「4.決める」「5.謀る」の5つの段階から成り立っている

・選手を育てるのは「責任感を持たせる」こと。並の選手が「責任感」を持って、初めて主力選手の仲間入りができる。さらに「自覚」が一流選手に押し上げるエネルギーとなる。その底辺にあるのは「信頼感」

・適齢適所

・感性は執念と向上心から湧き出る

・35歳を超えて、敵がいないということは、人間的に見込みがないことである

・上を向いて進め、下を向いて暮らせ、過去を思い出して笑え



短い言葉ですが、深い意味合いがあるものばかりです。修羅場を経験してきた勝負師で、人前で喋り、文章を書く能力を持った人はそうざらにはいません。

リーダー、コーチなどの人を管理、指導する職種についている人にとって、心に響くものが多いと思います。


[ 2010/12/27 09:03 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)

『貧困化するホワイトカラー』森岡孝二

貧困化するホワイトカラー (ちくま新書)貧困化するホワイトカラー (ちくま新書)
(2009/05)
森岡 孝二

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我が家には、高校生の長男がいます。大人しいタイプです。先月、来年度の学校のクラス分けで、文系か理系かを決めなければならず、進路について、真剣に話し合いました。

長男の得意科目は、社会と国語です。数学と理科は、少し苦手にしています。しかし、本人を交えて出した結論は、「理系に進む」ことでした。

営業ができるような活発なタイプだと、文系はいいが、大人しいタイプだと、文系は今後ますます就職に苦しくなっていくのではないかと感じていました。

ホワイトカラーの社員は、中枢部に数名いたら、それでよく、後は作業員でいいというのが、今日の企業の考え方です。

そういうこともあって、この本を読みました。想像していたとおり、ホワイトカラー受難の時代になっていることが記されていました。

この本の中で、参考になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・給与所得者の平均給与は、1997年から2007年の間に、467万円から437万円に低下。非正規労働者が大多数を占める1年未満の勤続者を含めた平均給与の低下幅はもっと大きく、同じ期間に418万円から367万円にまで下がっている

・雇用者中のホワイトカラーの割合は、1960年の41%から1990年に54%に上昇し、2004年の56%をピークに、わずかながら減っている

・職種別に見れば、ホワイトカラーでは事務職と販売職で女性の非正規比率がとりわけ高く、事務職では5割強、販売職では6割強が非正規である。ブルーカラーの女性労働者のうち、サービス職と生産工程・労務職の7割強は非正規である

・2007年の銀行従業員は25万人と、ピーク時のほぼ半分になった。金融保険業の従業員数は、1990年の140万人から2007年に86万人に減っている。これほどホワイトカラーの絞り込みが大量に行われた業界はない

・ホワイトカラー四職のうち、統計上の減少がもっとも顕著なのが管理的職業従事者。民間で言えば、役員、部長、次長、工場長、支店長、課長などの管理職がこれに当る。1990年に234万人いたのが、2007年には170万人に減少している

・管理的公務員は2000年から2005年の間に11.9万人から7.5万人に減り、会社・団体等管理的職業従事者が42.7万人から28.9万人に減っている。公務員も民間雇用者も、管理的職員の人数が近年絞り込まれている

時間当たり賃金は、2001年を100とすると、2005年は91で、1割近く減少した。ホワイトカラーが絞り込まれるだけでなく、搾り取られていることを意味している

・ホワイトカラーの中でも、とりわけ労働時間が長い職業は、専門的・技術的職業従事者の中の教師と医師である

・他の先進国に比して、日本の性別賃金格差が大きい理由の一つは、女性が大多数を占めるパートタイム労働者の時給の著しい低さにある。男性正社員・正職員の時間賃金を100としたときの女性パートタイム労働者の時間賃金は37.5

・パートタイム労働者の組合組織率の上昇は、05年39万人(3%)、08年62万人(5%)と、ここ数年増え続けている

・ILOの「まともな働き方」に倣って言えば、まともな雇用は、働く権利が保障され、安定していて、社会保険などの社会的保護が与えられる雇用である。使い捨て可能な、細切れの非正規雇用はなくさねばならない

・最低賃金は2008年10月現在で、東京766円。年間1900時間働いても、年収は東京で150万円にならない。EUレベルの1時間1300円に段階的に引き上げていくことが望ましい

・まともな働き方を実現するための課題は、企業の責任である以上に、政府と政治の責任である。当然、税制や社会保障制度も政府と政治の責任。政府が企業を動かすか、企業が政府を動かすかで、社会のあり方は大きく異なる



労働組合の怠慢政府の怠慢で、企業の論理がまかり通り、社員の作業員化、非正社員化、低賃金化がどんどん進んでいます。企業経営者のほうが、労働組合幹部や政治家より、一枚上手です。

このまま行けば、1割の管理者1割の専門職8割の作業員という社会になっていくように思います。

「管理者」になれない性格なら、「専門職」に踏みとどまっておかないと、低賃金で、面白くない仕事をさせられることになってしまいます。

そうならないためには、作業員が団結するしかないのですが、日本では、まだかなりの年月を必要とするのではないでしょうか。

この本は、今後、社会がどうなっていくのか、統計的数値を見ながら、判断するのには、いい材料が揃っているように思いました。
[ 2010/12/26 10:40 ] お金の本 | TB(0) | CM(7)

『客家(ハッカ)の鉄則』高木桂蔵

客家(ハッカ)の鉄則客家(ハッカ)の鉄則
(2005/09/17)
高木 桂蔵

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以前、「客家大富豪18の金言」という客家の金儲けに関する本を紹介しました。この「客家の鉄則」は、金儲けだけでなく、人生をよりよく生き抜く知恵が凝縮された内容になっています。

客家の格言」が100近く紹介されているだけでなく、客家の歴史、気質などの解説もあり、客家を知る上で貴重な1冊です。

コンパクトな書ですが、内容は濃く感じます。今回、参考になった箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・「狼多くして人を食い、人多くして狼を食う」
食うか食われるかは数次第

・「人は名の出るを恐れ、豚は太るを恐れよ」
豚はよく太って目につくものから屠殺される。金持ちで目立つ人はとかく狙われやすい

・「商いをよくする者はかならずや愛嬌を要す」
日本の財界人は苦虫をかみつぶしたような顔をしているが、客家の財界人は、じつによく笑う。しかも、その笑いは、相手を気持ちよくさせる笑い

・「泥の菩薩が河を渡るなり」
泥仏=小人物が、自分のことを棚に上げ、人様に説教を垂れる、批判すると、身を滅ぼすことになる

・「人の善きは人に欺かれ、馬の善きは人に乗らる」
お人好しは人に騙され、利用されるが、知能が高く、優れた才能を持つ者も、その知能、才能を利用されやすい。成功するためには、お人好しを利用し、才能、能力あるものを利用しろ

・「山中に虎無ければ、犬も王を称す」
虎がいないところに行けば、犬でも王になれる。うまくやりたいなら、虎のいないところを狙え

・「手面は手背を見られず」
手のひらは手の甲を絶対に見ることができない。親しき仲でも、一度は疑ってかかり、冷静に評価する。さもないと、その相手に裏切られる危険性が見えなくなる

・「笑いは顔より離れざるも、心の内に刀を蔵す」
人間は表面では判断できない。腹の中では何を考えているかわからない。人を裏切る人間は、裏切る顔をしていない

・「理は声の高きところに在らざるなり」
大声を出して怒鳴っているほうに非がある

・「どの家の林にも曲がりたる樹あり」
弱みのない人間、裏のない人間などいない。相手の弱み痛みを知っていても、それを口に出すべきではない

・「兎は巣穴のまわりの草を食べず」
いざというときに自分を守ってくれるものは、遠くにある大きなものではなく、近くにある小さなもの。自分の近くにあるものは、どんなものでも大事にしろ

