とは学

「・・・とは」の哲学

『スクール&教室運営のための「生徒集客バイブル」』佐藤仁

スクール&教室運営のための「生徒集客バイブル」スクール&教室運営のための「生徒集客バイブル」
(2008/06/12)
佐藤 仁

商品詳細を見る

学校、学習塾、各種教室、体験型レッスンなど、スクール産業は、デフレ下の日本でも着実に伸びています。

しかし、実態は、個人が講師として、小さな教室や講座を運営されている場合が、まだまだ多いのかもしれません。

著者は、子供向け英会話スクールを創業し、それを大きくして成功された方です。

実体験をもとに、商売としての教室運営法を、サービス業のノウハウはもちろん、製造業、小売業のノウハウも学んで、役立てていく必要があると言っています。

このような実践的なスクール運営ノウハウ本は、今まで少なかったのではないでしょうか。

この本の中で、教室運営ノウハウとして、役に立つと思えた箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・経営はサービスだけでは成り立たない。サービスにマーケティングが加わって初めて経営になる

・講師は「インストラクター」という考えで生徒に接しないと、レッスンは「サービスの提供」という意識が持てず、生徒が満足するレッスンを与えることができない

・必要以上のコミュニケーションはいらないが、講師を含め社員全員のサービス力おもてなし力の向上が必要になる

・見込み客の都合を確認してから体験レッスンを案内するスクールがあるが、それは間違っている。相手の都合に合わせるより、こちらから特定の日時を指定した方がかえって信頼される

レッスンの品質を一定にする必要がある。簡単に言えば、楽しさ、わかりやすさに大きな差が出ないようにするということ

・客が求めているレッスン内容を具体化してクラスを作ること。これが商品開発のポイント。多くのスクールでは、商品開発というよりか商品検索に走る傾向がある。要するに大手スクールが行っている新しいレッスンをマネする

・目標とすべき損益構造は、「営業利益10%」「講師料は売上高の20%」「宣伝広告費は売上高の10%」「地代家賃は売上高の15%」

・顧客の外見や内面の問題を解決して対価を得る産業は「コンプレックス産業

・子供の習い事のデータでは、お母さんの悩みは「お金」「時間」「継続」。また、3割の人が習い事に月額2万円以上使っている

・成人の6割以上が生涯学習をしたいと考えている。始めるなら趣味的なものからで、他の人と親睦を深めたり、友人作りを求めている

・「時間がある人」「お金がある人」「結果をすぐに求めない人」という条件は、スクールでの有力なターゲット

・プロのデザイナーによるキャラクター作成には費用がかかるが、イメージ戦略には重要

・生徒募集時期を限定してしまうことにより、本来集客できる客を逃してしまうこともある。カリキュラムの問題もあるが、随時募集して、途中入会の生徒も問題なくできるカリキュラムを考えればいい

・スクールの新規客の集客方法のベスト5は、
1位「口コミ」 2位「折り込みチラシ」 3位「地域情報誌などへの広告」
4位「インターネット」 5位「公共の場の掲示板」

・「2対6対2の法則」とは、10名に面談したら
2名は、必要性を感じ、すぐに入会してくれる人
6名は、緊急性を感じていなく、迷っている人
2名は、全く興味のない人
ということ

・すでに多くのスクールがあれば、必要性を感じている2名は、既存スクールに入会している可能性が高い。その地域でチラシなどのマス媒体を使って宣伝してもあまり効果はない

・体験レッスンの日時設定は、その日を含めて3日以内にする。契約率は3日以内が80%、6日以内が60%、6日以上が40%。「鉄は熱いうちに打て」でないといけない

・教材販売をしないかわりに「年会費」を導入。年会費の徴収は、途中でやめるのはもったいないよと無言で語りかけてくれる。これは、高額の教材販売と同じ効果を生む

退会理由で多いのは次の3つ
距離が遠くて(距離に対する不満)
実はお金がなくて(金銭に対する不満)
子供が行きたがらないので(スクールに対する不満)

