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「・・・とは」「・・・人とは」を思索
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『失敗の予防学』中尾政之

失敗の予防学―人は、なぜ“同じ間違い”を繰り返すのか失敗の予防学―人は、なぜ“同じ間違い”を繰り返すのか
(2007/10)
中尾 政之

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成功する生き方は、失敗しない生き方に通じます。

この「お金学」でも、「お金を稼ぐ方法」より、「お金を使わない方法」をマスターしたほうが、お金が貯まっていくという考え方です。

攻めか、守りか、どちらが大事かと問われたら、世の中は、7:3で守りなのかもしれません。

失敗の予防学」の著者は、東京大学大学院の中尾政之教授です。「失敗学」の第一人者で科学者です。しかし、この本は、失敗の予防策を一般読者向けに、わかりやすくまとめられており、読みやすく、ためになります。

この本の中で、ためになった!と感じた箇所を、紹介したいと思います。



・仕事のできる人は、自分の失敗だけでなく、他人の失敗も「他山の石」として知識化し、教訓化している。「人のふり見て我がふり直せ」が失敗学の真髄

・愚者は体験(自分の失敗)に学び、賢者は歴史(他人の失敗)に学ぶ

・重要なことは、失敗したことをただただ反省することではない。また失敗した人を責めることでもない。失敗を引き起こした仕組みやシステム、構造に着目して、改革することにある

・自分が悪いと考えれば、即座に対策を考えます。人のせい、環境のせいにしていたら、ワンテンポ、対処が遅れる

・失敗の3原因は、「1.無知」(安全義務の法律があることを知らない)「2.無視」(法律は知っているが、作業がやりにくいので使わない)「3.過信」(私に限って大丈夫だと考え、使わない)

・42人のエンジニアを集めて、自分の失敗を犯したときの心理を分析したら、無知35%、無視9%、過信17%で、計61%が失敗の3原因だった

・失敗は隠したい。隠したら損か得か。具体的に調べたところ、組織にとって、隠すのは、損。普通は隠すと10倍返しで損になる。これは、失敗学のキモである

・自分勝手な“カイゼン”は命取りになる(自己過信の法則)

全米レストラン協会によると、不満を持った客の4%しか、店に直接クレームを言うことはない。クレームの怖さは、クレームを言わない残り96%のうち、91%が二度と来店しなくなること。1件のクレームの裏には、これだけ多くの時限爆弾が内包されている

・重要なことは、一度起こした失敗を二度と繰り返さない方策を、できるだけ具体的に打ち立てること

・失敗学の観点からいえば、「とりあえずやってみよう」の出たとこ勝負というのは、早い話が思考停止、議論中断を意味する

・エンジニアが誤判断した理由を調べたら、「1.リーダーシップ能力不足(過信)」16.7%「2.危険予知能力不足(無知)」34.8%「3.部分的思考停止(思い込み)」24.0%「4.全面的思考停止(改善を無視)」9.0%「5.無思考状態(無意識)」15.4%であった

・マンネリは大敵。世阿弥も「花伝書」の中で、面白いことは新しいこと、花も散るから美しい、どんなに面白い芝居でも、何度も見ると飽きると言っている。マンネリを避けるには、組織の中に絶えず新しい人種を入れること。全滅を避けるための大事な知恵である

・企業にとって優先順位の筆頭はコストではなくブランド。いくら金がかかろうともブランド(のれん=信用)を守るという企業体質が顧客の信頼従業員の忠誠心を高く保っていることに気づかなければならない

・労働災害のデータによると、経営トップが安全管理に意識して取り組んでいるか否かで罹災率は3倍違ってくる

・三井家三代目の高房は、京都商人の没落事例(大名貸しや投機的商売、過度の遊芸や信仰)を整理して、「町人考見録」を書いた。三井家は呉服屋と両替屋として江戸時代を生き抜き、現在まで生き残った

三井高房が「町人考見録」でさんざん戒めたのに、四代目高美は宗教に傾倒し、寺院に莫大な寄進を行い義絶。七代目高就は美術品に散財しすぎて謹慎。しかし、三井家では1710年から大元方という統括機関が外部的に商売を行い、内部的に乱れてもビジネスは破滅しなかった

・事態が時々刻々と変化するスピード時代においては、ベストだけでなく、セカンドベストサードベストというように、優先順位のランキングを頭の中に想定しておくことが大切

・(決めたことだから)→(金をかけた以上何とかしたい)→(メンツが立たない)→(社長の命令だからやめられない)と時間の経過とともに、失敗による損失が膨らむ

・松下幸之助は、30年前、明らかな失敗であった、売れない電卓6億円の在庫に対して、「もう売れんのやろ?」「全部捨てい」「捨てられんかったら、わしが買うたるわ」と言った。そして「みんな、さっぱりしたやろ」とまた、ひとこと言って、会議は終わった

・失敗することがわかったとき、重要なことは、被害、損失、コストを最小限に抑えることに尽きる。どうすれば手仕舞いできるか考えておく

・失敗の危機管理のコツは、事前にシナリオを次の3種類用意しておくこと「1.あるべきシナリオ(希望的観測)」「2.こうなるシナリオ(現実的シナリオ)」「3.ありうるシナリオ(最悪の事態を想定)」

・常識の8割正しい。しかし、残りの2割は間違い。こう思うくらいでちょうどいい

・一極集中には、メリットも多くあるが、システム全体に重大な影響を及ぼすデメリットも内包する。一極集中は7割までに留めておき、残りの3割を保険にする

・「会社のため、よかろうと信じてやったが、たまたま失敗した。これを教訓に次は成功してほしい。恥じることはない」という「失敗を憎んで人を憎まず」の精神で従業員に対したい

二番煎じではどんなに頑張っても創業者利益はとれない。これを称して「成功の復讐」と呼ぶ

・たとえ失敗しても、いつかリベンジしてやろうという気持ちをどこかに持っていないと、成功をものにはできない

・松下幸之助は「失敗したら自分が悪い成功したら運が良かった」徹底してこう考える人だった

失敗の予防法則は大まかには次の8つ

1.他山の石の法則(人のふり見て我がふり直せの実践)
2.慢心の法則(反省に耳を貸し、失敗の予兆をとらえる)
3.隠蔽の法則(正直にデータを公開して原因調査)
4.大本気の法則(失敗後の行動方針を社是として設定)
5.希望的観測の法則(行動するときは事前に仮想演習
6.慣性の法則(企画変更すべきとき、不作為を決め込まない)
7.油断の法則(失敗後は対症療法ではなく、構造的な根本対策
8.失地挽回の法則(転んでもタダでは起きない

・失敗学の目的は「成功すること」。その目的の手段が失敗学。「失敗を生かして成功を勝ち取ろう」



最後に著者が、言われているように、成功するために失敗があるのだと思います。

他人の失敗をタダで学ぶ「人のふり見て我がふり直せ」の精神は、お金のかからない成功法です。

この本では、著者が他人の失敗を体系化されています。それは、他人の失敗をいっぱい集め、まとめているということです。そう考えたら、これはお得な本だと言えるのではないでしょうか。

[ 2009/10/30 07:49 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『データでわかるモノの原価』お金のナゾ調査隊

データでわかるモノの原価データでわかるモノの原価
(2005/12/22)
お金のナゾ調査隊

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お金を貯める方法>お金を稼ぐ方法(2)」の記事にも書きましたが、モノの原価を知れば知るほど、買い物をするのが馬鹿らしくなってきます。そして、消費に踊らされている自分が情けなくなります。

そうした知識が身につくと、自然とケチになります。そして、ムダ遣いしなくなります。

例えば、今の私の生活は、

タバコを8年前にやめた。パチンコは10年以上行っていない。宝くじも10年以上買っていない。今の車は12年目に突入、3年前から自転車を頻繁に利用。古い服は捨てないで部屋着として利用。生命保険は5年前に解約。ハンバーガーはセットで注文しない、等々。

ケチの第1段階「安く買う」から、
ケチの第2段階「安くても買わない」へと突入しています。

ケチではなく、賢い消費者だと考えていますので、周囲の視線も気にすることはなくなってきました。

お金を貯めたいと思っているなら、モノの値段のカラクリが載っている本を読むべきだと思います。モノの哀れを知り、モノが買えなくなり、自然と節約できるようになります。

モノの原価を解明する本は、数々ありますが、この「データでわかるモノの原価」は、数値や図式を使い、しつこく解明している良書です。

この本の中に記載されている数ある商品例の中から、15例ほど紹介したいと思います。



・清涼飲料の原価は、アルミ容器25円、中身5~15円で、製造原価は計30~40円

・牛丼の材料原価は、肉40円、米65円、玉ねぎ・タレ・ショウガ・七味40円、計145円。原価率は50%前後。外食産業の食材原価率は30%前後だから、利益を出すには多売が原則

・ハンバーガーの原価は、パン10~20円、肉15~45円、野菜20~40円、ソース10円で計55~105円。どの会社もハンバーガーの原価率は40%の水準。ポテトと飲料の原価率は約20%。セットメニューで原価率を30%に抑えて、利益を生み出している

100円均一商品の原価率は、文房具、コップ・カップなどは10~20%、衣類、台所用品、化粧品などは30~60%、電化製品、カップめんなどは60~90%

・化粧品の材料費は、定価の30分の1~200分の1。口紅で10円以下、クリームで数十円と言われている

・宝石の製造原価は35%前後。小売の仕入値は、売価の50%。売価を上げて、粗利60~70%稼ぐところもある

・粉末ウコンの平均的な仕入値は1kg当たり春ウコン2200円、秋ウコン1100円。通販メーカーの粉末ウコンは100g当たり春ウコン1500~3000円。秋ウコン500~3000円ほど。原価率は10%くらい

棺桶の木材原価は3000円前後。そこに加工代金、利益が上乗せされた結果、葬儀社への卸値は15000円前後。そこに布団、死装束、人件費などを含めて、10万円ほどの価格になる

・600円のラーメンの原価は、麺50~60円、スープ70~80円、チャーシュー30円、トッピング20円で計180円。材料原価率は30%ほど

・1枚100円のチョコレートの原価は、カカオ豆相場が1t2万円前後なので、1枚当たり5円。パッケージ代なども含めても製造原価は10円。これに営業費、利益、宣伝費を上乗せし、問屋に卸す値は40円ほど

・ショートケーキの原価は、高級な小麦粉、バター、卵を使っても、せいぜい50~60円。原価率は10%台。

・排気量1000~1500CC、100万円のコンパクトカーの製造原価は、直接原料費56%、人件費・開発費・管理費などが24%で計80%。時が経てば、開発費が減る。高級車の直接原料費は40%程度で、利幅が大きい

・回転寿司の材料費は45%。ネタによって原価率の差が出てくる、コストが低い玉子や海苔巻などを多くレーンで流す

ワクチンの製造原価は350円。メーカーから医療機関への卸値が1000円、予防接種の値段は4000~5000円



なんとなく、モノを買うのが馬鹿らしくなってきませんでしたか?そういう気持ちが起こると、「安く買う」から「安くても買わない」賢い消費者になっていきます。そうなれば、お金が自然と貯まるようになっていきます。

この本は、「モノの哀れ」を教えてくれます。読めば、得する1冊になるのではないでしょうか。

[ 2009/10/29 08:16 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

『よみがえる商人道』藤本義一

よみがえる商人道 (B&Tブックス)よみがえる商人道 (B&Tブックス)
(1998/05)
藤本 義一

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著者は、11PMの司会を長年務められていた藤本義一さんです。

大阪の商人の息子として生まれた藤本さんは、元禄時代の町人作家で、日本永代蔵世間胸算用などで有名な井原西鶴をずっと研究されています。

士農工商の固定観念から、商人道は武士道に比べ、低く見られています。しかし、江戸時代の大坂は、武士がほとんどいない町なのに、治安が保たれていたのは、「商人道」が確立されていたからと考えられています。

世界を見渡すと、軍事力を背景にした全体主義国家は、武士道的ルール。資本力を背景にした民主主義国家は商人道的ルールで国が動いています。

世界的に見れば、身内の論理を優先する閉鎖系の武士道は、時代遅れであるはずなのに、日本では、いまだに武士道精神がはびこっています。もう少し、商人道に目を向けてもいいのではないかと思います。

この「よみがえる商人道」は、江戸時代の商人の生き様や商人道を優しく解説した読みやすい本です。現代の商売にも役に立つことが多く書かれています。

本の一部ですが、役に立った箇所を紹介したいと思います。



・大坂商人の合言葉である「商いの三法」は、始末、算用、才覚。始末とは、節約し、収支決算を合わせること。算用とは、損をしていないか自問自答すること。才覚とは、商機判断すること

