とは学

「・・・とは」の哲学

『成果主義時代の出世術-ほどほど主義が生き残る!』福田秀人

成果主義時代の出世術―ほどほど主義が生き残る!成果主義時代の出世術―ほどほど主義が生き残る!
(2006/04)
福田 秀人

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この本は、サラリーマンにとっての福音書です。経営者にとっては発禁書にしてほしいものかもしれません。

評論家や経営コンサルタントの本は、経営者側(お金をもらえる側)の立場に立ったものが多いのが実情です。

本当は、経営者の論理労働者の論理のせめぎ合いで、会社の報酬制度が決まっていくものですが、労働組合の怠慢と不勉強で、経営者の論理がまかり通るようになってしまいました。

この本には、そういう成果主義時代のサラリーマンにとって、経営者の論理に巻き込まれないためのアドバイスやノウハウが豊富に掲載されています。

弱体化して、意味のなくなってしまった労働組合に代わって、労働者の論理を知的武装するのに役に立つ本です。

今回、面白く読めた箇所が30ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



サラリーマンの保身の3原則

1.都合の悪いことは言わない(省略)
2.都合の良いことは大袈裟に伝える(誇張)
3.ウソでない程度に内容をアレンジして伝える(変形)

サラリーマンの出世の3原則

1.部下や下位部門からの提案には「NO」と却下(拒絶)
2.同僚や同等部門には同意しても協力はせず、激励に回る(回避)
3.上司や上位部門からの指示や意見には無条件で賛成して従う(盲従)

成果主義に対抗するための不滅の3原則

1.優等生になるな
2.みんなの足を引っ張る劣等生になるな
3.密告をするな

・目標を低く設定。上司や管理者には、いかに難しい目標であるかをアピール。ノルマを必死にこなす「一生懸命クン」には、「損するよ。バカを見るのは自分だよ」と諭し、改心しない場合、意地悪、仲間はずれにする。「出る杭は打つ」それがダメなら「引っこ抜く

・成果主義にはウソがある。成長産業のように努力すればするほど成果がどんどん上がる状況でないと、成果主義は成立しない。実際に、個々の社員の努力以外の要素で成果は大きく変化する

・成果主義は「業績不振の原因は経営者ではなく、社員の無能や怠慢にある」との前提に立っている。経営責任を棚に上げ、「やればやっただけ報われる。もっと頑張れ」と社員の尻を叩く、経営者の身勝手な理屈こそ成果主義

・成果や評価が歪む理由
「評価者の主観」(上司は好き嫌いで評価する)、「相対評価」(成果をあげたのはお前だけではない)、「制度運用のデタラメさ」

・最小のリスクと最小の努力で、まあまあの報酬を安定的に得ることを追求する「均等報酬原理」に支配された者の行動は、「評価対象となる結果だけを追求」「高い評価を得やすい仕事に時間と労力を配分」「評価対象とならない仕事は重要でも無視」する

・「努力が成果に反映しない」「成果が評価に反映しない」「評価が報酬に反映しない」リスクがあれば、社員はやる気を起こさず、成果主義制度は失敗する

・成果主義を成功させるには、リスクを厭わないギャンブラーのような社員に仕事の権限を大きく与え、彼らのやる気を喚起することである

・成果主義を導入した企業の多くは、リストラの方便にしたかっただけ。リストラが一段落した途端、成果主義を見直す企業が相次いでいる

・成果主義を本気でやろうとすればするほど、「みんながライバル心むきだしに戦う」「職場ぐるみでさぼる」「人材が育たなくなる」「チャレンジ精神が失われる」「目標未達の言い訳がうまくなる」ような状況が現出する

人を育てられない会社ほど成果主義を採用したがる。本来、会社の役目である人材育成を放棄して、すべてを社員のやる気と能力に押しつける

・米国では人事スタッフも弁護士に負けないほど嫌われ、軽蔑されている。机上で書類をいじくり回す「ペーパーシャフラー」と皮肉られる存在である

・純粋無垢な「一生懸命クン」にならないこと。成果主義を本気で導入するような会社で愛社精神に燃え、一生懸命働くほど愚かでみじめな結果を生む行動はない。ほどほどが一番

・ほどほど主義を実践するには、情報を私物化し、簡単に他の人間が仕事を引き継げなくすること。具体的には、聞かれたことのみ答え、悪い情報も良い情報も抱え込んで誰にも報告しないこと。報告するのは結果だけ。プロセスは秘中の秘とする

・情報を隠さず、どんどん提供すると、仕事が引き継ぎやすくなる。自分の存在価値を高めるには情報は隠すに限る。「情報は力なり」で、情報統制による地位保全、勢力強化、仕事の私物化が生き残りと力の強化のために重要な条件となる

