とは学

「・・・とは」の哲学

自己管理能力(3)~快楽主義者~

ローザンヌのロートアイアンサイン/photo by福家金蔵
人材育成も、このプロテスタントのような、自分に厳しい人を採用して、教育していかないと、成果があがりません。

そして、自分に厳しい人(将来の楽の追求)が、自分に甘い人(今の楽の追求)をマネジメントして、組織が成り立っていきます。

その結果、必然的に、自分に厳しい人が、社会の支配者層になっていくのだと思います。

ところで、今まで、プロテスタントを称賛してきましたが、カトリック信者が多い国がダメかというとそうでもありません。

カトリックの多い、フランス人やイタリア人は、いい意味での快楽主義者です。

ジュネーブで、フランスのテレビドラマを見たのですが、映像の美しさに圧倒されました。男性でもうっとりしてしまいます。

青い空、緑の芝生に、赤いバラ。
白い邸宅に、金髪の美女。
そして、この金髪が風になびきます。
その場面に流れる軽やかなメロディ心地よいセリフ
カメラアングルも、俯瞰の位置から、クローズアップしていきます。
テレビドラマでも、全然手を抜いていないのです。

最近の日本に多い、俳優と脚本を優先し、映像美を手抜きして、安易に視聴率を取ろうとするドラマとは違うように思いました。快楽は快楽であっても、芸術という高尚な快楽を厳しく追求していました。

現代は、プロテスタントのような、勤勉実直、質素倹約の精神が必ずしもいいとも限りません。このような精神のもとでは、カタい商品しかなかなか生まれてこないものです。

快楽を与える商品でないと誰も買ってくれない時代です。したがって、単なるカタい商品では、見向きもしてくれません。しかし、会社の運営においては、社員の快楽的行動を促すべきではありません。

つまり、こういう時代では、快楽性に身を置く快楽主義者であっても、決して快楽に流されず、快楽に対して、厳しく身を処することができる人材が求められているのだと思います。

不真面目そうに見える世界にいながら、実は真面目というのが一番いいのだと思います。

いずれにしても、どんな世界や時代においても、厳しく身を処す自己管理能力は欠かせない要素ではないでしょうか。


自己管理能力(1)~自分に甘い人・自分に厳しい人~に もどる



[ 2009/08/31 08:11 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

自己管理能力(2)~プロテスタンティズム~

スイス・ローザンヌ大聖堂/photo by福家金蔵
こうした難関を乗り越え、ゴールすると、1%の楽しさがやってきます(この時はさすがに、アドレナリンが爆発し、恍惚の快楽が訪れます)でも、この1%に到達するまでは、面白くもなんともありません。苦しいことの連続です。

社会においても、マラソンのような苦しさに耐え、挫折しない「自己管理能力」を有した人が、人を管理する立場に昇っていくように思います。

苦しみから我慢できずに、逃げ出し、同じような仲間を探し、慰め合う人。
思いがかなわず、喧嘩をする、キレる、悪口を言う、陰口を叩く、いじめるなどの行動をとる人。

こういう人は、大抵「今の楽」を選択してしまい、結果として、「将来の苦」を招いてしまうようにも思います。

苦しみに耐え抜く心を鍛えるには、マラソンのような、地味で単調な「自己管理能力」を問われるスポーツが一番適しているのではないでしょうか。

このような心を鍛えていたのが、スイスでは、白人で、有色人種が少なかったのです。

マラソンはお金のかからないスポーツです。したがって、誰でも参加できたはずなのに、この差が生じたのは、何でしょうか?

教育でしょうか?
宗教でしょうか?

私は、宗教にあると考えています。私は、プロテスタント信者が多い国がなんとなく好きです。

プロテスタントの多い国は、ドイツ、スイス、イギリス、スウェーデン、デンマークなどです。アメリカにも30%近くプロテスタントがまだいます。

これらの国に、1回は足を運んだことがありますが、カトリックとは一線を画しているように感じました。カトリックは、「恵みによる救済」を基本としています。

以前、イタリア・ミラノの大聖堂をのぞいたことがあるのですが、神父さんの前で、10人近くの人が懺悔している光景にびっくり仰天したことがあります。「懺悔すれば何でも許されるのか!」と思いました。