・「早耳の早倒れ」は、大儲けできる情報なら、他人に知らせるかどうか、先ず眉に唾して情報の出所を確かめなくてはいけないという格言

・「知ったがおしまい、材料出つくし」は、早い情報を耳にしたと有頂天になって飛び付いた時には、儲けた人がさっさと引き上げているという格言

・江戸時代にも多角経営があった。これを当時は「附商売」といった。附(つれ)とは、付け足しという意味。いつの時代でも、他人の商いが儲かっているのに目がいき、つい誘惑にかられてしまうもの

・「人は器量を見立てて使ふべし」とは、誠実に勤めているから抜擢するのは危険、実は小心者かもしれない。器量のある人を上役に据えなくては人材と呼べる部下は育たないという意味

・「商いは牛のよだれ」とは、いつまでも細く長く途切れずに続けることが本当の商いの心であるという格言

・「分際相応」とは、身の程をわきまえて諸事に当たれば、先ず間違いなく商人道を貫くことができるという意味。井原西鶴も「西鶴織留」で、「家業の外の買置物をする事なかれ」と説いている

・越中富山の売薬商人の掛売り制度、定置販売法でもある「先用後利」(用を先にして利を後にすれば栄える)の精神は、世界的に珍しい商人道である

・井原西鶴は「日本永代蔵」の中で「若き時、心を砕き身を働き、老いの楽しみ早く知るべし」と、商人の目標として、隠居を積極的な意味に捉えていた

・昔から商人は、欲のアクセルと同時にブレーキも用意し、「欲にきりなし地獄に底なし」と毎日唱えていた

・「貯金十両儲け百両見切り千両」の意味とは、
「初期の段階では、せっせと地道な仕事に励んで貯めよ」
「そして、商人の道を歩き、貯めた資本が10倍になるほど儲けて、信用を得よ」
「さらに儲けた巨利を、社会に還元するよう決断せよ」ということ

・井原西鶴は「若き時よりかせぎて、分限の其名を世に残さぬは口をし」「俗姓筋目にもかまはず、只金銭が町人の氏系図になるぞかし」と言った。つまり、商人は、高額所得番付に記載されないのは口惜しいこと。金銭をどれだけ持っているかで決まると身分制度に反抗した商人魂を示した

・「商人の先取り」とは、商人が成功するかどうかは、先取り(カン)で決まるという意味。カンのいい商人がいつの時代も成功して財を築く

・孔子が説く「見利思義」(利を見ては義を思う)は、「利益をどんどん追求しなさいよ、しかし人間の心に宿されている真理を見失ってはいけませんよ」という意味

・金には二種類がある。「貯めるのはカネ、使うのはゼニ」。貯める時はカネだと思い、使う時はゼニだと割り切るのが商人道

・町人学者・西川如見は、「町人ばかりは町人がよし。町人は利を捨て名を専らとする時、身を潰す」と、名より実をとることが商人であると教えを垂れた

・三井家の四代目・三井高房は「町人考見録」で「商人は賢者になりては家衰ふ」と、商人の現実主義と合理主義を示した

・江戸期の商人魂は、「あきんどに定禄なし。稼ぐは一生のつとめ」に代表される

・良心、安心、信用のサンシン商法は、信用してこそお互いの売買が成立するということを示している

・井原西鶴は、「親の譲りの金銀にて身を過けるは、武士の位牌知行取て暮すに同じ」と言って、商人は、始末(節約)を旨にしなければ、家職は代々伝えていくことはできないと戒めた



何事も、長く続けていくには、モラルとルールが必要です。この本を今、読んでも違和感があまりありませんでした。ということは、商人のモラルとルールは、江戸時代にすでに完成していたのではないでしょうか。まさに温故知新です。

江戸時代の商人道には、学ぶべき点がいっぱいあると思います。商売をずっと続けていこうと思われている方は、勉強しておかないといけないのかもしれません。


[ 2009/10/27 09:46 ] 商いの本 | TB(0) | CM(0)

『松翁論語』松下幸之助、江口克彦

松翁論語 (PHP文庫)松翁論語 (PHP文庫)
(1996/01)
松下 幸之助江口 克彦

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10年ほど前に買って、さっと読んで、そのままにしていた「松翁論語」を改めて、じっくり読み直しました。

やっぱり、松下幸之助さんは凄い!森羅万象の原理を透視する力を持っていたのではないかと感じました。

そして、その透視力は、超能力的なものではなく、度重ねてきた、日々の反省から生まれたものだと思いました。真剣に生きてこられて、体得されたものだけに、すべての言葉に深みがあります。

938の言葉をすべて、ここに書きたいくらいですが、今回は、未熟な私でも、凄い!と感じた言葉を70ほどに絞り、選ばせていただきました。



001.行き詰まるということは、行き詰まるようなものの考え方をしているからである

005.人の上に立つ者には愛嬌がなければならない。人が近づきやすい表情でなければ人が集まらない

010.人々に理念目標理想を提示できない指導者は、指導者を名乗る資格はない

014.成功を邪魔するものは、結局は自分自身である。世間は誰ひとりとして邪魔はしない

018.経営者は事にあたり、冷静に判断し行動しなければならない。そして、その上でそっと情を添えることが肝要である

023.喜びは共に分かち合えることができても、苦しみは自分一人で背負わなければならない。だから苦しみを一人で乗り越える勇気と気力と忍耐がなければならない

027.かつてない困難からは、かつてない革新が生まれ、かつてない革新からは、かつてない飛躍が生まれる

031.一生を通じて一つのことに打ち込み、そこに生きがいを求め続けることは、きわめて価値ある生き方である

040.名誉やお金や世間の評判にとらわれて決断してはならない。正しい決断には、笑わば笑え、誹らば誹れ、自分は正しい道を行くのだという強さがなければならない

044.社員一人一人が自分の仕事でお店を開いているという、一人一業社員稼業の自覚がなければ、会社は発展しない

060.処遇する時に礼を忘れてはならない。礼を知らない人は下品だ

079.経営者の立場に立つ人は、先憂後楽という考え方を持っていないといけない

083.商売とは感動を与えることである

084.この品物を勧めてあげればこの人のためになる、という気持ちがあれば、必ず先方の気持ちを動かせる

110.素直な心とは、寛容にして私心なき心、広く人の教えを受ける心、分を楽しむ心であり、真理に通ずる心である

125.自分で自分をほめる。そういう心境になれるような日々の過ごし方が大事である

135.成功とは、自分に与えられた天分を完全に生かし切ることである

136.幸福とは、自分に与えられた天分の中に生きていくことである

138.経営者は、常に死を覚悟して、しかも常に方向転換する離れ業を心に描ける人でなければならない

147.勇気は公のためにやるという立場に立てば、自ずと湧いてくるものである

165.賢愚いずれといえども神の目から見れば、タカが知れている。賢愚の差より熱意の差が人間の価値を決める

175.相当の仕事をする人、事業をしている人は、愚痴を言える部下を傍らにおくことが望ましい

208.競争が無理なものでなければ、そこに人類の進歩、世界産業界の発達が生まれる。競争それ自体がわれわれの仕事である

231.小事は、是非損得をもって判断してもよい。しかし大事は、利害を超越した正義を根底において判断しなくてはならない

269.組織に人を合わせてはいけない。組織を変えてでも人を活かせ

272.人間いちばん苦労すべきは30代だ。なぜなら30代が一番伸びるからだ

285.失うものが多い人は、新しいことに挑戦するのをこわがる人が多い。明治維新は、失うものがない若い人たちが命がけでやったから成功した

305.世間におもねるな。おもねれば必ず失敗する

317.世界を相手に一品だけに専念し、徹してやれば、総合メーカーが片手間にやっている仕事よりよい仕事ができる

321.中小企業の犠牲によって大企業が成り立っているというようなことは、大企業として恥ずべきことである

343.売れているのに、値段を下げる努力をしないのは許されないことだ

348.誰の意見にも感心し、何のためらいもなく他人に尋ねることができる人には、他人が集まり、知恵が集まり、人望が集まる

358.米1粒の尊さを教えないと、若殿もバカ殿になる

361.商売人は利にさとくなければならない。利に疎いというのは、武士が剣術を知らないのと同じである

363.お客様が出ていく後姿に、心底ありがたいと手を合わす。そういう心持ちがなければ、商売人とは言えない

370.末座に座っている人が、遠慮なくものを言える空気をつくることが、長たる者の心得である

372.愛国心が強ければ強いほど、隣国と仲良くしよう、世界と友好を結ぼうとするものだ。国を愛する者が、どうして戦争などしようと考えるものか

381.すべてを善意に考える。すべてを修行と考える。そこから道が開けてくる

383.自分を見つめよ。自分の心を外に離して自分を見つめよ。自分の周囲の人々に自分を見てもらえ。それが自己観照というものだ

385.希望は、ものを生みだす原動力

411.自分の願望と適性の違いを知るべきである。自分の適性にかなった仕事につかないと不幸である

426.自分を励ます。勇気をふるい起す。辛抱する。そうしなければならないとき、自分自身への説得が必要になってくる。そこに強い信念、力強い行動が生まれてくる

443.人間は半分は利益で動く。しかし、半分は利益で動かない

469.日本の伝統精神は三つある。主座を保つこと。衆知を集めること。和を尊ぶということだ

483.一から、それも、できるだけ最下位の仕事からやろうとする、という志は、何の仕事においても、非常に尊いものである

518.安くて良いということは、いかなる商売においても最高の決定権をもつ

540.とるべき責任を素知らぬ顔で回避する人間ほど卑怯な人間はいない

543.己を無にして、はじめて主座は保てるもの

550.人の言うことに耳を傾けようとしないのは、自分で自分の心を貧困にするようなものである

578.ただその時点だけを考えて、よいとか悪いとかを決めて事を行ってはいけない

595.常に新しいものを求めていくところに若さがある

604.人に意見してもらえないようになったら、その人の進歩はなくなる

606.人を敬すれば、自分も敬される。人をバカにすれば、自分もバカにされる

614.些細なことを疎かにしない心掛けが、人生を大きな成功に導く

655.聞きやすいこと、甘言ばかりでは、真実は伝わらない

668.こっちが誠心誠意の熱意をもって話したら、案外人は聞いてくれる

718.トップとして立つ以上は、常に業界に対して、安定的なものの考え方をしていく使命が課せられている。そういう襟度を保つことを唯一の仕事としてやってきた

723.景気がいいということは、駆け足をしているようなもの。不景気というのは、ゆるゆる歩いているようなもの。駆け足の時は欠陥があっても目につかない。ゆるゆる歩きの時は、欠陥が目につき、直していこうということになる

735、不信感は、争いを起こし、物をこわし、事を不成功に終わらせ、結局において人間の共同生活を貧困ならしめるものである

748.他を見て自分の精神をグラつかせる、自分の仕事はこれでいいのかと自信を失う。そして不安にとりつかれる。そのようなことを何度となく繰り返してきた

759.その気になれば、世の中には、なすべき仕事はいくらでもある。仕事がないと嘆じる人は、真に仕事を見つけることに努力しない人である

772.謝らなくてもよい人は、この世の中に、誰ひとりとしていない

782.人を見て言うべきことを変えるのは、よほどの知識体験と余裕がなければできるものではない

797.もし自分が社長だったら、はたして自分を雇うだろうか

809.人情の機微を知ることは、人生でいちばん大事なことである。事をなそうとする者の要諦はそこにある

838.人から高く評価してもらうことばかり考えている人は、心貧しい人だ。私は、人を高く評価する人間になりたい

864.悟りとは、真実の姿を知ることである

866.本能は動力、理性は

888.地位を与えて物を与えないと、その権力は乱用される

892.三人の賢人が寄っても、よい仕事はできない。賢人は一人でよし。あとは凡人であるほうがうまくいく。これは人間の原則である

918.正しい進言を大将に用いさせることのできない軍師は、立派な軍師とは言えない

932.知恵には、天知、叡知、衆知、個人知がある。個人知とは個人の知恵。衆知とは、個人知が集まった知恵。叡知とは、衆知を素直な心で融合した知恵。天知とは、恒久不変の真理をいう



経営の神様と言われた松下幸之助さんの存在は、今や、経営者が信仰しなければならない「経営者の神様」としての存在になったのかもしれません。

大小を問わず、経営者の立場にある人、経営者になりたい人、リーダーの立場にある人が、座右の書にすれば、きっと役に立つと思います。本当に貴重な1冊です。

[ 2009/10/26 08:08 ] 商いの本 | TB(0) | CM(1)