ダメなトップほど制度をいじりたがる。業績が悪いのを制度のせいにする。そこにコンサルタントがつけこむ。そして、人事屋は人事制度が悪いと言い、マーケティング屋はマーケティングが悪いと言う

・「ホウレンソウ」(報告連絡相談)はしない。これが情報私物化の大鉄則

・動機が善であれば、行動も結果も許されるのが日本の伝統。もし、報告を怠り、上司から叱られても、「悪気はなかった」という立場を堅持し、動機を譲らず、善なる動機へ逃げ込む

・ほどほど主義に徹していても、思わぬ業績を上げてしまったら「たまたまです。運が良かっただけです」と運に逃げる。知られてしまったら期待値が上がってしまう。「能ある鷹は爪を隠す」で、独自の情報はライバルや上司に横取りされないよう私物化する

・太平洋戦争時の中国の抗日組織マニュアル「日本人にはごちそうせよ」の一文、「1.一度ごちそうすれば、好意をくれる」「2.二度ごちそうすれば、情報をくれる」「3.三度ごちそうすれば、命をくれる」。日本人は酒席に弱い

・「失敗をするな。失敗を避けて生きよ」。人事の評価はプラスよりマイナスに厳しい。だから、プラスをあげるより、マイナスを犯さないことの方がはるかに大事

ゴマすりは保身と出世の大鉄則で、世界でも常識のグローバルスタンダード。保身と出世の一番のリスクは、自分ではなく、周りの人間。業績を上げ、上司への忠勤に励んでも、誰かがドジすれば水の泡。「見ざる聞かざる言わざる」で、嵐が去るのを待つしかない

上下2階層をマークすることが出世のために大事な方法。2階層下の部下の状況までマークしていれば、多くの問題の早期発見、早期対応ができる。直属の部下の誤った判断や手抜きの巻き添えを食らう危険が大きく減る

・直属の上司だけ見ている「ヒラメ族」は三流ヒラメ。上下1階層しかマークせず、そのサンドイッチ状態に汲々としているようでは出世はおぼつかない

・社内に敵をつくらないためには、「1.正論を吐かない」「2.正論を吐くときは、相手が聞く耳を持つかどうかで判断」「3.聞く耳を持たないグループにはだんまりを決め込む

・「将を射んと欲すれば奥さんを射よ」。上とのパイプをつくるには、まず彼らの奥さんとのパイプをつくればいい。実際、奥さん同士の懇親会の席で、上司やトップの奥さんと妻が仲良くなって、夫を引き立ててもらうケースは多い。これは取引先の開拓にも使える手

・ドジな部下ほど危険な存在はない。そのためには、「自分の足を引っ張らない程度の部下を育てる」「自分の足を引っ張るような部下は矯正または排除する」こと

ダメな部下がミスしたときに備えて、あらかじめ予防線を張っておく。そのポイントは「ホウレンソウの重要性を繰り返し説く」「ダメ人間を証拠づける反省メモを書かせる」

・一般に、できる上司ほど細かい報告を求める。自分の知らないことがあるのを嫌うし、「部下は情報を抱え込んで私物化する」ものだと知っているから

・旧日本陸軍では「馬鹿な指揮官、敵より恐い」と言われていたが、馬鹿な指揮官の最大の特徴は「決めたことはテコでも変えない」「問題が悪化しても自らの決定を失敗と認めて中止しない」点にある



部下には部下の論理、上司には上司の論理、経営者には経営者の論理があります。それぞれの立場にふさわしい論理を実行できるかが、出世や成功をもたらすように思います。

今の立場の論理をわきまえ、それにふさわしい行動が何かを学ぶのに、この本は役に立ちます。

特に、成果主義の導入下で働くサラリーマンの人たちにとって、精神的支柱になる本かもしれません。
[ 2010/04/30 09:22 ] 福田秀人・本 | TB(0) | CM(0)

『ユダヤ5000年の教え』マービン・トケイヤー

ユダヤ5000年の教え―世界の富を動かすユダヤ人の原点を格言で学ぶユダヤ5000年の教え―世界の富を動かすユダヤ人の原点を格言で学ぶ
(2004/03)
マービン トケイヤー

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著者のマービン・トケイヤー氏は、ラビ(ユダヤ教の牧師)であり、日本に10年ほど滞在した経験があり、日本人向けの著書も数多くあります。