・「行を隔つるは山を隔つるごとし」
仕事が違えば、山を隔てているようなもの。わかりもしないくせに、他人の仕事ぶりを批評するな

・「利口な嫁は米なき粥はつくれず」
労働力を望まれている嫁は、知性や教養、美貌などは重要ではない。頭が良くても、米がなければ粥は炊けない

・「人を迎えられぬ者は人に迎えられぬ」
人を歓迎しない者は、人から歓迎されなくなってしまう。だから、金を惜しんではいけない

・「にわかに富むも家を造るなかれ、にわかに窮すも粥を食すなかれ」
不景気のときこそ、見栄を張る必要がある。貧乏くさいと、人も金も集まらなくなってしまう

・「富は足るを知るにあり、貴は退くを求めるにあり」
富と権力を握ることは、やがて他人の妬みを買い、破滅に追い込まれる。客家人はけっしてナンバーワンの地位に固執せず、あえてトップにつこうとはしない

・「七十は瓦上の霜にして、八十は風前の灯なり」
やらねばならぬことを今のうちにやっておけ。客家の人々は、生前に遺産を分配する。日本人は、死ぬまで財産を抱えて離さない

・客家は、現在、中国大陸に6000万人。大陸以外に1000万人が存在している。中国全体の5%だが、国家、社会、経済の上で、大きな役割を果たし、多大な影響力を持っている。「漢民族の中のユダヤ人」と言われる

・華僑は大きく分けて、広東系、福建系、潮州系、海南系、客家系の5つからなる。全華僑のうち、客家が占める割合は8%だが、その8%が握る経済規模は、華僑経済の30%以上。ちなみに、日本には40万人の華僑がいるが、そのうち客家は8000人

・中国で戦乱が起きると、漢民族の難民たちは、食物を求めて、揚子江を渡って南下した。その難民たちは、先住民から排斥され、山奥に住み着いた。客家の多くが、広東省、福建省、江西省の山岳地帯に住んでいるのはそのため。客家の客とは「よそ者」の意味

・客家の住んでいた山の中の乏しい畑では、一家の次男、三男を食わせていくことができない。そこで、客家の人々は、子供に字を覚えさせた。字を知っていれば、町に出ていっても、商店、教師、役場の書記などの仕事に就けた

・客家の人々は、科挙試験、地方公務員の採用試験、中央政府の文官試験をこぞって受けた。客家の科挙合格率は極めて高く、普通の漢民族のほぼ6倍近くであった

・客家はほかの漢民族から蔑視されており、特定の職業にしかつけなかった。客家人の職業と言えば、官僚、軍人でなければ、質屋、金貸し、黄金製品の売人、土建業というところに落ち着く



客家は、差別され、厳しい環境に置かれたので、賢く生きていくためにはどうすればいいのか、たくさんの知恵が伝わっています。

やさしい言葉で書かれた格言が多いですが、内容的には厳しく諌めるものが多いように思います。処世術として、役に立つのではないでしょうか。
[ 2010/12/23 09:00 ] 華僑の本 | TB(0) | CM(0)

『創業者百人百語-生きる知恵・成功の秘訣』谷沢永一

創業者 百人百語―生きる知恵 成功の秘訣創業者 百人百語―生きる知恵 成功の秘訣
(2001/11)
谷沢 永一

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創業者は、企業規模の大小にかかわらず、ユニークな人が多いと思います。そのユニークさが、仕事に行き詰った状況を打破するヒントになります。

この本は、日本の代表的な創業者を取り上げ、著者が解説するものです。ユニークな言動が数々あります。面白くて、役に立った言葉が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・私の悪口はすべて報告せよ。しかし、言った人の名は言うな(永野重雄)

身近な人材を昇進させるな(宮崎輝)

人は誰でも自分の周囲に長くいる人を特に信用して優遇したくなるもの。その連中と一緒にいる時は心がなごむが、そこに自分を取り巻く膜ができる。そうなれば、巣に籠ったごとく、消極的になり、非常に危険

・持てる力を一点に集中すれば、必ず穴が開く(鬼塚喜八郎)

一つの商品に力を入れ、シェアが70~80%になるまで、他に手を出さない。集中、徹底である。集中こそ人生のあらゆる局面に効果100%の万能薬

危機に勝つには「頼るな」「戻るな」「恐れるな」(米山稔)

他人を頼りにする時、頭脳は決してフル回転しない。人間の能力は、追い詰められると必死になるようにできている。此の世は自分ひとり

・お客様の満足に、自分が喜びを感じるようになれ(青井忠治)

客の満足を見て、してやったり、と思うようでは人格者と言えない。客の満足を喜びとする精神が人柄を大きくする

・勝負とは「間」と「スピード」の結合で決まる(奥村綱雄)

・店が忙しい時は大丈夫、ヒマな時に店は腐る(伊藤雅俊)

人間とは、自分が世間から必要とされることを最も喜びとする可憐な生き者。人間が最も幸福な心境になり、気分が高揚する時は、今自分が必要とされていると自覚した一瞬

小さな損にこだわって、大損をするな(矢野恒太)

百の利益を取りたい、と思うところを八十の利益で我慢する。割をくわすのは、得なように見えても、決して得にならない

・勝負の決め手は引く手にあり(吉田忠雄)

経営とは、高速道路のように滑らかではない。事業とは、寄せては返す波打際に身を晒す賭博である。高潮を一刻も早く予見し、瞬時に身の安全を講じなければならない。七分勝って三分負ける。その難局を知る者が名将

無理難題が企業を発展させる(能村龍太郎)

・経営もまた口説きですよ(大塚正士)

口説きの眼目は誠実。雄弁なんて反感を買うだけ。口説きたい相手よりも上手な言いまわしは禁物。成功した商人は決まって口下手

・活眼を開いて、眠っておれ(出光佐三)

活眼とは要点を頭の中に叩きこむ心の働き。問題の全体を支えている力学の中心さえわかってしまえば、あとは、寝て暮らせばいい

おいあくまの精神(堀田庄三)

自分に言い聞かせるべき五つの言葉「おこるな」「いばるな」「あせるな」「くさるな」「まけるな」。この五文字の頭文字をとるとオイアクマ



非常識ではないが、常識ではない。そんな言葉の数々が、この本には掲載されています。常識を疑うことこそ、大活躍した創業者の根源ではないでしょうか。

常識にとらわれすぎて、頭が固くなったと感じている方に、おすすめの書です。
[ 2010/12/21 08:06 ] 商いの本 | TB(0) | CM(0)

『「ずぼら」人生論』ひろさちや

「ずぼら」人生論「ずぼら」人生論
(2010/01/27)
ひろ さちや

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ひろさちやさんの本は、今回で9冊目です。最近は、日本の大企業の悪行?に対して、宗教学者としての立場から、厳しい意見を述べられることが多くなっています。

この本は、日本の大企業に勤める人たちに、会社とは何か?仕事とは何か?自分とは何か?を問う材料を提供されています。

面白かった箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・真面目な人は、相手の期待に応えようとする。相手は個人の場合もあれば、国家だとか世間、勤務する会社の場合もある

・他人からの期待に応えてもいいが、他人からの期待に「過剰反応」してはいけない。過剰反応しないことが、「ずぼら」の「ずぼら」たるゆえん

・「しないわけにはいかない」から、「しないですむ方法を捻り出す」に変える。発想の原点をそこに据えれば、いくらでも「嘘」が湧いてくる。思いついたうまい嘘をついておけばいい

・「つきあいたくないやつとはつきあわない」。まず、その決意を固めること。それが揺るがなければ、道はおのずから開けてくる

・日本人は、「必要なものは善、不必要なものは悪」という価値観で物事が判断する。「必要悪(不必要善)」という価値観が抜け落ちている

・「必要不必要」ではなく、「善悪」の物差しで競争を考え、競争は悪だということを根底に据えると、社会全体の見え方が変わってくる。会社の中で、出世だ、昇給だと、競争に血道を上げていることのバカらしさがわかってくる

・幸せな人は損ができる。不幸であったら、お金にも、地位にも執着がある。不幸の源は執着にある。そこから解き放たれていたら、幸せ

・「清貧に生きたい」ということ自体が、すでにこだわっている。こだわりもなく、とらわれもせず、あるがままに自然に生きて、それが周囲に清貧と映ったら、それでいいし、映らなければそれもまたいい