『結局「仕組み」を作った人が勝っている』荒濱一、高橋学

結局「仕組み」を作った人が勝っている (光文社ペーパーバックスBusiness)結局「仕組み」を作った人が勝っている (光文社ペーパーバックスBusiness)
(2007/07)
荒濱 一高橋 学

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若くして、仕組みを作り、起業し、成功した人が10例、この本で採り上げられています。具体的な実例なので興味深く読めました。

仕組みを運営して、成功した人たちなので、起業した後も、ラクしてお金儲けが持続できているという夢のような話です。

永遠に持続できるかどうかはともかく、この本に登場する若き起業家たちの発想は素晴らしく思えました。

一人でもできる
お金をかけないでできる、
作った後は自動的に収入が得られる

この命題にチャレンジしたい方にとって、参考になります。成功実例10人のうち、参考になった3人を簡単にですが、紹介したいと思います。



「自動的に収入を生む空港周辺駐車場の情報サイトを運営する近藤勉氏」

・30歳、平均月収100万円
・羽田、成田、関空など周辺契約駐車場40社以上
・10数%の斡旋手数料
・契約したら、無料ホームページ作成サービスで、顧客駐車場を囲い込み
・海外留学資料請求、税理士・公認会計士の問合せなど、新しいポータルサイトも開設


メルマガで年収2400万円の仕組みを築いた森英樹氏」

経営戦略考というメルマガを運営
・日経4紙から記事1本を取り上げて解説
・毎日発刊で発行部数5万8千部
・メールのヘッダー広告1回約3万円、記事中広告1回約2~6万円、フッター広告1回約3~7万円。号外PR版も発行
・成功のポイントは良質の読者の獲得


「世界中の顧客へのドロップシッピングで年収数千万円の富田貴典氏」

・外国人が好みそうな漢字デザインを加えた、衣料・雑貨などのオリジナル商品を販売
・アドレスを獲得した顧客に継続的にメールを配信
・日本人が気づかない外国人のニーズをくみ取り成功


自らの手で仕組み作りを成し遂げた10人は、次の5つに分類できるそうです。

1.インターネットビジネス
2.情報起業
3.ビジネスオーナー
4.投資
5.発明

この辺りに、
一人でもできる
お金をかけないでできる
作った後は自動的に収入が得られる
のヒントがあるようです。

これから起業を考えている人にとっては、貴重な指南書になるではないでしょうか。

[ 2009/10/25 07:52 ] 出世の本 | TB(0) | CM(0)

『住まいのプロが教える30の警告「この街」に住んではいけない!』

住まいのプロが教える30の警告 「この街」に住んではいけない!住まいのプロが教える30の警告 「この街」に住んではいけない!
(2008/02/21)
中川 寛子

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人生で最大の買い物となるのは、住宅だと思います。買い方によっては、人生を左右しかねないので慎重にならざるを得ません。

したがって、買う際に、一戸建を買うか?マンションを買うか?何坪の家を買うか?ローンをいくら設定するか?金利何%で借りるか?何年ローンで買うか?など、いろいろな決断を迫られます。

しかし、一番大事な決断は、どの街を選ぶか?のような気がします。自分に合う街、愛着が持てる街を選べるかで、一生の満足度が決まってしまうのではないでしょうか。

人生で一番大事な買物を失敗しないためには、よく研究、吟味する必要があります。

建物・住居の良し悪しを研究、吟味する本は多くあるのですが、街の良し悪しを判断する最適の本は少なかったように思います。

この街に住んではいけない」は、生活する女性ならではの視点で書かれた良書です。本の一部ですが、なるほどと感じた箇所を紹介していきたいと思います。



・江戸の街は高台に大名屋敷や神社仏閣、低地には町人、その間には旗本などの武士が住んだ。関東大震災の被害が大きかったのは低地エリア。高さ20m以上の洪積層は地盤が固いので安全

・標高自体は高くても、周囲から低地になる地域は、水害ハザードマップで安全を確認

・谷、田がつく地名以外に、低い土地を表す、沼、池、沢、窪、淵などのサンズイ地名、新在家、新屋敷、沖などの干拓地を示す地名は、地震、水害や湿気、臭気に問題がある場合が多い

・希望、自由、みらいなど後からつけた美しい地名にも注意が必要。住宅開発に合わせて、古い地名をよいイメージの地名に変えた場合が多い

・傾斜地は、切土なら問題ないが、盛土は地滑りなど問題が多い

・道幅4mでは倒壊した建物が道をふさぎ、消防・救助活動が遅れ、延焼を食い止めることが難しい

・住む人が愛着を持つ、犯罪リスクの少ない美しい街には、きれいな並木があったり、花見の名所がある。桜が一つの指標になる

・公園のトイレが汚い街は、夜道が危ない。高架下は女性、子供を狙った犯罪の多発箇所

・街中で注意したいのはゴミと放置自転車。落書きも防犯意識のバロメーター

空き巣に狙われる街は、駅から近く、アパート・マンションやコンビニが多く、昼間に人がいない地域

・路上駐車が多い地域は、犯罪者が、車を停めやすく、犯行後、逃走しやすい

・ひったくりが多発するのは、夜10時前後。その時間に、人通りがあり、明るい街は安全

・通勤通学の所要時間とは別に、複数路線利用できるかも重要。単一路線しか使えないワンウェイ立地では、事故の場合、出勤、帰宅できなくなる。しかし、2駅2路線可でも、2駅からそれぞれ徒歩15分以上では不便

・混雑する、駅間の長い路線は痴漢が多い
途中始発駅なら座って通勤可
・深夜、主要ターミナル駅からタクシー料金3000円以内で帰宅できる街は便利

・どんなにいい、スーパー、コンビニ、レストランなどの施設があっても、1軒しかない各1エリアはストレスがたまる

・次の3段階をチェック

「住まいから2~3分圏・緊急のお買物」
「住まいから10分圏・週1回・日常のお買物」
「住まいから30分圏・月1回・楽しみのお買物」

それぞれ充実したエリアは便利。特に週1回利用のお買物店の価格・品揃え・営業時間が自分にマッチしているか重要

・近所に「鉄塔・工場・風俗街・観光スポット・不特定集客施設」があるのも避けたい

・どんな店があるかで街の歴史・住んでいる人がわかる。商店街があると毎日が楽しい。魚屋さんのある街は古くからのいい住民がいる

・カーナビの普及で、住宅街の細い道が抜け道になっている場合があり、夜間の騒音になるので、チェックが必要

・公園が近くにあると、涼しく快適、子供の遊び場、ウォーキング、ペットの散歩、避難場所などメリットも多いが、騒音、土埃、害虫、悪臭などのデメリットもあるので注意

・徒歩15分以遠エリアは、バス代、駐輪代、タクシー代の出費で、結局高くつく

・駅から遠い、オールインワン物件(大規模物件で、スーパー、小中学校も含め、近くに施設が充実)は専業主婦前提の街になっているので、パートに出るのが難しい場合が多い



もちろん、お金との相談になりますが、失敗しない家の選び方と同様に、失敗しない街の選び方があることを、この本は教えてくれます。

今だけでなく、将来の自分や家族を予見して、住む街、住む場所を選ぶことが、人生を充実させることになるのだと思います。家を買いたいと思っているならば、読んでおいたほうがいい1冊ではないでしょうか。

[ 2009/10/23 07:52 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

『勝ち馬に乗る!やりたいことより稼げること』

勝ち馬に乗る! やりたいことより稼げること勝ち馬に乗る! やりたいことより稼げること
(2007/02/01)
アル ライズ/ジャック トラウト

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私は、以前勤めていた会社で、上場前に100万円で買った株(2000株)が、バブル期に7000円まで値が上がり、20代で時価1400万円を有した経験があります(結局、34歳で会社を辞める時には、バブルも崩壊し、1500円まで、値が下がり、300万円で売却することになりましたが・・・)

その最高の株価の時、

1.上場しそうな会社を見つけて入社する 
2.株を買いためる 
3.会社が上場する 
4.株価が高い時(景気がいい時)に株を売って辞める 
5.景気がいい時(転職しやすい時)に次の上場しそうな会社を見つけて入社する


これを何回か繰り返したら、一財産築くことができるのではないかと、ふと思ったことがあります。

うまく、勝ち馬に乗ることができたらの話ですが、サラリーマンでお金を稼ぐには、この方法が一番いいように感じました。

しかし、そういう手を使わなくても、サラリーマンでお金を稼ぐ方法はないのか?その答えが、この本に書かれています。

参考になった部分を「本の一部」ですが、紹介したいと思います。


・成功とは、自分自身にある何かから生まれるわけではない。成功とは、他人から与えられる何かなのだ

・重要なのは、何を知っているかではない。誰を知っているかなのだ。成功とは自分が自分のためにすることではなく、誰かが自分にしてくれることだ

・最高の騎手が勝つとはかぎらない。最高の馬に乗った騎手が勝つのだ。馬がよくて、一生懸命にやれば、何かしら手に入る。だが、一生懸命やるかどうかは成功の必須条件ではない

・才能を生かし、引き上げてくれる立場の人に認めてもらわなければいけない

・成功の鉄則は型にはまることである

・クリエイティブな世界では、成功を導いてくれるのは自分以外の誰かだということを、くれぐれも忘れてはならない

・宣伝の量は問題ではない。大事なのは、鮮烈な印象を残す、明るい物語をつくることだ。勝ち馬に乗ろうと思うのなら、キャッチフレーズやアイデアが必要だ

・会社の馬に乗るなら、早い時期に限る。会社の馬のなかでも最高の馬は、最先端業界のトップ企業だ

・昇進は誰が決めるのか?他人だ。だから、大企業で出世しようと思うなら、政治家にならなくてはいけない。大企業で働くつもりなら、後ろ盾なしでは、芽は出ないと思った方がいい

・会社の馬に乗るのなら、二重人格でなくてはならない。外に対してはチーム・プレイヤーだが、内面は徹底した個人主義者でなければならない

・大企業で働いているとすれば、問題は仕事でも給料でも、ましてや業績評価でもない。目につくかどうか。トップに知ってもらうかだ

・トップに引き上げてくれそうな馬を見つけたら、ためらってはいけない。今やっていることをあきらめてでも、馬の背中に飛び乗る

・頂点に連れて行ってくれる馬を見つけたら、馬を替えてはいけない。互いを信頼できる人間が協力すれば、ある種の魔法が起きる

・新しい産業が生まれる時、大多数の人はためらう。自分には経験がないと思う。だが経験など誰にもないのだ。だからこそ、新しい産業はチャンスの宝庫になる


働いている会社が面白くない場合、仕事にやりがいを感じられない場合、したいことが見つからない場合、出世とお金を目標に、「勝ち馬に乗る」と決めることも悪くないと思いました。

動機は何であれ、人生の意味を見つけ、目標を決めることは、すごく大事です。サラリーマンとして働きながら、この本に書かれていることを実践していくと、出世とお金の道が開かれていくように感じました。

[ 2009/10/22 07:10 ] 出世の本 | TB(0) | CM(0)

『武道に学ぶ「必勝」の実戦心理術』向谷匡史

武道に学ぶ「必勝」の実戦心理術―本番力・交渉力・自己演出力を磨く武道に学ぶ「必勝」の実戦心理術―本番力・交渉力・自己演出力を磨く
(2004/06)
向谷 匡史

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どんなに不安でも、どんなに心配でも、「死ぬわけじゃないし」と思えば、気が楽になり、悩みも吹き飛びます。「死ぬ」は、「損する」「負ける」「クビになる」「ふられる」と次元が違うものだと思います。

その、死と隣り合わせにいた武士が、稽古して、学んできた武道の心得には、人生の教訓となる言葉がいっぱい詰まっています。

その言葉を、武道家でもある向谷匡史氏が、自らの体験をもとにまとめたのが、この本です。内容があまりにも濃かったので、多くを紹介することになり、長くなってしまいました。



・「攻撃は最大の防御なり」の意味は、「先を取れ」の他に、「受け」にまわることの戒め

・攻撃とは、追い込む側=質問する側に立つこと。これを主導権という

・武道では、居着き(とらわれの心・意識の固着)を最も戒める。居着きの最たるものが功名心。「勝つと思うな、思えば負けよ」ということ

・結果に対して後悔するのではなく、決断に対して後悔する。武道家は後悔しない、反省をする

・割り切れないものであることを承知の上で、人生を割り切る。決断に際して「後悔しない」と腹をくくる

・サラリーマン社会は「兵に将たる器」が多い。上司は部下が育ち過ぎるのを警戒。大抜擢されると強力なライバルになり、間尺に合わない。優秀すぎる部下は、無能な部下以上にやっかい