ユダヤ人に関する本は、陰謀本や金儲けの教えの本も含め、数多く出版されています。しかし、ユダヤ人自身が書いた真面目な本は少ないように思います。

この本は、ユダヤ教の牧師である著者が、ユダヤ民族の学びの歴史である、タルムードの教えを中心に、真面目に、わかりやすく、ユダヤの教えを伝えています。

今回、勉強になった箇所が数多くありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。


・「道順を10回聞いた方が、1回道に迷うよりも良い」
人生の基本を教えた諺。基本がいかに大切かという話がタルムードには多い

・「人は金銭を時間よりも大切にするが、そのために失われた時間は金銭では買えない」
限られているものは、人の生命であり、時間である。金銭よりは、時間の方が大切

・人は自分の町では、評判によって判断され、よその町では、衣服によって判断される

・「食事は自分の好みに合わせ、服装は社会の好みに合わせよ」
自分だけ変わったことをすると、社会から疑わしい目をもって眺められ、排斥されることになる。しかし、食事の好みの差異については寛容である

・「退屈な男が部屋を出ていくと、誰かが入ってきたような気がする」
退屈な男とは、他人がどう感じているかを無視し、他人の気持ちを察しようとしないので、人々に合わせることができない者のこと

・すでに良い指導者がいたら、指導者になろうと思ってはならない

・幸運に恵まれるためには知恵はいらない。しかし、この幸運を活かすためには、知恵がいる

・賢人とは、あらゆる人から学べる人。強い人とは、感情を抑えられる人。豊かな人とは、自分の持っているもので満ち足りている人。人に愛される人は、あらゆる人をほめる人

・「世界で最も不幸な人間は、自分を意識することが過剰な人間である」
自分の失敗をいつも他人が笑っていると思う者は、自分が世界の中心にあり、他人が1日24時間自分を注視していると勘違いしている

・お金がなくなったときには、人生の半分が失われる。勇気がなくなったときに、すべてが失われる

・人間の中でも賢い者ほどよく笑う。ジョークを理解するには、素早い頭脳の反応、連想力と多角的な幅広い知識が要求される

・当人の前でほめすぎてはならない。人をほめるときは、陰でほめよ

・「自分を笑える者は、他人に笑われない」
自分を笑うことができる者は、自分を客観視することができ、自分の滑稽さを知っているが、自己中心的な者は、自分を他人と同じように冷静に眺めることができない

・「どのような人間でも近づけば小さくなる」
自分が小さく見える人は、自分をよく知りすぎている

・「評判は最善の紹介状である」
評判は、つねに数千の紹介状が世間に向かって差し出されているようなものであり、業績がもつ声である。そして、業績ほど雄弁な語り手はいない。その声は高く広く伝わる

・表情は最悪の密告者である

悪い友人はあなたの収入を数えても、あなたの経費を数えようとしない

賢い敵は人を賢くするが、愚かな友人は人を愚かにする



ユダヤ人は、知性と知恵を重んじた「本の民族」です。その結晶がタルムードです。先祖の成功と失敗が凝縮されて、紙面に残されています。

ユダヤ人は世界中に1400万人しかいないのに、ノーベル賞学者、財閥系企業家、芸術家、政治家など、成功者が目白押しです。この実績が、生活の知恵の集大成であるタルムードの有用性を示していると思います。

ユダヤ人は、毎日、「旧約聖書」を読んで、3日、タルムードに触れない人はいないと言われています。旧約聖書はともかく、成功を目指すなら、タルムードに時々触れてみることは重要ではないでしょうか。

この本は、そのタルムードの格言をまとめたものです。有効に活用したい1冊です。
[ 2010/04/29 06:46 ] ユダヤ本 | TB(0) | CM(1)

『小商人(こあきんど)のすすめ-小さな成功で大きな幸せ!』長勝盛

小商人(こあきんど)のすすめ―小さな成功で大きな幸せ!小商人(こあきんど)のすすめ―小さな成功で大きな幸せ!
(2006/05)
長 勝盛

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独立して、自由に生きて、さらに、そこに安定が加われば、最高にしあわせな人生を送ることができると思っています。

今、個人事業主として、何とか独立して生きていますが、安定に乏しく、しあわせを実感するに至れていません。

もし、人を雇って、経営していたらどうだったかと考えることがあります。

人を雇うと、給与以上の働きを要求することになるため、規律や道徳で社員にガミガミ言わなければなりません。

もともと、規律や道徳がいやで、会社を辞めたのに、それを要求するのは矛盾することになります。割り切ってしまえばいいのかもしれませんが、自分にはできません。

再度、自分の人生をやり直すことができるのならば、需要のブレが少ない業種で家族経営できる事業を目指すと思います。

理想は、食べ物商売で、名物(おいしくて、安い)を1品つくり上げ、事業拡大せず、代々続かせることです。

いずれにせよ、サラリーマン、公務員、従業員を抱える社長より、個人事業主で、安定を図りながら、長く生きていけるのが、楽しいと考えています。

個人事業主=小商人です。著者も、小商人の素晴らしさを説いています。その素晴らしさを実現するための方法について、この本で具体的成功事例を解説しています。

今回、勉強になった箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・会社にもたれて仕事している人間と、自分の才覚で真剣勝負している人間では、自ずと実力のつき方が違ってくる。商人とは、職業でも、職種でもない。生き方である