このようなカトリックに対して、抗議(PROTEST)して、改革を求めたのがプロテスタントです。したがって、プロテスタントの戒律は厳しいし、自分にも厳しいのです。

マックスウェーバーもかつて指摘したように、このプロテスタンティズムの倫理が資本主義の精神を築き上げてきたのです。

この厳しい、勤勉実直、自主自立、質素倹約の精神は、資本主義が成立していく上で、なくてはならない考え方だったのだと思います。


自己管理能力(3)~快楽主義者~へ つづく



[ 2009/08/30 07:57 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

自己管理能力(1)~自分に甘い人・自分に厳しい人~

ローザンヌ・市民マラソンを終えた人たち/photo by福家金蔵
6年前、スイスに行きました。日本へ帰る前日(日曜日)に、ジュネーブで少し時間が空いたので、電車で40分のローザンヌに出かけました。

ローザンヌには国際オリンピック委員会の本部がありますが、本当に、こじんまりした町(保養地)です。

旧市街観光を終え、昼過ぎに、ローザンヌの駅に戻りました。日曜日だったので、(ヨーロッパの日曜日は、日本の元旦のように、店がほとんど閉まる)おいしそうな飲食店は、ほとんど開いていませんでした。仕方がないので、駅前のマクドナルドに入りました。

マクドナルドは結構混雑していました。2階に上がり、約550円のハンバーガーを食べながら、客をじっと観察していました(こういうのが好きです)
「男が赤い服を着て、女が黒い服を着ているな」

また、駅前を通行する人をガラス越しに見て、
「年配の女性しか、スカートをはいていないな」
「年配の男性しか、髭をいっぱいはやしていないな」
などと、ユニセックス化現象をチェックしていました。

このユニセックス化現象とは別に、マクドナルドに来ている客の人種も見ていました。内訳は、「白人50%黒人25%黄色人種25%」といった感じでした。

食事後、地下鉄に乗り、レマン湖の岸辺に出ました。ちょうど、市民マラソン大会が終わったようで、次々に、参加者が戻ってきていました。

でも、このスポーツウエアを着ている参加者は、95%以上が白人です。先ほどのマクドナルドの人種構成とは明らかに違います。

これを見て、ヨーロッパ社会の構図が見えたように思いました。おそらく、人種差別は、なくなってきているはずですが、支配と被支配の構造は変わっていないように感じました。

マラソンは、登山、サイクリングなどと同じで、自分をいじめるスポーツです。日常の快楽の反対にあります。

こういうスポーツを「楽しい!」と感じる人は、基本的に少ないと思います。言ってみれば、「自分に厳しい人」のスポーツです。

昔、ホノルルマラソンを完走したことがあるのですが、マラソンは、99%苦しいスポーツだと思います。「自分に甘い人」では、“練習”も“本番”も耐えられないかもしれません。

大会前の練習は、課題を確実にこなす「自己管理能力」が問われます。走行中は、自分との闘いです。ペースを崩さない、途中棄権の誘惑に負けない「意志力」がないと、完走できません。


自己管理能力(2)~プロテスタンティズム~へ つづく



[ 2009/08/28 09:24 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

『99%は遺伝子でわかる!-人生はどこまでプログラム済みか』

99%は遺伝子でわかる!―人生はどこまでプログラム済みか99%は遺伝子でわかる!―人生はどこまでプログラム済みか
(2007/08)
ティム スペクター

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わが家の長男と次男は全く性格が違います。教育や躾でそうなったとは到底考えられません。したがって、二人の性格は遺伝的なものと考え、仕方がないとあきらめています。

いったい、遺伝的とはどういうものなのか?何が遺伝し、何が遺伝しないのか?以前より知りたいと思っていました。

そういう動機で、この本を手にしました。本の一部ですが、著者が書かれている内容で重要と思った所を紹介したいと思います。



心理学者は、人格を神経症的傾向、外向性、開放性、協調性、勤勉性の5つに分類しているが、このような性格はすべて遺伝子からの影響を受けており、遺伝率は40~50%もある

女性は男性の意味ない危険な振る舞いに目を引かれるが、それは、彼の遺伝子が優れているか、優れた子どもができるかを測る物差しになるからである。スリルだらけの人生を続けていれば、長生きできないが、女性に注目されるためには、多少の危険を冒す必要がある