経営を安定させるための、副収入になるのは、
「簡単な教材を作成して販売」(絵カード、自宅用教材など)
「イベントの実施」(夏休み北海道キャンプ、短期海外学習、冬休みスキーキャンプなど)
などがある



著者は、理論と実践の繰り返しで、スクール運営のノウハウを身につけてきたのだと思います。文章に説得力があります。

自己固有のノウハウを、お金に換える手段として、講座、教室を持つことも大事です。また、どんな会社でも、集客のためのセミナー運営などで、スクール運営のノウハウが必要になっています。

人の知識、ノウハウをお金にする仕事に携わっている方には、非常に役に立つ1冊ではないでしょうか。
[ 2010/01/31 08:29 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『暗示力を磨け!』武藤安隆

暗示力を磨け!暗示力を磨け!
(2008/05/14)
武藤 安隆

商品詳細を見る

子供のころ、先生から言われたことは、結構憶えているものです。特に、褒められた時のことは、ずっと憶えています。

その後の人生に、その言葉が、大きな影響を及ぼしているようにも思います。言ってみれば、先生の褒め言葉という暗示にかかってしまっているのかもしれません。

自分自身も、先生、上司、お客さんから褒められたことは、ずっと憶えています。
例えば、
・絵上手いね
・書道を本格的に勉強したらどうだ
・報告書のまとめ方いい出来やね
・話の説得力あるね
・分析力すごいねえ
などと言われた何気ない一言(他者暗示)が自分の心のよりどころになっているようにも思います。

この本の「暗示力を磨け」の後半部分は、著者の専門分野の催眠療法の具体的手法が書かれていますが、前半の「暗示に対する考え方」だけを読んでも、暗示効果を実感できるのではないでしょうか。

この本の前半だけでも、参考になった箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・心の持ち方は言葉の使い方と密接に結びついている。口に出すにしろ、心の中で思うにしろ、自分の使った言葉に暗示されてしまう。心を上手に運転するには、暗示を効果的に利用することが重要

・心の余裕が持てず、イライラ、カリカリして、「ムカつく」「早くしろ」「まったくもう」などの言葉を思ったり、発したりするのは要注意。この「小さな不幸」に遭遇したとき、気をつけないと、自分をさらに不幸な状態に追い込む

・イライラ、カリカリするのは、本当はそうしたくないけれど、ついそうしてしまっている。つまり、「意識」ではなく「無意識」がやっている。この無意識の中には、「アンハッピーマインド」が存在している

・過去の不幸を記憶し、同じ不幸を選ぶのが「アンハッピーマインド」。過去の幸福を記憶し、幸福を選び、生み出すのが「ハッピーマインド」。問題は、ハッピーマインドとアンハッピーマインドのどちらが強いか?ということ

・強力ハッピーマインドの持ち主は、子供のころに、非常にポジティブな人の影響を受けた(ポジティブに考える両親に育てられた)か、人生の途中で大きな出来事に遭遇して、人生観がガラッと変わったかのどちらか

・「周りの人ができるのに、自分はできない」状況は、子供にとって劣等感のもとになる。そのとき、そばにいる大人が「今はできなくても、そのうちできるよ」と励ますとハッピーマインドが育つ。笑ったり、馬鹿にすると、アンハッピーマインドが育つ

・子供のころ、しょっちゅう嫌な目に遭った人は、「また嫌なことが起きるんじゃないか」と心配するようになる。そして、実際に嫌なことが起こる度に、心配する気持ちが強くなり、やがて心配癖が定着する

・漠然とした自信のなさ(劣等感)は、本人が自覚してストップをかけない限り、アンハッピーマインドがその自信のない状態を続けようとする

・「これさえなければ」「あれさえあったら」と嘆くのは、不満の種を見つけ出しては、自分で自分を不幸にする心の癖。それは、アンハッピーマインドがやっていることに気づくことが大切

・暗示には「他者暗示」と「自己暗示」がある。他者暗示にはプラスの暗示マイナスの暗示がある。私たちは他人の言葉によって、何らかの影響を受けている。言葉を発した人たちから、意図的ではないが、暗示をかけられている