・会社のために働くなんて、自分の会社であってもゴメン。商人とは、昔から自分の利益のために働く人間。それが原因で、滅私奉公を美徳とした封建時代には、商人は蔑まれ、身分も一番低いランクに置かれた

・自分より社会や組織を優先しようとか、自分を犠牲にしてでも何かに尽くそうというのは、もともと商人の発想ではない。組織の中でしか生きられない武士の発想

・自分の才覚やスキルをアップするために、一生懸命働こう。そんな小商人的な目的意識を持つだけでも、小成功中成功ぐらいはラクラクと達成できる。目的意識さえ持たずに仕事している人が、圧倒的大多数

・「自分のため」という目的意識を持ち続けるためには、「意識的、自覚的に生きている仲間とつき合う」ことと、「人生計画を持つ」こと

上司にへつらうなんてカッコ悪い。努力を集中するなら、客と女性以外にない。ビジネスのキーも、時代のキーも、それを握っているのは女性

・妻一人幸せにできない人間は信用されない。口でどんなに立派なことを言っても、妻を観察すれば、どんな人間かわかる

・男という生き物はなかなか変わらない。過去が捨てられないから、自分を変えるのが下手。別れた恋人の写真を捨てられないのは、女より男。そこへいくと女性は驚くほどしなやか

・簡単に相手を感動させる方法は、自分が素直に感動すること。それが相手に伝わり、その心を動かす。この以心伝心が理屈を超えた不思議なところ

・ものだけを売るのは二流、三流の商人。二流の美容師は、髪型を整えるが、一流の美容師になると、心まで整える

・恋愛がヘタで、商売のうまい人はいない。愛する人のために知恵を絞るからこそ、さまざまなアイデアが湧いてくる。それが商売を成功するテクニックになる

・消費者に不要なものは売らない。消費者が欲しがるものも売らない。消費者に必要なものを選んでさし上げる。客を好きにならなければ、本当に必要とするものはわからない

・「よい店舗」の絶対条件は、ホスピタリティー(もてなしの心)とエンターテイメント(楽しさを与える心)の二つ

・商品を売りつけ、お金を落とさせる対象としてしか客を見ない者は、いつまでも魅力的な商人になれない。客に心から喜んでもらい、なおかつ儲かるというのが小商人の醍醐味

・知恵を出すという小商人の本領を忘れ、大商人依存体質に陥っている会社や小売店が圧倒的に多い

・誰かを好きになると、人は自然と観察力が増し、聞き上手になる。人は関心を持たれることに喜びを感じるもの。恋愛の方法と商いの方法も同じ。観察と傾聴で1人1人の客を理解する。その積み重ねが小商人のマーケティング

・有能な小商人が陥りがちな間違いが「しゃべりすぎ」。その結果、客に尋ねたり、客の話に耳を傾けたりする姿勢がおろそかになる

見込み客の見つけ方は、客からの紹介と情報提供が一番。客が新しい客を紹介してくれる。こんなラクなことはない。つまり、ラクに仕事する商人ほど、たくさん稼いでいる

・自信がないと、客にかける言葉や声、その表情にも魅力がなくなり、売れない小商人になる。自分を高く評価した者が勝つ。自惚れたほうが得をする

・商人にとって、「頭が悪い」は最高の誉め言葉。赤ちゃんのように素直で、シンプルな心を持っているという意味

・客は「できれば買いたくない」と思っている。「買っても失敗するかも」「もっといい商品がどこかにあるかも」と考えているマイナス思考の人たち。この人たちをプラス思考に変えていくのが小商人の仕事。「売れっこない」と思っていたら、客の心を動かせない

・頭の悪い人たちは、素直だから、すぐ熱くなって、プラス思考になり、客をそこに巻き込んでいく。新しいことも吸収でき、疑いや不安がない分、瞬発力や持久力も高い。バカがつくほど素直で真面目な人こそ、天使のハートを持った最高の小商人になれる

・サラリーマンであれば、給料の10倍は稼いで、会社の役に立たなければプロとは言えない。役に立たなければ、いくら素晴らしい能力や技術を持っていても、個人的な趣味に過ぎない

