とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索
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自己管理能力(3)~快楽主義者~

ローザンヌのロートアイアンサイン/photo by福家金蔵
人材育成も、このプロテスタントのような、自分に厳しい人を採用して、教育していかないと、成果があがりません。

そして、自分に厳しい人(将来の楽の追求)が、自分に甘い人(今の楽の追求)をマネジメントして、組織が成り立っていきます。

その結果、必然的に、自分に厳しい人が、社会の支配者層になっていくのだと思います。

ところで、今まで、プロテスタントを称賛してきましたが、カトリック信者が多い国がダメかというとそうでもありません。

カトリックの多い、フランス人やイタリア人は、いい意味での快楽主義者です。

ジュネーブで、フランスのテレビドラマを見たのですが、映像の美しさに圧倒されました。男性でもうっとりしてしまいます。

青い空、緑の芝生に、赤いバラ。
白い邸宅に、金髪の美女。
そして、この金髪が風になびきます。
その場面に流れる軽やかなメロディ心地よいセリフ
カメラアングルも、俯瞰の位置から、クローズアップしていきます。
テレビドラマでも、全然手を抜いていないのです。

最近の日本に多い、俳優と脚本を優先し、映像美を手抜きして、安易に視聴率を取ろうとするドラマとは違うように思いました。快楽は快楽であっても、芸術という高尚な快楽を厳しく追求していました。

現代は、プロテスタントのような、勤勉実直、質素倹約の精神が必ずしもいいとも限りません。このような精神のもとでは、カタい商品しかなかなか生まれてこないものです。

快楽を与える商品でないと誰も買ってくれない時代です。したがって、単なるカタい商品では、見向きもしてくれません。しかし、会社の運営においては、社員の快楽的行動を促すべきではありません。

つまり、こういう時代では、快楽性に身を置く快楽主義者であっても、決して快楽に流されず、快楽に対して、厳しく身を処することができる人材が求められているのだと思います。

不真面目そうに見える世界にいながら、実は真面目というのが一番いいのだと思います。

いずれにしても、どんな世界や時代においても、厳しく身を処す自己管理能力は欠かせない要素ではないでしょうか。


自己管理能力(1)~自分に甘い人・自分に厳しい人~に もどる



[ 2009/08/31 08:11 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

自己管理能力(2)~プロテスタンティズム~

スイス・ローザンヌ大聖堂/photo by福家金蔵
こうした難関を乗り越え、ゴールすると、1%の楽しさがやってきます(この時はさすがに、アドレナリンが爆発し、恍惚の快楽が訪れます)でも、この1%に到達するまでは、面白くもなんともありません。苦しいことの連続です。

社会においても、マラソンのような苦しさに耐え、挫折しない「自己管理能力」を有した人が、人を管理する立場に昇っていくように思います。

苦しみから我慢できずに、逃げ出し、同じような仲間を探し、慰め合う人。
思いがかなわず、喧嘩をする、キレる、悪口を言う、陰口を叩く、いじめるなどの行動をとる人。

こういう人は、大抵「今の楽」を選択してしまい、結果として、「将来の苦」を招いてしまうようにも思います。

苦しみに耐え抜く心を鍛えるには、マラソンのような、地味で単調な「自己管理能力」を問われるスポーツが一番適しているのではないでしょうか。

このような心を鍛えていたのが、スイスでは、白人で、有色人種が少なかったのです。

マラソンはお金のかからないスポーツです。したがって、誰でも参加できたはずなのに、この差が生じたのは、何でしょうか?

教育でしょうか?
宗教でしょうか?

私は、宗教にあると考えています。私は、プロテスタント信者が多い国がなんとなく好きです。

プロテスタントの多い国は、ドイツ、スイス、イギリス、スウェーデン、デンマークなどです。アメリカにも30%近くプロテスタントがまだいます。

これらの国に、1回は足を運んだことがありますが、カトリックとは一線を画しているように感じました。カトリックは、「恵みによる救済」を基本としています。

以前、イタリア・ミラノの大聖堂をのぞいたことがあるのですが、神父さんの前で、10人近くの人が懺悔している光景にびっくり仰天したことがあります。「懺悔すれば何でも許されるのか!」と思いました。

このようなカトリックに対して、抗議(PROTEST)して、改革を求めたのがプロテスタントです。したがって、プロテスタントの戒律は厳しいし、自分にも厳しいのです。

マックスウェーバーもかつて指摘したように、このプロテスタンティズムの倫理が資本主義の精神を築き上げてきたのです。

この厳しい、勤勉実直、自主自立、質素倹約の精神は、資本主義が成立していく上で、なくてはならない考え方だったのだと思います。


自己管理能力(3)~快楽主義者~へ つづく



[ 2009/08/30 07:57 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

自己管理能力(1)~自分に甘い人・自分に厳しい人~

ローザンヌ・市民マラソンを終えた人たち/photo by福家金蔵
6年前、スイスに行きました。日本へ帰る前日(日曜日)に、ジュネーブで少し時間が空いたので、電車で40分のローザンヌに出かけました。

ローザンヌには国際オリンピック委員会の本部がありますが、本当に、こじんまりした町(保養地)です。

旧市街観光を終え、昼過ぎに、ローザンヌの駅に戻りました。日曜日だったので、(ヨーロッパの日曜日は、日本の元旦のように、店がほとんど閉まる)おいしそうな飲食店は、ほとんど開いていませんでした。仕方がないので、駅前のマクドナルドに入りました。

マクドナルドは結構混雑していました。2階に上がり、約550円のハンバーガーを食べながら、客をじっと観察していました(こういうのが好きです)
「男が赤い服を着て、女が黒い服を着ているな」

また、駅前を通行する人をガラス越しに見て、
「年配の女性しか、スカートをはいていないな」
「年配の男性しか、髭をいっぱいはやしていないな」
などと、ユニセックス化現象をチェックしていました。

このユニセックス化現象とは別に、マクドナルドに来ている客の人種も見ていました。内訳は、「白人50%黒人25%黄色人種25%」といった感じでした。

食事後、地下鉄に乗り、レマン湖の岸辺に出ました。ちょうど、市民マラソン大会が終わったようで、次々に、参加者が戻ってきていました。

でも、このスポーツウエアを着ている参加者は、95%以上が白人です。先ほどのマクドナルドの人種構成とは明らかに違います。

これを見て、ヨーロッパ社会の構図が見えたように思いました。おそらく、人種差別は、なくなってきているはずですが、支配と被支配の構造は変わっていないように感じました。

マラソンは、登山、サイクリングなどと同じで、自分をいじめるスポーツです。日常の快楽の反対にあります。

こういうスポーツを「楽しい!」と感じる人は、基本的に少ないと思います。言ってみれば、「自分に厳しい人」のスポーツです。

昔、ホノルルマラソンを完走したことがあるのですが、マラソンは、99%苦しいスポーツだと思います。「自分に甘い人」では、“練習”も“本番”も耐えられないかもしれません。

大会前の練習は、課題を確実にこなす「自己管理能力」が問われます。走行中は、自分との闘いです。ペースを崩さない、途中棄権の誘惑に負けない「意志力」がないと、完走できません。


自己管理能力(2)~プロテスタンティズム~へ つづく



[ 2009/08/28 09:24 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

『99%は遺伝子でわかる!-人生はどこまでプログラム済みか』

99%は遺伝子でわかる!―人生はどこまでプログラム済みか99%は遺伝子でわかる!―人生はどこまでプログラム済みか
(2007/08)
ティム スペクター

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わが家の長男と次男は全く性格が違います。教育や躾でそうなったとは到底考えられません。したがって、二人の性格は遺伝的なものと考え、仕方がないとあきらめています。

いったい、遺伝的とはどういうものなのか?何が遺伝し、何が遺伝しないのか?以前より知りたいと思っていました。

そういう動機で、この本を手にしました。本の一部ですが、著者が書かれている内容で重要と思った所を紹介したいと思います。



心理学者は、人格を神経症的傾向、外向性、開放性、協調性、勤勉性の5つに分類しているが、このような性格はすべて遺伝子からの影響を受けており、遺伝率は40~50%もある

女性は男性の意味ない危険な振る舞いに目を引かれるが、それは、彼の遺伝子が優れているか、優れた子どもができるかを測る物差しになるからである。スリルだらけの人生を続けていれば、長生きできないが、女性に注目されるためには、多少の危険を冒す必要がある

本能的に利他的行動は、協力して、互いに利益を獲得する必要から進化してきた

人間の祖先は、遺伝子を残すために重要な、食料、配偶者、地位、子どもを増やすことができなかった。そのため、人間は、欲望を増やすように遺伝的に仕向けられている

遺伝子は人間を貪欲な行動に駆り立てるが、いつまでたっても満足できず、幸せになれない。社会経済状態、学歴、家族の収入、物質的状態、信心は幸福の3%でしかない、幸福感は80%遺伝にかかわっている

顔から人間を判断する能力にも遺伝子が関わっており、人間は本能的に微笑む人に騙されやすいことが判明

遺伝子が一致しすぎると臭いは心地よくても「性的な魅力」は感じない。理想の相手は、遺伝子が多少は異なる人(しかし、まったく違っていない)である

男性はたくさんの子どもを産んでくれそうな女性を相手に選ぼうとしている。男性は3歳若い女性を望み、健康と多産の印(ヒップとウエストの比が1対0.7)を求めている

女性は、実生活にはあまり役立たない、創造力(芸術、音楽、言葉やユーモア)を基準に男性を選ぶことがある。それは、そのような能力が、男性の脳や遺伝子が健全である印だからである