・マスメディアから大量に流れてくる言葉は暗示となって、私たちの思考、感情、行動、生き方にまで多大な影響を与えている。まさに、暗示漬けの毎日を生きている

・他者暗示にかかるかどうかは、「自分がそれを受け入れるかどうか」にかかっている。これは「他者暗示であっても、最終的には自己暗示」ということを意味している。つまり、「結局、みんな自己暗示」

・他者暗示であろうと、自己暗示であろうと、ネガティブな暗示は断固拒否し、常にポジティブな自己暗示を続けているのが真の暗示力

・自己暗示の効果を上げるには、アンハッピーマインドが働かないようにする必要がある。そのために役に立つのが「トランス状態」。ウトウトとまどろんでいる状態、リラックスして、多少ホワーンとした状態のこと

・自分に向かって「あなたは」「きみは」という他者暗示的自己暗示(人に言われている声を聞く)の方が、「私は・・・です」「僕は・・・できる」の自己暗示より、ずっと勇気づけられ、自信が持てると言う人が多い

・どういう思いであれ、抱いている思いがその人の現実を作り出していく。暗示力というのは、暗示によって否定的な思いを肯定的なものに変え、人生をより良いものにしていく力のこと

・手帳に暗示文を書き、毎日それを見るのもひとつの手。携帯電話に暗示文をメールにして送信する手もある。その場合、他者暗示的自己暗示にして送ると、誰かに言われているようで、勇気づけられ、励まされる



記憶は不確かですが、昔読んだ、天才バカボンの漫画の中で、猫のニャロメが、周りのみんなから、「お前は犬だ!」と言われ続けます。

当初は、「俺は猫だニャロメ!」と強く言っていたのが、だんだん自信がなくなり、とうとう最後に、「俺は犬だワン!」と言ってしまいます。

このシーンが印象に残っているのですが、この話は、暗示の怖さを物語っているように思うのです。

このように、他者から悪い暗示をかけられないよう、自分にいい暗示をかけるように、自分を見張っておかないと、人生が間違った方向に進んでしまうのではないでしょうか。

そうならないためにも、暗示力を磨く必要があると思います。

人生が思いどおりになっていないと思える人は、再度、いい暗示をかけるために、この本を参考にすべきなのかもしれません。
[ 2010/01/29 09:46 ] 出世の本 | TB(0) | CM(0)

『神様に選ばれるただひとつの法則』三浦博史

神様に選ばれるただひとつの法則~人生を勝利に導くコミュニケーション術「プロパガンダ」~神様に選ばれるただひとつの法則~人生を勝利に導くコミュニケーション術「プロパガンダ」~
(2007/10/05)
三浦博史

商品詳細を見る

三浦博史氏は、選挙プランナー選挙参謀として活躍されている方です。しかも現役バリバリなので、最近の選挙に勝つ方法を熟知されています。

この本を読んで、われわれ選挙民が考える、現代の人気者とは?どんな人なのか知ることができました。

人気者になる秘訣がわかれば、商売においても、仕事においても、成功が保証されたようなものです。

この本で、納得しながら読めて、参考になった箇所が25ほどありました。「本の一部」ですが、これらを紹介したいと思います。


・なぜ、「自己PR術」と「コミュニケーション術」が重要なのかと言えば、人生は人気投票だから

・あなたの人生がうまくいくかどうかは、「あなたの味方になってくれる人」「あなたを理解してくれる人」「あなたを応援してくれる人」が何人いるかで決まってくる。このように、人生で成功するためには、多くの人に理解され、支持される必要がある

・プロパガンダとは、「自ら働きかけて自らの思う方向に他人や集団を動かすこと」。つまり上手な誘導。これは、「自分の意図を個人や集団が自発的に受け入れるように仕向ける」宣伝力ということ

選挙PR宗教PR商業PRのすべてがプロパガンダ。こちらから働きかけて、投票したい、信者になりたい、商品を買いたいと思わせ、実際に行動をとらせることができればプロパガンダとして成功

・選挙PRと宗教PRには、多くの共通点がある。その共通点こそ「熱伝導」。その人に投票したい、信者になりたいというのは熱伝導によって広がる。熱が高いほどメッセージは確実に広がっていく