・なぜ、ケチにならないのか、なれないのか、がわからない。必要がないものを求めない、要らないものを持たない。それだけのこと

・欲しいものはないのに、給料がもっと欲しいと考えるのは、お金に対する欲以外のなにものでもない。日本の社会には「誰もが欲に振り回される」しかけが仕組まれている

・生活のためには仕事をしなければならないが、間違っても頑張らない。常にほどほどにやる。頑張れば頑張るほど、奴隷として飼いならされていくのが見えないといけない

・世の中の奴隷、会社の奴隷の道をまっしぐら。そんなハメに陥らないためには、人生をついでに生きるしかない。「生まれてきたついでに生きている」

・リストラしたらそれでおしまい。経営状態がよくなっても、できるだけ給料の安い人材を雇い入れて、復職させないのは、日本企業だけ。アメリカの企業は、経営が持ち直し、雇用が増えたら、クビを切った人間を雇わなければならない

・短所だと思うから、悩んだり、嫌いになったりする。個性だとわかったら、おおらかに自分らしく生きられる

・宗教を持っていない人は、美学で生きようとする。宗教を持っている人は、ずぼらにのんびり生きさせてもらえる

・リストラが不安だという人は、実際にリストラされていない。親の介護が不安だという人も、現実には介護をしていない。不安を持とうが持つまいが、ものごとはすべて「なるようにしかならない

・原理原則が、何かを考えるときの基本、行動するさいの規範になるのだとしたら、一面性しか見ないまま硬直化している現状は危険。相反する二つの面を包み込む懐の深さがあってはじめて、原理原則たりえる

・リストラは生活の危機。生活の危機を人生の危機と取り違え、人生の危機を何たるかを知らないままに生きている

・働くということは、いくら理由をつけたところで、所詮は金稼ぎ。生活の糧を得るための手段。そういう正しい発想を持てるようになったら、仕事六分目の力加減も自然とわかってくる



著者の言うとおり、生きるとは「死ぬついで」。働くとは「金稼ぎ」だと思います。

ただ、それだけのことなのに、意味や講釈をつけたがるのが人間です。また、つけないと生きていけないのが人間です。

この本は、世の中をバカにしながら生きていけば、楽になることを教えてくれる良書です。
[ 2010/12/20 06:27 ] ひろさちや・本 | TB(0) | CM(0)

『定年上手・人生後半の設計図』森村誠一、堀田力

定年上手 人生後半の設計図―あるのとないのと、どうちがう? (PHP文庫)定年上手 人生後半の設計図―あるのとないのと、どうちがう? (PHP文庫)
(2005/05/03)
森村 誠一、堀田 力 他

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定年を迎えた後、人はどうなるのか?どうすればいいのか?実例をもとに、詳しく書かれている書です。

これからは、男性でも、人生90年を想定しないといけない時代です。お金の問題よりも、老後の生きていく姿勢の方が、重要になっていくように思います。

その答えが、少なからず、この本に載っています。参考になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・地域社会でつき合うには、相手がどんな仕事をしていたかなどは全く関係ない。いかに互いにウマが合うかが大切。そういう人を見つける嗅覚は、男性より女性の方がはるかに優れている

・肩書きという鎧に守られてきた人たちは、人間性が弱くなっている。鎧を脱いで裸のつき合いをする力がなくなっている。肩書が高くなればなるほど、人の心は弱くなっていく

・会社の部下に命令するのと同じように妻や子に命令する。これでは、家庭で疎んじられて当然。妻は部下ではない。肩書は仕事上の社会でのみ適用するもの

・今までと全く別の価値基準をもった集団に入っていくこと。偉そうな態度をとったら、周りの人から無視される。ところが、地域やボランティアの集まりになると、リーダーの決め手が元○○という肩書きが有効になる。そんなものにこだわっていてはいけない

・初めてやってきた人に、スッと居場所をつくってあげることのできる人。輪の中に入れずに一人で立っていたら、さり気なくそばに行って話しかけてあげることのできる人。そういう人の心が分かる人こそが、定年後には、みんなに慕われるようになる

・権力構造の本質は、一人になるための社会構造。どんな組織でも「長」は一人。「長」の役割はただ一つ。判断を下すこと。責任を負い、孤独になる。ところが、定年後は一変して横社会。孤独の社会から大勢の社会。みんなで相談しながら決めていく社会に変わる

・人生の前半期の仕事は、結局は自分自身のものではない。自分では天職と思っていた仕事も、結局は組織のためのものに過ぎない。最終的には、自分のためではなく、会社の利益と家族のためにがんばっていただけ

・どこへ外出するわけでもなく、家の中でボーッとしているだけ。こういう人の生活は悠々自適とは言わない。それは生きているのではなく、生存しているだけ

・懐かしいから会いたいという人が、年齢を重ねるごとに増える。人生の前半期は未来のことを考え、後半期には過去を振り返る。過去を振り返るのは悪いことではないが、自分の人間関係は切り捨てられていると知ること

・高額な医療費がかかっても、上限の100万円以内で収まるはず。介護費も重い要介護の指定を受けても、年間で60万円程度。数年間寝たきりになり、大きな手術を受けても500万円あれば十分。夫婦二人で暮らすには、住む所さえあれば、年金だけで十分

・人生の後半期の貯えは、残された配偶者に500万円。遺族に500万円。後始末のために100万円。これくらいあれば、何とかなる

・老後の不安は、資産が目減りしていくことの不安。そのためには、確実に減らないお金をつくっておくこと。たとえ月5万円しか稼げなくても、貯金の目減りが防げるだけで、心に余裕が生まれる

・人生後半期のお金のゆとりは、その金額の大きさではない。十分すぎる貯えがあるのに、不安に怯えている人もいる。同じ時を過ごすのであれば、心豊かに生きたいもの

・後半期の人生は全くの自由。どんな服装をしようと自由。バカバカしい見栄を張ることなどない。他人の目を気にせず、他人と比較することのない生活。そんな素晴らしい生活をしない手はない

・配偶者を亡くされた方々のうち、生前の夫婦関係が良かった人ほど、再婚する率が高く、再婚までの期間が短い。夫婦関係が悪かった人ほど、結婚なんてまっぴらと思うのか、再婚率がとても低い

やりたくないことの一番は、義務に絡む事柄。人生の前半期は、「この会にあまり参加したくない」と迷った時は、参加する方を選択すべきだが、後半期になれば、迷いがあれば、行くべきではない



定年後は、人生の前半期を引きずってはいけないということがよく分かります。

引きずるものとは、「偉そうにすること」「一人で決めること」「過去を振り返ること」「不安に怯えること」「見栄を張ること」「義理を果たすこと」などです。

要するに、発想を転換しないと、豊かな老後は送れないということになります。老後が見え始めてきた人には、とても参考になる本です。
[ 2010/12/18 08:51 ] 老後の本 | TB(0) | CM(0)

『デジカメに1000万画素はいらない』たくきよしみつ

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)
(2008/10/17)
たくき よしみつ

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最近、デジカメを買い換えました。カメラの性能はアップしたのに、撮った写真の出来映えはほとんど変わりません。自分の腕?が落ちたわけでもありません。

この疑問を解明すべく、この本を読みました。内容を簡潔に言えば、「誰でもセミプロ写真家になれる」です。

プロの写真家にならなくても、小型デジカメだけで、その機能を駆使すれば、仕事に大いに生かせます。

室内撮影、接写、その後の編集技術など、知っておいて得なことがいっぱい掲載されています。

読んで、ためになった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・1000万画素デジカメの画像を200dpiで印刷すると、A3より大きくなる。A4カラープリンター使用を前提にするなら、500万画素で十分。高画素をうたったほうが「売れる」から、メーカーは無理な高画素CCDを開発し続けている

・人物を内蔵フラッシュで発光させて撮れば、顔はテカテカになる。室内で人物をきれいに撮りたければ、撮影モードは普通のPモード+フラッシュ発光禁止が基本。内蔵フラッシュは発光禁止にしておくこと