カフェインの過剰摂取はほとんど遺伝子によるもの(遺伝率70%)で、禁断症状も遺伝子が原因

ガンの遺伝率は約30%。これは心臓病など人がかかりやすい病気の遺伝率の約半分にすぎない

身長の高さは寿命に反比例し、人間の男性は女性より7%体が大きいが、この差が死亡率の差にほぼ比例している

近眼は遺伝子がかかわっており、近眼のあるなしの85%が遺伝子によって決まる

音楽がきちんと演奏されているのを聞きとる音感は、80%が遺伝によるもの

知能の70%が遺伝子にかかわっているが、幼児での類似性は40%、高齢者での類似性は80%で、不思議なことに、年齢が増えるにつれてはっきりと現れてくる

非常に頭のいい「おたく」の男性が、賢い女性と結婚すると、アスペルガー症候群の子ども(とりわけ男の子)ができやすくなる。頭のよい人に人付き合いが苦手な人が多いのも遺伝子のため

生き残り戦略に長けている人は、命にかかわったり、配偶者を手に入れたり、価値がある瞬間を適切に見抜き、それ以外はダラダラ過ごし、大切なエネルギーを温存する



何が遺伝的なのか、何が遺伝子の影響を多く受けるのか、これからも数多く解明されてくると思います。

遺伝的にどうしようもないことは早くあきらめ、遺伝的に自分に向いたことだけを的確に探し出せたら、楽しい人生が送れるのかもしれません。

この本は、遺伝を知る入門書として、軽く読み流すには最適だと思いました。



[ 2009/08/27 09:19 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)

『その数学が戦略を決める』イアン・エアーズ

その数学が戦略を決めるその数学が戦略を決める
(2007/11/29)
イアン・エアーズ

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データマイニングという言葉をご存知ですか?この言葉は、これから知名度がアップしていくのは間違いないと思います。その分、各界から識者の反発や否定の声が上がってくるのも間違いないと思います。

投資、保険、流通、情報などの世界では、このデータマイニング(複数データの相関関係、回帰分析など)は行われていましたが、パソコンの性能アップ(処理能力、容量、豊富なエクセル関数など)で、誰でも簡単にできるようになってきています。

これから、さまざまな分野で応用されていくと書かれているのがこの本です。実際に、アメリカなどで起きた事実が明記されています。

本の一部ですが、データマイニングの実例およびそれによって生じた問題で面白いと思えた箇所を紹介したいと思います。


ワインの質=(12.145+0.00117×冬の降雨+0.0614×育成期平均気温-0.00386×収穫期降雨)

経済学者オーリー・アッシェンフェルターは、どの年でも気象情報をこの方程式に入れれば、ワインのヴィンテージのおおまかな品質を予測できると発表

1986年、オーリーは、「この年のワインはインチキで、ひどい年だよと」述べたが、ワインライターたちはみんな絶賛した。正しいのはオーリーだった。ワイン商人やワインライターたちは、オーリーが提供する情報を一般人に知ってほしくない

ワイン商人も評論家たちも、ワインの品質に関する独占情報を維持する方が自分の得になる。商人たちは、当初のランキングを常につり上げておくことで、価格の安定を図っている。オーリーが毎年毎年驚くほど的中するので、頭にきている

ジェイムズは、打者は出走塁の成功度合いで評価されるべきと考え、「貢献出走塁=(ヒット数+四球数)×総塁数÷(死球以外の打席数+四球数)」の方程式をつくりだしたが、大リーグのスカウトには忌み嫌われた。

アスレチックスのゼネラルマネージャーは、スカウトの反対を押し切って、この方程式で大学選手を採ったら、メジャーリーグで活躍

ブドウにせよ野球選手にせよ、未評価で未成熟な品物の市場価値を予測する場合、専門家の見立てに頼るか定量データに頼るかが議論されている

テラ(1,000ギガバイト)単位のデータで、複数要素の相関関係をコンピュータ計算していくことを「兆単位の計算」=「テラマイニング」という

レンタカー会社や保険会社は、クレジットカードの返済実績の低い人にサービスを拒否。データマイニングによれば、返済実績の低い人は事故を起こしやすい

最近では、航空会社はキャンセル席を、常連客を飛ばして、データマイニングで他社に乗り換えそうと判断された顧客に提供

厳密なデータ分析に裏付けられた「落ちこぼれなし」教育手法を義務付けられた教師は、講義の一語一語が事前に脚本のように決められた授業をするようになっている

1970年代の中絶率と1990年代の犯罪率に重要な相関があることを示している

父親の身長が平均より1cm高ければ、息子の身長は3分の2cmほど高くなると予測される

人格傾向の「正直さ・親しみやすさ・外向性」を評価した方が、労働者の生産性や長続きが予測されるので、大手チェーン店などは応募者を採用する際に、従来の伝統的な技能試験やIQ推定より、この人格傾向を使い始めている

カジノのハラーズ社は、ギャンブラーがいくらまでならお金をすってもそれを楽しめて、またここに戻ってきてくれるかを予測。スロットマシンの好きな34歳白人女性なら1晩当たり900ドルが分岐点

クレジットカードのVISAは、カードでの購入履歴をもとに離婚確率を予測(離婚するとカードの支払遅延確率も変わる)

クレジット会社のダイレクトメールで、手紙の右上に、にっこりほほえむ女性の写真を入れておくだけで、男性の応答率が跳ね上がり、金利を4.5%引き下げたのと同じ効果がある

失業保険支払いを下げるため、回帰方程式を使い、自力で仕事を見つけられそうな労働者を予測し、求職支援を行った。ミネソタ州では失業期間が4週間短縮され、政府の節約につながることが判明

メキシコの貧困削減政策で、現金を貧困者に支給するには、「子どもを学校に通わせること、妊娠中に出産前診療を受けること、栄養状態のモニタリングを受けること」そして、お金を受け取るのは母親だけを条件にした

この実験対象村落では、非実験村落に比べ、10%高い登校率、2割高い就学率、通学期間が半年長くなった。さらに、深刻な病気の件数は12%下がり、貧血症も13%下がり、身長も1cm伸び、新生児の体重が100g増えた

系統的な手洗いで中心静脈カテーテルからの感染リスクが90%以上低下することが統計で見つけられた。あらゆる病院でこの手洗いが採用されたら、年間25,000人の命が救えると推計

回帰分析や無作為抽出テストの結果は、医師だけでなく、誰にでも見られる形でネットで公開されている。医師たちは、患者たちに追い越されないために論文を読まざるをえなくなっている

興行収入上位200本の映画から、スターに大金を払っても、無名の安い俳優を使っても、興行収入は変わらないと予測

ベストセラー小説700件以上のデータより、タイトルは「中身を比喩的に語るもの」「最初の単語が動詞か前置詞か感嘆詞」がベストセラーになりやすい。そして、出版界の常識とは裏腹に、短い題名が必ずしもいいとは限らないこともわかった



日本でも、すでに、データマイニングがビジネスで生き残っていくための必須ツールになっていて、「そのデータで戦略が決められる」時代に入っているのかもしれません。

データマイニングに疎い方は、時代を読み損なわないために、この本を読んでおいても損はないのではないでしょうか。


[ 2009/08/26 09:26 ] 仕事の本 | TB(2) | CM(1)

『傷つくのがこわい』根本橘夫

傷つくのがこわい (文春新書)傷つくのがこわい (文春新書)
(2005/05/20)
根本 橘夫

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傷つきやすい人が増えているように思います。真面目几帳面賢い人ほどその割合が高いのではないでしょうか。

それだけに、どう対処したらいいのか悩んでしまいます。迂闊なことを発言しないように意識することも増えました。

傷つきやすい心は誰にもあります。しかし、年齢とともに、自分を客観視できるようになり、時には自分を笑えるようになり、傷つきにくくなるのが常だと思っていましたが、そうではなさそうです。

この「傷つくのがこわい」は、

傷つくとはどういうことなのか
傷つきやすい人への接し方
傷つかない技術はあるのか
傷つきやすさをどう克服したらいいか

といった内容で、「傷つく」を解き明かしてくれる良書です。

傷ついている人やその身近にいる人が、この本を読めば、心の闇に光がさしてくると思います。

ここで、「本の一部」ですが、ためになった箇所を紹介していきたいと思います。



・傷つく人は自分以外の大多数の人を「無神経な人」と思っている

・自分が傷つきたくないために、お互いの心に入り込まないことを優しさと思っている

対立する意見を言われると、自分が批判されたように感じる人が多く、討論が成り立たなくなっている

・良心的な人ほど非難を自分の責任ととらえ、深く傷つく

・傷つくということは、自分が価値ある存在である感覚が脅かされることである

・「どこか当っている」と感じる他人の言葉ほど、気にしてしまい、傷つく

・傷つきやすい人には、つい傷つけたくなる被虐的要素を持っている場合がある

・自己中心傷つきタイプは、自分を傷つける人と守ってくれる人、自分を嫌う人と自分を好いてくれる人を見分けて、攻撃したり、絶賛したりして周囲の人を傷つける

・傷つきやすい人は、仕事の内容や課題よりも人間関係を気にする。しかし、これは他人への依存心が強い裏返し

・傷つきやすい人は、引っ込み思案で競争を避けがちだが、内心では強い競争心を持っている。負けた時に被る痛手を恐れて避けているだけ

・傷つきやすい人は、自分の本当の気持ちを隠す傾向にあるが、これを他人にも当てはめて、気を回しすぎる。これがかえって他人に迷惑になることがある

・傷つきやすい人は、傷つきたくないために、優しさとして、動物、幼い子供、困っている人や弱い人、本の世界に惹かれることが多く、そういう職を夢見る

・揺るぎない自己価値感を持つ人は傷つかない。失敗は次に成功するためのもの、批判は自己を省みるためのものとして生かすことができる

・裏切られたと傷つく人は甘えが強い人。甘えとは、その言葉とは裏腹に、自分に都合の良い行動を相手がするように求めること。つまり、相手を支配しようとする心

・柔軟性のない価値観を持つ人は、他の人にもルールの厳守や同じ価値観を強制する傾向がある。他の人は、その人なりのルールや価値観で行動するので、当然ぶつかることになる。その結果、真面目な思いが裏切られたと傷つく

・高いプライドは、自己無価値感の上に建つ砂上の楼閣だからこそ傷つきやすい

・親の無条件の受容こそ、子供の自己価値感を育てる根源。それは、子供の存在そのものを喜び、歓迎し、満足する親の心。日本では、親が自分の子供を見る目が厳しく、子供にあまり満足していない