・人や集団を動かす基本は一つしかない。古今東西を問わず「熱伝導」と「インスパイア

・現代のプロパガンダで最も先進的なところと言えば、アメリカのハリウッドがその代表格。完成した映画をいかに多くの人に見てもらうか(興行成績を上げるか)、その成功のために、プロパガンダのプロたちが、頭と金を使っている

・バッドマンでもスーパーマンでも必ずヒーローに匹敵する大物の悪玉が必要。二極対立を浮かび上がらせ、相手を悪玉にする手法は「ザ・クイズ」と呼ばれている

・日本人は大きな誤解をしているが、アメリカのネガティブキャンペーンの神髄は、事実に基づいて、相手候補を批判する(フェアなパンチを浴びせる)ところにある

・比較的短期間に自陣営を有利に持っていく手法としてサプライズ手法があり、風向きを変えさせる効果がある。どれだけ人々を引きつけるような大きな驚き、インパクトを提供できるかが勝負になる

・コンプレックス(足りない部分)をカバーしてPRすることを「コンプレックスカバー」と呼び、プロパガンダの手法の基本。自分に足りない部分をカバーしてくれる人とタッグを組んだり、欠点を補完し合うことを意味する

・「仕事の能力があるない」以上に、「かわいい、かわいくない」といった好感度嫌悪度で出世が決まる。実際、上司から見て自分の後任を決める際、「裏切らない奴」と思われている人の方が、仕事ができる人よりも出世することが多い

・公開討論会で重要なのは、相手候補に議論で勝つことではなくて、あくまで候補者としての自分の好感度を有権者に高めるアピールをすること。議論に勝っても、空間(議論している場所)を出た後で、「やっぱり相手の方が良かったな」と思われたら負け

・アメリカの選挙プランナーがよく使う言葉に「インスパイア(入魂)」と「インパクト(印象)」がある。インパクトをPRするにもインスパイアが必要。インスパイアされたものが熱源となり、熱伝導を起こさなければプロパガンダは成功しない

・選挙事務所に行って陰気だと感じたら、陽気な人間、若い人を入れると陽気になる。高齢者の患者しかいない陰気な病院に、誰かの孫がお見舞いに来たら、陽気な雰囲気にがらっと変わる。同じように、仕事を成功させるにはチーム内の空気を陽にすること

・丁寧に心を込めてつくったものは、インスパイアされる。また、新しいチャレンジも、インスパイアされる。欧米では「ニューヒストリー」という言葉が使われるが、マンネリ化せず、常に新しい歴史をつくろうとする意欲、情熱がインスパイアの第一歩

・現代は、かつての大衆を相手にした扇動的なプロパガンダでは人は動かない。熱伝導によってプロパガンダが一人一人の個人に浸透していき、最終的に多くの人々を動かすことができる

・ピラミッドの頂点からいくら指令を出しても、なかなかその構成員は動かなくなった。選挙で人や集団を動かすためには、火と同様、熱伝導で下から上へ伝えていくのが最も効率がいい。今の時代は底辺からプロパガンダした方が効果的

・熱伝導で「この人のここが好き!」「ここがすごい!」「ここが素晴らしい!」と伝わる重要な要素は感動。感動にはメッセージとなりうる「情報」が必要となる

・感動という点でいえば、最近、選挙候補者の駅前辻立ちは、乗降客の多い通勤時間帯より、始発や終電の時間の方が効果的になってきている

・背水の陣が熱い熱源をつくる。失敗したら後がない、失敗したら辞めなくてはいけないといった気持ちで臨むと、周りの人たちにも熱伝導が起こり、上手くいく可能性が高まる

・成功している政治家や芸能人といった「外見力」を重視する人たちは、朝、家を出てから、夜、ベッドに入るまで、最高の自分を演じる「心の化粧」をしている人が多い

・「心の化粧」のトレーニングには、「自分がいいと思った人をマネる」ことと「一番すてきに写っている自分の1枚の写真をいつも見て、その顔と同じ顔をする」こと

・人間は真実を話す時、大きな声は出さず、やや控えめな声でゆっくり話す。「もの静かにゆっくり話す」と相手に安心感を与える。声は外見をサポートする大きな武器

・目線は相手を直視、またはやや下から見上げることが基本。目線のポジションによって、偉そうに見られてしまい、好印象を与えられなくなる

・松下幸之助は、「愛嬌があれば、人に好かれる、人に助けられる。後々伸びていくのはそういう人間や」「立派で優秀な人間でも運がないと、何をやっても成功せん。そういう人を集めたら組織は成功せんのや」と面接時に、最も重視したのが「愛嬌」と「運の良さ