・100円ショップに行くと、ケータイ電話につけるネックストラップを売っている。これをデジカメにつけ、首からネックストラップでぶら下げ、両手でカメラを持ち、ストラップがピンと張る形でシャッターを押すと、手ぶれがぐんと軽減できる

・内蔵フラッシュは発光禁止にしておくのが基本だが、逆に明るい屋外でこそ、フラッシュを使った方がいい場面がある。強烈な逆光の場合、フラッシュを強制発光させるとうまくいく。日陰と日向の明暗差がありすぎる場面でも、フラッシュを強制発光させるとよい

・撮った写真をその場でモニターで確認し、色がおかしいと気づいたら、ホワイトバランスをAUTOではなく手動で設定する。店で食べ物の写真を撮るとき、ホワイトバランスを「曇り」に設定するとおいしそうに撮れる

・とにかく、「ガバガバといっぱい撮る」。デジカメなので、どんなに失敗写真が撮れても関係ない。100枚撮って1枚いい写真が撮れていればOK

・構図だの言う前に、まずは、画面いっぱいに大きく写すことが面白い写真を撮る第一歩。見せたいポイントを瞬時に見極め、その他の部分は思い切って切り捨てる。その決断こそ魅力的な写真を生み出す

・基本は被写体にガバッと寄る。勇気を持って一歩前に出る。被写体に近いところで撮ったほうが、ズームで撮るより、被写体が鮮明になる

・接写する場合、撮影モードをマクロに切り替える。チューリップのマークが目印になっているのですぐわかる

・小型機はレンズが暗く、ボディも軽く、手ぶれしやすい。特に室内写真では手ぶれしない方が少ない。念のために何枚も撮っておく

・人物の中でも、子供を撮るときは、子供の目線まで降りるために、しゃがみ込んで撮る

・いい風景、面白い景色は、ある程度、撮影者の意図で作り出せる。漠然と撮るのではなく、風景の中に、ワンポイントを見つける習慣をつける。写真がピリッと締まる

・ビルや木の真下に行き、広角で上方向を撮ると、面白い写真が撮れる。人物を広角で撮ると歪むが、動物であれば、そのユーモラスが楽しめる

・食べ物は器が画面からはみ出すくらい大きく撮る。余計なものが入らないから、料理がおいしそうに映る

・商品写真は照明が命。フラッシュを使わずにきれいに撮影するには、簡易「物撮り」スタジオとして、市販のドームキットを使う。数千円で売っている。手持ちのスタンド照明と併用すれば安上がり

・デジカメ写真に自然な色を厳密に求めても意味がない。色味が地味だったら、彩度やコントラストを映像エンジンで作為的に上げて、派手目の色に変更したらいい

・きれいな写真の中に、邪魔なものが入っている場合、クローンツールという機能を使って、貼り付ければ、邪魔なものを消したり、なかったものを付け加えたりと、画像加工が可能になる



ビジネス用途、営業用途で、いい写真を撮りたい方には、この本に書かれていることを実践するだけで、かなり腕前が上がるのではないでしょうか。

デジカメの性能と同様に、自分の腕も上げれば、写真の出来映えは見違えるほどよくなるように思います。是非、この本の内容を参考にされたらどうでしょうか。
[ 2010/12/16 08:35 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『厚黒学・腹黒くずぶとく生き抜く』黄文雄

厚黒学―腹黒くずぶとく生き抜く (Shinkosha Selection)厚黒学―腹黒くずぶとく生き抜く (Shinkosha Selection)
(2009/09/14)
黄 文雄

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最近の中国の政治姿勢に怒りを感じている方が多いと思います。常識人には、理解できない中国人の態度は、どうして生まれたのか?

この本は、台湾人の著者が、中国人の腹黒さの謎を、歴史的な事実や思想より、解き明かしてくれるものです。

中国人とは、どういう民族かを理解できたら、冷静に対処し、賢く交渉できるのですが、中国人と中国政府を理解できないと、感情的になりがちです。

中国人の精神、根性を知る上で、貴重な本です。役に立った箇所が15ありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



儒家思想も間違いだらけ。有徳者が天命を受けて、万民を統率、君臨するのが天子だと唱えても、現実はその逆。有徳者ではなく、有力者、つまり簒奪者が天下を取るのが中国の歴史

・中国社会を律するものは、「」。優先順位からは、まず私情、個人的な思惑、人的なコネであり、その次が道理を講じ、最後には法によって裁き、処する

悪を制するには悪しかないから、極悪に勝つにはそれを上回る極悪非道の手しかない。それが「厚黒学」の生まれた風土

・中国人にとっては、人権よりも「生存権」と「発展権」が最も大事で、西洋人が言う「人権」云々では中国では生きていかれない。中国にとって最も大事なことは「社会の安定」

・一人のリーダーが政治軍隊を牛耳らなければ、国家社会が不安定になる社会。だから、絶対に三権分立や多党制をしないと公言している

・中国の官僚は中国全土の金銭と権力を独占している。この構造が存在する限り、民衆は権力にすり寄らなければならない。その結果、黒社会と自由経済の担い手たちは、官僚と結託して略奪行為に及ぶ

・父母の子供教育は、外に出たら「人に騙されるな」と繰り返し言う。学校教師も「天下烏鴉一般黒」(世の中カラスのように真っ黒)と教える。中国社会は、古来から騙し騙されする社会だから、日常的に「厚黒の学」を学んでおかないと自存自衛できない

儒教教育は「仁たれ、義たれ」などの徳目の押し付け。人間生活規範からの強制だから、外から押し付ければ押し付けるほど逆効果となり、「偽善者」か「独善者」しか人間づくりできない。人間本来ある良心まで奪ってしまう

・中国人のすべてが「詐」の人種。中国社会で「詐道」ができなければ、生きていかれない。孫子兵法は冒頭から「兵は詭道なり」と語っているが、「詭道」とは人を騙す手立てのこと

・中国社会では「報喜不報憂」、つまり、よいことだけを取り上げ、好ましくないことは隠すのが常套のやり方

・精神的に頼るものがない中国人は、現実的、実利的な民族にならざるを得なかった。中国人が自他ともに認める「欲望最高、道徳最低」は、宗教心の薄い世俗化した民族性からくるもの

・政治的価値の「権力」、経済的価値の「銭力」が社会価値の主流。中国では「権」が「銭」を生むので、数千年来、政治汚職が伝統文化になっている。今でも政治汚職収入はGDPの5分の1。党高級幹部官僚20万人の財富が国富の70%を占めるとされる

・中国人は、自分が悪事を働いても、自分が悪いというよりも政府や社会が悪いと言い張り、どうにもならない場合は、風水のせいにする。自己責任という考えは中国人にはほとんど存在しない

・道理の通じない世界では、力のみが唯一の原理であり、有効な手段。中国人が、自分に非があっても絶対に「対不起」という謝罪の言葉を口にしないのは、単に厚顔無恥ということではない。反省、謝罪したら、それで終わり。敗北、ひいては死を意味するから

・「不倒翁」(おきあがりこぼし)と呼ばれる周恩来が生涯を通じて実践し実証してきた不敗の哲学は、「闘争の第一線に立たない」「派閥をつくらない」「自己主張を覆い隠す」「野望を持つ人に譲る」「耐えがたきを耐える」「虚を避け実を務む」「退却も前進とする」こと



この本を読めば、中国人に対する怒りも少しは鎮まります。腹黒くないと、生きてこれなかった民族なんだから、それに対応して、交渉し、付き合っていけばいいことです。

日本人の尺度で考えると腹立たしいことばかりですが、中国人の尺度も理解しておくことが、交渉には必要なのではないでしょうか。
[ 2010/12/14 07:19 ] 華僑の本 | TB(0) | CM(0)

『脳と気持ちの整理術-意欲・実行・解決力を高める』築山節

脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)
(2008/04)
築山 節

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この本は、前向きになるには、意欲的になるには、どうすればいいか。その答えを、脳の性質から導き出そうとするものです。

難しいことは書かれていません。当たり前のことが書かれています。それだけに、日常生活で、使えることが多いように思います。

この本の中で、ためになった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・速く的確な判断をするためには、そのときだけ集中して考えればいいのではなく、普段から予定の管理や情報の整理などできていなければならない