・年齢で言えば、12歳~25歳くらいまでが、一番傷つきやすい時期

・自己価値感を持てない親は、自分の自己無価値感を補うために子供を利用する。その結果、子供をもまた自己無価値感に悩む人に仕上げてしまう



人の心の中は複雑で、当人も分からないものです。それを、他人である人間が推し量ることは、本当に難しいように思います。しかし、この本を読むと、その難しさが、少しは分かってきます。

人と接することが多い方、特に若い人と接する職業の方は、読んでおいて損はない1冊かもしれません。



[ 2009/08/25 08:58 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『幸福術-今日を生きるヒント』ひろさちや

幸福術―今日を生きるヒント幸福術―今日を生きるヒント
(1997/09)
ひろ さちや

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著者のひろさちやさんは、500冊以上の著書がある有名な仏教学者です。

10年ほど前に、預金せずに自宅に保管していた大金が盗まれたとき、「悩み多かった私のお金を仏様が持っていってくれた。悩みから救われ、感謝している」とのコメントで、一般にも名が広く知られるようになりました。

少し、下世話な紹介をさせてもらいましたが、著者が、それだけ、才能と実力と度量を有していることの証拠だと思っています。

この著書も、幸福になる(幸福術)とはどういうことかが、簡潔にまとめられた良書です。心の中に、スッと溶けていくような感じのする、幸福感に満たされる本です。

本の一部ですが、心にスッと溶け込んできた箇所を紹介したいと思います。



将来、幸福になれるかが幸福論、今、幸福に生きるのが幸福術

小銭は積もっても山にはならないが、借金の方は積もると山となる

自分はいま、幸福なんだと思わなくちゃ。それが幸福術の出発点

本当の教育はみんなが背伸び(競争)をやめて、ゆったりと生きる智恵を教えること。それが幸福術

幸福術というのは、自己肯定から出発する。自己肯定が同時に他己肯定になる

物差しがあるから物を測る。物を測るために、物差しがつくられたのではない

幸福に生きるには、人間の物差しを捨てること。幸福度を測る物差しなんてないと気づくこと

平等社会は恐ろしい社会。ねたみ・そねみがもろに表面化する。つまり、足の引っ張り合いのある社会。だから、隣人の幸福を喜べない。むしろ、その差が埋まりそうにない階級社会の方が気は楽。

自分が不幸であっては、他人の幸せを喜べない。だから、自分が幸福であることが、他人の幸福を喜べる最低の条件

自分自身を幸福だと思わない人間は、決して幸福ではない

自分が生きねばならぬ現実であれば、その現実をそっくりそのまま受容し、肯定し、その中に幸福を見出してこそ、幸福に生きられる

おいしいものを食べようとするのが幸福論で、おいしくものを食べようとするのが幸福術

思うがままにならないことを思うがままにしようとするから「苦」になる。大乗仏教の教えは「苦」にするな!つまり、あきらめればいい

プロでない者が、プロのまねをして歯を喰いしばってまで努力する必要はない。われわれは、楽しい努力をすればいい。努力することが楽しいことだけ努力すればいい

ちゃんと計算してください。払う努力と得られる利益を。大事なことは幸福。二度の努力で得られぬなら、道を他に求めたほうが幸福になれる。「二度でやめとけ、無駄な努力」これが幸福術の教訓

仏教の教えを一言で言うなら、「奴隷になるな!」これを裏返しに言えば、「自由人になれ!」

仏教の教えの第一は、「欲望の奴隷になるな!」欲望が恐ろしいのは、欲望を充足させると、ますます欲望が膨らむこと。身分、階級、教養で人間が評価されず、経済力だけで評価される平等社会の日本は、お金の力が絶対になり、恐ろしい

仏教の教えの第二は「身体の奴隷になるな!」身体の奴隷になっているから死の恐怖に怯え、老いの憂さに悩む。病気になってもいい、年寄りでよぼよぼになってなぜ悪いと開き直ること

仏教の教えの第三は、「世間の奴隷になるな!」それは、世間の価値判断に従うこと。世間の物差しに縛られること

貧しい社会で競争すれば、共倒れになる。豊かな社会だからこそ競争がある

古代ローマの大カトーは、「きみの欲しい物を買うな。きみの必要とする物を買え」と言った

一点豪華主義が、幸福術の極意。心の中でにんまりすると幸福になれるもの

イエスが教えた「人を裁くな」というのは、別段、自己の権益が侵害されるわけではない第三者が無責任に非難する行為。営業妨害を受けた商店主が、けしからんと非難する行為は裁きではない

相手が悪いのではなく、かといって自分が悪いのでもなく、ただ「縁」が悪かったと思えば、対立、いがみ合いが起きず、腹が立たない

うまくいく人間関係もあれば、うまくいかない人間関係もある。それが当たり前。その当たり前がわかると、それだけで気が楽になる



これを読めば、幸福とは、追いかけるものではなく、見つけることであることがよくわかります。

幸福感を味わいたい方は、この「幸福術」を読めば、すぐに幸福になれます。読みやすくて、いい本です。



[ 2009/08/24 07:57 ] ひろさちや・本 | TB(0) | CM(0)

『日本史快刀乱麻』明石散人

日本史快刀乱麻 (新潮新書)日本史快刀乱麻 (新潮新書)
(2003/11)
明石 散人

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著者の明石散人(ある作家の別ペンネーム?)さんを知ったきっかけは、15年前にテレビで放映された「謎ジパング」でした。その後も、著者の本を数多く読みました。博覧強記ぶりにいつも感心させられています。

今回紹介する「日本史快刀乱麻」の中の、「世界最先端、江戸期の通貨政策」で看破する見解は、経済学者や経済官僚の見解の域をはるかに超えたすばらしいものです。

書きたいことだらけですが、この「日本史快刀乱麻」で感銘した箇所を、「江戸期の通貨政策」を中心に今から紹介したいと思います。



・江戸期の日本の通貨制度は銀本位制度。当時、金本位制の欧米の金と銀の交換比率は1対16~20であった。ところが、日本は1対4の交換比率。諸外国は、銀と金を交換するだけで4倍以上儲かり、日本は大損であった

・金や金貨の国外流出を黙って見ていた幕府の経済閣僚も交換率の問題に早い時期に気づいていたが、それを公にすると、先輩官僚の批判につながると考え、口をつぐんでいた。この体質は今の官僚体質にそっくり

・徳川幕府は、いいかげんな銀本位制で大損したが、江戸中期の勘定奉行であった荻原重秀などは、次々と貨幣を改鋳して幕府に莫大な利益をもたらした

・荻原の基本理念は、「一両には一両に値する金の含有量を求められるが、幕府の財政が健全で、なおかつ国内景気が緩やかに膨張すれば、通貨にとって金銀の含有量などさしたる意味はなく、通貨の額面の方が優先し、一両は一両として必ず通用する」というもの

・欧米には、「悪貨は良貨を駆逐する」というグレシャムの法則があるが、こと、江戸の通貨に関しては当てはまらず、荻原の思惑通り、金銀貨の質のいかんにかかわらず、一両は一両で通用した。彼が勘定奉行の地位にあった十五年余りの間、現実に未曽有の好景気に沸いた

・荻原の政策を非難する学者が多いが、荻原の考え方は、間違いなく現代の世界の通貨制度と同じ概念枠にあった。金と交換する責を負わない不換通貨の発行の世界のさきがけであった

江戸の通貨制度で最も優れたシステムとは、中央通貨と地方通貨の「ダブルスタンダード制」である。幕府は、自ら発行する中央通貨の他、各藩が藩内でのみ通用するローカル通貨の「藩札」を発行することを許可していた

・現在の世界貿易の主流はドル建てで、各国は自国通貨を流通させるが、他国との決済のためには、貿易規模に準じたドルを準備金としてプールしておく必要がある。これと江戸期の通貨制度は基本的に同じシステムである

・幕府が質の悪い通貨を発行してもGDPの成長さえあれば、通貨のダブルスタンダード制が功を奏し、この悪貨の中央通貨は常に各藩に大量にプールされ、幕府へ還流してくることはない。そのやり口は現在のアメリカと全く同じ

・明治維新は徳川幕府による通貨のダブルスタンダード制を上手に利用し、各藩発行の藩札をいきなり全て無効にした。この結果、損をしたのは藩札を貯め込んだ商人達であり、各藩の藩主や家臣達は、商人達の借金をすべて免れた。この経済政策によって、明治新政府に反乱を起こす大名が現れず、世界史的にも珍しい無血革命となった

・江戸期の日本は徹底した内向きの経済構造。各地方の特産物をつくり問屋中卸も、商品価値を上げるよう工夫を凝らした。間にある非効率なシステム、つまり単純労働をたくさん残すということは、庶民の個人消費を増大させ、多くの庶民が仕事にありつき暮らしていけるということ

・これだけ国に借金があるのに、ドルに対して円が強いとはおかしな話だが、このからくりの根源には日本の経済閣僚に発明された摩訶不思議な国債「赤字国債」がある

・そもそも国債とは、担保を必要とし、国の威信をかけ購入者に元本と利子を保証する義務がある。ところが赤字国債とは、無担保国債である。政府は本来なら国債になりえない、担保のない「赤字国債」で日銀券を無限発行している。いつのまにか資本主義の常識を超えた、世界にさきがけた通貨革命を成功させている

・おしゃれとは贅沢というか無駄遣いである。贅沢や無駄遣いとは身分不相応なこと。身分相応に自分を飾るのは贅沢でも無駄遣いでもなんでもない

・日本は昔から「寝返りは卑怯でない」という認識があって、優秀な人材であれば、敵であっても恭順すれば適所で働かせた。まさに日本将棋と同じである

・日本将棋は、取られた駒は一転して再起用され敵側に寝返りを打ってしまう。この摩訶・不思議なルールは日本将棋独特のもの。世界の盤上ゲームは、駒は取られたらその駒は使えない、取り捨てルールである