・相手に呼ばれ、こちらから売りに行くような営業はやめる。取引先が来てくれる商売なら、こちらが優位に立てる。条件も通りやすい。しかし、それには、大きな魅力をこちらが備えていなければならない

・家庭の平和なしに成功なし。夫婦や親子が一緒に働く小商人は、この言葉を肝に銘じなければならない。客を愛するように、家族を愛すること。これが成功の大きな要素

・アメリカの家庭で5歳までに厳しく躾けられるのは、笑顔でハイと自然に言えること。ハイと素直な返事ができる子は、そのときどきの気分や感情に支配されず、自分をコントロールする能力が優れている

・未来にはいいことしか待っていない。この楽観主義さえあれば、小商人は最高の仕事



バカで、素直で、単純で、真面目によく働く、明るい人には、損得を考えずに、何とか助けてあげようとするものです。

その逆の、賢いが、理屈ばかり言って、なかなか動かない、暗そうな人には、メリットがなくなったら、すぐに離れたくなるものです。

この本は、皆から好かれる、可愛らしい商人になることをすすめています。著者の体験と指導実績をもとに書かれた本なので、内容も充実しています。

しかも、読んでいると、小商人になれる自信が湧いてきます。すべての働く人たちに勇気を与える貴重な1冊ではないでしょうか。
[ 2010/04/27 09:01 ] 商いの本 | TB(0) | CM(0)

『オタクの考察』ヒロヤス・カイ

オタクの考察オタクの考察
(2008/01/29)
ヒロヤス・カイ

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この本は、オタクの著者がオタクについて調べ、まとめた書です。

世の中には、オタクでない人が、オタク市場を調べた本は多く出ていますが、この本は、オタクならではの微妙な心理と、オタクの新しい動きが的を射ていると感じました。

しかも、この本のシーアンドアール研究所という出版社が新潟市ということにも興味を惹かれました。

コミックマーケット(同人誌即売会イベント)で、大手出版社を通さない流通が拡大しているそうです。この実態を知る上で、この本は非常に役に立ちます。

参考になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・「萌え」とは、心境的にグッとくること、心をつかまれてしまったことを言う。「萌え」を感じるのは、「恋をした」というよりは、自分の美的感覚が「マッチング」した状態

・現在、さまざまなゲームが女性ファンを獲得するに至っている。「女性オタク」に好まれそうなキャラクターが溢れている

・ユーザー側が二次創作を行いやすいコンテンツであることが重要。クオリティの高さを背景にしたキャラクター作りは欠かすことのできない部分。同人誌を作ることや、コスプレの衣装を作る根底には、そのキャラクターの人気が一つの目安になっている

・フィギュアは、キャラクターを立体的に具現化したものであるから「2.5次元」という表現が用いられる。フィギュアの魅力は、立体化することで生まれた表現や趣向とともに、カラーリングや顔の形、衣装に至るまでの細部へのこだわり

・痛車とは、「見た目が痛い車」のこと。漫画やアニメのキャラクターをボディに貼りつけたり、塗装を施した車。今までは水面下で流行っていた存在が、痛車の総合展示イベントが開催されて盛り上がる動きを見せている

コスプレ衣装もビジネスの潮流に乗ってきており、コスプレ専門店が制作販売し、簡単に手に入る。しかし、既製品が気に入らない場合、個人が、裁縫、金属加工、プラ板削りなどの技術力を駆使する。そして、それらを販売するケースもある

・コスプレを語る上で、今、注目すべきなのは「異性装」。これは女性が男性キャラに、男性が女性キャラになりきるもの。イベント会場で頻繁に見られる。この点に目を付けた業者が衣装を販売しているケースもある

・2次元に魅力を感じる醍醐味は、脳内補完できるところにある。「容姿・声・性格」の3拍子を自分の好みに合致させれば、恋に近い感情を抱ける。気に入ったキャラクターについて「こんな声で・・・」「こんな格好もして・・・」と妄想を繰り広げることができる

・男性オタクの聖地の秋葉原に対して、女性オタクの聖地は、池袋の「乙女ロード」。アニメグッズ販売店や漫画専門店とともに、「執事喫茶」(女性スタッフが男装し、執事として振る舞う店)も登場している

・コミックマーケット(通称コミケ、同人誌即売会イベント)の一般参加者は、3日間で50万人を超え、サークル参加者が3万5000スペースとなって、大規模イベントになった

・コスプレイヤーがコスプレする場所は、同人誌即売会と併せて開催されるコスプレイベントが一番多いが、コスプレだけのイベントも、北海道から沖縄まで各地で開催される。コスプレダンパ(アニソンを流して振付で踊るイベント)も盛んになってきた