・意欲を高めるためには、以下の三点をベースとして考える。「」「好き・嫌い」「ほどよい興奮

・意欲を高めやすい人は、自分にご褒美をあげるのが上手い

・自分が「できること」「自信があること」が増えれば、脳がよく動いている時間が長くなり、快の情報が大きくなり、好きになっていく。その「好き」という感情が、辛さや大変さを乗り越えさせる意欲を生む

・五歩先に解決がある問題を分解して、今の自分にもできそうな一歩目をまず見つける

・最近の脳科学では、脳が新しい知識やノウハウを獲得するとき、「ネットワークが稼働する」という言い方をする。成長の初めの段階は、一歩ずつなので、苦しかったり、もどかしかったりする。しかし、ある段階から、長足の進歩を遂げているように感じられる

・脳は、自らに「集中力を高めよ」という指令を直接出すことができない。意志的にできるのは、「何時までに、これだけの仕事をやらなければならない。何個の問題を解かなければならない」という時間と距離の関係を認識すること

・意欲は、「何をするか」を決めることによって発生し、行動していく中で増幅されていくもの

・「自分のために」を優先させて考えると、「何をすればいいのか」「どのくらいやればいいのか」という目標の選択肢が無限に増えてしまい、考えるのが辛くなる

・思考を整理するには、「重要度、緊急度が低い問題を消す」「後で解決したいことリストをつくる」「今すぐ解決できる問題を解決して消す」。そして、「特に重要な問題を選ぶ」。そのうち「人に任せられる問題は人に任せる」こと

・物の整理が苦手な人は、置く場所や入れ物を先に用意する習慣を持つといい

・記憶は入力ではなく、出力をベースとして考えた方がいい。出力の機会を増やそうとすれば、情報を取る機会も自動的に増える

・情報は「差異」に注目することが大切。本を読むときに、「違和感に注目して読む」と新しい知識を獲得したことになる

・まったく制約がない状態で脳を上手く使うのは、かえって難しい。「いつまでに、これくらいの予算で、こういう層の人たちの心を掴むアイデアを」といったような制約があると、良いアイデアが生み出せる

・出力されたアイデアが次のアイデアを生む。脳の中だけで考えていると「ひらめきの連鎖」が起こらない

・「嫌いだ」「嫌だ」という判断も、人を動かす原動力になる。「どうなりたいか」だけでなく、「どうなりたくないか」を考えることで、目標の方向性が定まりやすくなる



この本を読み、改めて共感できた点は、以下のようなことです。

「やりたくないのも立派な動機」
「あなたのためしか頑張れない」
「初めにアウトプットありき」
「差異と違和感で賢くなる」
「制約が増えればアイデアも増える」


迷ってなかなか行動できない人が、この本を手にすると、得られるものが多いのではないでしょうか。
[ 2010/12/13 07:59 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)

『手づくり井戸に挑戦-自分で掘れる打ち抜き井戸』曽我部正美

手づくり井戸に挑戦!―自分で掘れる打ち抜き井戸手づくり井戸に挑戦!―自分で掘れる打ち抜き井戸
(2006/07)
曽我部 正美

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CO2削減で、太陽光発電と電気自動車が普及してきています。

CO2削減とは、少し主旨が違うのですが、電気、ガス、水道、灯油、ガソリンのほとんど、「自給自足」で賄えたら、大幅な水光熱費、燃料費の削減になります。月々20000円の削減になれば、20年で500万円近くの節約になります。

そのためには、太陽光発電(電気代削減)と電気自動車(ガソリン代削減)より先に、投資のかからない、薪ストーブ(灯油代削減ガス代削減)と井戸(水道代削減)が必要だと考えています。

この本は、お金をかけずに、井戸を掘る手法について書かれています。全くの素人でも、自分で井戸が掘れることを示してくれる面白い本です。

この本を読んで面白かった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・井戸と言えば、滑車につるした井戸を想像する人が多いが、「打ち抜き井戸」は、そういう井戸と違い、直径10cmにも満たない管とそれに連結したポンプだけという簡単なもの

・間口の広い穴は「打ち抜き井戸」には必要ない。大量の土が出てきてやっかい。パイプが通るだけの細い穴を掘ればいい

井戸掘り用パイプに使用したのは、弁を付けた直径30mmの塩ビパイプ。穴に水を注入し、鉄パイプで穴底の土砂をときほぐしてから、井戸掘り用パイプを動かして砂を取り込ませて、抜いて砂を出し、木槌で井戸枠(直径50mmの塩ビパイプ)を打ち込む

・現在は、庭木、ベランダ、洗車、洗濯場、天日風呂、トイレ、家の裏の畑、その他2箇所の9箇所で地下水が使えるように配管(二階の蛇口まで水をくみ上げるには、200ワットのポンプが必要)

・わが家の上下水道料金は基本料(2か月1400円)を下回った。一般家庭の水道使用量のうち、風呂、トイレに占める割合がいかに大きいか、よくわかった

・特別な地形(林や森の中で木の根が張っている、地中に大きな石がたくさんあるなど)でない限り、ほぼ確実に打ち抜き井戸は作れる。途中大きな石が出てきて、別の場所に変えた方も含めると、246本の井戸の成功率は100%

・打ち抜き井戸を自分で掘る場合、地価10m以内に地下水があり、石などの障害物がないと仮定すると、ポンプの代金(数万円、手押しだともう少し安い)を除き、パイプなどの材料に15000円ほど必要。延べ20時間で4m掘れる

・打ち抜き井戸を専門業者に依頼したら、代金は1mにつき、1万円から2万円程度。期間は3日~1週間程度。地質、場所、大型機械を使うか否かで異なる

・近年、水不足が深刻化した原因の一番は、水洗トイレの普及。医療、料理、飲み水、手洗い以外は完全に殺菌した水である必要はない

・井戸には深さで分類すると、浅井戸深井戸がある。手押しポンプが利用できる程度の6~7mの深さのものが浅井戸、それ以上のものが深井戸。打ち抜き井戸は浅井戸になる

・打ち抜き井戸の地下水吸い込み穴が位置する地層が粉のように細かい砂の場合、一緒に細かい砂を吸い上げるので井戸水に適していない。油が付着しているような汚れた砂の層も適していない

・ポンプで強制的に地下水をくみ上げていると、最初は汚れた水、ゴミ、小砂など排出されるが、1~2か月もすると、水が澄んでくる

・掘るのが難しい場所や条件は、「年寄りだけ」(体力的に無理がある)、「すぐ近くに岩がむき出しになっている」(掘りにくい)、「地下水の水位が非常に低い」「金気が多い地域」(利用できにくい)「水を流せる場所がない」(絶対に必要)

・掘りやすい場所は、「関東ローム層」(土が崩れにくいので砂地より掘りやすい)「近くに大きな川が流れている」(比較的浅い層に伏流水が流れている)



文字だけでは、説明しにくいので、著者のホームページ「自分で出来る打ち抜き井戸の掘り方」と併せて読まれると、動画もあるので、わかりやすいと思います。

井戸に関心のない方でも、意外に、自宅の庭が、打ち抜き井戸に絶好の場所かもしれません。

日曜大工の延長として、楽しみながら、井戸掘りをして、いい水が出てきたら、未来永劫の水道料金が節約できるという「一攫千金」になる可能性があります。興味のある方には、是非読んでもらいたい本です。
[ 2010/12/11 06:55 ] 環境の本 | TB(0) | CM(0)

『ラッセル幸福論』B.ラッセル

ラッセル幸福論 (岩波文庫)ラッセル幸福論 (岩波文庫)
(1991/03/18)
B. ラッセル

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哲学者のバートランド・ラッセルが「幸福論」を書いたのは、今から80年前、58歳の時です。当時のベストセラーであり、現代でもロングセラーです。