・「勝てそうな人運の良い人」の見分け方の一つは、年齢に関係なく「元気」と「気力」がみなぎり、この初心を忘れない「謙虚さ」を兼ね備えている人。ワクワク、ドキドキしながらスタートラインに立つ、緊張した気持ちをいつも大切にしている人に運がつく



選挙に勝つということは、戦国時代で言えば、戦争に勝つことを意味します。つまり、命を懸けて背水の陣で臨むことが求められます。

この現代の戦に勝つための最適の方法論が、この本に、載っていました。仕事だけでなく人生の処世術にも、応用できます。

視点を変えて読めば、本当に役立つ1冊になるのではないでしょうか。
[ 2010/01/28 08:10 ] 営業の本 | TB(0) | CM(0)

『運と気まぐれに支配される人たち-ラ・ロシュフコー箴言集』

運と気まぐれに支配される人たち―ラ・ロシュフコー箴言集 (角川文庫)運と気まぐれに支配される人たち―ラ・ロシュフコー箴言集 (角川文庫)
(1999/06)
ラ・ロシュフコー

商品詳細を見る

ラ・ロシュフコーは、世間一般には、それほど知られていません。

私も、読んでよかった本の多くに、その名前が登場することで、存在を知りました。それは、つい10年前くらいのことです。

ラ・ロシュフコーは、今から400年ほど前に、フランス貴族の子息として生まれました。後に公爵となり、ルイ13世に使えて活躍します。

ところが、陰謀と策略にはまり、ルイ14世摂生後、失脚しました。そして、屈辱の身で故郷に帰り、失意の中で、文人となった人物です。

生涯に、たった200ページほどの小冊子を書いたにすぎませんが、世界文学の中で異彩を放つ存在になっています。

この箴言集は、ニーチェ、トルストイ、芥川龍之介など、数多くの作家たちの座右の銘となり、大きな影響を与えてきました。

この本には650の箴言がまとめられています。その中で、人間観察の鋭さに感銘した箇所が35ほどありました。「本の一部」ですが、それらを紹介したいと思います。



自己愛は、この世で最もずるい奴より、もっとずるい

・情念はえてして、最も有能な人物を愚か者にする。かと思えば、最も愚かな人を有能にもする

・偉人たちといえど、非運が続けばついに屈服してしまうところを見ると、彼らが今まで耐えてきたのは、野心力によるものであって、魂の力によるものではないことがわかる

・私利私欲は、あらゆる言葉を喋り、あらゆる役柄を演ずる。無私無欲の役までも

・哲学者が富を軽蔑したのは、自分たちの値打ちを認めてくれず、財産を恵んでくれなかった運命の不正に復讐してやろうという欲求のせいである

・沈黙とは、自信なき者の最も安全な手段である

・われわれが敵と和解するのは、こちらの体勢を立て直したいか、戦いに疲れたか、はたまたこちらの形勢が悪い、というときに限る

・われわれは、人とつき合う場合、とかく、長所より、短所のせいで気に入られる

・たまに自惚れることでもなければ、この世にそう楽しいこともあるまい

・最も抜け目のない連中は、いつも策略を非難する振りをし続ける。ここぞというとき、これぞという利益を狙って、それを用いるために

・人は、ふつう、誉めてほしいから、誉めるのだ

・お世辞は贋金である。われわれの虚栄がこれを流通させる

・清廉、誠実で、礼儀正しい振る舞いが、はたして、誠意の現れなのか、抜け目のなさなのか、判断するのは難しい

・われわれが新しい知り合いの方に傾いていくのは、旧友に飽いたとか、変化を喜ぶとかというより、われわれを知りすぎている人たちに、それほど敬服されていないのが気にくわないのだ

