とは学

「・・・とは」の哲学

『「物語力」で人を動かせ!』平野日出木

「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法「物語力」で人を動かせ!―ビジネスを必ず成功に導く画期的な手法
(2006/03)
平野 日出木

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以前、「講演の仕方、発表の仕方」で、事例中心に話す方法について書きましたが、この「物語力で人を動かせ」にも同じようなところを感じました。

しかし、この本は、さらに掘り下げて、どういう物語を皆が求めているのか?受ける物語とは何か?といった物語の構造分析をしています。

例によって、「本の一部」ですが、非常に参考になったところを紹介したいと思います。



・モノを売り込むには、論理で攻めるよりも、相手を共感させ、感情移入させる物語の方が効果的

・論文は読み手に対決を迫ってくる不遜な形式、これに対し、物語は読者が安心でき、解釈の自由度が高い形式。聖書は「物語形式」で書かれている

・障害を乗り越えながら、願望の実現を目指すのが、物語の基本型

・フランスの学者が、物語の構造分析した結果、登場人物6人の「行為者モデル」は
1.主体 2.対象 3.敵対者 4.援助者 5.送り手 6.受け手であった

・桃太郎を例にとれば、1.主体(桃太郎) 2.対象(宝) 3.敵対者(鬼) 4.援助者(犬、猿、雉) 5.送り手(おじいさんとおばあさん) 6.受け手(おじいさんとおばあさん)になる

・会話やシーンをリアルに「再現」すれば、聞き手は同じ体験をしたかのように錯覚する

・「動詞」を繰り返して臨場感を演出する

・聞き手に感情移入させるV字型ストーリー(現在から入り、いったん過去に遡り、再び現在に戻ってくるV字型)

・エピソードは時間順に配列するのが基本。未来は、過去から現在に至る実績の延長線上に置くこと

・共感を呼ぶには、課題や困難な状況、自分の欠点をさらけだし、その壁を乗り越えた事実を提示すること。そうすると、自分の能力の信頼を得る

・自己紹介は、聞き手の「用心フィルター」を外し、信頼させることが目的。聞き手は話し手の善意の言葉をそのまま受け取るのを拒む。話し手を知らない場合はなおさら。オバマ大統領(当時は候補者)は「私の物語」「アメリカの物語」を演説に上手に使って、物語で信頼を得ていった

・聞き手の疑問を先取りして説明する

・熱い思いを伝えて、人を鼓舞する

伝説を今の活動にリンクさせる

・リアルなシーンを使って物語性を高める

・自分をドラマチックに演出する



論理より物語が大事だということがよくわかりました。

文章を書くとき、意識はしていないのですが、「困難を克服した体験ストーリー」「エピソードを時系列に配置」「動詞を多用」「聞き手の疑問を先取り」などの技術を私自身、使っているのかもしれません。

最近、書いた「エアコン不要!吸汗Tシャツ・気化熱冷却法」の文章を改めて読み直したら、ほぼ、そのような形になっていました。

人前で話すとき、人前で話すレジュメを書くとき、文章を書くとき、文章を校正するとき、この本の内容を知って、確認、校正をすると、コミュニケーション能力がかなり高まるように思います。メッセージが効果的に伝わるのではないでしょうか。

[ 2009/07/31 08:22 ] 育成の本 | TB(0) | CM(0)

『オプティミストはなぜ成功するか』マーティン・E.P.セリグマン

オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)オプティミストはなぜ成功するか (講談社文庫)
(1994/02)
マーティン・E.P. セリグマン

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私は、オプティミスト楽観主義者)だと思います。できることしか考えていませんので、すぐに行動します。失敗しても、一晩寝たら忘れています。

妻は、ペシミスト悲観主義者)です。失敗を前提に考えているので、行動になかなか移せず、いつもぐずぐずしています。

頭がいいのは、妻の方なのですが、得をしてきたのは私の方ではないでしょうか。私の行きすぎた行動をセーブするのが、妻の役割になっています。

オプティミストとペシミストは生まれつきのものだと思っていたのですが、この本には、訓練次第で、誰でもオプティミストになれることが具体的手法を交えて、書かれています。