・会社における修行とは、上司の指導を仰ぎ(守)→上司から離れて研究し(破)→自分の流儀を確立する(離)ということ

・ケンカの勝敗は腕力に比例しない。先手必勝に尽きる。「先制攻撃=胆のくくり」を相手が感じるからこそ、戦意を喪失する。勝利の道は、常に気迫と度胸と覚悟が切り拓く

・柔道の創始者、嘉納治五郎の校長時代、講義の初めから終わりまで、「ナァニ、クソッ」の話ばかり。この言葉さえ忘れなければ必ずやっていけると言っていた

・反復稽古の継続が挫折するのは「迷い」。「こんなこと毎日やって上達するのだろうか?」という迷いの種が、肉体的な苦しさによって発芽し、断念という実をつける

武芸者は、死の視点から今を見ている。生が先の死ではなく、死が先の生である。だから、いつ死んでもいいように身辺の整理をし、今を完全燃焼しようとする

・「打つ前に響け」。打てば響くでは間に合わない。情報になる前の予兆の段階でとらえて初めて意味を持つ。情報は共有された段階で、もはや情報の価値はなくなる。真の情報は、情報の発信元である人間が、何を考えているかを探ること

・豊臣秀吉が事に臨む場合、「勝つ、勝つと思えば勝つ」とまず心に決め、それから勝つための方法を考えた。自分に言い聞かせ、信じ込むことによって、何倍もの力を発揮することができる

・相手に怨みを残すのは、長い目で見ればマイナスに作用。「降りかかる火の粉は避けて通れ。払えば袖に火がつく」これが武道精神

・道場とは、稽古する場所ではなく、「稽古の成果を試す場所」。日々自宅で研鑽を積み、それを道場で試し、さらなる研鑽の糧とするのが武道家の心得。兵法で言う常在戦場の心構えである

・「要するに、何がどうしたというんだ?」こう自分に問いかけるだけで、悩みの大半は解決。悩みの本質は「不安」、不安は「予測」からくる。「不安に苦しむこと」と「結果」は、まったく関係しない

・武芸者は「勝つ」という一点に人生を単純化して生きている。地位も、名誉も、人格も、すべて勝つ前提で獲得しようとする。だから勝つしかない。「死んだらどうしよう」と悩まない

・「二の矢を持たず」。二本目の矢があると思えば、一本の矢に集中力を欠く。これ一本しかないと思って射れ

・武士は、戦場に赴くとき、「三つの大事を忘れよ」と戒められた。1.「出陣にあたっては、家を忘れること」2.「戦場に臨んでは、妻子を忘れること」3.「闘うに及んでは、我が身を忘れること」

・武道は後の先を最上とする。交渉事も、相手が出してきた条件にうまくカウンターパンチを繰り出せば、結果は最上のものとなる

・リズムの取り合いは武道の基本。相手のリズムに合わさないで、相手のリズムを崩す。交渉事は天の邪鬼でいい。とりあえず相手と反対のことを言ってみる

・武道の達人は、相手の得意技を誘い、仕掛けてくるところを討ち取る。得意技であるがゆえに、誘いに思わず乗ってくる。人間の心も自分の欲するところに従って行動する。相手に従うのではなく、相手の心(水の流れ)を確かめ、こちらの意図する方位に水筋をつけ、流していく

・宮本武蔵は「五輪書」で、「いずれの構えなりとも、構えるとは思わず、斬ることなりと思うべし」と戒めている。構えは勝ちを得るためであって、構えにとらわれるのは本末転倒

・人生に目標が決まれば、あとは「生き方に構えなし」、自分が信じたところにしたがい縦横無尽に生きていけばいい。世間体だの上司の顔色だの枝葉末節にこだわっていてはだめ

・「いい人」と言われながらリストラされる人、「ゴマすり野郎」と悪口を言われても出世していく人。どっちが正しいかではなく、人生をどうとらえているかということ。手段はどうであれ出世した人は、後で「いい人」になれるが、落伍した「いい人」は、後から出世できない

・自分が営々と築いてきた人脈を紹介するのは奥義を公表するようなもの。紹介してトラブルでも起きれば信用問題になる。「この人なら」と思える人にだけ紹介。安請け合いをしてはならない

・「技は盗むもの」の真意は、身につけた技は教えたくないという武道家の非情さと同時に、弟子に真剣に学ぶ気がなければ身につかないという二つの意味がある。メシを食べさせたければ、腹をすかせること。稽古させたければ、強くなりたいという欲求を喚起すること。一生懸命仕事をさせたければ、目的意識を植えつけること

・人間の心は不思議なもので、引け目があれば力が入らない、実力が発揮できない。ところが、自分の行動に「大義」があって「正当化」されるときは、実力以上の力が発揮できる

・運気に恵まれていると感じるときは迷わず攻めればいいが、不調のときは、「運気の風が吹くまでじっと我慢する」か「ツイてる人の後につき、勝ち馬に乗りながら運気の風を待つ」かのどちらか

・ここ一番の必殺技は、修羅場をくぐることによってのみ、身につけることができる。何かを得るためには、危険もおかせば、手を汚さねばならない

・自己演出により、実力差を超えて、相手より優位に立つことができる。自己演出には二通りある。外見が与えるイメージと風評が与えるイメージ。「エース」「プリンス」「秘蔵っ子」と言われる社員はヒラであっても、取引先から一目置かれる。ならば、「秘蔵っ子だなんて言われて、困ってるんですよ」と風評の流布をすればいい

・虎の咆哮は、剥製でも絵でも、大きく口を開けたものはよくない。勇ましいが、それ以上、口は開かないということ。余裕を残した咆哮は、どこまで口が開くのかわからないという凄みがある

・いかにして勝ちグセを呼び込むか。仕事に行き詰ったり、自信が持てないときは、目標をうんと低くして、まず勝つことを心掛ける

・田中角栄の処世術の一つは、敵をつくらないこと。味方にならなくても、敵に回さなければ結果としてプラスに働く。武道でも、勝った後で、相手を誉め、顔を立てる。負けたことは相手が何より承知しているから、感謝こそすれ遺恨は抱かない。「礼に始まり、礼に終わる」こと

・口だけで指導する「先生稽古」は楽な上に、自己満足が得られる。そのため、つらい稽古が嫌になり、上達が止まる。武道に限らず、現場を離れて「先生」になると口だけ達者になる

・ケンカの要諦は「勝てば得、負けてもチャラ」。最悪なケンカは、「勝って元々、負ければ大損」

・人間関係=間合い。近づきすぎれば傷つき、遠すぎればよそよそしくなる。これが人間関係の基本。つきあい上手とは、相手に応じて、近づいたり離れたりという微妙な間合いがとれる人のことを言う

・「残心なきところに、真の勝ちはあり得ず」。弓道では、矢が離れた後、的をじっと睨んでその状態を保つ。残心にこそ、「勝ち切るまで、決して手を緩めてはならない」という武道の精神が込められている



組織のリーダー(監督や主将)になるためには、チームプレイの野球、サッカー、ラグビーなどのスポーツに学ぶことがあると思います。

大小は問わず、経営者、専門職、起業家として、雇われない(オーナー)で生きていくには、胆を鍛えるという意味で、1対1の武道に学ぶことが非常に多くなると思います。

独立して生きていきたい、トップになりたいと願っている方にとって、一度は目にしておくべき本ではないでしょうか。役に立つ1冊です。

[ 2009/10/20 08:02 ] 向谷匡史・本 | TB(0) | CM(0)

『インターネットビジネス業界最新事情』佐藤尚規

インターネットビジネス業界 最新事情 ~日本のインターネットビジネスがまるごとわかるインターネットビジネス業界 最新事情 ~日本のインターネットビジネスがまるごとわかる
(2008/03/25)
佐藤 尚規

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この本のように、インターネットビジネスを業界別に体系的にまとめた書は、今までほとんどなかったように思います。

この著書を読めば、
ネットで今どのようなビジネスが繰り広げられているのか?
そのビジネスの市場規模はどれくらいになってきたのか?
今後の発展性は?

ということが、一目でわかります。ネット業界に興味のある方やネット業界に従事している方にとって、非常に便利な本です。目次を読むだけでも勉強になります。

この便利で、勉強になる本を、目次の2~6章に絞り、その内容を少しだけ、紹介していきたいと思います。


(2)電子商取引

1.オンラインショッピング
(市場規模2兆1100億円。Amazonが1500億円強、ユニクロが100億円弱の売上、ニッセンが400万人強の会員数など)

2.旅行・チケット予約
(一休、ぴあ、ローチケ、イープラスなど)

3.オンライン証券・ネットバンク
(株取引ネット証券口座数は、1272万口座。株取引の30%強がネット。イーバンク、SBIイー・トレード、マネックス、松井、カブドットコムなど)

4.ネットオークション
(売買金額1兆6000億円強。ネット通販を超える規模になると見込まれている。ヤフオク、ビッダーズなど)

5.企業間取引、マーケットプレイス
(14000社登録のNCネットワーク、85000点の食材取引のフーズインフォマート、10000店利用のスーパーデリバリー、550万点以上の部品検索ができるチップワンストップなど)


(3)コミュニティ

1.ブログ
(運営会社は、FC2、goo、ココログ、アメーバなど)

2.SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)
(mixi1200万人、GREE200万人、モバゲー400万人、カフェスタ170万人の会員数など)

3.知識共有サイト(Q&Aサイト)
(OKWave、教えて!goo、yahoo!知恵袋など)

4.ソーシャルブックマーク
(1800万URL登録のはてなブックマーク、livedoorクリップ、ニフティクリップなど)

5.ユーザーレビューサイト
(86万人会員のアットコスメ、年商40億円の価格.com、14万軒の店が登録の食べログ、旅行好き5万人のフォートラベルなど)

6.ネットラジオ、ポッドキャスティング
(ねとらじ、らじろぐ、ケロログ、キャスピィなど)

7.ビデオ共有サイト
(8000万本登録のYouTube、登録会員400万人のニコニコ動画など)

8.バーチャルワールドメタバース
(日本ではこれからの市場だが、全世界で2.5億人が参加、仮想通貨取引1.3兆円弱に。セカンドライフ、スプリューム、ビジモなど)


(4)ポータルサイト、デジタルコンテンツ

1.ポータルサイト
(検索連動型広告が2000億円を超える勢い。Yahoo、Googleなど)

2.サーチエンジン
携帯向け検索サービスの利用が急増。Yahoo、Google、アラジン、kizasiなど)

3.ニュースサイト
(Yahoo、Google、業界に特化したITmediaは広告が順調に伸びマザーズ上場)

4.オンラインゲーム
定額課金アイテム課金で、パソコン向け500億円弱、携帯向け400億円弱。NEXON,ハンゲーム、ラグナロクオンライン、将棋倶楽部24など)

5.音楽配信
(楽曲データ配信の市場規模は200億円弱。アイチューンズ・ストア、USEN,music.jp、ミュウモなど)

6.インターネットTV、ビデオ・オン・デマンド
(ShowTime、Yahoo!動画、バンダイなど)

7.電子書籍、電子コミック
(市場規模は300億円弱。7万点のパピレス、2万点のeBook、ライター3500人のでじたる書房など)


(5)Webインテグレーション(制作やサイト構築)

1.Webサイト構築
(サーバ、ソフトウェア、サポートなど含めたら市場規模は3兆円以上。トランスコスモス、キノトロープ、IMJなど)

2.データセンター、ハウジングサービス
(市場規模は7000億円弱。大手企業が参入。KDDI、ビック東海、ソフトバンクなど)

3.レンタルサーバ、ASP(CGM機能提供など)
(レンタルサーバの市場規模は400億円、ドメイン取得サービスが大きな収入。アイル、さくら、アドミラルなど)

4.メールマガジン配信システム
(シナジーマーケティング、トライコーン、パイプドビッツ、ITコアなど)

5.バーチャルモール
(仮想商店街。オンラインショッピングの4割を占める。楽天市場、ヤフーショッピングなど)

6.電子マネー、オンライン決済代行
(ネット決済の市場規模は1700億円弱。Yahoo!ウォレット、GMO、WebMoneyなど)

7.コンサルティングサービス
(サイト集客などがメイン。市場規模は2000億円とも。日本ブランド戦略研究所、ミツエーリンクス、ゴメス・コンサルティングなど)