本能的に利他的行動は、協力して、互いに利益を獲得する必要から進化してきた

人間の祖先は、遺伝子を残すために重要な、食料、配偶者、地位、子どもを増やすことができなかった。そのため、人間は、欲望を増やすように遺伝的に仕向けられている

遺伝子は人間を貪欲な行動に駆り立てるが、いつまでたっても満足できず、幸せになれない。社会経済状態、学歴、家族の収入、物質的状態、信心は幸福の3%でしかない、幸福感は80%遺伝にかかわっている

顔から人間を判断する能力にも遺伝子が関わっており、人間は本能的に微笑む人に騙されやすいことが判明

遺伝子が一致しすぎると臭いは心地よくても「性的な魅力」は感じない。理想の相手は、遺伝子が多少は異なる人(しかし、まったく違っていない)である

男性はたくさんの子どもを産んでくれそうな女性を相手に選ぼうとしている。男性は3歳若い女性を望み、健康と多産の印(ヒップとウエストの比が1対0.7)を求めている

女性は、実生活にはあまり役立たない、創造力(芸術、音楽、言葉やユーモア)を基準に男性を選ぶことがある。それは、そのような能力が、男性の脳や遺伝子が健全である印だからである

カフェインの過剰摂取はほとんど遺伝子によるもの(遺伝率70%)で、禁断症状も遺伝子が原因

ガンの遺伝率は約30%。これは心臓病など人がかかりやすい病気の遺伝率の約半分にすぎない

身長の高さは寿命に反比例し、人間の男性は女性より7%体が大きいが、この差が死亡率の差にほぼ比例している

近眼は遺伝子がかかわっており、近眼のあるなしの85%が遺伝子によって決まる

音楽がきちんと演奏されているのを聞きとる音感は、80%が遺伝によるもの

知能の70%が遺伝子にかかわっているが、幼児での類似性は40%、高齢者での類似性は80%で、不思議なことに、年齢が増えるにつれてはっきりと現れてくる

非常に頭のいい「おたく」の男性が、賢い女性と結婚すると、アスペルガー症候群の子ども(とりわけ男の子)ができやすくなる。頭のよい人に人付き合いが苦手な人が多いのも遺伝子のため

生き残り戦略に長けている人は、命にかかわったり、配偶者を手に入れたり、価値がある瞬間を適切に見抜き、それ以外はダラダラ過ごし、大切なエネルギーを温存する



何が遺伝的なのか、何が遺伝子の影響を多く受けるのか、これからも数多く解明されてくると思います。

遺伝的にどうしようもないことは早くあきらめ、遺伝的に自分に向いたことだけを的確に探し出せたら、楽しい人生が送れるのかもしれません。

この本は、遺伝を知る入門書として、軽く読み流すには最適だと思いました。



[ 2009/08/27 09:19 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)

『その数学が戦略を決める』イアン・エアーズ

その数学が戦略を決めるその数学が戦略を決める
(2007/11/29)
イアン・エアーズ

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データマイニングという言葉をご存知ですか?この言葉は、これから知名度がアップしていくのは間違いないと思います。その分、各界から識者の反発や否定の声が上がってくるのも間違いないと思います。

投資、保険、流通、情報などの世界では、このデータマイニング(複数データの相関関係、回帰分析など)は行われていましたが、パソコンの性能アップ(処理能力、容量、豊富なエクセル関数など)で、誰でも簡単にできるようになってきています。

これから、さまざまな分野で応用されていくと書かれているのがこの本です。実際に、アメリカなどで起きた事実が明記されています。

本の一部ですが、データマイニングの実例およびそれによって生じた問題で面白いと思えた箇所を紹介したいと思います。


ワインの質=(12.145+0.00117×冬の降雨+0.0614×育成期平均気温-0.00386×収穫期降雨)

経済学者オーリー・アッシェンフェルターは、どの年でも気象情報をこの方程式に入れれば、ワインのヴィンテージのおおまかな品質を予測できると発表

1986年、オーリーは、「この年のワインはインチキで、ひどい年だよと」述べたが、ワインライターたちはみんな絶賛した。正しいのはオーリーだった。ワイン商人やワインライターたちは、オーリーが提供する情報を一般人に知ってほしくない