・われわれは、ある人の栄光にけちをつけるために、別人の栄光を称えたりする

・まことの紳士とは、何事も、自慢しない人のことである

・流行歌みたいな人がいる。ちょっとの間、歌われるだけだ

・たいていの人は、人間を評価するとき、その人の人気か運しか見ない

・名誉は好きで、恥辱は嫌い。立身出世はしたいし、安楽で快適な暮らしは送りたい。他の奴らにも負けたくもない。こういう気持ちが、世にもてはやされる勇気の動機である

・完璧なる勇気とは、皆が見ている前でできることを、誰も見ていなくともできることだ

・悪人にでもなれる力を具えていなければ、善人だと誉められる資格はない。つまり、お人好しなど、まずたいてい、意志の怠惰か無力か、そのいずれかにほかならない

・礼節とは、自分にも礼儀を返してもらいたい、礼儀正しいと思われたい、こんな願いの現れである

・素朴らしく振舞うとは、いかにも手のこんだ詐欺である

・全然偉いと思わない人々を、好きになるのは難しい。かといって、われわれよりはるかに偉いと思う人々を、好きになるのも難しい

・こちらの方から良いことをしてあげよう、という立場にいるかぎり、恩知らずには出会わないものだ

・われわれが小さな欠点を白状するのは、ひとえに、大きなものは持っていないと承知させるためだ

・小人物は、小さなことにひどく傷つく。大人物とは、何もかも知り尽くし、少しも傷つかない人のことだ

・人間一般を知るのはた易いが、一人の人間を知るのは難しいのだ

・親切なつもりの人々が、ふつう持っているのは、ご機嫌とりか、気の弱さか、そのどちらかにすぎない

・人は、ふつう、悪意より、虚栄のために、悪口を言う

・無い気持ちを有るように見せかけるより、有る気持ちを無いように包み隠す方が、難しい

・葬式の派手なのは、死者の名誉より、生きている人の虚栄と関係が深い

・人に好かれるという自信が、しばしば、その人を好かれなくする



ラ・ロシュフコーの文章は、誰もが持っている人間の現実を抉り出すので、つい目を背けたくなります。

こういう箴言が嫌いな方もいると思いますが、組織の中で働き、自分以外の人たちを背負って生きている人は、目を離すわけにはいかないはずです。

というのは、現実に目を背けて、正しい判断を下すのは難しいからです。そういう意味で、リーダー必携の書でもあります。

人間嫌いになる前に、是非読んでおきたい1冊です。

『本多静六-人生を豊かにする言葉』

本多静六 人生を豊かにする言葉 (East Press Business)本多静六 人生を豊かにする言葉 (East Press Business)
(2006/03)
本多 静六池田 光

商品詳細を見る

本多静六と言えば、勤倹貯蓄を唱え、巨万の富を築いた資産家として有名になっています。

しかし、本当の姿は、明治期にドイツに留学、その後、東大農学部教授となり、数々の公園を設計した人です。

明治期後半~昭和初期にできた、全国に今も残る大きな公園のほとんどすべてが、本多静六の開発、設計及びその関与によるものです。

本業である公務を立派にこなしながら、巨万の富を築いたところが、非凡極まるところです。

この本は、本多静六が遺した、「お金」「仕事」「人生」に対する考えを網羅した書です。まさに、「人生を豊かにする言葉」のオンパレードです。

その中で、私自身、ためになると思えた箇所が15ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・本業第一たるべきこと。本業専一たるべきこと。一つのことに全力を集中して押し進むべきこと。これが平凡人にして、非凡人にも負けず、天才にも負けず、それらに伍してよく成功をかち得る唯一の道である

・人間奮起するのに、いまからではおそいということは決してない。本人一代のうちに余年がなければ、きっとだれかが代わってこれを完成してくれる

・「時を見る」のと「時を待つ」のが成功の秘訣で、時を味方に引き入れなければ何事も成就するものではない

・貧乏や失敗は、人間が一人前になるのに、どうしても一度はやらねばならぬハシカだから、同じやるなら、なるべく早いうちにやるがいいねえ

・貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤勉貯蓄につとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬ

・子供自身が必要な財産を自ら作り得るよう教育練成をほどこし、親のこしらえた財産などは、一切当てにしない人間にすることが、はるかに重要な問題である

・「老人自戒七則」
1.名誉やお金や歳にこだわらず努力を楽しむ。ただし、他人の名誉などは尊重する
2.人の話を傾聴し、問われない限り語らない
3.自慢話、昔話、長談義を慎み、同じ話を繰り返さない
4.若い人の短所、欠点、失敗を叱らずに、相手の立場に立って善後策を助言する
5.若い人の意見、行動、計画をできるだけ生かし、さらに引き出していく

・人生の最大幸福は職業の道楽化にある。富も、名誉も、美衣美食も、職業道楽の愉快さには比すべくもない

・人に好かれる交渉術
十分に人の意見を聴いた後に自説を持ち出す
人の意見の尊重は、結論の共同責任を負わせ、皆の感情を損なわせない
何から何まで自分の考えどおりに運ぶと、実行段階で誰も協力してくれない
大事な骨子だけは守って、あとの七八分は他人の意見に花を持たせる

・金儲けを甘くみてはいけない。真の金儲けはただ、徐々に、堅実に、急がず、休まず、自己の本職本業を守って努力を積み重ねていくほか、別にこれぞという名策名案はない

・常に明るい顔、明るい態度がとれるならば、人からも可愛がられ、引き立てられ、やがては華々しい成功の基となるのである

・自惚れの「大出し」はいつも禁物。人に目立たぬよう、人に笑われぬよう、人にそしられぬよう、ジワジワと「小出し」にするに限る

・世の中には、即時即決を要する問題も多いが、また往々にして、この「知らぬ顔」が一番いい解決方法になる問題も少なくない

・人間とは計画生活を行う動物なのだ

・老衰にはだいたい二種類あって、頭のほうから年をとる人と、足のほうから年をとる人とがある。その両方を年とらないように心掛けておりさえすれば、だれでも、いつまでも、元気に働きつづけられる



この言葉の数々は、大学教授というよりか、活力漲る実業家が発したもののように感じました。

本業を持ち、その仕事を疎かにせず、しかも裕福になりたいと考える人。要するに、人生を豊かにしたいと思う人には、今昔関係なく、参考になる本ではないでしょうか。
[ 2010/01/25 09:03 ] 本多静六・本 | TB(0) | CM(0)

『エドガー・ケイシー名言集-知恵の宝庫』

エドガー・ケイシー文庫031 知恵の宝庫?エドガー・ケイシー名言集エドガー・ケイシー文庫031 知恵の宝庫?エドガー・ケイシー名言集
(2006/02)
林 陽

商品詳細を見る

10代~20代のころ、スピリチュアルなものが好きで、多くの本を読みました。30年以上前に、すでに、エドガー・ケイシーの本を2冊読んでいました。

今は、霊的な存在について、あるかもしれないし、ないかもしれないと考えており、証明できないことなので、発言はできるだけ控えています。

しかし、個人的には、今でも好きで、そういう書物を読んだり、パワースポットと言われる所に行ったりしています。

エドガー・ケイシーは、アメリカの霊能者預言者であり、前世鑑定、医療診断などを行っていました。すでに亡くなって65年が経っています。

彼は、膨大な口述筆記を遺しており、素晴らしい言葉がいっぱいあります。その中から「知恵の宝庫」となる文章を900弱選び、翻訳したのが林陽氏のこの本です。

この本の中から、さらに、オカルト的なもの、宗教的なものをできるだけ除き、自分なりにいいと感じた言葉を選んだら、30ほどになりました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・機会は常に存在するのであり、けっして遠ざからない。機会を生かすこと。使いこなすこと。これが幸運な人生を作り上げる