(6)インターネット広告、集客支援

1.レップ(ネット広告代理店)
(市場規模は3000億円強。サイバーエージェント、オプト、アイレップなど)

2.リスティング広告
(市場規模は1000億円程度。Googleアドワーズ、オーバーチュアなど)

3.アドネットワーク
(多くがクリック課金型広告の料金体系。Googleアドセンス、トラストクリック、GMOなど)

4.アフィリエイト仲介
(市場規模は700億円弱。A8ネット、バリューコマース、電脳卸、JANetなど)

5.ドロップシッピング
(個人運営の無在庫販売。電脳卸、A8、リアル、もしもなど)

6.オプトインメール
メール受信許諾者向けサービスの広告。市場規模150億円。ドリームメール、フリーツメール、ライフマイル、ポイントタウンなど)

7.サーチエンジン最適化(SEO)
(検索結果順位を上げるサービス。市場規模は100億円。売上42億円のアウンコンサルティングなど)

8.インターネット視聴率調査、アクセスログ分析
(すでに成熟市場。ネットレイティングス、デジタルフォレストなど)

9.ネットリサーチ
(市場規模は500億円強。モニター50万人のマクロミル、210万人のターゲットリサーチ、マイボイスコムなど)



「薄々感じてはいたが、いつの間にか、こんなことになっていたのか!」と驚きの声を発する方が多いかもしれません。知らない名詞も数多く登場しますが、急成長している分野なので当然と言えば当然です。

この分野に関しては、これからも上場企業が続出してくるのではないでしょうか。まだまだ、すき間を探せば、いっぱいあるようにも感じます。

ともかく、ネットビジネスの市場を俯瞰する意味で、この本は欠かせない貴重な1冊だと思いました。


[ 2009/10/19 08:22 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『驚異の超大国インドの真実』キラン・S・セティ

驚異の超大国インドの真実―インド人だからわかる!ビジネスの将来性と日本人の大誤解驚異の超大国インドの真実―インド人だからわかる!ビジネスの将来性と日本人の大誤解
(2007/12)
キラン・S. セティ

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著者のキラン・S・セティ氏は、前の神戸青年会議所(JC)の理事長です。米国籍のインド人で、神戸の外国人学校を卒業し、アメリカの大学に留学し、ロサンゼルスと神戸に自宅を構え、貿易会社を営んでおられます。

いわゆる国際ビジネスマンです。したがって、この本では、インド、日本、アメリカというグローバルな視点から、インドの真実を分かりやすく伝えています。

私は、学生時代、インド人が経営する神戸の商社でアルバイトをしたことがあります。彼らは、見かけとは裏腹に、愛嬌があって、面白い人たちが多いように感じました。

インドは、人口が10億人を超え、選挙で首相を選ぶ民主主義国家です。有史以来、選挙をしたことがない中国とは違い、英語も話せるインドは、欧米から信頼されています。

そのためか、最近、急成長を遂げてきています。そのインドの発展の秘密と超大国の真実が手に取るように分かる、この著書の一部を紹介したいと思います。



・インドという国家は、1980年代後半から1990年代前半にかけて、破産寸前の状態にあった。国内債務残高がGDP比54%に達していたが、その窮状を救ってくれたのが、日本。鉄鋼メーカーが鉄鉱石仕入れの長期契約を結んでくれ、外貨が確保でき、生き延びた

・インドの富裕層は、インド国内で、お金を使うのを極力控え、海外で使うことが多かった。マンモハン・シン首相(当時は財務大臣)が1990年代前半に減税政策を進めたことで、海外の資本がインド国内に流入し、その多くがビジネスに充てられ、経済が活況を呈することになった

・インド人のイギリス人に対する思いは複雑。イギリスに支配され、いまだに、宗教上、政治上の混乱が続く行政区画を定められたが、英語が準公用語になったことも含め、有形無形のメリットを得ていることも確か

・インドの有権者は選挙に熱心。その理由は、様々な人種、宗教を抱えているから。政治家は、自分が所属する人種や宗教を有利に導くための政治活動を行う。日本のような無党派層はほとんど存在しない

・インドは豊富な資源だけに限らず、世界第2位の人口で、義務教育を受けた国民が、準公用語で英語をしゃべるという、労働力の供給源としても価値がある

・今、アメリカで人気を集めているのが、インドへの医療ツアー。医療保険制度のないアメリカで、心臓バイパス手術肝移植手術など、50万ドルかかる手術が4万ドルですむ。アメリカの医師の38%がインド系の人々なので、アメリカ人はインド人の医師に不安や違和感を覚えない

・医療は、IT産業に次いで、インドがもっとも得意とする分野のひとつ

・医療以外で、インドで急成長している産業は、医薬品、自動車関連、鉄鋼関連。医薬品は、業界全体の売上が5000億円を超え、金額ベースでは世界13位ながら、数量ベースでは世界4位に。ジェネリック医薬品だけでなく、最近では、世界メーカーが臨床開発などをインド企業に委託

・ほかに注目の業種は、航空業界。経済発展に伴い、人の往来が増え、規制も緩やかになり、次々と他業界から参入し、市場が急拡大。日本や欧米並みのサービスが提供できたら、さらに驚異的な成長を見せることは間違いない

カルナータカ州ベンガルールは、インドのシリコンバレーとも呼ばれる。インドの五大IT企業のうち2社の本社がある。世界に名だたる、インテル、IBM、シーメンス、フィリップス、テキサス・インスツルメンツ、モトローラ、エリクソン、オラクル、サン・マイクロシステムズなどのIT企業が支社をおく

・大学を卒業したIT技術者が毎年、何千万人も出てきている。特にトップクラスの技術者を輩出してきたのが、インド工科大学。国内7都市にキャンパスを有し、世界の5指に入る理系大学と国外から高く評価されている。世界屈指の人材が安価で雇えるとあって、世界のIT企業がインドに進出してきた

ジャーティ(職業差別)で、最下層に近いカーストの子供たちまでが教育を与えられることで、知的レベルの高い下級カーストの人々が、どんどん増えている

・インドの弱点は、自分たちが快適な暮らしをするためのお金は支払うが、より共用度の高い公共性の高い施設をつくるのに、自分の懐を緩めないので、インフラの整備が遅れていること

・日本で月収40万円のサラリーマンがインドに行った場合、50坪の庭がついた200坪の家に住んで、家族それぞれが運転手付きの車で出かけられる暮らしがおくれる。治安は多少悪くなるが、豪邸では多くの使用人に囲まれ、外出時は運転手と一緒だから、治安の悪化を実感することもない

・国外に出たインド人、元インド人は、数億人を超えている。インド政府は国外居住のインド人に、インド国籍を有しているのと同じ権利を与え、NRIカード(海外居住インド人証明書)を発行。選挙権はないが、インド国内の普通の外国人に比べ、様々な優遇が受けられる

印僑(華僑のように海外で暮らすインド人)は、旧大英帝国と関わりの深い地域(ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、香港、シンガポールなど)を中心として、世界中に拡散し、コミュニティーを形成している

・身分(カースト)は、バラモン(神職)、クシャトリア(貴族・武士)バイシャ(平民)シュードラ(奴隷)以外に、カースト以下の身分も存在していて「アンタッチャブル」とか「ダリット」と呼ばれ、インドの人口11億人のうち2億人を占めている

・カーストは職業差別の制度。カースト以下のダリットは、従来の職業では、理髪業、洗濯業、農場での日雇いや清掃業にしか就けなかったが、近年になって現れた職業は適用外。彼らは、カーストの影響から逃れるため、IT産業の仕事に携わっている者が多い

・カースト制は貧富の差に影響を与えるものの、経済力とは切り離して考えられる。神職のバラモンは、物質的な欲望から解放されるので、裕福である必要がない

・インド人は、初めは金儲けを考えて行動するが、ある一定期間を過ぎたら「いくらお金があっても、あの世まで持っていけるわけではない」とスピリチュアルなものを追いかけ始める。豊かさとは、物質的な意味ではなく、精神的な意味と考えているインド人が大半

・インド人は自分より貧しい人に対して、積極的に寄付を行う。寄付に関しての意識はインド人と日本人の間に大きな開きがある

・マンモハン・シン首相は、カーストの影響を受けないシーク教徒であったので、貧しい家で生まれ育ったが、教育を受けて、大学教授に就き、その後、首相にまでのぼりつめた

・関西圏のインド人は、神戸に住んで大阪で働き、「繊維・衣料」「自動車」「家電・有名ブランド」「宝石」の4つの業界で活躍している者が多い。「自動車」は、最近は、中古のオートバイ・建設機械・農業機械の輸出が増えている。「宝石」は、真珠の取扱いが大きい

・結婚する際に、花嫁の家族から花婿とその家族へ支払う制度である「ダウリー」は、文系大卒男子の初任給が6000円程度のインドで、25万円以上にのぼる

・インド南部の人々は、肌の色はいくらか濃いが、侵略された経験が少ないせいか、北部の人々に比べて、人柄が穏やか。頭がよい人も多く、非常に勤勉。IT企業は南部を中心に発展・成長している

・インドには「広い国土がある」「豊富な資源がある」「教育水準の高い豊富な労働力がある」しかし「インフラがない」。日本には「成長を続ける技術力がある」「経済力がある」しかし「安価な労働力がない」。それぞれの長所を有効に利用すべき


インドを遠い存在のように思われている方が多いかもしれませんが、同じアジアでも、中国と違った個性を持つ、発展途上の大国です。日本としても、きちんと理解して付き合っていかないといけない国ではないでしょうか。

日本に住むインド人が書かれた本なので、読みやすく、日本人がインドを理解する上で、入門書として最適だと思いました。

[ 2009/10/18 07:18 ] 海外の本 | TB(0) | CM(0)

スウェーデン環境共生住宅団地(2)

ストックホルム環境共生住宅/photo by福家金蔵
<環境への配慮>

16.敷地内道路は砂利道で、最後は「元の森に帰す」ため、コンクリート、アスファルトは使わない
17.「自然に帰す」素材の木で家造り。風呂場周辺のみ木が腐るのでレンガを使用
18.家の基礎はコンクリートを使用しているが、解体するときに処理しやすい構造を採用

19.建築材は、化学物質はないか?リサイクル可能か?海洋廃棄処理できるか?を考えて、伝統的な木材と石材に限定
20.外壁の塗料はエコ塗料卵テンペラなど)を使用、外階段の塗料にはタールを使用
21.冬はマイナス15℃までを想定して、屋根裏、床などに厚さ50cmの古新聞リサイクル断熱材を使用

22.エネルギーの節減を考え、二重ガラス断熱窓を使用
23.暖房の基本は、製材クズの木材ペレットを使用、石油に依存しないように配慮
24.大西洋から湿った風が吹くので、木が腐らないよう、空気の出入口を各所に設置して換気対策

25.空気のよどみをなくすように大型ファンも設置
26.各棟にバイオ浄化槽トイレを設置して下水処理、お風呂やシャワーの下水は、市の浄化場と契約
27.ソーラー発電を希望者は設置

28.風力発電は、コストパフォーマンスがまだ不十分として見合わせた
29.耐用年数を50年と考えて設計

<共同所有>

30.共同利用自動車(カーシェアリング)の制度もあり、月々約6000円+走行距離分の支払いで利用可能
31.再利用の納戸部屋を設け、家具、玩具、服などをリサイクルし合えることが可能に
32.生ゴミは各棟の近くのコンポスト容器で処理するが、粗大ゴミは共同ゴミ集積場で分別して、市のトラックが定期的に回収

33.全住民が利用できる集会場に共同の電気洗濯機と乾燥機を設置
34.ゲストルーム(簡易宿泊施設)も集会場に設置
35.トイレの下水は、尿タンクに集められ、酵素分解されて、共同のため池へ

<コミュニティーの運営>

36.10家族単位のコミュニティーをつくり、それぞれで、自宅前広場や近辺の森を自主管理
37.年に1回の住民総会への出席
38.年2回、共同利用場所の大掃除への参加
39.それ以外は、あくまで各家庭のプライバシーを尊重する


8年前に質問に答えていただいたことですが、今、読み返しても新鮮です。環境が行政主導ではなく、住民主導であることがわかります。

環境社会に参加する権利とそれに伴う義務も明確に記されていると思います。スウェーデンの住民意識やレベルの高さを感じました。日本では、まだまだ時間がかかるのかもしれません。


スウェーデン環境共生住宅団地(1)に もどる


[ 2009/10/16 07:05 ] 何でも話 | TB(0) | CM(0)

スウェーデン環境共生住宅団地(1)

ストックホルム環境共生住宅/photo by福家金蔵
この写真は、今から8年前に視察で訪れたスウェーデン・ストックホルム近郊の環境共生住宅団地です。正確には、UNDER STENS HOJDEN(ウンデルステンホーデンと読むと思うのですが・・・)というところです。

この環境共生住宅団地は、普通の市民が、都市文明の便利さ、快適さも享受しながら、自然も享受したいという思いのもとにつくられています。思想や宗教的なイデオロギーが全くありません。

現実も受け容れながら、エコロジー思想も受け容れるという住民の高い意識によって、運営されています。極めて理性的です。これが気に入ったのです。

スウェーデンは、民主主義の国として、世界で最も進んだところだと思っています。国民の知的レベルも高く、皆が公平に、しあわせに生きていくには、どうすればいいかを考えた社会づくりを進めています。

したがって、環境共生住宅団地にも、そういった考え方が採り入れられています。

・都市から離れることなしに、自然がいっぱいの生活を享受できないか?
・今の快適な文明生活を捨てずに、精神的豊かさも享受できないか?