著者は、米国ペンシルバニア大学心理学の教授です。したがって、単なる自己啓発本ではありません。きちんと証明されたことが記述されている専門書です。


例によって、「本の一部」ですが、ためになった箇所を紹介したいと思います。



・不幸は、「自分の責任」で、「永続的」で、「運が悪い」からと信じている人は不運に見舞われることが多い。また、能力以下の業績しかあげることができない。悲観的な予測は、その通りの結果を招く

・才能と意欲が豊富にあっても、楽観的なものの見方が欠けている時には、失敗に終わることもある

・敗北に直面した時の目覚ましい回復力は、生まれつきの特性ではなく、身につけることができるもの

・すぐにあきらめる人は、自分に起こった不幸は、永続的で、悪いことは続き、自分の人生に影響を与えると考えているが、あきらめない人は、不幸の原因は一時的なものと考えている

・楽観的な人は、よい出来事を「特性」「能力」「いつも」という理由で説明するが、悲観的な人は、「状況」「努力」「ときどき」という理由をあげる

・失敗の原因が永続的なもの(愚かさ、才能のなさ、醜さ)だと思っていれば、人は変わるための行動を起こさないが、一時的なもの(意欲のなさ、努力不足、太りすぎ)だと信じていれば、変える行動を起こせる

・挫折を、個人的(自分が悪い)、永続性(ずっと続く)、普遍性(何をやってもダメ)と解釈すると、将来にまで、その状況を持ち越すことになる

・オプティミストの方が、学校でも選挙でも職場でも、よい成果をあげること、より健康で長生きすることが、度重なる研究の結果、証明されてきている

・楽観度を考慮に入れず、能力だけで成績の良さを考えるのは無意味という結論に達した

・ユダヤ人は、貧困、宗教的迫害、虐殺の脅威にさらされたにもかかわらず、ユダヤ教が楽観的な宗教(祈祷書、宗教読み物、民話、歌、ことわざなどの記述)なため、希望を与えられ、試練に立ち向かう力を得たと考えられる

・何かを達成しようとしている時、自分の気持ちを高めようとしている時、困難な状況が長引きそうな時、指導的役割を演じたい時は楽観主義が有効

・リスクの大きいことを計画する時、他の人の困り事に同情したい時は、楽観主義は使わない方がいい

・悲観的な思い込みをしていたら、自分の頭に浮かぶ考え方に反論することで、いつもの落胆とあきらめの反応をエネルギッシュな行動へ変えることができる

・反論するには、「証拠はあるか?」「別の考え方はできるか?」「思い込みが本当でも、それがどんな意味を持つのか?」「その考え方は有効か?」と考えるのが効果的

・自分の否定的な考えに反論する方法は子供でも覚えられる。楽観主義は、早く身につけるほど、基本的な習慣になる

楽観的スタイルが必須条件の分野は、「セールス」「仲買業」「広報」「人前に出る仕事」「募る仕事」「創造的な仕事」「競争の激しい仕事」「燃え尽きる率の高い仕事」など

適度の悲観的スタイルでも構わない分野は、「設計・安全工学」「技術・コスト見積」「会計」「法律(訴訟を除く)」「経営管理」「統計」「品質管理」「人事管理」など



どうでしたか?世の中には頭がいいのに、悲観主義なため、成功していない人がゴロゴロいます。一生懸命勉強するより、悲観主義を改める勉強をする方が、すぐ成功につながるのではないでしょうか。

この本は、1991年に出版され、その後文庫本になり、いまだに版を重ねているロングセラーの書です。悲観主義に陥りやすい方には、是非読んでほしい1冊です。

[ 2009/07/30 08:48 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『ワルの知恵本』門昌央と人生の達人研究会

ワルの知恵本ワルの知恵本
(2004/10/23)
門昌央と人生の達人研究会

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タイトルが「ワルの知恵本」となっていますが、全然、悪くない本です。

この本には、180近くの処世術が書かれていて、十分な内容があるにもかかわらず、値段はたったの税込500円です。すごく良心的です。

この本に出てくるような処世術は、社会人として、当然、身につけておくべきものだと思います。たとえ、この処世術を自分が使わなくても、他人に行使されるのを防ぐために、知っておく必要があるのではないでしょうか。