・愛は自分の中にあるものを捨てること。これは誰もが学ぶべき最初の課題

・幸福とは自分を離れたものを愛すること。自分しか愛せない人は、けっして幸福を知ることができない

信頼される人になりたければ人を信頼すること。友達がほしければ友達になること。能力がほしければ持っている能力を使うこと

・ささいなことが、人生経験と人間関係を作り上げるもの。あなた自身の気持ちに誠実であること。そうすれば、人を欺けなくなる

・他人の陰口をたたいたり、欠点を探し回る人は、自分の欠点をさらしているようなもの。自分の吐いた言葉は、いつか自分に返ってくる

・あら探しをやめること。そうすれば、多くの欠点があなたから消える。よいことが言えないのなら黙っていること。最悪といわれる人にもよいところがあるもの。それなら、最善といわれる人が他人の悪口を言うのは矛盾している

・自分を責めてはならない。自分を責めることは、人を責めるのと同じほどの過失

・思いも「物」。思いは、思いに働きかけて、目的と活動を呼び起こし、人生をかたどる

・思いは行い。思いは、行動に移す選択の力によって、犯罪も奇跡も生み出す。誰でも、思想を表現する「内なる生」と、目に見える「外なる生」の二つを生きている。あなたはこの二つを一致させているだろうか

・ささいなことで腹が立つときには、自分に落ち度がないか探ること。理想に照らしてみて、自分に過失がないとわかっても、声をあげてはならない

・疑いの念を抱き続けている間は、あなたは壁を作っている

・人は多くを期待すれば、多くを得る。ほとんど期待しなければ、ほとんど得ない。何も期待しなければ何も得ない

・忍耐、辛抱、粘り強さはすべて徳に直結する。しかし、他人から強制されて、その意のままになり、自分を省みずにいることは徳ではない

・自分のしていないことを人に求めてはならない。生きた実体験としていることだけを、人に求めること。このような生き方をすれば、平和の多い人生を末永く過ごせる

・成長すればするほどあなたの理解も増してくる。理解の広がりと共に、あなたは、ますます謙虚に、辛抱強く、忍耐強くなる

・過去は後ろに置き、今、あなたのいるところから始めること

・絶えざる成長が魂の目的

・成功が生きる目的になってしまえば、地位と財産が失われることが往々にしてある。成功は常に結果であるべき

・進歩しようと退歩しようと、そこには動きがある。何よりも肝心なのは動くということ

・横に立って自分の移り変わる姿を見つめること

・誰にでも就ける優れた仕事が家庭。家庭作りほど優れた職業はない。それは魂が究極的に求める紋章のようなもの

・あなたは自制を学ぶまでは結婚してはいけない。弱い相手を支配しようとするから。人は支配されるべきものではない。導くべきものであって、強いることはできない

・悪意をもってはいけない。悪意は争いしか生まない。怒りを抱いてはならない。怒りは心身を混乱させるだけ

・若さを保ちたければ、いつも朗らかでいること。いつも愛想よくすること。いつも親切にすること

・人は楽な方法では成長しない。神は愛する者を鞭打ち、愛する者を試す

・歩むべき道は日々示されている。あきらめる人は道を見出せない

・正しい決断をするには、まず、自分の心に問いかけて、「はい」か「いいえ」で答えを得る。次に瞑想して、深い意識に同じように問いかけること。二つが一致すれば、行動に移すこと

・過去の光景、今の光景、未来の光景が夢に現れる。潜在意識には、過去も未来もなく、すべてが現在

・わがままやうぬぼれや自慢のために人生を利用する人は、自分自身を堕落させて、後で償わなければならない

・人間の思想と行動は、時間と空間を貫いて、そこに記録を残す。思考し行動した結果が今のあなた

与えること。それは4倍になって戻ってくる。受けたければ、とことん与えること



霊能者、預言者の言葉なのですが、言っていることは、古今東西の知恵者が遺している言葉とあまり変わらないと思います。

普遍的なことは、こちらの世界でも、あちらの世界?でもそんなに違いはないのかもしれません。

エドガー・ケイシーの本は、スピリチュアル入門書として、面白いのではないでしょうか。
[ 2010/01/24 09:34 ] 人生の本 | TB(0) | CM(2)