・共同所有と個別所有の区分をどう見直したらよいのか?
次世代への環境配慮をどう行ったらよいのか?
プライバシーの尊重とコミュニティー的ふれあいをどう融合するか?

などがテーマになっています。

ここを訪問して、代表世話役の方に、いろいろと質問をしました。その時、丁寧に応えていただいことを39にまとめました。

環境共生住宅団地の概要>

1.敷地全体は10000坪で、自然保護地域の森の中、その中に44棟200人が居住
2.首都ストックホルムより地下鉄で15分の最寄り駅から歩いて8分の好立地
3.一戸の住宅面積は、1階と2階を合わせて、100㎡(約30坪)が標準

4.各棟の間取りは、自由に設計できる(3~6部屋)
5.将来の建て増しも可能な設計
6.90年に有志で組合を設立し、綿密な打ち合わせを経て、95年に建設完了、民間の力のみで設計、建設

7.国の住宅協同組合より資金調達
8.一時金(居住権)を住宅協同組合より、約240万円で購入して入居
9.住宅協同組合より月々約96000円で賃貸

10.居住権は売買可能。最近、約2400万円で売買され、10倍の値上がりするほど人気
11.森の中に散歩道、ジョギング道も確保
12.各棟の外装は、4色から選択。全体の景観と個性の調和を図る

13.住居面積以外に、各家庭用に納屋が外広場にあり、物置スペースも十分に確保
14.駐車場は住宅団地入口前に確保、自動車を住宅前に原則として乗り入れ禁止
15.電気、ブロードバンド、テレビアンテナなどの設備も完備


スウェーデン環境共生住宅団地(2)へ つづく



[ 2009/10/15 08:24 ] 何でも話 | TB(0) | CM(0)

『青木雄二金言集-ゼニ一日一言365日』

青木雄二金言集―ゼニ一日一言365日 (広済堂文庫)青木雄二金言集―ゼニ一日一言365日 (広済堂文庫)
(2003/12)
青木 雄二

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青木雄二氏の著書をおすすめするのは、ゼニの幸福論に次ぎ2冊目です。

今回、おすすめするこの本は、頁ごとの文章が短いので読みやすいと思います。しかし、内容は深いのです。酸いも甘いも経験した著者ならではの箴言ではないでしょうか。

365の金言集ですが、特に現実的と思われた箇所を「本の一部」ですが紹介したいと思います。



・経理部長が代わっておれば、そこは危ない
洗脳教育がつくる金貸しのカモたち。見栄と世間体がネギを作る
・働くものは儲けずに、儲けるものは働かん

・義務教育では「友情」を美化しすぎるんや
・テレビに出るような奴はホンマもんやないで
・金貸しはアホに貸す。自分より賢い奴には絶対貸さん

・訓示好きな経営者には用心せい。宗教的洗脳で賃金搾取されとるで
・カードは資本家の発明品。連中がラクする仕組みや
きれいな自社ビルの会社は意外とやり方が汚いで。だから自社ビルが建つわけや

・商売でもギャンブルでも強いヤツはツキを小出しにして勝つ
・大切なことは何も教えない。日本の文部科学省は大ウソつき
・金を騙し取る詐欺師は人の弱みを正確に見抜いている

マルチ商法は自分の人間関係を刈り取られるシステムや
・成功するにはいかにうまく偶然を利用するかで決まるで
・法律はけっして弱いものの味方なんかやないで

金儲けの才覚は現実を把握できる能力や
・お国のために官僚は働いとらん。しょせんエゴイスト集団
・男の人生は結婚した女性で決まってしまう。まことに難儀や

・生き方のスタイルを持て。それがなければ人生の負け組や
・人のやらんこと、つまり逆をいくと、当たりはデカいで
・弱い者同士をケンカさせて稼ぐのが強い者のやり方

・義務教育の欠陥はゼニの哲学を教えないこと
・社会で勝とうと思うんやったら、得意技を持つ本当のプロになれ
・大事なときに金持ちは「団結」し、貧乏人は「我」を出す

・資本主義は騙し騙されることを認め合って成立しとる
・金も力もない奴が天下取ろうと思ったら賢くなるしかない
・男の基本は経済力。金があると夫婦はもめへんのや

・「ツキの流れの潮時」をきちんとつかまえた奴が人生の勝者や
ツキのある奴とつきあうようにするのが成功の秘訣や
・学校の勉強ができても社会勉強せんと築いたものを失うで

・宗教のような会社に洗脳されて、人生を質入れするな
・人の言わんこと、やらんことをやれば仕事がやってくる
・サラリーマンではゼニがたまらんのが資本主義や


社会の現実を把握して、悟る力があったので、生前、あれだけの活躍をされたのだと思います。

底辺からのし上がっていこうと考えている方には、必見の書であり、読んで理解できるまでは、肌身離さず持ち歩くべき本かもしれません。



[ 2009/10/13 07:34 ] 青木雄二・本 | TB(0) | CM(0)

『賢い投資家起業家の「700の戦略」』沢神秀

賢い投資家 起業家の「700の戦略」賢い投資家 起業家の「700の戦略」
(2008/11/01)
沢神 秀

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この本は、投資家・起業家になるための「決意表明書」「宣言書」のように感じました。

若いときから、この言葉と共に人生を歩んだら、大人物、大金持ちになるように思います。信念と哲学を持つこと、それが、お金持ちへの近道かもしれません。

700ある言葉の中から、著者の信念、考え方に共感したところを30ほど紹介したいと思います。


003.おいしいものが高いのではない。数少ないものが高いのだ。金を稼ぎたいのなら数が少ないものを発掘する

005.自分の会社が作っているものを他社が作ることがどれだけ難しいかが勝負

013.一度設計してしまえば無限にコピー、生産できる。しかも世界に売ることができる。最初からそんなものを探す

029.オタクとは早い時期から何かに没頭することができた恵まれた人のこと。彼らが将来経営者になる確率は高い

066.誰にも命令されたくないのならお金を自力で稼ぐしかない

074.常にうまくいく予感のシャワーを浴びる

142.大衆は平均に向かうように努力する。賢者は平均から上離れするように努力する

150.夢、理想を語れなくなったら人間おしまい

219.世間は大勢の一般人と一部のエリートで構成されている。一般人受けするためにはエリートは簡易な言葉で語らなければならない

225.イメージの力は実は自分が思っているよりもはるかに強力。これに気づいていない人は、自分が平均的な人生になると無意識にイメージしているので、平均的な人生になってしまう

299.自分の言動を包み隠さすことなく全て世間に公表できるか。できなければそこにうしろめたさが生まれ、自信の欠如につながる。自信の欠如は失敗につながる

327.どんなに強風が吹こうとも絶対に手を離さないロープのように、これだけは離さないというものを持つ

355.営業、販売は人件費がかかる。すべきことはお客さんの方から「売ってくれ」という仕組みを構築すること

361.長年努力してきたが、どうにもうまくいかず、遂にあきらめる時が来た、もうダメだ、と思った時がやっとスタートライン。ほとんどの成功者は皆、窮地に立たされ、そこから復活している

413.人は誰かに親切にされたことは何千回もあるのに毎日それを思い出すことはない。しかし、誰かに迷惑をかけられたことは根強く覚えている。人が自分を不幸だと思い込む理由はこれである

433.開拓されていない市場を見つけることは敵がいないため自分のことだけに集中できる

448.賢者は人の話をよく聞く。もしくは相手が得になることを話して、お礼に自分が得になることを教えてもらう。ただやみくもに話すということはしない

456.常識的な大衆の中に身を置くということは、それだけライバルの数も多いということ。この落とし穴に気づいている常識人は少ない

483.その人の書庫を見るとその人が分かる。ある人格がある本を呼び、その本が人格を作る

501.誰かが書いた台本の出演者にならない。自分で台本を書き、自分でゴールを設定し、自分が主役になる

507.お金を持っていて「自分は十分に満足した」という人が世のため人のために尽くすことができる。私益より公益に全力を尽くせるのはこういう人

539.自分を変えなければならない相手は、付き合うべき相手ではない。常に本音でいられる人でないと結局は長続きしない

553.自分の考えを反映させるものは趣味。相手の望むものを反映させるのが商売

575.多くの人は簡単なものを望む。そこで大勢とは逆の位置に立つ。常に難しいことを選択する。難問なので進むスピードは遅いが、進めば進むほどライバルは少なくなっていく

577.一つの大きな改善ですべてうまくいくことはない。100の小さな改善が大きな成果となって現れる

655.相談すべき相手は知識を詰め込んだ後の自分の脳。相談内容を脳に刷り込むと、ふとした瞬間に回答を出してくる

662.好きな仕事をするか、好きではないが短期間で平均の生涯年収以上を稼いでしまうかのどちらかに賭けてみる価値は十分にある

668.自分を掘り下げた結果、やりたいことが見つかった場合は、周りの発言に影響を受けにくい。芯があり自信があるので自信を強める発言以外は興味を示さなくなる

675.「1年間休日なしでやりたいことは何ですか?」この答えに今の仕事が入っていなければ考え直す時だ

694.100人に1人は変人だがまだ大したことはない。その変人が100人集まった中でもまた唯一の変人にならなければならない。ここまでライベルを減らせば何をしても勝つ



若い人で、この本を読み、共感し、理解できたら、成功を半分手に入れたのも同然かもしれません。

できるならば、自分の戦略を100でいいから、考えて、つくって、絶えず確認することができたら、成功を9割手に入れたのも同然ではないでしょうか。

35才までに、読んでほしい1冊だと思いました。

[ 2009/10/11 09:05 ] 投資の本 | TB(0) | CM(0)

『ゲーテに学ぶ幸福術』木原武一

新潮選書 ゲーテに学ぶ幸福術新潮選書 ゲーテに学ぶ幸福術
(2005/01/15)
木原 武一

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かの有名な文豪ゲーテの言葉をコンパクトにまとめた良書です。

ゲーテは、詩人、小説家、劇作家、哲学者、自然科学者、政治家、法律家といった多彩な顔を持つ、ドイツが生んだ天才です。

50歳を越えて、ゲーテの格言を再び読むと、心に響いてくる箇所が、かなり増えていることに気づかされました。

この本は、数あるゲーテ本の中でも読みやすい本だと思います。本の一部ですが、心に響いた箇所を紹介したいと思います。



・われわれの願いは、われわれのうちにある可能性の予感であり、われわれがなしうるであろうことの先触れである

・何か意味あることは、孤独のなかでしか創られないことを、私は痛感した。広く喝采を博した私の作品は、孤独の産物である

・私は世の中でいろいろなことをやってきたが、いつも同じことを発見した。習慣のなかにこそ、人間にとってかけがえのない快楽があるということを

・よき人はつねに初心者である

・人にはそれぞれ固有の性癖があり、これから逃れることはできない

・誰しも自分に理解できることしか耳にはいらないものだ

・他人の長所について考えるのが習慣になると、知らず知らずのうちに自分自身の長所もひとりでにわかってくるものだ

・悪いものを悪いと言ったところで、いったい何が得られるだろうか

・人はだまされるのではなく、自分で自分をだましているのである

・すばらしい人生を築きたいと思ったら、過ぎ去ったことは気にせず、腹を立てないようにつとめ、いつも現在をたのしみ、とりわけ誰も憎まず、先のことは神様にまかせること

行儀作法は、すべての人間の姿が映し出される鏡である

・自分自身を大切にすることが道徳であり、他人を尊重することが行儀作法である

・年をとったら、寛大になりなさい。私が目にする過ちは、すべて私自身も犯したことのあるような過ちばかりなのだから

・人間が到達できる最高の境地は、驚きを感じるということである

・有用なるものから本物を経て、美にいたれ

・自分は自由であると宣言した瞬間、制約を感じる。敢えて、自分は制約されていると宣言すると、むしろ自分が自由であることを感じる

・人間はみな、自由を手に入れるや、自分の欠点をさらけだす。強者は行き過ぎ、弱者は投げやりになる

・心の底から出たものでなければ、けっして心から心へ伝わるはずがない

・モットーとは、その人が持っていないもの、その人が追い求めているものを示している。これをいつも忘れないようにしよう


ゲーテなんて、名前だけは聞くが、読んだことはないという方に、この本はおすすめです。
さらっと読み進んでいくことができるゲーテを知る入門書ではないでしょうか。

[ 2009/10/09 08:58 ] ゲーテ・本 | TB(0) | CM(0)