・日本武士の気高い精神を武士道として称えるが、これはあくまで平和な江戸時代になってから、武士の生き方の理想を学問的言ったにすぎない。実際は、日本の武家ほど卑怯で命への未練を前面に押し出した武装集団はない

・日本武士の全ての大義は、「お家のため」である。主君は家臣のためにお家を守らなければならない。したがって、形勢不利を感じ取るや、即、敵側に寝返りを打つ

・家臣の大義も、自分を養ってくれる主君のお家を守ることにある。しかし、主君のお家を守れないと察したときは敵側勢力にあっさり身を寄せてしまう。武士道とは強いものに就くこと

・日本の伝統文化の美を表すのに、「侘び・寂び」という二つの言葉を使うが、今の日本人は、もう一つの「幽玄」という言葉を忘れている

・幽玄とは、“ありえない美”のことで、モノの形が決まる前、固定する前の状態を指す。あやうい誕生の美である。しかし、幽玄は時間とともに変化し、たちまちその美しさを失ってしまう

・幽玄・侘び・寂びは、人の誕生・人生・死後の評価と表現することもできる

・千利休が茶で求めたのは侘び。秀吉は黄金茶で幽玄の美

・利休の後を継ぐ古田織部らの茶は、曲がりくねり、ひび割れした茶碗を使い、利休の完成された質素の美を超え、さらに朽ちていくものを表現しようとした。侘びから寂びへ崩れていく時間のゆらぎがある

・秀吉・利休・織部の三人は、日本伝統美の幽玄・侘び・寂びを各々が巧みに表現した


この本の「お金」や「経済」に絡んだところを中心に紹介しましたが、文化、政治、宗教など、多岐に渡り、著者の素晴らしい見解が満載です。ハッとさせられることだらけです。是非読んでほしい1冊です。



[ 2009/08/23 06:56 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

儲かっている会社(2)~言い値と個数制限~

スイスの手巻き時計/photo by福家金蔵
では、なぜ、付加価値の高い商売ができているのでしょうか?

それは、誰にもマネされない、オリジナリティーが高いものをつくっているからです。しかも、“つくり過ぎ”ていません。

これなら、「言い値」で通ります。結果的に付加価値の高い商売になります。1日1000個限定で、売り切れたら、店を閉めている「個数制限」の饅頭屋が一番儲かっているのかもしれません。

「年商10億円で、30年後に潰れる会社」と
「年商1億円でも、300年以上存在する会社」は、
どちらがいいのでしょうか?

私の答えは、もちろん後者です。この京都の老舗のように、
『高く売る!早く店を閉める!』
と決めることの方が大事に思うのです。

そう決めた中で、一所懸命考えて、行動した方がオリジナリティーの高いものが生まれてきます。結果として、末長く、生き残っていけるのかもしれません。

「才能を売らずに、時間を売る」という行為は、本来は恥ずべきことです。「業績が悪くなったから、時間を延長する」なんて、GDP世界第2位の国の発想ではないと思うのです。時間を延長することは、バカでも考えられます。

バカでも考えられることは、すぐにマネされます。そして、皆が時間延長して、泥沼の闘いに入っていきます。客の財布の中身は一定です。時間延長したからといって、たくさんのお金を使ってくれるわけではありません。

したがって、多くの時間働いたにも関わらず、「時間当たり付加価値」が悪化します。

ということは、皆の給料が落ちていくということです。「働けど働けど我が暮らし楽にならざり」の状態になってしまいます。

そうならないためには、

1.人のマネを安易にしない
2.人にマネされないものをつくる
3.それをつくり過ぎない

を目指していく必要があります。

大きくて一番になれば、トヨタやセブンイレブンのように「自分の都合に人を合わせる」わがままシステムを構築することができます。そうなればなるほど、自分の時間効率が高まり、自分の時間が有効に使え、儲かっている会社になっていきます。

しかし、小さくても、自分の論理をしっかり持てば、人をその論理に合わさせることで、効率よく儲けることも可能なのです。「大きい二番なら、小さい一番&一流」がいいはずです。

「人のマネできないものを作り上げ、自分の論理に人を合わせる」ことこそ、商売の王道ではないでしょうか。

「大きくても、あくせくしている会社」
「小さくても、優雅に儲かっている会社
その分かれ目は、時間を有効に使う工夫をしているかどうかの差だと思えるのです。


儲かっている会社(1)~時間を有効に使う~に もどる

[ 2009/08/21 08:22 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

儲かっている会社(1)~時間を有効に使う~

五山の送り火
安くておいしいと評判の店は、土日を定休日にしている場合が結構あります。正月休みもお盆休みもしっかりとっています。

休みが多く、早い時間に閉店できるのは、儲かっている会社の特権かもしれません。儲かっていないとできません。

私が理想とする店(会社)は、冬は1ヶ月、夏も1ヶ月の長期休業で、日が暮れたら、社員がすぐに帰ることができる店です。

寒い時、暑い時、暗い時に働くのは、不自然なように思います。そんな時に、働くのは、生活が苦しい時だけだと思うのです。生活が楽になったら、不自然なことはできるだけ避けるべきだと思うのです。

本来は、時間の使い方を工夫して、時間を有効に使う会社が、付加価値の高い会社として、尊敬されるべきではないでしょうか。

でも、こういう言い方をすると、「この厳しい時代になんてことを言うのだ!」とお叱りの言葉を受けてしまいそうです。

では、なぜ、今のように「正月、お盆も休みなし、定休日もなし、夜は遅くまで営業」という店が続出するようになってしまったのでしょうか。

それは、人のマネばかりして、皆と同じになってしまったからだと思います。「安くすることと、時間を延長すること」しか能がなかったのかもしれません。

一方で、行列ができる店も続出しています。「オリジナリティーがあり、マネできないものを持つ」人気の店は、客が待ってくれます。

以前、京都の老舗が集中する地域の会社へ、仕事で行ったことがあります。

京都の老舗は、皆、優雅です。店構えも優雅ですが、働いている人たちが優雅です。

夕方6時には、店を閉めて、おいしいものを食べに出かけたり、文化的な地域行事の準備をするために集まったりします。皆、あくせく働いていないのです。

例えば、五山の送り火(大文字焼)の時にも、店の前をいっぱい人が通り、開けていたら結構儲かるはずなのに、店を早く閉め、屋上で、優雅に送り火を鑑賞されています。

それができる理由は、付加価値の高い商売(粗利率が最低でも40%以上の商売)をしているからです。


儲かっている会社(2)~言い値と個数制限~へ つづく



[ 2009/08/20 11:41 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

『金持ちと上手につきあう法「ザ・リッチ」の不思議な世界へ』

金持ちと上手につきあう法  「ザ・リッチ」の不思議な世界へ金持ちと上手につきあう法 「ザ・リッチ」の不思議な世界へ
(2004/03/16)
R・コニフ

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商売で成功するためには、誰を相手にするか?
大きく分けると、次の3つです。
「大衆相手」「金持ち相手」「マニア相手」

大衆心理は誰でもじっくり観察すれば、概ねわかるものです。また、大衆心理を研究した本もたくさんあります。

マニアの心理は自分がそれを趣味にしていたら、その心理は体験的にわかると思います。

ところが、金持ちの心理は、金持ちになってみないとわからないものです。金持ちの研究データは多く発表されていますが、金持ちの微妙な心理が記載されている本はほとんどありません。

大抵の本は、金持ちでない人が、一般的な金持ちのイメージや先入観をもとに書かれたもので、実態と少しずれているように思っていました。

この本には、金持ちの微妙な心理が描かれています。本の一部ですが、参考になった箇所を紹介したいと思います。



・お金のために身を削って働き、自分の資産の奴隷になってしまう人は裕福とは言えない

・金持ちは、どこへ行こうと数百人のお定まりのメンバー、つまり付き合う価値のある相手とだけ会うよう、生活を設計している

・金持ちは次第に同じ身分の者どうし寄り固まり、比べ合い、妬みを処理する術を覚える

・金持ちの世界は、内輪にだけわかる微妙な意味合いを、目立たない信号に込める

・信号が微細すぎて、よそ者にはわからないこともよくあるが、それこそ狙いのひとつ

・パーティーは、エリート階級の生活を特徴づけるもの。その狙いは単に度肝を抜くだけではなく、恩を売ることにある

・饗宴は、談合の場、ステータスを誇示する場だけでなく、敵となりうる者たちの武装を解かせる場として、社会的操作の手段として重要である

・正しい「人・場所・遊び」をわきまえていることが、唯一信用できる、金持ち仲間の入会バッジとなる

・金持ちは、顕示的消費(見せびらかしの消費)が最も容易な領域(宝石、家、美術品など)において、競争相手のそれを鑑定するために、目利きにならなくてはいけない

・金持ちであるための術は、つまるところ、顕示的消費ではなく、非顕示的消費にある。顕示的消費を控えめに行うこと

にわか成金は、宝石、車、ボート、町や田舎の家など手に入れたあらゆるものを世間に知らせたくてたまらないので、非顕示的消費はつらいものになる

・金持ちの目には、見せびらかす行為が低級なものに映る

・富に関して、人目を引かないこと、さりげないこと、あるいはその輝きに無頓着であることが、結局、富を誇示する最も効果的な方法である

・教養のない大衆に理解されたりすると、秘密の言語の意味がなくなり、誇示もステータスも失うことになるので、金持ちは、他人の目をマイナスに勘定する

金持ちの家は、“見られることなく見る”家。つまり、高価な家は、眺めの良さ隔絶感を兼ね備えている

・金持ちになった大きな利点の一つは、平凡な日常生活の面倒を回避できること

・金持ちは、自分たちが外の世界から誤解され、差別されていると感じている。したがって、他人から孤立し、高級住宅地に住み、クラブに出かける

・金持ちが最高にうれしいのは、隠密に施した善行が、何かの拍子に明るみに出たとき

・慈善行為は、ライバル予備軍を威圧し、与える側のステータスを保証する

・金持ちはおべっかを使う人間からは、遠ざかろうとする

・従属者は金持ちに利用されている一方で、金持ちを利用してもいて、自分にとって都合のよい位置についているだけの場合が多い

・金持ちは、自分たちの誇示行動を否定したがる性向があり、個人的に夢中になったことや目を肥やしたことが幸せな結果に結びついたという表現を好む

・何世代も富と権力を持つ一族は、美しい物語、家族の神話を作り上げ、踏襲する



このように、この本は、金持ちの屈折した心理や本質を勉強するには、最適の本だと思います。

金持ち相手の商売に関わっておられる方やこれから関わりたい方には、是非読んでほしい1冊です。

[ 2009/08/19 08:06 ] お金の本 | TB(1) | CM(0)