・メイド喫茶以外にも、メイドが、お菓子屋、美容室、マッサージ、リフレ、眼鏡屋までに進出。「メイド」が売れるコンテンツであることが確立されてきている

オタクコンテンツは発信する側と消費者側が常に入り乱れている状況。特に同人レベル(アマチュア的)で見ると、数多くの作家やコンテンツ発信者が存在。ネットの浸透と動画配信により、無名のクリエイターによる多数の作品が発表されるようになった

・「同人誌」で生計を立てている人がいる。自らが描く同人誌やその他製作物を販売し、年に5~6冊製作で300万~400万の年収の人や、有名サークルやネット販売などで、年収1000万円を超える人々も登場。経費が極端に少ないので利益を得やすい

・同人誌の発行形態は、コピー機のみで作成した「コピー誌」、印刷所に依頼して作成する「オフセット誌」の他、CD-ROMの販売も行われる。その他、ゲーム、音楽、コスプレ写真集、グッズ関係、手作り雑貨も販売される

・全国の遊園地施設は軒並み収益を下げている中、屋外でもコスプレイベントを楽しめるよう開放を始めた。コスプレイヤーが窮地を救っている

・芸能プロダクションがメイド喫茶を運営し始めた。将来性のある女性を、取り込むことで、今までの、雑誌、テレビといった媒体ではなく、メイド喫茶を媒体にする動きがある



この本には、新しいキーワードがいっぱい登場してきます。ということは、それだけオタク市場が伸びており、日本が少子化にもかかわらず、オタク市場の規模が世界に広がっているということかもしれなせん。

オタクビジネスには、これからも新しいものが、どんどん登場してくると思われます。これを単に現象と捉えるのではなく、本質的なものとして捉えることが必要です。

昨年、子供と一緒に、日本橋のオタロード周辺を歩き、カードゲームショップ、ロボット専門店、鉄道模型店などを巡りましたが、何か新しい息吹のようなものを感じました。

この本にも、新しい息吹が満載されています。今の日本には、珍しい1冊ではないでしょうか。
[ 2010/04/26 08:36 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『ブッダ-大人になる道』アルボムッレ・スマナサーラ

ブッダ―大人になる道 (ちくまプリマー新書)ブッダ―大人になる道 (ちくまプリマー新書)
(2006/11)
アルボムッレ スマナサーラ

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日本は大乗仏教文化の国ですが、著者が生まれたスリランカは、大乗仏教ではなく、テーラワーダ仏教(上座仏教)が信仰されています。

テーラワーダ仏教は、ブッダの教えを忠実に守る仏教です。スリランカの他に、タイ、ミャンマー、ラオス、カンボジアなどがテーラワーダ仏教の国です。

ここ数年、ブッダの教えに、深い興味があったので、著者の本を何冊か読むようになりました。このブログで紹介するのは、「ブッダの幸福論」「結局は自分のことを何もしらない」に次ぎ、3冊目です。

裕福な家庭で育ったブッダの教えは、経済的に豊かなはずの日本のような国に、最も適した思想、哲学だと思うのですが、実際は、ブッダの教えと逆方向に進んでいるような感じがします。

著者の文章は、毎回参考になります。今回も「本の一部」ですが、紹介したいと思います。


・仏教とは、人が「自分のことを自分にできる」ようにしてあげて、独立する、自立する、自由になる手助けをする教えである

・人間というのは、親に依存し、友達に依存し、会社に依存し、社会に依存し、酒やタバコに依存し、ゲームや娯楽に依存し、犬猫にも依存したがり、そして神様仏様に依存する。これは惨めな生き方。「独立する」ということの意味さえも理解していない

・人にはそれぞれ自由があるから「人の役に立つ」のは難しい。生きることへの深い理解がなければ、「人の役に立つ」ことは実行できない

・「人間全員に短所と長所がある」と認めると、他人が嫌なこと、悪いことをしても、「人間は不完全だから」「まあ、いいや」となって、カンカンに怒らなくても済む。得るべきところは得て、そうでないところは放っておくという生き方になれば、結構うまくいく

・「勉強をして大人になる」というのは「不完全なところを一つ一つなくしていく」こと。それが人間の正しい生き方。短所、欠点、至らないことを直していこうとすると「誰の協力を受けた方がよいか」わかってくる

・「人間には自由がある」ということは、「みなプライドを持っている」ということ。だから、世の中では、人にアドバイスしても、逆にアドバイスされてもうまくいかない。他人に言われると腹が立ってくるもの

・ブッダは「人間の行為は三つ」と言った。最も大きな行為は「考える(意)」。次に「喋る(口、語)」。そしてもう一つは「身体でいろいろなことをする(身)」。この三つに私たちの行為のすべてが入り、それ以外はない