沈思黙考の哲学者の姿を想像しがちですが、80歳で4度目の結婚をし、89歳で核兵器反対の座り込みをして7日間拘留もしているという激しい面ももち合わせています。

難解なところもありますが、本質を突いた、的を射た表現に、思わず納得させられることがしばしばです。

今回、この本を読み、勉強になった箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・貧困の恒常化を避けなければならない。しかし、金持ち自身が不幸であるとしたら、万人を金持ちにしたって、なんの足しになるだろうか

・自分が望んでいるものを発見して、徐々にこれらのものを数多く獲得できれば、生をエンジョイできる

権力欲は、虚栄心と同様、正常な人間性の中の強力な要素であり、それなりに受け入れなければならない。権力欲が嘆かわしいものになるのは、度が過ぎたり、不十分な現実感覚と結びついている場合に限られる

・不幸な人は、幼い時に、ある正常な満足を奪われたため、この一種類の満足を何よりも大事に思うようになり、その達成のみを不当に強調するようになった人

・現代人が金で手に入れたがっているものは、もっと金を儲けることで、その目的は、見せびらかし、豪勢さ、これまで対等であった人たちを追い越すことである。俗物根性の血が騒ぐことになるのは、社会的な秩序が固定しているところ

・成功したあかつき、成功をどうしたらいいかを教えられていない限り、成功の達成が、人を退屈の餌食にするのは避けられないこと

・己の人生観のために、幸福が感じられなくて、子供をもうける気になれないような人たちは、生物学的に見て、すでに命数が尽きている。そのうちに、彼らは、陽気で快活な人種によって取って代わられる

静かな生活が偉大な人々の特徴であり、彼らの快楽は外目には刺激的なものではない。偉大な事業は、粘り強い仕事なしに達成されるものではない

・人間、疲れれば疲れるほど、仕事をやめることができなくなる。ノイローゼが近づいた兆候は、自分の仕事はおそろしく重要であって、休暇をとれば、あらゆる惨事を招くことになると思い込むことである

・人間性の特徴の中で、ねたみが最も不幸なものである。ねたみ深い人は、他人に災いを与えたいと思う。自分の持っているものから喜びを引き出すかわりに、他人が持っているものから苦しみを引き出している

・ねたみは、競争と密接な関係がある。まったく手が届かないように思う幸運をうらやんだりしない。百万長者をねたみはしない。平等主義的な教義を掲げるところの、ねたみの範囲は大きく広がる

・ある慈善家は、人々が望みもしていない親切を行い、誰も感謝の意を表さないことに驚きあきれる。権力欲は油断ならぬもの。いろいろな姿に変装し、ほかの人のためになると信じる行いをして喜びを得ている

・世評に本当に無関心であることは、一つの力であり、同時に幸福の源泉である。人々は自然であるべきで、反社会的な趣味でない限り、おのれの自発的な趣味に生きるべき

・自己を過小評価する人は、いつも成功したことに驚いているのに対し、自己を過大評価する人は、いつも失敗したことに驚いている

主義主張を信じることは幸福の源泉。主義主張に献身することとあまり違わないのは、趣味への熱中

・安心感を生み出すのは、人から受ける愛情であって、人に与える愛情ではない。一般大衆の称賛をかち得ることを商売としている人々は、拍手喝采に頼るようになる。一般大衆の称賛を受けるとき、彼らの人生は熱意にみちあふれる

・余暇を知的につぶすことができることは、文明の最後の産物であって、現在、このレベルに達している人はほとんどいない

・たいていの仕事は、時間をつぶし、野心へのはけ口を提供するという満足感を伴う。その満足感は、退屈な仕事をしている人でも幸福にする

・食と住、健康、愛情、仕事上の成功、そして仲間からの尊敬、中には親になること。これらのものが欠けている場合、例外的な人しか幸福になれない

・幸福な人とは、客観的な生き方をし、自由な愛情と広い興味を持っている人である

・愛情を要求する人は、愛情が与えられる人ではない。愛情を受ける人は、愛情を与える人である



幸福な人とはどういう人か?

一般的な言い方をすれば、「健康、仕事の成功、良き家庭、良き仲間、並みの生活ができるお金」を有した人です。

しかし、世間を気にせず、「個性的に生きることができる人」も幸福な人です。

客観的に生きれば前者であり、主観的に生きれば後者です。

「幸福論」とは、難しいテーマですが、自分の「幸福論」を持てたとき、後悔しない人生を歩むことができるのではないでしょうか。

自分の「幸福論」を持ちたい方にとって、ラッセル幸福論は役に立つ本になるように思います。
[ 2010/12/09 06:49 ] 幸せの本 | TB(0) | CM(0)

『されど“服”で人生は変わる』斎藤薫

されど“服”で人生は変わるされど“服”で人生は変わる
(2009/02/27)
齋藤 薫

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ファッションにほとんど興味のない私ですが、この本の「服で人生は変わる」という視点が面白いと思い、読みました。

主に女性のファッションの本ですが、服と人の関係がよく理解できます。

今回、参考になった箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・服と「見た目」と「人の運命」は、明らかに連動している。人生を服で読み解き、生き方を服で正す

・社会的な偏差値を証明するのは、結局のところ、「会話」と「見た目」だけ。「愛され服」こそ「頭が良さそうに見える服」でないといけない。センスの良さこそ頭の良さ。そこに可愛さがスパイスとして効いているのは当然のこと

・女はヒマそうに見えてはいけない。変に忙しそうに見えるのもガサガサ見えて損。だからこそ、デキる女。忙しくてもそう見えない女が美しい

・黒のシンプルな服がどこまで美しく華やかに見えるかは、その人がもともと持っている知性の量に関わってくる。モノトーンが地味にならずにカッコよく見える女は、それだけでデキそうである

・ハッとするほどステキな人は、どの人も服自体は不思議に地味だったりする。なぜ地味なのに目立つのか?華やかに見えるのか?突きつめていくと、「おしゃれは服ではなく、小物でするもの」という真理が見えてくる

・鏡の見方の約束は、「全身が入る鏡」と「5~10分程度の時間のゆとり」。この二つさえあれば、センスがなくてもコーディネートがどんどんうまくなる

・一度、ひとりよがりや思い込みを一切捨て去るためには、100%完全コピーのオシャレに身を委ねる時があってもいい

・人が欲しがるものをイチ早く手に入れるパワーや、それを所有している自信が、それだけで女をエネルギッシュに見せ、周囲を圧倒するのは確か。パワーあるブランドものは、それを持つ人にもある種のオーラをもたらす

・地味なふりして派手、それが合コン服の極意。水玉ではアザとく見えるが、ストライプなら女としての私利私欲を感じさせない。ストライプは「女を納得させる男受け」の代表的な柄

・40代、50代になっても、28歳が着る服をずっと着続けるのが、現役の女でい続け、いつまでも若くあり続ける唯一の方法。大人の女性の着る服がクローゼットに初めて登場するのは28歳。28歳で選ぶ服は、女である限り、半永久的に着られる

・白はいちばん汚れが目立つ色。汚れが目立つ色は、清潔を心がけなくてはいけないから、運気を良くする。清潔を死守しなさいという意味

・露出の多い服は、一日限りのモテ方はしても、本命の女モテはしない。肌を見せない女に負ける。肌見せは、人間としてのセンスが丸見えになる

・自分を少しでも大きく見せておきたい日は、意識して派手な服を。派手さはそれだけで勇気をくれるから不思議。服選びで自分の気持ちをコントロールできることも、立派な仕事のキャリア

・人柄は着る服に出る。何色を着るか以上に、服の配色に出る。きつい色合わせをする人は、必ずきついところがあるし、やわらかい色合わせをする人は、やはり、癒し系と呼ばれている人

・恋する服イコール「セクシーな服」ではない。色気をオブラートで包むような服が、男の独占欲をくすぐる

・ゴールドの女は「従わない女」。男に従わない女の頑固さを備えている。これに対して、シルバーの女は「媚びない女」。男に媚びず、あっけらかんと生きている女

・ゴールドがいちばん映えるのは、白であり黒。ゴールドには女の業みたいな強さがあるから、無彩色でないとゴールドの美しさがピュアに表現されない

・ゴールドが「華やか」なら、シルバーは「爽やか」。とすれば、パールは「たおやか」となる

・コンサバかラグジュアリーかトレンドか。それは、保守的な女か、上に行きたい女か、前に行きたい女かの三択。自分の帰っていく場所はどこなのか、それを一度コートで見極める