『脳科学から広告・ブランド論を考察する』山田理英

脳科学から広告・ブランド論を考察する脳科学から広告・ブランド論を考察する
(2007/02)
山田 理英

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私は、即、効果の上がらない「イメージ広告」は、意味があるのかどうか疑問でした。イメージ広告は、所詮「お付き合い広告」では?と考えていました。

この本は、その疑問を脳科学から解明しようとしてくれる書です。この本を読んでも、まだ、はっきり分かりませんでしたが、重要なキーワードが出てきて、参考にはなりました。

重要だとと思ったところを「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・広告を見たとき、80%がビジュアルに目がいく。そして、左から右へ動くものに大きく反応する細胞がある

・推測に反応する細胞が、新皮質の前頭連合野で発見された。□□□の中に文字や数字を入れる広告手法は、潜在記憶をチェックするのに有効

・情動の「好み」より「期待」の方が、“注目率”だけでなく、“買いたい度”でも相関が高い

・“楕円”は、“未来イメージ”をコミュニケートする

・露呈頻度と好みの関係は、「好み」の高いものを繰り返し提示すると、さらに「好み」度はアップするが、頂点に達すると、「飽き」が出てきてダウンし、最終的に「嫌悪」に変わるという逆U字を示す

・無意識(ビジュアル)+意識(文字)で調査すると、ビジュアルを見た後の文字は、日本字、英字ともに、太い明朝体が好まれる

・辺縁系(扁桃体・視床下部)から「笑い顔」「好き」「嫌い」「喜び」、そして「恐怖」「怒り」「悲しみ」などの「快・不快」情動に反応する細胞が発見された。そして、この部位が「食料」や「飲料水」に関わっていることも判明

・広告は、消費者自身、家族、社会の「生存保存」にとって「有益かどうか」が大きなポイントになる

・「円型」=「やすらぎ」(情動)が証明された

・5つの基本情動は、それぞれに相当する表情をともなう

快情動
「愛」=慈しみ、夢中
「喜び」=至福、満足、自尊心

不快情動
「怒り」=迷惑、敵意、軽蔑、嫉妬
「悲しみ」=苦痛、深い悲しみ、罪悪感、孤独
「恐れ」=ぞっとする恐怖、心配

・脳科学者は、潜在的な情動は、どのようなものにも誘発されやすく、その深さは無限としている



広告の専門書ですが、一般の仕事においても、プレゼン資料を作成するときなどに、参考になるのではないでしょうか。

広告や宣伝など、伝えることに興味のある方は、一度読まれると面白いと思います。



[ 2009/08/18 08:11 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『マンション・チラシ解読術』武内修二

マンション・チラシ解読術―“販促ワザ”を見抜く法 (中公新書ラクレ)マンション・チラシ解読術―“販促ワザ”を見抜く法 (中公新書ラクレ)
(2008/12)
武内 修二

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以前より、マンションを不思議に思っていました。

商業建築では、建築単価(設備内装込)は坪40万円~60万円くらいのものです。坪60万円で計算すると、25坪(82.5㎡)のマンションは、建物部分は1500万円です

仮に、坪100万円の土地で、10階建てのマンションだとしたら、
土地代は、25坪×100万円÷10=250万円
仮に、建ぺい率による面積と共有面積部分が2倍占めるとしても、
250万円×2倍=500万円 になります。

坪100万円の土地の10階建てのマンションが、契約率100%なら、1500万円+500万円=2000万円でも業者は利益があるはずです。

この計算式で考えると、大都会の坪200万円の場所のマンションでも、1500万円+1000万円=2500万円ということになります。

営業広告費を勘定に入れなければ、業者は原価の2倍は儲けているなと想像がつきます。

しかし、一般には、こういう計算をする人は少ないように思います。人生で一番大きな買い物なのに、買う側に厳しさが足りないように感じます。

この本は、マンションの販売テクニックについて言及しています。売る側の心理が詳細に記されており、役に立つ本だと思います。

本の一部ですが、役に立った箇所を紹介したいと思います。



・徒歩による所要時間(分速80m)には信号、上り坂は考慮されていない。起点(駅側)は地下鉄の場合、出入口が起点。終点は駅から最も近いマンションの敷地内

・販売価格、戸数などの記載義務がない予告広告ばかり打っているマンションは不人気物件である恐れがあるので要注意

・売れ残りを避けるために、人気が均等化するように、全体を小分けして時期を変えて販売するのが「期分け」。期分けすることで、販売初日の完売が可能。「即日完売」をPRすることで消費者の購買意欲をあおる

・「予定価格」表示の「台」「~」という表現には、消費者の懐具合を見ながら価格決定したいデベロッパーの思いが込められている

・高層マンションは、修繕積立金不足になる可能性あり。専有面積当たりの管理費、修繕積立金の負担は、低層階住民には不利。高層階と低層階の住民の経済格差も発生する可能性

・天然温泉付きマンションは、水質管理やポンプの動力費など毎月の維持管理費も負担。専用配管も必要になるので工事費も上昇。どこにでもある「ナトリウム塩化物泉」なら効能も不確か

・ワンフロア2~4戸のペンシルマンションは、工事費も維持管理費も割高。また避難経路などの防災上にもリスクあり

・冬至の方位別可照時間は、南面9時間32分、東面・西面4時間26分、北面0分。東向き・西向きの住戸は、冬至には南面の半分しか日が当らない

・海に近いマンションは、金属部分の腐食、洗濯物、窓ガラスの汚れなどの塩害に注意

・マンション・チラシに掲載されている間取り図は80分の1や120分の1が多く、定規を当てて、廊下の幅や台所の寸法を測ろうとすると困難を極める

・フリープランは生活騒音トラブルが発生する恐れがある

・洋室(子供部屋になることが多い部屋)には、騒音トラブルを避け、コストも安いカーペット仕様が多いが、ダニ・カビの巣窟となりやすく、衛生的でない

・小規模マンション(1999㎡以下)は、建築物バリアフリー条例の適用外。終の棲家には疑問

・外壁が吹き付け塗装仕上げの場合、タイル仕上げに比べ、分譲価格が安くても、10年ごとの吹き付けし直しの修繕費用がかさむ

・指定性能評価機関の審査の必要のない45m以下に抑えた15階程度のマンションで、壁に乾式パネル工法を採用している場合、遮音性能に注意

・機械式駐車場は「毎月の維持管理費が高い」「RV車などの車高では収納不可」「出し入れに時間がかかる」「法定耐用年数は15年、20年で建て替える必要」で最悪

・デベロッパーは希望住戸がかち合うことを調整するが、できなかった場合は抽選。しかし、確実に購入してくれる優良顧客に当選させるためにサクラを使う。第二希望を申告せず、望みの住戸を強く訴え、購買意欲と購買能力があることを主張するのが購入のコツ



この本は、今から、マンションを買おうと考えている人には必見の書だと思います。建築関係に多数の実務経験がある筆者の意見に耳を傾けると、得することがいっぱいです。何事も情報武装していると、交渉を有利に進めることができるのではないでしょうか。



[ 2009/08/17 08:07 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

『クレーマー時代のへこまない技術』林恭弘

クレーマー時代のへこまない技術クレーマー時代のへこまない技術
(2007/10/17)
林恭弘

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苦情処理は、営業マン、オペレーター、販売員など、人と接する仕事にはつきものです。特に、現場の仕事に携わっている人に、客からの苦情が直接向けられます。

その時に、精神力が強くないと、落ちこみ、へこみ、傷つくことがしばしばです。

この本は、へこまない技術を丁寧に教えてくれています。現場に関わっているカウンセラー兼コンサルタントである筆者ならではの「へこまない技術」は、接客業で働く人にとっては、救いの神になりそうです。

簡潔にまとめられ、とてもためになる本です。ためになった箇所を一部ですが、紹介したいと思います。



・クレームと苦情とクレーマーの定義
クレームとは正当な申し立てで、「適切な対応」の要求))
苦情とはクレームを前提として、その不満に対する「心の満足」の要求)
クレーマーとは「金品」の要求「個人感情の発散」で会社に害を与えるもの)

・仕事にはもともと意味はない。どんな意味にするのかは、自分の考え方

・心の健康には自分を“良いようにごまかす”ことも必要

・人は人によって癒され、問題を乗り越えてはじめて心から癒される

・仕事での日常のストレスは、別の癒しの場所では決して癒しきれない。人は難しい問題や課題にストレスをためながらも、何とかそれを乗り越えたときに初めて心が自由になる

・人と接する仕事は、人に怖れ、人に悩まされ、でも、人に救われ、そして人に癒される仕事。言いかえれば、「人間について学ぶことができる仕事」であり、「人間について興味を持たないとやってられない仕事」でもある

・あなたの心を守るには、「この苦情は私のせいではない」という、“心のスタンス”を準備する

・顧客は、決められたとおりに、至って冷静に対応されると、「慣れているな」「うまく処理しようとしているな」「軽くあしらっているな」と思い、馬鹿にされているかの感じを受ける

・相手が受け取る情報は、言葉の内容から伝わる情報よりも、そのほとんどが「声のトーン」と「間合い」から伝わる情報

・顧客が「この人に共感してわかってもらえた」と感じたら、気持ちがおさまる。そして、相手の感情がおさまってから状況を確認すればいい。まず、相手の感情にチューニングすること