この本に記載されている、数ある処世術の中で、参考になった箇所を、紹介していきたいと思います。



・「お世辞が言えないタチでして」と言うのは、ゴマすり人間
・「言い訳はしません」と言うのは、言い訳人間
・「行けたら行く」と言うのは、薄情な人間

・組織の一員になると、悪事が働ける人は、個人としても信用できない
・人の意見に眉をひそめる女性は、自分が優秀と意識している。離れるのが無難

・妙にエネルギーがありすぎの人とは、用心してつきあう
・「誰でもやっていること」と言い逃れする人とは関わらない方がいい
弱者への優しさをやたら主張する人には注意。エゴイストと表裏一体

うさん臭い人と付き合っている人は、信用できない
・生きざまが顔に表れず、喜怒哀楽も乏しいツルンとした顔の人を信頼してはいけない

・実体のないほめ言葉でも、繰り返すうちに相手を動かす。言葉にはそういう魔力がある
すごいさすがなるほどの連発で、相手の虚栄心は大いに満足させられる

・人をほめる場合にしてはいけないことは、他者と比較してほめること
・極上、満面の笑みこそ人たらしのイロハ
・別れ際に、“過去形”で、感情を強くこめて感謝すると、相手の心に強く残る

・相手が言った言葉をそっくり返すトークは、相手を安心させる方法として有効
・相手が価値を置いていることに賛同すると、相手の好意を簡単に得られる

不平不満分子に役割を持たせることで、うまくコントロールできる
・仕事ができる女性ほど、実は、女の部分を称賛されたがっている

・自分に有利に事を運びたいなら、騒がしい場所を選び、交渉するとよい
・世話したお礼が薄謝の場合、拒否し、相手に再考させる
・当たり前の話でも大声で繰り返せば、相手も認めるしかなくなる

・相手のペースに巻き込まれそうになったら沈黙する
・相談するのは確証を得るためだから、相談された相手が欲している答をだすこと
人をその気にさせるには、大義名分を用意してやればいい

・ほめる場合、直接相手に言うより、第三者を介して伝える方が効果的
・本音を吐かせるには、訥弁でノロノロ喋った方が、変な間が空き、有効
・部下を取り込むのに、効果的なセリフが「信じているよ」「認めているよ」の二つ

・有効なのは「がんばって」ではなく「がんばっているね」
・「忙しい」「がんばるぞ」とよく言う人ほど、暇で、やる気がない人
・髪を染めたり、カツラをする中高年男性は、権力、利権、名声を追求したい人

・初対面で相手の顔をチラッと盗み見るのは、自分の優位性を誇示するあらわれ
・道を極める才能のない若者は、「若い時は何にでも挑戦しろ」の甘言を信じてはいけない
・本当の人格者は、権力争いの外にいて、社会の表舞台には出ないもの

・「銭金の問題じゃない」と言う人こそカネを問題にしている
何とか主義を振り回す人は、人間より主義が大事な人で、信用できない



この本を、対人関係で、災難に遭わないための防衛費として考えれば、500円は安い買い物だと思います。しかも、読みやすく、お手軽です。

「ワルの知恵本」ではなく「よいこの知恵本」として、社会の荒波にのまれる前に、是非、読んでほしい1冊です。


[ 2009/07/29 08:52 ] 人生の本 | TB(0) | CM(1)

『広告五千年史』天野祐吉

広告五千年史 (新潮選書)広告五千年史 (新潮選書)
(2003/11/15)
天野 祐吉

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新聞や雑誌にコラムを執筆し、テレビにもよく出てこられる天野祐吉さんの本です。広告技法が太古の昔から使われていたことを実証しようとする内容です。ある意味、広告の歴史書なのかもしれません。

見えるものを宣伝することだって難しい。見えないものを宣伝することは、さらに難しい。その超難しいことをして、成功した偉人たちがいます。

この「私説広告五千年史」は、歴史に名を残す宗教家布教活動政治家PR活動とはどういうものだったのか?現在の広告技法に照らし合わせて、面白おかしく解説されています。

広告の本とは考えずに、「成功した偉人の自己PRノウハウ書」と考えた方が適切かもしれません。

斬新な内容だと感じた箇所を「本の一部」ですが紹介したいと思います。



イエスキリストの広告術
(ヘタな説教をするより、具体的サービスで話題をつくり、「誰にも言うな」と言って、口コミで噂を広めた方が効果的と知っていた)

