とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索
月別アーカイブ  [ 2009年06月 ] 

人間的成長2~成功モデルと内部講師~

須磨アルプス・馬の背の岩場/photo by福家金蔵
その当時、日経新聞の「私の履歴書」も欠かさずに読んでいました。毎朝、経済記事より先に読んでいました。

とにかく、成功者がどういう行動をとるのか、その行動パターンや性格、生い立ち、思想などを知りたいと真剣に思っていたのだと思います。成功モデルを探し、自分のものにしようと必死だったのかもしれません。

また、本の上だけでなく、仕事柄、成功を収めた多くの社長と実際にお会いして、話す機会を得ることができましたので、商売の成功者、人生の成功者の共通項を肌で感じることができたのも大きかったように思います。

本を読むのは疲れる、本が嫌い、本は読んでもフィクションだけという方で、人間的成長をしていこうと思えば、このような成功者に習い、その方を成功モデルとするのが一番ではないでしょうか。

しかし、
「身近にそんなに偉い人もいません」
「偉い人に来てもらえるお金もありません」
という方もいるかもしれませんが、心配ご無用です。

長所だけを見つめれば、身近な人の中にも、偉人伝がいっぱいあるのです。

例えば、
「ある商品だけは、他の営業マンより、よく売る人」
「企画書をまとめさせたら天才的な人」
「パートさんを使うのが抜群に上手な店長」
「レジを異常に速くこなすパートさん」
など、身近なところに成功モデルはウヨウヨあります。

成功者に頭を下げて会いにいかなくても、外部講師として呼ばなくても、このような社員やパートさんに、この「小さな成功談」を内部講師として発表してもらえばいいのです。

これが他の社員の刺激となり、参考となり、社員全体のレベルアップに波及していきます。このように、小さな成功者であっても、謙虚に学ぶ環境をつくることが、人間的成長の要になると思います。

また、誰でも先生、誰でも生徒といった関係をつくることは、お互いの長所を認め、尊敬し合って、組織を円滑にもします。

人間的成長と組織円滑、つまり「進歩と調和」です。内部講師は、組織運営において、一石二鳥の制度だと考えています。


人間的成長1~人物伝と名言録~に もどる

[ 2009/06/30 08:14 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

人間的成長1~偉人伝と名言録~

切通しの写生/岸田劉生/東京国立近代美術館/POST CARD
3年ほど前を境にして、息子が、急に、何事も真面目に取り組み、辛抱強く頑張り、勉強も一生懸命するようになりました。人間的成長をしているように感じ、うれしく思っています。

なぜ、急に変わったのか?その訳は、「世界の偉人物語」を図書館で借りて、読むようになってからと推測しております。

その頃、1年間で、100冊以上読破していました。エジソン、野口英世、アインシュタイン、織田信長など洋の東西、年代、ジャンルを問わず、とりつかれたように、熱心に読んでおりました。

息子は、偉人伝に出てくるような人物の「勇気」「知恵」「人望」「情熱」「努力」「誠実」といった共通項に感化されて影響を受けたのだと思います。

逆に、その頃を境にして、私に小言や説教をするようにもなりました。偉人伝に出てくる人物に比べて、お父さんがだらしなく見えたのかもしれません。

このだらしなく見えるお父さんは、小学校時代は、本嫌いで、偉人伝など3冊くらいしか読まなかったと思います。

中学校、高校、大学でも、本嫌いでほとんど読みませんでしたが、社会人になってから、成功しようという欲がでてきたのか、これではいかんと感じたのか知りませんが、本を貪り読むようになりました。

その中で、ドラッカー、マズロー、司馬遼太郎、松下幸之助、山本七平、堺屋太一、梅原猛などの著者の本を多く読み、感化されました。

しかし、これらの著者に負けず劣らず、影響を受けて、今でも大切に保管している本があります。(15冊ほどしかありませんが・・・)

この本とは、「日本名言辞典」「日本史名言名句総覧」「家訓・遺訓の叡智」「シニセの家訓」「商家の家訓」「有訓無訓」「成功への名語録」といった多くの先人たちの珠玉の言葉をエッセンスとしてまとめた名言録の本です。

今、考えれば、このような名言録の本のおかげで、何とか生きてこられたように思います。つまり、自分自身のバイブルだったのかもしれません。

今でも、名言録の本をたまに読み返すと、鉛筆で、線をいっぱい引いて、真っ黒になった頁が多く、昔の自分を誉めてあげたくなります。


人間的成長2~成功モデルと内部講師~へ つづく

[ 2009/06/29 09:43 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

『正しく生きるとはどういうことか』池田清彦

正しく生きるとはどういうことか (新潮文庫)正しく生きるとはどういうことか (新潮文庫)
(2007/05)
池田 清彦

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著者は、現在、早稲田大学の教授です。専門分野は生物学、昆虫学です。最近は環境問題に異を唱える学者として有名です。