・言葉を喋る前に考えて、考えたことを喋る。何かをする前に考えて、考えたことをする。つまり、人の考えがすべての元締め。何か考える時、その考えが「自分の役に立つか、周りの役に立つか、すべての生命に役に立つか」と注意を払わなくてはいけない

・親しい人々と別れること、嫌な人と過ごさなければいけないこと、生まれること、死んでしまうこと、年を取ること、病気になること、期待が外れること、それらは人間の普遍的な苦しみであると、ブッダは説いた

・人間は苦しんでいるから、「幸福になりたい」という夢を見ている

・人間の苦しみは、事実を認めない心の問題

・子供は大人になる過程で、教育と称して、いろいろ固定概念を叩き込まれる。そうして「知り得る能力」を失ってしまう。その後は「○○の立場」から物事を見るようになる

・「知り得る能力」を失うことは大きな損失。「知り得る能力」を取り戻すためには、「ただありのままに見る」ところに戻らなければいけない

・「心は元気に回転しているだろうか、それともガタガタと回転しているだろうか」とチェックする。心が明るく元気に回転していると気分がいい。それを「幸福」という

・「自分がいる」と思うから、喧嘩が絶えない。「もともと何もない。その時その時の反応」と解れば、自由になれる。過去のことで悩んだり、将来が不安になったりなんて、どうでもいい。今をしっかり生きればいいことが解かる

・人間が学ぶべきは心の問題。だから仏教では、「嫉妬、憎しみ、怒り、落ち込みはやめよう」「興奮することもやめよう」「集中力を育てて優しい心でいよう」と心を育てる方法を教える

・ブッダは「怒りには優しい心を返しなさい。憎しみには優しい心を返しなさい。憎んではいけない」と言う。とにかく「自分からみんなに笑顔を見せよう。怒っている人にも笑顔を見せよう」というモットーで生きれば、世界が変わっていく

・心の問題を解決したければ、「私が思う、ゆえに正しい」という考えをなくすこと。おいしい物を食べて、「これ、おいしい」と思うだけでいい。「あなた、これ、おいしいよ」という押し付けをやめること

・もし嫌われてしまったなら、嫌われている環境から別の場所に行けばいい。「自分が咲く場所」は必ずどこかにある

・「人を嫌う」ということは「自分が狭い」ということ。自分が嫌われたら、「どうぞご自由に、ご勝手に」という態度でいればいい

・人の悪いところしか見えないメガネをかけたら、一生、人生は暗い。でも、人のいいところが見えるメガネをかけると、どんなに悪い人を見ても、「この人にもこんないいところがある」と、いいところしか見えなくなる

・人の愛情はタダでは得られない。自分が仕事をして得るもの。仕事とは、自分が先に笑ってあげる、お辞儀をしてあげるなど、何か助けになることをしてあげること

・ブッダは「人間が智慧を開発するためにどうすればいいのか?」と聞かれたとき、たったひと言「質問しなさい」と答えた。人にあれこれ質問すると、いい人間関係ができるし、自分の頭の中も整理される



この本は、著者が高校で講演したものがもとになっています。したがって、わかりやすく、読みやすい内容です。

若者に身近な問題も多く取り上げられています。ブッダの教えである初期仏教に、興味を持たれた方には、入門書の1冊になるかもしれません。
[ 2010/04/23 07:36 ] スマナサーラ・本 | TB(0) | CM(0)

『一番になる人』つんく

一番になる人一番になる人
(2008/08/05)
つんく♂

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この本を何気なく手に取り、パラパラとめくっていると、著者がミュージシャンやプロデューサーではなく、中小企業の社長のように感じました。

最後まで読み終えて、この本が成功した起業家の書であり、著者が鋭い経営者感覚を有していることもわかりました。

たまたま、音楽で成功したのであって、他の事業に携わっていたとしても、きっと成功していたと思います。

著者が成功した理由が時の経過とともに描かれており、一気に読める、ためになる本です。参考になった箇所を、「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・夢は心の中で描くもの。目標は頭の中で立てるもの。妄想は体の内側から沸き上がってくるもの。妄想には、人生を前進させていく力がある

・事がうまく運ぶ妄想が夢や希望を育てるのなら、失敗やトチリの妄想は、それを回避する方法や注意を促してくれる

・分析と努力で、その道のプロになれる。プロといってもたかが知れている。そう思えるかどうかが、実はとても大切

・カリスマと呼ばれる人とただのプロとの違いは最後のひとさじ加減が決定的に違う。その微妙なさじ加減を誰にも真似のできない、自分のものにしている人間が、カリスマと呼ばれる人たち