・イエス流コピー作法
(聖書は、1.圧縮せよ 2.シンプルであれ 3.誠実さを示せ 4.繰り返せ の鉄則を後世のコピーライターに教えている)

グレゴリオ聖歌は、楽しませながら、みんなをその気にさせるという、CM音楽が狙っているものと全く同じ

地獄絵キャンペーンで、平安朝末期の日本仏教は、「極楽往生」という商品をヒットさせ、仏教を大衆化することに成功した。恐怖心をかきたてて商品を売る「恐怖アプローチ」と「使用前使用後」の方法という広告の基本が見てとれる

蓮如は手紙(御文)を駆使し、ダイレクトメール戦略で親鸞の教えを人々に広めた

空海は広告的才能がずば抜けていた。「弘法伝説」というエピソードを上手く使い、口コミを利用して布教した。また「四国八十八カ所めぐり」というパッケージツアーで、楽しみながら信心を深めることの礎を築いた

一遍踊り念仏は、“極楽”の表現と“浄土”の映し絵であり、踊る人たちだけでなく、それを見物する人たちも魅了させた。同時に、「すべてを捨てよ」のスローガンを掲げ、布教に成功した

秀吉は「いいイベントがいい評判をつくる」という広告の原則を心がけていた。派手なイベントを好んで企画、実施(住まいの聚楽第で5日間に渡る天皇即位パレード&祝典など)した

ルイ14世は、「幻想」をつくりあげるために、ヴェルサイユ宮殿という幻想発生広告装置を最大限に利用した



人を動かして、歴史上に名を残した人は、ほとんどが広告上手だったのではないでしょうか。宣伝するという概念を大きく広げて考えてみると、さまざまな発見があるかもしれません。

広告、広報に携わっている方や自己PRを上手にしたいと思われている方には、必見の書だと思います。

[ 2009/07/28 08:15 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『ウォーター・マネー「水資源大国」日本の逆襲』

ウォーター・マネー「水資源大国」日本の逆襲 (Kobunsha Paperbacks 123)ウォーター・マネー「水資源大国」日本の逆襲 (Kobunsha Paperbacks 123)
(2008/07/23)
浜田和幸

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水の重要性を知ったのは、単に飲料用だけでなく、発電、先端工業、先端農業などで大量の水が必要なことを知ってからです。まさに、水がお金水が命になってくるわけです。

この本は、水について、数字を織り交ぜながら、世界各地の水に関するデータと今後の予測を詳細に紹介してくれる内容になっています。

水に少しでも関心のある人にとっては、非常にためになる本です。著者は、未来予測で有名な評論家の浜田和幸氏です。

早速ですが、ためになった箇所を本の一部ですが、紹介していきたいと思います。



ウォーター・ファンドが相次いで誕生。その投資規模は7000億ドルへと急拡大

・人類の歴史において、水が引き金になった戦争が8000以上記録されている

・ゴールドマン・サックス社は、水こそ石油に代わる資源、最も有望な投資先との報告書

・アメリカだけでも2020年までに水道管の新設や排水処理プラントで1兆ドルのビネネス

・地球の水の淡水の割合は2.5%、その9割以上が北極・南極の氷や地下水。思うように利用できない

・中国東北部、インド、メキシコなどの人口密集地では、地下水の枯渇で、深刻な水不足が発生

・世界の大都市の95%が生活排水や工業用水を安全処理しないまま垂れ流している

・日本の工場における水のリサイクル率は80%を超えており、世界最高レベル

・世界で最も水が豊かな国はカナダ。アメリカはそのカナダから大量の水を輸入

・ペットボトルで供給された水は1540億ℓ、5年前と比べ、60%以上の伸び

・ペットボトルの水の消費量は、アメリカが1位、次いでメキシコ、中国、ブラジル、イタリア、ドイツの順

・トルコは飲み水を大型タンカーに詰めて運ぶ水輸送ビジネスを始めた。新たな顧客にイスラエルとも交渉

・デンマークでは、水は人間が生存する共有財産として、水の売買や水道事業から企業が利益を上げるのを禁止する新たな法律を制定

・フランスのウォーター・バロンズという水企業は、民営化された水道事業を手に入れ、3億人の顧客に生活用水を供給

・現在の中国にとって、環境対策に必要な技術や水を浄化するノウハウが喉から手が出るほどほしい

・農薬・化学メーカーで有名なアメリカの「モンサント」は、遺伝子組み換え技術の次の中核ビジネスとして、世界の水支配に本格的に取り組み始めた

・1kgの小麦を作るために2000倍の2tの水が必要、同様に大豆1kgに2.5tの水、鶏肉1kgに4.5tの水、豚肉1kgに6tの水、牛肉1kgに20tの水が必要