・クレームの「正しい処理」よりもお客様が求めるのは「心の充足感

・クレーマーは、「ヒマな人たち」で「幸せでない人たち」

・クレーマーへの対応は、とにかく「毅然とした態度」を貫くこと。あなたが動揺することがクレーマーの目的

・「まず、正そうとするな。わかろうとせよ」理解者が傍にいてくれるだけで困難を乗り越えていける

・「怒りの感情」とは、実は「反応」である。「反応」の前に素直な感情がある。その感情とは、「不安や心配」「恐怖」「悲しみ」「さみしさ」などの、人間の「弱さ」の感情

・YOUメッセージとIメッセージ
(「相手を非難」する表現がYOUメッセージ、自分の心の素直な表現である「自己主張」がIメッセージ

・YOUメッセージで怒りをぶつけて相手を攻撃すると、多くの反発者が誕生する。「人を攻撃して幸せになった人」は、この世の中にはいない

・Iメッセージで、素直な気持ちを相手に伝え、あとは相手に委ねると、相手も素直に謝れる。結果的に、多くの協力者が誕生する

・仕事には、逆境と言う名のステージがたくさんある。ステージをクリアするレベルアップの感覚を楽しもう



人と接する仕事に携わっている人は、必読の本だと思います。読むと癒され、救われる本でもあります。気の弱い方で、対人関係が苦手な人は、読むべきではないでしょうか。


[ 2009/08/16 07:18 ] 営業の本 | TB(0) | CM(0)

『商家の家訓-商いの知恵と掟』山本眞功

商家の家訓―商いの知恵と掟  (青春新書インテリジェンス)商家の家訓―商いの知恵と掟 (青春新書インテリジェンス)
(2005/12)
山本 眞功

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我が家には、曾祖父(弘化元年1845年生~大正14年没)が遺した「一代記」があります。材木問屋を起こした経緯や木炭に手を出して失敗した話、相場への注意など、時の物価も交えて、成功も失敗も詳細に記されています。

私の祖父は三男でしたが、漬物問屋を起こし、その後、食品メーカーを経営するなど、それなりに成功しました。一族の中には、上場企業のオーナーを務めるなど大成功している者もいます。

こういう起業家魂の土壌は、この「一代記」のおかげなのかもしれません。

以前、寛政年間創業の会社の社長と会ったことがあります。その社長の家にも、「魚の釣り方、釣り場はしっかり教え遺せ、しかし釣った魚は遺すな」というような掟があるそうです。

「息子に、商いの心得を叩き込み(魚の釣り方)、商いの道筋(魚の釣り場)をつけたので、ようやく隠居できそうだ」と話されていました。

このように、遺産より遺訓の方が大事だと思うのですが、遺訓が残っている家は少ないように思います。

この「商家の家訓」は商人、豪商、老舗、財閥など大小を問わず、家訓を集めた本です。

例によって、「本の一部」ですが、非常にためになった箇所を紹介したいと思います。


・ただそのゆくさきの人を大切におもふべく候(中村治兵衛
(商いでは自分のことばかり考えるな)

・売りて悔む事、商人の極意と申す事よくよく納得いたし(外村与左衛門
(売った後に安売りし過ぎたかと悔やむほどならば、かえって先々で利益を手にすることができる)

・品物が不足しても、決して高くは売るな(西川甚五郎

・主人のためにとて他人へ非道をする人は、また吾身の為にとて主人へ非道をすべし(伴蒿蹊

・マグレ当りにて儲けし金は、他人の金を預ったと同じことなり(諸戸清六

・先義而後利者栄(下村彦右衛門
(義を先にして利を後にする者は栄える)

・損せざるを以て、大なる儲けと知る可し(茂木啓三郎

・商売は見切時の大切なるを覚悟すべし(三井高利

・勤倹貯蓄実行の骨髄は、自己の情慾を抑制し、己に克つに在り(安田善次郎)

・己の資産にあらず、祖先より預り、子孫に伝べき当時の支配人と心得(菊池家)


各家の家訓は、ほとんどが、数カ条にまとめられています。今回は、その一部だけを紹介させていただきました。

先人の成功者が遺した家訓の中で、「同感する言葉」を発見し、「昔も今も変わらない」ことがわかると、大いに自信がわくものです。

この本は家訓の書の中でも、簡潔にまとめらた読みやすい本です。家訓の入門書です。

判断に悩むとき、決断できないとき、不安なときほど、歴史に学ぶのが手っとり早い方法なのかもしれません。



[ 2009/08/13 06:00 ] 商いの本 | TB(0) | CM(0)

『[新版]バフェットの投資原則』ジャネット・ロウ

[新版]バフェットの投資原則―世界No.1投資家は何を考え、いかに行動してきたか[新版]バフェットの投資原則―世界No.1投資家は何を考え、いかに行動してきたか
(2008/08/22)
ジャネット・ロウ

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バフェットの本を紹介するのは3回目です。この本には、投資、仕事、経営、人生、交友、家庭の6つの、バフェットが考える原則が載せられています。

バフェット語録をいっぱい集めているので、自分に合うところだけ読めばいいと思います。今回、私が感銘した原則は、以下のようなところです。



・時代遅れになるような原則は、原則ではない

・風見鶏を見ているだけでは、金持ちになれません

・株式市場というのは、誰かが、ばかげた値段をつけていないかどうかを確認する場所にすぎない。私たちは、企業に投資している

・ピッチャーがボールを持っているのに、あせってバットを振ってしまう。私はそんなことはしない

・郵便が3週間遅れて届くような田舎に住んでいた方が、優れた運用成績を残せるかもしれない

・予想というのは普通、将来のことよりも予想者自身のことを詳しく語っているもの

・アイデアが出ないとき、格言はなにかと便利だ

辛抱強さ冷静さは、知能指数より重要かもしれない

・やりすぎじゃないかと思えるくらい深く調べなければならないとしたら、それは何かが間違っている

・どこかの会社が経費削減に乗り出したというニュースを耳にするたびに、この会社はコストをちゃんと理解していないと思ってしまう。経費の削減は、一気にやるものではないから

・事業の多角化は無知を隠す一つの手段。自分が手がけるビジネスをちゃんと理解していれば、多角化など無意味に思えるはず

・株式投資は単純明快です。誠実で有能な経営陣が率いる優れた企業を見つけ、その内在価値より安い価格で株式を購入する。そして、永久に保有すればいい

・お金がほしいのではない。お金を稼ぐこと、そしてお金が増えていく様子を見ることが楽しい

・結果よりもそこに至る過程のほうが楽しい。もっとも、結果と折り合う術も学びましたがね

・時間管理の原則は、ただ一言「ノー」と言えばいい



バフェットがテレビで喋るのを見てから、私は、バフェットのファンです。含蓄のある言葉をサラッとユーモアを交えて話すのが魅力的です。

この本には、バフェットの個性が滲んでいるように思いました。株式や投資に興味のない方でも、面白いのではないでしょうか。



[ 2009/08/11 05:31 ] バフェット・本 | TB(0) | CM(0)

『世界に誇る日本の道徳力-心に響く二宮尊徳90の名言』

世界に誇る日本の道徳力―心に響く二宮尊徳90の名言世界に誇る日本の道徳力―心に響く二宮尊徳90の名言
(2006/10)
石川 佐智子

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二宮尊徳(幼名金次郎)は戦時中、軍事教育にも利用されたためか、現在はあまり人気がありません。二宮金次郎の銅像も学校からほとんど消えてしまいました。

しかし、二宮尊徳の書物を読むと、大変素晴らしいことが書かれています。実践で生まれた、生きる知恵やノウハウの宝庫です。

お金の儲け方、お金の増やし方、お金の使い方についても数多く言及されています。

江戸時代末期に活躍したにもかかわらず、勤勉、質素倹約などの精神は、キリスト教のプロテスタンティズムの倫理に通じるものがあります。

この本は、二宮尊徳の語録や夜話を90に絞って、書かれています。二宮尊徳の教えが簡潔にまとめられています。

「本の一部」ですが、ためになったところを紹介したいと思います。



・大事をなしとげようと思う者は、まず小さな事を怠らず努めるがよい。それは、小を積んで大となる(積小為大)から

・自分が早起きをして他人を起こすか、あるいは他人に起こされるか、その得失は一割掛ければこのとおり

・米の多い原因によって、貸し金をつくり、貸し金の原因によって利息を得る

・富をみて直ちに富を得んと欲する者は、盗賊鳥獣に等しい。人はすべからく勤労して、しかる後に富を得ること

・貧者は昨日のために今日つとめ、昨年のために今年つとめる。それゆえ終身苦しんでも、そのかいがない。富者は明日のために今日つとめ、来年のために今年つとめるから、安楽自在ですることなすことみな成就する

・むやみに倹約するのではない。変事に備えるためだ。貯蓄が目的なのではない。吝か倹かは、いわずと明らか

・衰えた村を復興させるには、篤実精励の良民を選んで大いにこれを表彰し、一村の模範とし、それによって放逸無頼の貧民が化して篤実精励の良民となるように導く

・今日のものを明日に譲り、今年のものを来年に譲るということをつとめない者は、人であって人でない。宵越しの銭は持たぬというのは、鳥獣の道であって、人道ではない

・奪うに益なく譲るに益あり、これが天理

禍福吉凶というものは、人それぞれの心と行いとが招ところに来る

・徳に報いる者は、今日ただいまの丹精を心掛けるから自然と幸福を受けて、富貴がその身を離れない

・身分の高い者、富んだ者が、その分を守って余財を推し、これを身分の低い者、貧しい者に及ぼしたなら、天の気が下にはたらき、地の気が上へはたらき、両々相まって世の中の生活は日に豊かになり、国家は必ず治まる

・勤業して分を譲り、人のためにするものは倹約である。私欲から財を惜しみ、己のためにするものは吝嗇である

・聖人は無欲ではない。実は大欲であって正大。賢人がこれに次ぎ、君子はその次。凡夫のごときは、小欲のもっとも小なるもの。学問は、この小欲を正大な欲に導く術。大欲とは、万民の衣食住を充足させ、人々の身に大きな幸福を集めようと欲すること