ワイン商人も評論家たちも、ワインの品質に関する独占情報を維持する方が自分の得になる。商人たちは、当初のランキングを常につり上げておくことで、価格の安定を図っている。オーリーが毎年毎年驚くほど的中するので、頭にきている

ジェイムズは、打者は出走塁の成功度合いで評価されるべきと考え、「貢献出走塁=(ヒット数+四球数)×総塁数÷(死球以外の打席数+四球数)」の方程式をつくりだしたが、大リーグのスカウトには忌み嫌われた。

アスレチックスのゼネラルマネージャーは、スカウトの反対を押し切って、この方程式で大学選手を採ったら、メジャーリーグで活躍

ブドウにせよ野球選手にせよ、未評価で未成熟な品物の市場価値を予測する場合、専門家の見立てに頼るか定量データに頼るかが議論されている

テラ(1,000ギガバイト)単位のデータで、複数要素の相関関係をコンピュータ計算していくことを「兆単位の計算」=「テラマイニング」という

レンタカー会社や保険会社は、クレジットカードの返済実績の低い人にサービスを拒否。データマイニングによれば、返済実績の低い人は事故を起こしやすい

最近では、航空会社はキャンセル席を、常連客を飛ばして、データマイニングで他社に乗り換えそうと判断された顧客に提供

厳密なデータ分析に裏付けられた「落ちこぼれなし」教育手法を義務付けられた教師は、講義の一語一語が事前に脚本のように決められた授業をするようになっている

1970年代の中絶率と1990年代の犯罪率に重要な相関があることを示している

父親の身長が平均より1cm高ければ、息子の身長は3分の2cmほど高くなると予測される

人格傾向の「正直さ・親しみやすさ・外向性」を評価した方が、労働者の生産性や長続きが予測されるので、大手チェーン店などは応募者を採用する際に、従来の伝統的な技能試験やIQ推定より、この人格傾向を使い始めている

カジノのハラーズ社は、ギャンブラーがいくらまでならお金をすってもそれを楽しめて、またここに戻ってきてくれるかを予測。スロットマシンの好きな34歳白人女性なら1晩当たり900ドルが分岐点

クレジットカードのVISAは、カードでの購入履歴をもとに離婚確率を予測(離婚するとカードの支払遅延確率も変わる)

クレジット会社のダイレクトメールで、手紙の右上に、にっこりほほえむ女性の写真を入れておくだけで、男性の応答率が跳ね上がり、金利を4.5%引き下げたのと同じ効果がある

失業保険支払いを下げるため、回帰方程式を使い、自力で仕事を見つけられそうな労働者を予測し、求職支援を行った。ミネソタ州では失業期間が4週間短縮され、政府の節約につながることが判明

メキシコの貧困削減政策で、現金を貧困者に支給するには、「子どもを学校に通わせること、妊娠中に出産前診療を受けること、栄養状態のモニタリングを受けること」そして、お金を受け取るのは母親だけを条件にした

この実験対象村落では、非実験村落に比べ、10%高い登校率、2割高い就学率、通学期間が半年長くなった。さらに、深刻な病気の件数は12%下がり、貧血症も13%下がり、身長も1cm伸び、新生児の体重が100g増えた

系統的な手洗いで中心静脈カテーテルからの感染リスクが90%以上低下することが統計で見つけられた。あらゆる病院でこの手洗いが採用されたら、年間25,000人の命が救えると推計

回帰分析や無作為抽出テストの結果は、医師だけでなく、誰にでも見られる形でネットで公開されている。医師たちは、患者たちに追い越されないために論文を読まざるをえなくなっている

興行収入上位200本の映画から、スターに大金を払っても、無名の安い俳優を使っても、興行収入は変わらないと予測

ベストセラー小説700件以上のデータより、タイトルは「中身を比喩的に語るもの」「最初の単語が動詞か前置詞か感嘆詞」がベストセラーになりやすい。そして、出版界の常識とは裏腹に、短い題名が必ずしもいいとは限らないこともわかった