・中東諸国にとって命の水と言える海水淡水化プラントは日本の企業が世界のマーケットの60%近いシェアを誇っている

乾燥地農業は非常に大きな将来性を秘めている



日本にいると、水の有難さがあまりわかりませんが、水は大きなビジネスになっていくように思います。

それと、生命の源である水は、今後、外交カードとして、政治的に大いに利用される可能性も大です。

水が、面白くなってくるのは、間違いなさそうです。この本を読んで、水に関心を持ち、水を勉強することが、将来、プラスに働くのではないでしょうか。

[ 2009/07/27 08:27 ] 環境の本 | TB(0) | CM(0)

苔緑化と都市のヒートアイランド対策

兵庫・香美吉滝近く/photo by福家金蔵
最近の夏は、“35度が暑く感じないくらい”の暑さが続きます。

毎年、夏になると、地球温暖化よりも、都市のヒートアイランド化について、報道され、議論されることが増えてきています。

しかし、有効な手だてが乏しいのか、夏の都市の気温がなかなか下がらないようです。

ところで、以前、苔の研究をされている先生と長時間にわたり、お話を聞かせていただく機会がありました。苔の研究者として、多くの生育実験をされ、数々の論文も書き、多くの場所で講演もされている方です。

苔緑化と都市のヒートアイランド対策は何か関係があるの?と、思われるかもしれませんが、実は「大あり」です。

私も、ずっと前に、「は、シダトクサとともに、恐竜以前(4億年前)から存在する最も古い植物」と知り、興味を持っていました。

しかも、土がなくても育ち、カラダ全体で水分を吸収する珍しい植物と聞いていました。

その予備知識以外に、さらに苔について、先生に教えてもらったことは、

1.最初に海から陸に上がった植物である
 (海藻が進化したもの)

2.太古の地球の過酷な環境「二酸化炭素が今の地球の20倍」を耐え抜いてきた植物である
 (CO2吸着率が非常に高い)

3.土のないところでも生育し、枯れて腐った後も、養分として、他の植物を育て、土壌を育む植物である
 (荒れた地表を再生する植物連鎖の源)

4.世界中で2万種類以上あり、日本にも2000種類以上ある
 (じめじめした環境を想像しがちだが、日向や乾燥を好むものもある)

5.環境が合えば、全く手間いらずの植物である
 (水やり、肥料やり、剪定、雑草抜きが不要。屋上壁面緑化に向いている)

6.フワフワ、モコモコの葉に当たる部分に水分を溜めると同時に空気層もつくる
 (水分蒸発の気化熱冷却機能空気層断熱機能を併せ持ち、屋上壁面緑化に向いている)

7.森林浴効果の素であるフィトンチッド放出が確認されている
 (心が落ち着き、清々しい気分になる。欧米では、精神安定剤として、利用されてきている)

8.丈夫なので、なかなか枯れない
 (乾燥した状態で、1年以上放置していても、生き返る)

このように、苔は、人類のため、地球のために役立つ、非常に大事な植物です。京都の社寺の庭に代表されるように、日本的美意識として、苔は重宝されてきましたが、ヒートアイランド対策としての利用は、これからではないでしょうか。

湿潤な気候を生かして、苔が日本の都市の人工的建造物を覆うようになれば、景観もよくなり、「モスシティ」として、世界にアピールできるのではないかと思っています。

気温を下げる(水分蒸散による気化熱)
室内の温度を下げる(壁面苔緑化による遮光断熱)
景観がよくなる(自然に勝る構造物はなし)
CO2をよく吸収する(土がなくてもよい、都市に最適な植物)

このように、苔緑化は、都市のヒートアイランド対策だけでなく、住んでいる市民にとってもいいことばかりです。

もっと苔に対して、関心を持っていただければと願う次第です。


[ 2009/07/26 06:50 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)