・大道は水のようなもので、世の中を潤沢して滞らない。そのような大道も書物にしてしまうと、水が凍ったようなもので、少しも潤いにならず水の用をなさない

・善心が起こったならば、すぐ実行するがよい。およそ、世は実行によらなければ事は成就しないからだ

・愚かな者でも、必ず教えるべきだ。従わなくても怒ってはならない。また捨ててはならない

・本来ことごとく外の色あいから自分の色が知れるのである。一切万々、自分の善し悪しは人が見ているもので、自分は案外知らないものである

・世人の好き嫌いは、半面を知って全面を知らない。これまさに、半人前の知識。どうして一人前ということができよう



銅像の二宮尊徳のイメージとは、少し違ったように思われたのではないでしょうか。宗教家兼コンサルタントのような存在だったと思います。

しかし、口先ではなく、自ら現地に暮らし、手本を示し、農民とともに歩んだ実践コンサルタントだったので、皆から慕われたのだと思います。

実践から得た言葉は重みがあります。真面目に読む価値はあると思います。



[ 2009/08/10 08:38 ] 二宮尊徳・本 | TB(0) | CM(0)

損得勘定で考える戦争論(2)~利己主義者~

姫路・太陽公園・兵馬俑/photo by福家金蔵
高額の給料を貰い、職業軍人(今なら自衛隊員)として、戦地に赴くのなら仕方ありません。しかし、「何の得もしていない、何の得にもならない」庶民が洗脳されて、戦地に行かされ、亡くなるのはおかしいと思います。

我が家もおじさん(父の兄)が、徴兵されて、若くして、中国で戦死しています。死ぬ間際において、「この戦争は何だったのか、自分の人生は何だったのか?」真剣に考えたと思います。そして、大いに後悔したと思います。

もっと、皆が利己主義者になり、損得勘定で行動すべきではないでしょうか。

というのは、その方が合理的だからです。しかも、冷静に、理性的に判断できます。皆が、利他主義という美辞麗句のもとに、愛国心を煽られれば、理性的判断ができなくなります。これが危険です。

これらに、ダマされないためには、知性、知恵、教養を身につけ、情緒的、感情的に左右されずに、判断する力を身につける必要があります。

最近、少し気になるのは、サッカー、野球、バレーボールなど世界大会になるとテレビの視聴率がアップする現象です。これらの大会でよく騒いでいるのは、若者です。

今の社会において「若者=得していない人」と私には思えるのです。この得していると思えない若者が、「がんばれ、ニッポン」と応援しています。何だか不思議な気がします。

若者は、
1.年金の受給額が支払額に比べてマイナスの人たちです
2.なかなか正社員になれず、生涯賃金の低い人たちです
3.生まれながらにして、親のレベル差で、機会均等が損なわれてきている人たちです

日本国から、さまざまな恩恵を受け、得させてもらっているのなら、それに感謝して、日本が好きになり、日本を応援しようという気になって当然なのですが、現実は、その逆です。

スポーツの世界戦と仮想敵国教育は、為政者からすれば、愛国心を植えつける最高の手段です。古来よりその手法が使われています。

ヒットラー時代のドイツしかり、北朝鮮しかり、中国しかり、内政の悪い面に目を向けさせずに、国民意識を高揚させる最適かつ常套手段です。

スポーツで熱くなってしまうというのは、人間の本能に根ざしたものですから、それを否定しませんが、それを機に、変な愛国心を持ってしまうのが危険だと思うのです。

くれぐれも、ローリターン(国から得をさせてもらっていない)で、ハイリスク(徴兵されて、戦地で生死を彷徨う)にならないように、注意してほしいものです。

戦争は、ハイリターン(国から得させてもらっている)を享受している人たちに任せればいいのです。敵国がたとえ攻めてきても、得してきた人たちの資産や職や権利を奪うだけです。

得をしてこなかった人から、奪うものはないので、何もしてきません。むしろ戦争に負け、既得権益者が一掃されることになれば、ビジネスチャンスが増え、得することが多くなると思います。

このように、損得勘定で考え、利己主義者になると、無意味な戦争に巻き込まれることはないと思います。


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[ 2009/08/07 07:23 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

損得勘定で考える戦争論(1)~既得権益者~

ピカソ/ゲルニカ/マドリード・ソフィア王妃芸術センターPOST CARD
毎年、この時期になると、戦争について考えるTV番組、新聞記事が多くなります。その中で、いろんな議論がなされていますが、私の戦争に対する考え方は、至って単純です。

一行で凝縮して言うと、「今、得していないのなら、戦争なんかに行ってはダメ!」ということになります。

本来、戦争とは、今、得している人(既得権益者)が、その得を奪われたくないために、戦うものです。

今までの人生の中で、「あまり得させてもらってないなあ」と感じている人は、もし、戦争が起きて、徴兵されることになっても、断固拒否すべきです。

戦地に赴き、その最前線で、戦うべきは、既得権益集団で高給与を得ている人たちです。

今で言えば、例えば、各種公共団体、財団法人・特殊法人、公共事業比率の高い業者、政府の許認可が必要な業者、政治的圧力をかけている業種で多くの給料をもらっている人が戦地で戦わなければなりません。

今、得しているのなら当然です。この既得権益という「得」を奪われたら、明日からいい暮らしができなくなるからです。

そのためには、命を懸けて、徹底的に戦わなければなりません。(但し、得をしていない一般庶民を巻き込んではいけません)

昔から戦いとは、そういうものです。利害が絡むから、戦争(国家間の喧嘩)になるのです。感情だけでは、戦争になりません。

鎌倉時代の武家政治にしても、源頼朝が自分たちの領地を守ってくれる(既得権益を保護してくれる)から、まさに命を懸けて(一所懸命に)「いざ鎌倉へ」と関東武士団が馳せ参じました。

自分たちの得にならないのなら、絶対に馳せ参じることはありません。つまり、鎌倉時代の武士は、ハイリターンを得るために、ハイリスクを受け容れていたのです。

ところが、近代になってきて、既得権益者がずる賢く、狡猾になってきました。ハイリターンを得ているのに、ローリスクで済まそうと考えました。

そのためには、「今、何も得をしていない=既得権益者でない」庶民を洗脳して(愛国心を煽り、思想教育して)徴兵する必要がありました。


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[ 2009/08/06 08:50 ] お金の話 | TB(0) | CM(1)

『格差社会の世渡り』中野雅至

格差社会の世渡り 努力が報われる人、報われない人 (ソフトバンク新書)格差社会の世渡り 努力が報われる人、報われない人 (ソフトバンク新書)
(2007/06/16)
中野 雅至

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以前、「企業が求める人材像と管理職の役割」という記事の中で、日本ガンバル教に入信してしまった (地方出身) (1.5流大学文科系学部を卒業) (コツコツ真面目型の性格) (郊外に一戸建てをローンで購入) (子供の教育にも熱心) なサラリーマンは、会社に利用されるというようなことを書きました。

また、「会社の辞め方」という記事の中で、賢い会社の辞め方とは、「いつ辞めてもいい」ように、辞める気で、自分の能力を高め、その高い能力をもとに、会社と暗黙裡に交渉しながら、会社をなかなか辞めないことにあるということを書きました。

この本の著者も全く同じようなことを言っています。著者は、元厚生労働省の官僚で、現在は兵庫県立大学の准教授を務める中野雅至さんです。

著書は、若年の非正社員と同様に、損していると思われる、学歴しか取り柄のないサラリーマン(才能がない、親が金持ちでもない)にスポットをあて、今後どのように生きていけばいいかを示唆しています。

この本の中で、著者の意見と同感!と思った所を紹介したいと思います。



・明日を楽しみに待てない人が増えている理由は、「がんばりに対する報い」が少ないから

・自分の成果や実力を上手くアピールできない人間が没落している

・もはや学歴は、下流への転落を回避するための保険機能を果たしているにすぎない

・労働という努力だけが取り柄の「ワーキングプア」と受験勉強が取り柄だったホワイトカラー正社員の上に“金持ちが君臨”している。「努力プア」はいくら努力しても報われない仕組みになってしまっている

・公募で選挙に立候補する高学歴サラリーマンは、落選しても喰うに困らない、裕福な家庭出身者。「学歴+α」の人

・高学歴者は三極化してきている(1.勉強以外に才能がある高学歴者 2.親が金持ちの高学歴者 3.取り柄がなく報われていない高学歴者)

・成功している人間や幸せそうな人間は、「学歴+α」が必ず存在する。中間階級出身で、学歴しか取り柄のない者は、サラリーマンとして、こき使われる

・“勝ち組だと思われる人”というアンケート調査では、「ベンチャー企業の社長」「タレント、ミュージシャン、スポーツ選手」「医者、弁護士」が上位を占めているが、一流企業のサラリーマンを「勝ち組」と見なす人はいない

超一流企業勤務がおいしくない理由
(1.残業時間が多い。3社に1社が月100時間以上の残業)
(2.低給サラリーマンの増加。成果主義の導入後、平均給与の高い企業内でも格差)
(3.雇用の安定度の低下。グローバル経済では、大企業の業績も大きく変化)