・若い服を着れば、若く見えるというのは、まったく間違った考え。しかし、同じことをしても老けない人もいる。その人は、若く見せようとしていない。年齢なんてどうでもいいと思っている人だから、若づくりに見えない

・コムスメたちは、大人の女に見せたいから、ケバい服を着る。そして、40代くらいのセレブ系の大人は今、若々しく見せたいから、カジュアルを着る。それは、ゴージャス服が年上に見え、カジュアルが若く見えるという動かぬ法則があることを物語っている

・「便利な一着」は服としてのパワーが弱く、「意外な一着」は服として強く美しいので、意外な一着を便利な一着より、たくさん着てしまう

・自分のワードローブの中で、いちばん登場回数が多い服は、「上品な派手さを持っている服」。自分をいちばんキレイに見せてくれる華やかさがある服。しかし、そういう服は、便利かどうかを考えて買っていない。ひらめきで買っている

・街ですれ違いざまハッとふり返ってしまうほどの素敵な女性は、黒を着ている確率がとても高い

・「黒を着た女が好き」という男のほうが、「ピンクを着た女」に鼻の下を長くする男より、ランクが上。頭のいいセンスある男をつかまえるなら黒。黒は男受けの大穴カラー



女性が、どういう考えで服を着ているのか、よくわかりました。

ということは、女性の服を見て、どういう心境なのかを知ることができます。服が語るものをどう読むかは、男性の知性かもしれません。

いずれにせよ、この本を読めば、「服で人生は変わる」のではないでしょうか。

[ 2010/12/07 07:19 ] 斎藤薫・本 | TB(0) | CM(0)

『「値切り」のマジック』金子哲雄

「値切り」のマジック「値切り」のマジック
(2009/06/20)
金子 哲雄

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著者を、最近よくテレビで拝見します。テレビでコメントするには、大袈裟に、しかも面白く言わなければならない宿命があり、テレビ受けするように語られています。

しかし、著者の根っこの部分には、流通に精通したところがあります。それを知りたくて、この著書を読みました。

日本では、値切るのを下品とする道徳が残っていますが、売買行為の一環として世界共通のものです。日本では疎ましく思われている値切りに、真っ向から勝負しているところに潔さを少しだけ感じます。

この本を読み、役に立つと思えた箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・安くしてもらって当然というように、上から目線で店員に接してはいけない。値切りとは、店が「売りたい価格」、客が「買いたい価格」を提示し、折衝を重ねて、お互いに納得のいく適正価格を導き出す交渉

・欲しい商品が決まっている場合は、そのメーカー、商品に強い店を選ぶ。そのためには、各小売店のルーツに着目すること。わからない場合は、「一番売れているメーカーは?」「一番強いメーカーは?」と、直接聞くこと

・店側にとって「まとめ買い」してくれる客は、客側が想像する以上に、絶対逃せない「超優良顧客」。買う気マンマンのまとめ買いの顧客は「人件費と集客費の削減」という隠れた利益をもたらしてくれる

・値切りは、店員を味方につけなければ成功しない。店員は名札をつけていることが多い。店員を名前で呼ぶことは、「親近感を演出する」効果がある

・商品の店頭価格を見て、1割ほど低い価格を提示する。価格裁量権のある店員は、価格の5~8%くらいまで値引きしてくれる

・ゴールデンゾーンの商品には2パターンある。店側にとって利益の大きい「値切れない商品」か「値切りごろの商品」かのどちらか。その場合、「最新型?それともファイナル物?」と聞けば、わかる

・「高かった商品が、安くなる」お買い得感状況をボーナス時の6月に生み出すため、4~5月に新商品が発売される。その前に現行モデルを売ってしまいたいので、1か月前に値下げに踏み切る。そのタイミングが決算期と重なる3月

・食料品や日用品は「給料日前」が底値。給料日前に買いたいと思わない家電や家具などの贅沢品は「給料日後」が底値

・不動産物件の動きが出にくい枯れ期(5~8月、10~12月)に、1~4月上旬に入居者が見つからなかった物件の家賃変更が始まり、賃貸物件の相場価格も下がる

・中古車は入荷してから3ヵ月以内に売れるのが理想。6カ月を超えてしまったら、早く現金化したい。中古車を値切るためには、「店頭で雨ざらしになっている長期在庫車」を狙う

・売れていない色は過剰在庫となりがち。不人気色の価格調整がもっとも顕著なのが、中古車。不人気色ゆえに相場より10~20万円も安くなることが多い

・財布を取り出すことで「支払う意思がある」ことをアピールでき、もう一つは「買う寸前のお客を逃せない」と店員に思わせることができる

・買物に付き合ってくれた同行者(奥さん)に、「安くなったけど、どうかなあ」ときく。その時、同行者は、「もうちょっと安くならないと、買えない」と言うと、店側も必死になる。これまでに接客に費やした時間とコストが無駄になる

・現金で支払う場合は、「カードなら3%くらい手数料取られるんでしょ?」と言えば、価格の端数を切ってくれることもある



3年前のことです。日曜の夕方、妻と液晶テレビとブルーレイを下調べ(少しだけ買う気あり)するために、大型家電専門店に行きました。

売場で商品を見ていたら、店員が近づいてきました。「今、買う気はないよ」と言いましたが、店員は積極的に商品を説明し、値段も言ってきました。

私の妻は無口です。しかも、なかなか決断ができません。想定していた値段より安かったので、早速妻にお伺いを立てましたが、「無言」です。

すると、その店員は、さらに安い値段を言ってきました。妻に目で催促しても、またもや「無言」です。

店員は、あせったのか、さらに安い値段を言ってきました。それでも「無言」です。

買ったときは、店頭価格の15%引くらいの値段になり、おまけに、付属の商品やいろいろなサービスも付いていました。

後で、妻に「何で、無言だったのか」ときくと、「値段のことではなく、このサイズが、居間の棚におさまるかどうか考えていた」とのこと。

このやりとりパターンは、高額品を安く買うのに使えると感じたものです。

話が長くなりましたが、これと同じような「得する値切りパターン」が、この本には数多く書かれています。

値切りを参考にしない方でも、売る側がどういうことを考えて、商売をしているのかがわかれば、何かと役立つのではないでしょうか。
[ 2010/12/06 08:29 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

『お金がなくても田舎暮らしを成功させる100ヶ条』山本一典

お金がなくても田舎暮らしを成功させる100ヶ条お金がなくても田舎暮らしを成功させる100ヶ条
(2009/10/02)
山本 一典

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著者の山本一典氏は、月刊田舎暮らしの本に連載を持ち、大反響を呼んでいる「空家情報」の編集にも関わっている方です。2001年より、福島県に移り住まれています。

この本には、実際に体験されている事例が随所にあります。さらに、具体的にかかる金額など、詳細に書かれています。

田舎暮らしに興味のあるなしを問わず、非常に面白く読めます。参考になった箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・近年、自治体が都会人の誘致に力を入れた結果、農村部の空家を貸してくれるルートが増えてきた。農村部の貸家は家賃が安く、月3万円以下というケースが少なくない。月1万円以下のものも存在する。お金が不足している人は貸家に絞るのも一つの手

・絶対に必要な税金、保険、ガソリン代、光熱費で、年100万円前後に達する家も少なくない。節約しても年180万円以上の生活費が必要

・建物の解体現場や製材所、農家の倉庫には廃材があふれている。それを上手く使える移住者にとっては、田舎は宝の山。棚、小屋、ポスト、犬小屋、鶏小屋、バーベキュー炉、パンやピザを焼く石窯、遊歩道などタダでつくることができる

・田舎暮らしで、どうしても避けられないのが車の出費。予想以上に家計を圧迫するので、お金がなければ20万円くらいの安い中古車で十分。月に2万円以上の出費は覚悟しなければならない