日本でも、すでに、データマイニングがビジネスで生き残っていくための必須ツールになっていて、「そのデータで戦略が決められる」時代に入っているのかもしれません。

データマイニングに疎い方は、時代を読み損なわないために、この本を読んでおいても損はないのではないでしょうか。


[ 2009/08/26 09:26 ] 仕事の本 | TB(2) | CM(1)

『傷つくのがこわい』根本橘夫

傷つくのがこわい (文春新書)傷つくのがこわい (文春新書)
(2005/05/20)
根本 橘夫

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傷つきやすい人が増えているように思います。真面目几帳面賢い人ほどその割合が高いのではないでしょうか。

それだけに、どう対処したらいいのか悩んでしまいます。迂闊なことを発言しないように意識することも増えました。

傷つきやすい心は誰にもあります。しかし、年齢とともに、自分を客観視できるようになり、時には自分を笑えるようになり、傷つきにくくなるのが常だと思っていましたが、そうではなさそうです。

この「傷つくのがこわい」は、

傷つくとはどういうことなのか
傷つきやすい人への接し方
傷つかない技術はあるのか
傷つきやすさをどう克服したらいいか

といった内容で、「傷つく」を解き明かしてくれる良書です。

傷ついている人やその身近にいる人が、この本を読めば、心の闇に光がさしてくると思います。

ここで、「本の一部」ですが、ためになった箇所を紹介していきたいと思います。



・傷つく人は自分以外の大多数の人を「無神経な人」と思っている

・自分が傷つきたくないために、お互いの心に入り込まないことを優しさと思っている

対立する意見を言われると、自分が批判されたように感じる人が多く、討論が成り立たなくなっている

・良心的な人ほど非難を自分の責任ととらえ、深く傷つく

・傷つくということは、自分が価値ある存在である感覚が脅かされることである

・「どこか当っている」と感じる他人の言葉ほど、気にしてしまい、傷つく

・傷つきやすい人には、つい傷つけたくなる被虐的要素を持っている場合がある

・自己中心傷つきタイプは、自分を傷つける人と守ってくれる人、自分を嫌う人と自分を好いてくれる人を見分けて、攻撃したり、絶賛したりして周囲の人を傷つける

・傷つきやすい人は、仕事の内容や課題よりも人間関係を気にする。しかし、これは他人への依存心が強い裏返し

・傷つきやすい人は、引っ込み思案で競争を避けがちだが、内心では強い競争心を持っている。負けた時に被る痛手を恐れて避けているだけ

・傷つきやすい人は、自分の本当の気持ちを隠す傾向にあるが、これを他人にも当てはめて、気を回しすぎる。これがかえって他人に迷惑になることがある

・傷つきやすい人は、傷つきたくないために、優しさとして、動物、幼い子供、困っている人や弱い人、本の世界に惹かれることが多く、そういう職を夢見る

・揺るぎない自己価値感を持つ人は傷つかない。失敗は次に成功するためのもの、批判は自己を省みるためのものとして生かすことができる

・裏切られたと傷つく人は甘えが強い人。甘えとは、その言葉とは裏腹に、自分に都合の良い行動を相手がするように求めること。つまり、相手を支配しようとする心

・柔軟性のない価値観を持つ人は、他の人にもルールの厳守や同じ価値観を強制する傾向がある。他の人は、その人なりのルールや価値観で行動するので、当然ぶつかることになる。その結果、真面目な思いが裏切られたと傷つく

・高いプライドは、自己無価値感の上に建つ砂上の楼閣だからこそ傷つきやすい

・親の無条件の受容こそ、子供の自己価値感を育てる根源。それは、子供の存在そのものを喜び、歓迎し、満足する親の心。日本では、親が自分の子供を見る目が厳しく、子供にあまり満足していない

・年齢で言えば、12歳~25歳くらいまでが、一番傷つきやすい時期

・自己価値感を持てない親は、自分の自己無価値感を補うために子供を利用する。その結果、子供をもまた自己無価値感に悩む人に仕上げてしまう



人の心の中は複雑で、当人も分からないものです。それを、他人である人間が推し量ることは、本当に難しいように思います。しかし、この本を読むと、その難しさが、少しは分かってきます。

人と接することが多い方、特に若い人と接する職業の方は、読んでおいて損はない1冊かもしれません。



[ 2009/08/25 08:58 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)