・普通の家庭出身の高学歴サラリーマンは、「社会のルールはきちんと守る」「マナーがよい」「気さくで素直」な常識人

・今の日本は、高学歴サラリーマンの献身的労働を基盤にして国際競争力を維持しているが、世間は彼らにあまり温かくない

・かつての富裕層は、日本社会や日本人を豊かにしたが、今日の新興富裕層の金儲けは、庶民の幸せに結びついていない。金儲けの勝者を崇めるのはおかしい

・起業家と努力プアの差は、努力の方法が異なっただけで、努力の量に違いはない。「リスクを背負う勇気」と「PRへの類まれなる情熱」で格差が発生している

・今日の日本の金持ちは、テレビなどのマスコミと密接に関わり、マスコミを宣伝機関として利用し、上手く自分をPRしている

・中央官庁のお堅い組織でも「優秀な人間に限って辞める」ことが起きた。残った正社員は、優秀だから勝ち残ったといわけではない

・勝ち残った正社員は、「何が何でも会社にしがみつく、出世するという執念に勝っている人」「仕事に全く疲れない人」「声のデカい人、アピールの上手い人」

・「一生懸命働いている」「一生懸命勉強して良い大学を卒業した」というだけでは何の役にも立たないし、世間の同情も起こらない

・「企業を信じてはいけない」「企業を徹底的に利用する」「企業を安易に辞めない

・これ以上利用できないくらい利用し、自分の市場価値を高めてから会社は辞めるべき



私は成果主義の上場企業で10年働き、サラリーマンの限界を悟り、上手に?会社を利用し、満を持して辞めました。

独立後、16年経ち、大成功はしていませんが、無借金経営でなんとかやっています。何より、自由なのが一番です。得意先との関係で、ストレスが発生することが起きても、「金儲け、金儲け」と割り切れば、ストレスがなくなります。

こういう経験をしてきたので、この本の言いたいことがよくわかります。本のタイトルが、「格差社会の世渡り」になっていますが、内容は、「努力が報われないサラリーマン」です。

一生懸命勉強して、一流大学を卒業し、一生懸命働き、残業もしてきたのに、ほとんど報われていない、一流企業のサラリーマンにとって必見の書ではないでしょうか。

[ 2009/08/05 08:46 ] 人生の本 | TB(0) | CM(0)

『非モテ!-男性受難の時代』三浦展

非モテ!―男性受難の時代 (文春新書)非モテ!―男性受難の時代 (文春新書)
(2009/02)
三浦 展

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このブログのタイトルはお金学です。人生を楽しむために不可欠な「お金」の考察が主旨です。

しかし、独身者にとっては、お金が少々あっても、モテなければ、人生楽しくないのではないでしょうか。若い時は、お金より大事なのが、「モテる」ことだと思います。

ここ数年、「お金」より大事かもしれない「モテ」事情に、大きな変化が起こっているのではないかと感じていました。

女性が男性を選ぶ時代になった今、独身者に、どういう変化が起きているのか?どのような考え方になってきているのか?興味がありました。

現代のモテ事情を著した、いい本はないかと探していたら、この本を見つけました。著者は、「下流社会」で有名になった三浦展氏です。

調査データで検証するスタイルの本ですが、現代のモテ事情が、手に取るようにわかります。非常に参考になりました。

早速ですが、参考になった箇所を「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・年収400万円以上の男性でないと結婚が難しい
・非正社員男性は「モテない」「容姿に自信がない」という人が多い
・モテないことと容姿に自信がないことが、経済状態並みに階層意識を規定する

・大卒以上の女性はモテると思っている人が多い
・男子において、家の経済状態の良し悪しがモテると相関している
・モテない男性の6割近くは非正社員である

・モテる男性ほど身長が高く、モテない男性ほど身長が低い傾向
・年収が高い男性ほど身長が高いし、身長が高い男性ほど年収が高い傾向がある
・年収が高い男性ほど結婚が早い(学歴の高さと結婚の早さの相関はない)
・身長が高い男性ほど結婚が早いという傾向は明らか
・三高のうち学歴以外の二高(高収入、高身長)は、男性の結婚にやはり有利

・男子の場合、学校のレベル、勉強の好き嫌い、階層意識よりも、モテることや容姿に自信があることの方が将来への希望に結びついている

・モテる女性は、男性的でかつセンスがよい
・モテる男性は明るくリーダー的な性格
・モテない男性は相互共感能力が低い

・男性の55%が「やさしい」女性が好きだが、自分が「やさしい」と思っている女性は15%

・女性の方が生活全体にわたって階層上昇していく傾向が強い(年収が上がるほど上流・高尚な趣味嗜好になる)
・男性は上流層でも正統な趣味にあまり参加せず、むしろオタク的な趣味ギャンブル系に流れている

・お笑い文化が日常に浸透したため、ユーモアを交えながら会話できることが、モテるかモテないかを決める土台となっている
ノリがよい人がモテるという風潮をつくっているのは男性より女性の方

・女性の社会進出とともに、男性は仕事(勉強)もできて、容姿や格好も良いことが要求されるようになった

・性意識の解放された女性が、あけすけな性的言説をまき散らし、真面目な男性を萎えさせている(女性の男性に対するセクハラ)



男性は、経済状況よりも、モテることが将来の希望に結びついているようです。それなのに、モテの主導権を握っている女性が、モテない男性へのセクハラまがいの言動を行い、その希望を奪ってしまっているように感じました。

男性が弱くなってしまったと言えば、それまでですが、多くの男性にとって、生きにくい、住みにくい、楽しくない状況が当分続いていくように思いました。まさしく、男性受難の時代が現実に起こっていることを実感しました。



[ 2009/08/04 12:59 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

『プロカウンセラーの聞く技術』東山紘久

プロカウンセラーの聞く技術プロカウンセラーの聞く技術
(2000/09)
東山 紘久

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悩みと愚痴の聞き役」でカウンセラーの仕事について、少し書きましたが、人と接する仕事をされている方が、カウンセラーの手法を仕事の中に取り入れたら、間違いなく成功すると思います。

では、カウンセラーのプロは、訓練して何を身につけているのでしょうか?「プロカウンセラーの聞く技術」を読むとその答えが書かれています。

著者の東山紘久氏は、京都大学副学長を務められており、日本の教育学、臨床心理学の第一人者です。

しかし、この本は、やさしく書かれていて、読みやすいと思います。一般的な心理学の本のように見えるのですが、内容は深いです。

この本を読み、自分なりに、プロカウンセラーとして、何が必要かを考えたら、以下のようになります。



1.人間というものが好きで、相手の言動に対して、何でも興味が持てる

2.どんな人でも相手の方が偉いと感じることができる

3.聞く仕事に対して、誇りを持っている

4.人の「悪」「濁」も受け容れることができる

5.他人の悪口もじっくり聞いてあげることができる

6.相手から直接批判されても、笑って聞き流すことができる

7.自慢を決してしない、また自分の個人的な話をしなくても我慢できる

8.相手の言葉を決してさえぎらず、相槌の打ち方だけを考えていることができる

9.自分の弱点を相手にさらけだしても平気である

10.うそは決してつかないし、自分を飾ることも絶対にしない

11. 相手の秘密はどんなことがあっても絶対に守る



まるで、聖人君子のようになりますが、対人商売で成功されている方は、まさに、こういう方だと思います。

この本は、2000年に出版されて、今でも売れているロングセラーの本です。是非、対人関係の仕事をされている方は、この本を読んで、カウンセラー魂を身につけてください。きっと、役に立つはずです。



[ 2009/08/03 16:55 ] 営業の本 | TB(0) | CM(0)

『京都型ビジネス-独創と継続の経営術』村山裕三

京都型ビジネス―独創と継続の経営術 (NHKブックス)京都型ビジネス―独創と継続の経営術 (NHKブックス)
(2008/12)
村山 裕三

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クリエイティブ資本論(リチャード・フロリダ著)の中で、これから伸びるクリエイティブ都市とは、豊かな自然環境とハイテクを郊外に備えた活気に満ちた都市であるとして、一流の研究大学芸術家・クリエイターの存在が必須条件と書かれていました。

これを読んだ時、すぐに目に浮かんだ都市が京都です。著者も、この本の中で、リチャード・フロリダの著作について、触れられています。

京都には、任天堂、京セラ、日本電産、オムロン、島津製作所、村田製作所、ローム、大日本スクリーン、堀場製作所、イシダ、タキイ種苗など技術力のある企業が目白押しです。

なぜ、京都の企業が、独自の道を歩み続けてこられたのか?その秘密を解明しようとしているのが、この本です。

「本の一部」ですが、著者が考える、京都型ビジネスの秘密を紹介したいと思います。



・京都の有能な職人や経営者は機能性と文化性の微妙なバランス感覚を身につけている
文化性を重視すると、芸術品の領域に入り、市場規模が縮小)
機能性を重視すると、コスト競争の領域に入り、利幅が縮小)

・文化を商うのではなく、文化とともに商う

・京都企業は、利益追求よりも、継続することに執着する。継続を前提とすることにより、長期的な視点に立った投資ができる

継続するために革新を行う

・京都の企業は、「新製品」「新技術」「創造性」を重視。人マネすることを嫌う

・京セラも日本電産もアメーバ経営<会社を最小単位に分割し、リーダーを配置>
(伝統産業が息づく京都では、システム的な発想で、人を管理することは嫌がられる)

・京都には、人間・文化・テクノロジーが一体となった世界が存在しているので、企業は京都から出ていかない

・歴史・文化・伝統はいくら掘り進んでも底まで行き着かない。これが京都のメリット

・京都と欧州有名ブランド企業のコラボが盛ん
(ロレアル、カルティエ、シャネルなどが京都で展示発表会を次々に実施。これらの企業は質の高い文化を提供できる舞台を探している)

・京都商工会議所は、「知恵産業」というコンセプトを打ち出した
(「科学と技術」「匠の技」「デザイン」を融合させて、新たな産業を生み出す試み)

・京都企業7つの特徴
1.コア・コンピタンス(競合他社がマネできない核となる力)がある
2.ニッチ市場に集中する
3.海外市場に積極的に進出している
4.取引関係が従属的でなく、オープンな形で競争、協力する
5.アウトソーシングを積極的に行う
6.キャッシュフロー・利益を重視し、財務基盤がしっかりしている
7.研究開発に熱心に取り組む



私も京都に4年住んでいました。今でも、年に4回以上は京都を訪れています。

そのため、京都に肩入れしているというわけではありませんが、客観的に見ても、日本の企業が、今後取り組んでいくスタイル、進むべきモデルが京都の企業にあると思います。

京都の企業が先陣を切ってくれているのではないでしょうか。

また、企業だけでなく、京都という都市が、これからの日本の都市モデルになると感じた1冊でした。



[ 2009/08/02 07:48 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)