『シニアカスタマー』松村清

シニアカスタマーシニアカスタマー
(2007/01)
松村 清

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各種研究所やマーケティング専門家の「シニアマーケット」の本はよく出ていますが、シニアでない人が書いた本が多く、また、現場に出向かず、データを見ながら、頭の中で書いたものが多く、違和感が少しありました。

この本の著者の松村清氏ご自身がシニアで、現場に精通した流通コンサルタントです。年に半分、アメリカで生活もされており、アメリカのシニア事情にも詳しい方です。

豊富なレポートや事例から語る、この「シニアカスタマー」は面白く読め、しかもシニアの実態がよくわかりました。

本の一部ですが、面白く、ためになった箇所を紹介したいと思います。


・ロサンゼルスに「リラックス・ザ・バック」という「腰痛・首痛の開放と予防」をコンセプトにしている店がある。椅子や枕、ベッド、マッサージチェア、車のシートサポート、手揉み器具などを揃えている。オープン当初の心配をよそに、株式上場するほど成長した

・アメリカの「ホートンコンバース」という小規模ドラッグストアでは、配達はもちろん、支払いも月末締めで翌月払いも可能。調剤薬は税金の控除対象なので、支払履歴があると便利

・「ヒット商品よりフィット商品」。シニアを顧客に多く抱える化粧品店に行くと、ひと昔前のメーカー品をいまだに陳列しているが、その店にはそれを求めるお客がいるから

・孤独なシニアは人間的な触れ合いを求める。店での買物がレクリエーションになっているケースもある。心のつながりを考慮することなく、単にモノを売るだけでは必ず失敗する

・東京都内でラッパを吹いてリヤカー行商する豆腐屋さんは、惣菜も含めると1日4万円~7万円の売上。「良いお客さんはご年配の人たちで、お孫さんの話などの世間話をすると常連客になってくれる」とのこと

・人間は年をとると、なじみを作りたがる。若者は流行を追いかける。若者相手のビジネスは使い捨て文化だが、シニアは違う

・「販売上手は聴き上手」。聴き上手には3つの得がある。「1.お客の本当のニーズが分かる 2.お客のプライドを高める 3.熱心さに好感が持たれる」。年齢の高い人は、自分が理解されたと感じた時に信じられないほど喜ぶ。「聞く」ではなく、耳を傾け、心から「聴く」ことが大事

・シニア層の視力低下に対応するには、「文字を大きく・色や絵文字の活用・イメージカラーの使用・コントラストや明度の違いをはっきり」の配慮が必要

・年をとると味覚も鈍る。「甘・苦・酸・辛」の中で、甘さに対する感覚が低下し、酸味の味覚が保持される。シニアが食べ物にスパイスやソースをかけて味を補うのは、そのため

・シニアに優しい商品は若者にも売れる。シニア向けに開発したものは、若者にも便利で使いやすい。「保湿性と動きやすい下着」「取り出しやすい受取口と広い釣銭口の自動販売機」「風呂場の手すり」など、若者→シニアという従来の逆の現象が起きてきている

・時間を潰すのが大変なシニア向けに、「射幸性が少なく、長時間楽しめるパチンコ店」「賭けなし・タバコなし・酒なしの麻雀荘」などができてきている

・ダイビング、パラグライダー、格闘技、トライアスロン、自転車、ボディビル、ラグビー、サッカー、野球などに取り組む「体育会系シニア」が増えている

孫市場の規模は非常に大きく、米国では年間200億ドル以上と言われている。子供服や玩具の4分の1は祖父母が購入。「お孫さんとの旅」で年1回、孫に旅行をプレゼントする祖父母は62%に上る

・シニアに受けている「ゴールドバイオリン」というネットショッピング会社の売れ筋は、文字用拡大機器、杖、車椅子、音声機能付き時計・温度計・体温計、浴室の椅子や手すり、開け閉めしやすい台所用品、簡単に脱げる衣服・ソックス、マッサージ器、電動ベッド、ショッピングカート、リモコンなど

・シニアは事実を知りたがっているので、小細工したアプローチの説得型広告に反発する。自己中心的な広告は逆効果

・年をとるにつれ、しゃがむ行為がしんどくなる。視力の低下もあり、陳列棚の下段はデッドスペースになりやすい

・シニアは何事によらず他人からの押し付けを嫌う。長い人生経験の中で自分の価値観が確立されている。シニアの志向は「カスタマイズ」か、選択肢の用意

・女性は女性の同伴者がいると買物時間が長くなるが、夫婦同伴だと女性の滞在時間が短くなり、売上が落ちる。退職した夫が、奥さんの買物を急がせないように、アメリカのデパートでは、男性用のバーカウンターを用意し、スポーツ中継などのテレビ番組を流している



以上、事例や実例が豊富で、アメリカや日本のシニア市場の現場で、どういう変化が起きているのか、手に取るように分かりました。

こういう、事例中心のビジネス本が、最近少なくなっているように思います。シニア市場に興味のある方だけでなく、どんな方でも、ためになる1冊ではないでしょうか。


[ 2009/10/08 06:59 ] 営業の本 | TB(0) | CM(0)

『アメーバ経営-ひとりひとりの社員が主役』稲盛和夫

アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役アメーバ経営―ひとりひとりの社員が主役
(2006/09)
稲盛 和夫

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私が、以前勤めていた会社も、アメーバ経営のような形態(小集団部門別採算制度)をとっていました。

小集団のリーダーも経験し、悩み苦しみましたので、経営者意識原価意識のようなものが自然と身についたように思います。

その反面、社内競争が激しく、部署間でギスギスした関係に陥ったり、部署内で、稼ぎの悪い人への風当たりが強くなったりと弊害も見受けられました。

しかし、これから独立しよう、起業しようという人にとっては、アメーバ経営は、ミニ経営者として、経営の訓練ができるので、貴重な体験になると思います。

知ってるつもりの「アメーバ経営」ですが、現在、どのように進化しているのか知りたくて、京セラやKDDIの名誉会長を務める、アメーバ経営の提唱者である稲盛さんのこの本を読みました。

新たに勉強になった箇所を、本の一部ですが、紹介したいと思います。


・アメーバ経営には、大きく分けると次の3つの目的がある
1.市場に直結した部門別採算制度の確立
2.経営者意識を持つ人材の育成
3.全員参加型経営の実現

・アメーバ組織を編成するにあたっては、3つの条件が必要
1.アメーバの収支が明確に把握できること
2.リーダーがアメーバを経営するのに、創意工夫する余地があり、やりがいを持って事業ができること
3.組織を細分化することで、会社の目的や方針が阻害されないこと

・経営管理部門はアメーバ経営の思想ならびに手法と仕組みを管理し、発展させる役割を担う。「アメーバ経営を正しく機能させるためのインフラづくり」と「経営情報の正確かつタイムリーなフィードバック」と「健全な資産管理」において重要な組織である

・「時間当たり採算表」から創意工夫が生まれる
(各アメーバが1時間当たりに生み出す付加価値を認識し、経営活動に反映)

・営業部門も製造部門もプロフィットセンター
(全員が少しでも付加価値を高め、採算を向上させるよう努力するしくみ)

・目標や成果を金額で表す
(社内のあらゆる伝票に、「何個買った」「何個つくった」だけでなく、「いくら購入した」「いくら生産した」という金額ベースでやりとり

・タイムリーに部門採算を把握する
日々集計を行い、その結果をスピーディーに現場へフィードバック)

時間意識を高め、生産性を上げる
(現代の経営はスピード重視で、時間効率を高めることが鍵。時間当たり採算制度で、従業員一人一人に時間の大切さを自覚させ、生産性を高めている)

ガラス張り経営の原則
(公明正大に処理された経営数字を一般社員までわかるようにし、経営の実態がつかめることで、社員の経営者意識が生まれてくる)

社内売買
(アメーバ経営では、社外の市場と同様に社内取引を行っている)

経費の細分化
(細かいと、経費を削減する場所が明瞭になり、効果も明確になる)

日々の進捗状況を全員が把握する
(日々の受注、生産、売上、経費、時間などの実績数字は、翌日に日報として配布され、従業員一人一人が現在自分のやっている仕事がどのように実績に結びつくか実感できる)

値決めは経営
(これより安ければ、いくらでも注文がとれる。これより高ければ、注文が逃げてしまう。そのぎりぎりの一点を射止めなければならない。経営の死命を制する問題)

リーダーが先頭に立ち、現場に任せきりにしない
(旗振りだけをするリーダーがいては、会社は発展しない。客先や現場を走り回り、現場の問題を熟知し、現場へ行って解決、激励しなければならない)




以上、アメーバ経営は、つらいと言えばつらいですが、数値で仕事を捉えることは、考えたら当たり前のことです。スポーツ選手は、プロ・アマ問わず、記録、得点との戦いを強いられています。

サラリーマンだって、プロを目指すなら、スポーツ選手と同じ境遇や試練を受け容れないといけないはずです。

これから、伸ばしていこうと考えている会社の社長、将来、独立しようと考えている方、アメーバ経営は絶対に知っておかなければならない経営方法です。

[ 2009/10/06 07:39 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『だから、金持ちになれた「すごい習慣」!』ハンサンボク

だから、金持ちになれた「すごい習慣」!だから、金持ちになれた「すごい習慣」!
(2004/06)
ハン サンボク

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この本は韓国で出版されたものです。著者は、「金持ちの本当の姿」を知るために、一代で財を成した韓国の金持ち(日本円換算で、財産1.5億円~75億円所有者)143人に会って、インタビューを行いました。その結果、わかったことを、この本にまとめています。

最近、韓国ドラマをよく見ますし、過去4回行って、隅々まで歩き回ったので、韓国の今のお金事情は、分かったつもりでいました。

しかし、この本を読み、韓国のお金持ちの現実や本音を知り、少ししか分かっていなかったことに気づかされました。

韓国の金持ちの考え方、習慣、体験は、同じアジア人として、非常に参考になりました。この参考になった箇所を本の一部ですが、紹介したいと思います。



・「死にもの狂いで金を稼ぎ、それを守る訓練を積んだから、まだ金持ちでいられるのだ」

・「どんな仕事でも同じですが、商売で金を稼ぐということは、自己修養と同じです」

・大多数の人々が、「韓国の経済はもう終わりだ」と嘆いていたとき、彼らは債券と株に投資をした

・「再起してから学んだ教訓があります。それは世の中に刃向かうなということです」

・金持ちになった批評家はほとんどいない。金持ちは「耳が大きい」と言われる。人の話を心して聞く傾向が強いということ

・「金持ちとそうでない人の違いは何か?」という問いに、4割以上の金持ちが、「金を儲けるチャンスを見つける能力」と答えた

・一般の人々はお金を使うことを楽しむが、金持ちはお金をためることを楽しむ。それこそが、金持ちとそうでない人を分ける最初の境界線となる

・金持ちのうち、大卒は6割、しかし、名門大学出身者は1割未満

・「名門大学を出た人ほど、実利より名分虚栄を重んじるため、金持ちになれる可能性が低くなってしまう」

・金持ちは、滅多に自慢話はしないし、人が財産自慢しているのを聞いてもあまり気にしない。自分がいくら稼いだという話もしない。むしろ、彼らは金持ちであることを人に知られるのを嫌がる傾向にある