・食材は、自宅の野菜を中心とし、買うものはなるべく月3万円くらいには抑えたい。冬場は野菜の価格が変動しやすいので、野菜の保存が大切

・女性はポニーテールにしたり、ストレートのショートカットで美容院の回数を減らせる。男性は、散髪鋏で妻に刈ってもらうことで、節約になる

・田舎暮らしとネットショッピングは、とても相性がいい。ネットオークションも移住者には人気が高い。中古の除雪機など、新品の10分の1以下で買える場合がある。生活防衛に役に立つ

・買い物に出かけるのは、週に1~2回で十分。回数が減ると、それだけガソリン代が節約できる。移住当初は300ℓの大きな冷蔵庫がほしくなるが、100ℓの3万円くらいの小型で十分

・薪ストーブは最低でも国産で20万円、外国産で40万円。お金のない人には、贅沢すぎる。ホームセンターに行くと、鉄板でできた時計型ストーブが4千円で買える。煙突も含めて1万円前後で、16畳のリビングだけでなく、襖を開ければ、他の部屋も温まる

・農村には地域住民の共同作業がある。用水路の清掃、農道の整備、沿道の花植え、河川沿いの空き缶拾いなど、勤め人に配慮して、朝早くやるのが普通。午前5時から1時間程度というケースが多い

別荘の敷地環境は必ずしも定住に向かない。雪道で苦労したり、斜面がきつく感じられたりする。永住を考えるなら、それにふさわしい土地を選ぶことが肝心

・古くても築20年以内で、空家の期間が短いもの。田舎不動産市場には1000万円以下の売家が数多く流通しており、補修不要なものも含まれている

・地元の民家は、背後に山を抱えており、取水条件に恵まれ、北風も直接当らない場所に建っている。南向きの家が多いのは、日照と通風の条件を重視しているから。わざわざ風当たりの強い方向にリビングやベランダを設けるのは、眺めを優先する都会人だけ

・田舎の携帯電話はインターネットの通信インフラより進んでおり、山奥の通信手段として利用価値が高い。携帯端末にUSBでパソコンにつなぐだけでネットも月4000円程度の定額で利用可能

・大きな家を勧められないのは、冬の暖房効率が悪くなるから。リビングに吹き抜けを設けた家は、空気を対流させても寒さを感じる。夫婦二人暮らしには2LDKを基本にすればいい。25坪前後が目安

・生活排水と糞尿を同時に処理する合併浄化槽(風呂や台所から温かい水が流れ込む)は、半額程度の助成金を出す自治体が増えている。5人槽で40~50万円前後

・安定した水源を確保するには、井戸を掘るのがいちばん。浅井戸は都会人でも手掘りが可能。深井戸は業者に頼めば、ボーリング費用で、掘削深度1mにつき、2~5万円。水をくみ上げるポンプも必要

・田舎でモノづくりに取り組むには、作業所がほしい。道具や資材の保管場所としても利用できる。8坪の小屋で、廃材を利用すれば、30万円くらいで建てられる

・田舎には日帰り温泉が多い。車で30分以内に、2カ所くらいあるのが普通。料金は300円~700円前後。週2回利用しても家計を圧迫しない



私は、子供が社会人になれば、田舎暮らしをしたいと思っているのですが、妻は反対のようです。自宅から車で1時間半で行ける地域に目星をつけ、そこの情報を将来に備えてチェックしています。

田舎暮らしをするかどうかは、わかりませんが、この本は、田舎暮らしの指南書として最適です。住んでいる人の実感や経験だけでなく、お金のことが事細かく載っているので、生活ぶりが想像できます。

老後の選択肢として、田舎暮らしを考えるのも悪くないように感じられました。
[ 2010/12/03 07:55 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

『酵素で腸年齢が若くなる!』鶴見隆史

酵素で腸年齢が若くなる!酵素で腸年齢が若くなる!
(2008/04/01)
鶴見 隆史

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前に紹介した「不老の免疫学」の本の中で、「脳腸相関」という言葉を知り、腸が極めて大事な器官であることを学びました。

腸について、もう少し勉強したくて、この本を手に取りました。著者は、酵素が専門の医師です。酵素と腸の関係をわかりやすく説明されています。

この本の中で、ためになった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・ガン患者の便を調べると、悪玉菌が30%以上、善玉菌が0近く。健康で長生きするためには、腸内環境を整え、善玉菌を増やし、腸の老化を防ぐことがいちばんの近道。そのためには、酵素たっぷりの食生活を送ること

・口から肛門までは、ずっとつながっている。これを取り出して伸ばすと、一本のちくわのようになる。実は私たちは「ちくわ人間」だった。ちくわの内側は常に外気にさらされている。胃腸も外界の刺激を受けている

・小腸、回腸、大腸の腸管粘膜には、全身の80%ものリンパ組織が集まっている。腸は、最強の防御力である「腸管粘膜免疫」を備えている。この腸管免疫組織の素晴らしい働きによって、病気にならず、いつまでも健康で若々しくいられる

・腸内環境がいい状態の人の便は黄色っぽい色をしている。逆に肉類中心で脂肪の多い食事をしていると、便の色は黒や茶色っぽくなる

・便のにおいが極端に臭い人は、腸内環境に問題がある証拠。悪臭の原因は、インドールスカトールなど。これは、たんぱく質が腸内細菌によって分解されたもの。肉類をたくさん食べていると、便のにおいも強くなる

・「臭くて音のしないおなら」が出がちな人は、腸内環境の黄色信号が点っている。腸内が腐敗している可能性が高く、ガン患者の候補生

・肉や魚は控えめに、野菜や果物をたっぷり摂り、そのほか、豆、キノコ類、イモ、海藻を適宜食べることが、何よりの健康法

・最近タバコを吸わないのに、肺がんにかかる人(特に女性)が増えている。非喫煙者の肺がんは「肺腺がん」。この肺腺がんの原因は、大腸内の悪玉菌が出す「ホルモン物質」。つまり、腸内環境の悪化でガンにかかりやすい体になる

・リウマチは腸内腐敗が大きな原因。リウマチも免疫疾患の一種。リウマチに限らず、アレルギー性のぜん息や、花粉症なども、自己免疫疾患の一種

・腸管がもつ免疫力が下がれば、病気にかかりやすくなり、見た目も老けていく。究極のアンチエイジングは「腸管粘膜免疫」を活性化することにある

・活性酸素の元になるものは、「たばこ」「白砂糖およびこれを原料にした食べ物」「酸化した油とトランス型油」。中でも、白砂糖は特に、シミやシワの元凶。白砂糖の成分であるショ糖は、ウイルスや真菌などの悪玉菌のエサになるから

ウイルスの溜まり場は腸。大腸には百種百兆の菌叢があるが、悪玉菌が増えた状態で生活し続けると、腸内にはウイルスが大増殖する。そして、ウイルスが全身へと蔓延し、多くの症状が出る

・断食は、腸内の不要なものを排泄し、腸を若返らせるのに最高の手段。断食は、酵素の無駄づかいを防ぐ大変良い健康法

・過食と食べてすぐの睡眠は、酵素の無駄づかいの最たる行為。おなかいっぱい食べてすぐに寝ると、胃の消化酵素も眠ってしまい、消化をしっかりできない

・酵素を体内に取り入れるには、生野菜や果物を毎日摂る習慣が欠かせない。酵素不足とガンには因果関係がある

・病気知らずの秘訣は、主食の高食物繊維化にある。米に、アマランサス(南米産の米)、昆布、もどしたヒジキ、ゴマ(生)、豆(小豆、そら豆、大豆を戻して)を加えた炊き込みご飯を主食にすることをすすめている



この本を読むと、腸が極めて重要な器官であるかがよくわかりました。

便の色とにおい、おならの臭さなどから、腸内腐敗を知り、また、腸の免疫力を高めるために、生野菜と果物、高食物繊維ご飯などの食事にも気をつけていきたいと思いました。

これを機会に、お金をかけずに、腸を「清掃」する習慣を是非持ちたいと考えています。
[ 2010/12/02 07:51 ] 健康の本 | TB(0) | CM(0)