・すごいアーティストでも20曲も書くと、表現したいことがなくなり、プロとして、この先やっていけるのか不安になる。それは、プロとして次の段階に入ったということ。才能がなくなったのではなく、最初から才能などなかったと認めることでしか次に進めない

・歌詞、リズム、サビの部分。天才は素晴らしい曲や詞が天から降ってくるかもしれない。でも、僕のような天才でない人間はそのノウハウを研究し、コツコツやっていくしか道はない

・百回、二百回と練習しているうちに、僕ら凡人は、天才に見えないものが見えてくる。それがいわゆるコツとかツボというもの

クラスで一番には誰でもなれる。でも、クラスで一番になれないと世界一にはなれない。トップクラスに成長する秘訣は、「教室内ニッチを見つける」こと。一度でも一位になると、その快感は忘れられなくなり、一位をとると、次に一位になる確率はとても高くなる

・あるとき、「4位」というのは、大衆の中の1位だと気づいた。天才や秀才を除いた凡人の中で、努力で勝ち取れる1位である

・子供のころ一位になった経験は、人格形成において大きなプラスになる。一位をとらせるのは最高の教育。一位をとれて初めて見えてくる世界がある

・「好き」(感情が伴う)と「得意」(自他ともに上手と認める)を混同している人は多い。「得意」も「好き」にはかなわない。「好き」なことに夢中になっているとき、人は時間を忘れ、至福の時間を過ごしている。「好き」の感情はとてつもないエネルギー

・いつも使っているという日常的な要素に、少し新しい要素を付け加えることで、これまでにない視点を与える。そうすることで日常が新鮮に感じられる。そういうものがヒットする

・キーワードは一つでいい。ワンフレーズ、印象に残る言葉があればいい。あとはおまけ。耳に飛び込んでくるワンフレーズで勝てないものは、絶対に勝てない

・優れた歌詞の9割は1枚の写真からできている。その歌を聴いた人に、ある景色が浮かぶようにできている

・ヒット商品というのは、最初から多くの人にウケるのではなく、嗅覚の優れた一部の人たちが騒ぎはじめ、口コミによって広がっていくケースが非常に多い

・言葉は短く簡潔な方が、一語にこもるエネルギー量が大きくなる。力強い弓から放たれた矢のように、相手の心の的にまっすぐ突き刺さる。エネルギー次第では、人間としての徳が上がる。人間は誰でもエネルギー業者

・今も頭に浮かぶ、爺ちゃん、婆ちゃんの「人の遊んでいるうちに働け」「いま売れないものも、頭を使えば売れる」「安くは売ってるけど、安ものを売ってはいけない」という口癖を集約すると、それは「サービス根性」。相手の期待を常に上回るサービスを提供すること

・「売店のおばさん、タクシーの運転手、宅配のお兄ちゃん、すべてがお客さんになる可能性がある。絶対に偉そうな口調やさげすんだ口調で話さないこと」と口酸っぱく言っている

・「成功」はいい意味でも悪い意味でも、人を変える。とくに自分なりの理論を持っている人は、人の言葉を聞かず、自分の方法を貫き、曲げない。しかし、自分が成功したパターンに固執しすぎると、次のステージに進めなくなり、成長できなくなる

人が嫌がる仕事を、嫌な顔一つせず、笑顔でさらりとやると、その人は「徳」を積んだことになる。面倒な仕事は、失敗しても咎められない。逆にうまくいったときは一目置かれる存在になる。面倒な仕事を引き受けることは、結果がどう転んでも必ずプラスになる

・サクセスストーリーはピンチヒッターから始まる場合が多い。「人が嫌がる仕事をやる」のが唯一、どんぐりの背比べ状態から一気に「ごぼう抜き」できるチャンス

・自分の満足は大衆の満足ではない。そこを勘違いしたために、どれだけ優秀な人たちが自滅していったことか

・締切とは、人間の力を目一杯に引き出す装置。だから絶対に締切は守る。凡人は締切を守ることを繰り返すことで、能力が鍛えられていく

・自分が受けた恩を、今度は別の人に返していく。今度はその人がまた別の人に義理を果たしていく。そういう流れが途切れずに続いていくことで、優しさや思いやりのある世の中がうまく回っていく



著者は凡人ではない(自分を凡人と思い込む天才)と思いますが、凡人でも成功できる方法がこの本に書かれています。

スポットライトが当たる世界であろうと、なかろうと、やるべきことは何も変わらないことがよくわかります。

体験を交えた話が、わかりやすくて、ためになり、後で、スカッとした気分にもさせてくれます。エンターテイメントと経営ノウハウが融合した面白い1冊です。
[ 2010/04/22 08:26 ] 出世の本 | TB(0) | CM(0)