・「お金は人知れず静かに稼ぐものです。自慢話なんかしていたら集まるお金も集まりませんよ。自分を華やかに飾って自慢する人のなかに、本当の金持ちはいませんよ」

・「新聞が不況だと騒いでいる時期が株の買いどきです」

・金持ちと金持ちでない人の動きを見比べると、逆の行動をとっていることがわかる。金持ちは人がチョキを出すのを見てからグーを出して金を儲ける

・「お金は川と反対の方向に流れます。川は高いところから低いところへ流れますが、お金は貧しい人から金持ちへと遡るのです」

お金の匂いを嗅ぎ分けるだけの嗅覚が必要であり、その嗅覚を養うためには、お金が流れているところに実際に足を運ばなければならない

金持ちの職業でもっとも多いのが大家

・金持ちは「自分がよく知っていること」に投資をする。他人の成功に付和雷同しない

・「人々は高い値がついたとき売るのが株の儲け方だと思っていますが、いちばん重要なのは、株をいくらで買うかです。お金が儲かるかどうかは買ったときにすでに決まっているのです」

金を使わないことが金持ちの出発点

・「ものを買うときは必ず三度は考える」

金持ちになる秘訣は配偶者にある。どんな配偶者を得るかによって、金持ちの人生を歩めるかどうか決まる

・「お金をためるには夫婦の合意が必要です。片方が100万ウォンを節約しようとするのに、もう片方で湯水のごとくお金を使っていたのでは何も残りません」

・子供に家賃収入を与えてはいけない

・「若い者が家賃収入で生活するなんて、とんでもない。そんなことをしても、人生ダメにするのがオチでしょうね。苦労してお金を稼ぐことを考えなくては」



株と土地においては、今の日本と韓国の事情は少し違いますが、お金を儲ける、お金を貯めるという行為において、何も変わりません。

これから、お金持ちになりたいと願っている人の、読むべき1冊に入るのではないでしょうか。

[ 2009/10/05 05:38 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

『ブラジル巨大経済の真実』鈴木孝憲

ブラジル 巨大経済の真実ブラジル 巨大経済の真実
(2008/06)
鈴木 孝憲

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2016年のオリンピックが、リオデジャネイロに決まりました。ワールドカップに次ぐ快挙です。

その背景には、経済力と政治の安定があったからこそ、国際的な信認を得たものと思っています。

私は、1年ほど前、NHKのBS世界のドキュメンタリーで「変わる南米、ブラジルが世界を変える~ルーラ大統領の挑戦~」という番組をたまたま見て、ブラジルに対する認識が変わりました。

貧しい労働者から這い上がってきた左派の大統領なのに、兵ぞろいの南米諸国の首脳に対して、理想を説き、国連での積極的発言も交えながら、まとめていく政治的手腕は、なかなかのものと感じました。

また、国内においても、経営者と労働者の要望を擦り合わせながら、上手く舵とる姿勢も見事でした。

この番組を見て、ブラジルは伸びるなと感じ、ブラジル経済のいい本はないかと大型書店に行き、手にしたのが、この本です。

ブラジルがなぜ、経済的に好調なのか?その根本を知る上で、非常に役に立ちました。この役に立った箇所を紹介したいと思います。



・ブラジルの人口は約1億9000万人、日本の1.5倍以上。日本の23倍の国土は熱帯から温帯にまたがり、寒冷地や砂漠はなく、農産物の増産がまだまだ可能。世界の農産物輸出ランキングの1~4位にブラジル産品が13品目入っている

・2006年には石油もすべて国産で賄えるようになり、エネルギー自給率100%を達成。ガソリンに代わる新燃料バイオエタノールも今後、大幅増産が可能

・自動車生産は2007年に、300万台に迫る勢い。世界ランキング5位が視野に。世界の大手自動車メーカーは、こぞってブラジルに大型投資を続けている

・ブラジル経済を根本から変えたのは、1994年7月に導入されたインフレ抑制策の「レアル・プラン」(経済の緩やかなドル化が骨子)だった。同プラン導入直前のインフレ率は月間50%(毎日2%の物価上昇)だったハイパー・インフレが収束した

・インフレがおさまった1995年~96年頃から、欧米企業を中心に外貨の対ブラジル投資・進出の第3次ブームが始まった

・2003年、左派のルーラ政権が誕生し、左旋回の懸念から、通貨危機の対応に追われたが、実際は政権スタートと同時に中道化路線をとった。危機がおさまってから、中国によるブラジルの農産物や鉄鉱石の大量買い付けが始まり、資源大国、農産物供給国として、国際的に見直され始めた

・ルーラ大統領は、貧困層に対する生活補助制度を1100万世帯(約6000万人)まで拡大。このため、貧困層の購買力が大幅にアップ。工業生産も増え、雇用や賃金も改善し、2006年後半から内需を中心とする好循環が始まった

・1970年代に、純度60%を超えるカラジャス鉄鉱山が発見され、埋蔵量は、当時は世界需要の500年分を賄えると言われた。1980年代半ば以降、海底油田採掘技術の進歩のおかげで、リオデジャネイロ近くの海底で次々に油田が発見。2006年には石油自給率100%を達成

・アメリカの投資家ジョージソロスは、とうもろこしや砂糖の生産量が多いマットグロッソ・ド・スル州に日本円換算で800億円の投資を行っている

・1996年~2004年の9年間で、通信、自動車・部品、銀行、ホテル、スーパーマーケット、電気電子・化学・石油化学、製鉄などの分野に日本円換算で12兆円の外資の対ブラジル投資が次々に行われた

・ブラジルでの韓国企業の活躍は目覚ましい。韓国のLGは日本円換算で年間1800億円の売上を達成。ブラジル人から価格とデザインで高く評価。サムスンも1200億円を達成。日本企業より遅れてやってきたのに、ハングリー精神とバイタリティーで市場を急拡大。パナソニック(約500億円)とソニー(400億円)の3倍以上に

・国内市場の小さい北欧各国もブラジルに積極的に進出。人口1000万人に満たないスウェーデンだけで進出企業が180社を超えるのは驚き

・2003年頃からブラジルの貿易収支は大幅黒字に。06年には465億ドル(約4兆円)に達し、累積対外債務を軽減

・インフラがまだまだ未整備のために、港までの輸送コスト、船積み込みの港湾コストなど、他国に比べて高い「ブラジル・コスト」が国際競争力を低下させている

・エタノール購入について、日本がなかなか結論を出さないのでブラジル側は戸惑っている。しかし、ブラジル国民の中には日系人が150万人おり、そのうち30万人が日本へ働きに行っていることもブラジル側はよく認識している。日本、日系人、日本人に対する信用信頼は崩れていない



この本を読めば、高い税金、為替のレアル高、高金利など、問題も山積みの点がありますが、ブラジル経済が軌道に乗りだした事実は間違いないことがわかります。

日本では、投資と言えば、中国、ベトナム、インドなどのアジアの国に目が向きますが、2億人弱の人口広大な農耕地面積無尽蔵の資源を抱えるブラジルの存在は、ますます重要になってくると思います。

この本は、今のブラジルの実情を経済的に知る上で、貴重な1冊です。ブラジルに興味のある方は、読まれたら面白いと思います。


[ 2009/10/03 16:25 ] 海外の本 | TB(0) | CM(0)

内集団びいき(2)~職場のいじめ対処法~

樹花鳥獣図屏風(左)伊藤若冲筆/静岡県立美術館/POST CARD
その観察から分かったことは、職場のいじめ対処法は、以下の2つのパターンに集約されるということです。

1.特殊才能つき、変人になる

単なる変人ではいけません。皆が、注目する変人です。そのためには、何かしらの特殊な才能がないといけないのです。

変人なので、仲間にしたくはありませんが、その特殊な才能を、誰もが認めざるを得ないと思っています。したがって、その存在を否定する理由もないので、いじめの対象にはなりません。

しかし、謙虚に振舞わなくてはいけません。皆と距離感を保ちながら、飄々と生きていくのがコツです。

しかし、この状態を長年続けていこうと思うと、孤独に耐える精神力が必要となります。円満な家庭(近辺に良き理解者、相談者)がないと、人間は、なかなか孤独に耐えることができないのかもしれません。

2.客を味方につける

特殊才能がない場合、どうしたらいいのでしょうか?大体、組織の人間は、組織を優先するあまり、口では、「顧客志向」などと言いますが、客のことを余り考えていません。

客に喜ばれることより、上司に喜ばれることの方が優先順位が高いものです。

しかし、会社という組織は、客がお金を払ってくれるおかげで、存在できています。部長が評価してくれて、給料がアップしたとしても、そのお金は、客のお金が、回りまわって、給料になっただけのことです。

ということは、長い目、大きな目で見れば、部長や会社よりも、客の方が大事だということです。

ここが、主流から外れた人間にとって、押さえておかないといけない重要なポイントです。

職場のいじめ対処法として、客を徹底的に味方につけていくのです。客に誠心誠意尽くし、客からの支持を絶大なるものにして、客の評価を勝ち取っていくのです。

例えば、政治家も、国民を味方につけて、「支持率」を武器に、トップに昇りつめることもできます。

これと同様に、「客の支持率」という武器をもって、外堀を埋め、時勢が傾くのをひたすら待ち、来る時が来たら、内堀も埋めにいきます。そして、組織の本丸に迫っていくのです。

何やら話が大きくなってしまいましたが、これが、大きな意味での「いじめ対処法」です。

1も、2もできない人は、会社を辞めて、別の会社に再就職するか、独立して会社を起こすしかありません。

私は、独立してしまいましたが、性格を自己分析すると、本当は、組織の中で働いた方がいい人間だったと思っています。

集団への帰属と忠誠を誓うような日本的体質がなく、一人一人を大人として扱ってくれる組織であったなら、ずっと働いていたと思います。

自分のやりたい仕事と働きたい職場の両方を見つけ出すことは、至難の業かもしれません。とかくこの世は住みにくいということでしょうか。


内集団びいき(1)~スケープゴート~に もどる


[ 2009/10/02 10:52 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

内集団びいき(1)~スケープゴート~

樹花鳥獣図屏風(右)伊藤若冲筆/静岡県立美術館/POST CARD
数年前、田畑の多い郊外を、車で走っていたら、渋滞に巻き込まれてしまいました。動いては、止まり、動いては、止まりを繰り返しながら、ようやく、渋滞の先頭に差しかかったとき、面白い光景に出会いました。

それは、村祭りだったのですが、お神輿を担いでいる若い衆(総勢30人くらい)が全員金髪だったのです。

そもそも、髪の毛を染めるということは、個性の表現、演出のはずです。要するに、似合う人、コーディネート能力のある人は髪の毛を染めたらいいし、そうでない人は染めなかったらいいと思います。

しかし、全員ということは、このお神輿のリーダーが指示をして、金髪と決めたのではないでしょうか。その中には、リーダーの指示なので、仕方なく、金髪にした者がいたはずです。

金髪にするということが、個性的だったはずが、いつのまにか、没個性画一化)にすり替っていました。

老いも若きも、この日本的体質(集団帰属忠誠心)は変わらないものだと、改めて実感しました。

しかし、考えてみたら、「この村」=「日本の会社」「日本の組織」と言えなくもありません。つまり、日本の縮図を垣間見たような気がしましたので、この光景が、なんとなくいやだったのです。

過去において、サラリーマン生活を10年ちょっと経験しましたが、この日本的体質(集団帰属と忠誠心)が嫌いで、どうしても馴染めませんでした。

集団行動が苦手だからといって、会社で、仕事をしなかった訳ではありません。むしろ、仕事は誰よりも、完璧にしていました。また、予算も納得した上で、必死になって、達成しようとしていました。

それなのに、何かと集団行動を強要されるのです。もっと、大人として、扱ってほしかったのですが、それが、なかなか理解してもらえませんでした。

当時(25年近く前)、私も生意気盛りでした。例えば、部長に、社内(部内)旅行に反対して、
「何で休みの日に行かないといけないのですか?」
「仕事はキッチリしますので、その時は、休ませて下さい」
などと言っていました。

でも、このようなことを繰り返したので、上司にとっては、扱いにくい部下として、また、和を乱す存在として、疎ましく感じられるようになったのではないでしょうか。

当然のごとく、主流から外されていき、日に日に、スケープゴートされていくのを感じるようになりました。

日本社会には、内集団(仲間)には、限りなく優しく、外集団(余所者)には、限りなく冷たいという、いじめの体質が、深く根付いています。

この余所者扱いされている時、今後、会社組織で、どのように生きていったらいいか、(結局は、会社を辞めてしまいましたが)考えました。

考えたというよりか、巧みに組織の中を上手に渡っている人を、実際に観察しただけのことですが・・・


内集団びいき(2)~職場のいじめ対処法~へ つづく


[ 2009/10/01 07:25 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)