ところが、この本は哲学書です。今から、4年前に図書館で偶然手にし、本質を捉えた内容が面白く、読みふけりました。

世の中、理屈だけでは生きていけませんが、非常に頭のいい著者の理屈は、一読の価値があると思います。思わず、うなってしまいます。

そのうなってしまった箇所を「本の一部」ですが、ご紹介したいと思います。


・道徳や倫理や法律というのは、欲望を調整するための道具。ところが、おかしいことに、目的と道具をひっくり返し、道徳や倫理を守ることこそが社会や人生の目的になってしまう

・人間が善く生きるのには二つの相がある。一つは、規範をよく守り、何気ない日常生活や人生の目標の中に楽しみを見出して生きる。一つは、規範からの逸脱、すなわちエクスタシーを感ずることに楽しみを見出す。善く生きるとは、この2つの欲望を調和させて、結果的に欲望を上手に解放すること

・人は、他人の快楽への嫉妬を道徳にすり替えて正当化する。新聞の投書の多くの部分はこの類の道徳で埋まっている。不道徳だと思えば、自分だけしなければ、それですむこと。

・すべての規範はフィクション。しかし、規範なしに人は生きられないもの。そのことをわきまえて、自分が納得した規範に従って生きること。善き生き方はこの心構えからの中から生まれる

欠如感が大きければ大きいほど、それが埋まった時の幸福の程度が大きい。だから、お金が十二分にあっても、自分で自分を律しない限り、善く生きることはできない

・本来、人々の欲望や楽しみは多様なはずだが、資本主義は人々に金を消費させることによって成立しているため、人々をして金を使わなければ楽しくないと思い込ませる

・資本主義における欲望は、他人に差異をつけること、他人との差異を埋めることに収斂する

・画一的な差異化過程(羨望・嫉妬システム)の中では、新しい情報や製品はそれだけで価値があるものとなる。このシステム内で生きていると、新しさを獲得することだけに欲望の大半が収斂されてくる

・生物の最善の生き方は、食うためにだけに最小限働いて、後はボーッとして生きること

・自分の気持ちをくんでほしいと相手に要求することは、相手に自分と同じ行動パターンをとれと要求することと同じ。これほど傲慢な態度はない

・他人の選んだ規範は、自分の選んだ規範と原理的に等価である。さしあたってこれを承認すること。これは正しく生きるための第一歩


少し難しく思われるかもしれませんが、じっくり読むと、その深い意味が理解できると思います。

そして、今、自分たちがどういう社会の中で生きているのかがよくわかります。それを踏まえた上で、どう生きたらいいのかを示してくれる良書です。

良質の哲学に触れてみるのも、たまにはいいのではないでしょうか。日頃から何かモヤモヤとしていたものが晴れ、視界良好になると思います。

 

[ 2009/06/28 06:39 ] 池田清彦・本 | TB(0) | CM(0)

『客家大富豪18の金言』甘粕正

客家大富豪 18の金言客家大富豪 18の金言
(2007/10/25)
甘粕 正

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客家(ハッカ)とは、中国で長い間「よそ者」扱いされてきた、漢民族とは一線を画す移民集団のことです。一部の地域では、土楼という城壁で囲まれた中で、一族まとまって暮らしています。

その客家は移民集団ゆえに、流通や商業で才能を発揮してきました。また、教育熱心なことでも知られ、「中国のユダヤ人」とも呼ばれています。

中国革命の父、孫文を初め、小平、胡耀邦やシンガポール建国の父、リー・クアンユー、台湾の李登輝総統、タイのタクシン元首相などが客家出身です。

著者は、自ら起業した飲食事業がうまくいっていない時に、客家の老人に偶然出会い、客家のビジネスの極意を伝授されました。その結果、成功をおさめ、現在は投資会社を経営されています。

その客家のビジネスの極意を18にまとめたのがこの本です。

また、例によって、「本の一部」ですが、ためになった箇所を紹介したいと思います。


・他人に親切にしても、その人から何か返ってくることはまずない。しかし、その人の友人やそれを見ている人間が必ずいて、その人間から「運」を与えられる

・相手を許すことによって、その心を開き、自分の思いどおりに操ることができる。許すことを知れば、自分の運命を変えることができる

・頭がよいと尊敬されても1円の得にもならない

・少し抜けているくらいの印象を他人に与える方が、他人に好かれてビジネスが成功する

・他人を恨む気持ちは、あなたの表情や言葉に伝染して、本来あなたに「運」を運んでくれる人々を遠ざける

・何を始めるかを考えるために最も多くの時間がいる。大局さえ正しければ、中局、小局で間違いを犯しても、必ず成功する

・大義名分を大切に。他人の金儲けを手伝いたい人間などいないから

・50人の仲間が自分の手足となってくれることが成功のコアとなる

・商いに成功する者には、必ず愛嬌がある。嫉妬は成功の敵

考えることこそ富を生む。世の中を動かすようなアイデアを生み出すことが重要

・人間の欠点は基本的に直らない。欠点が直らない分、長所を伸ばし、その長所によって、欠点を見えなくする

貸しは広くばらまくことで効果が出る

・自分の欲望を満たすためには、周りの人間の望みを満たして幸せにしてあげねばならない。


西洋的な金言とは違い、東洋的なので、我々に通じるものが多いように感じられました。優しく簡易に書かれた、読みやすい本です。日本だけでなく、アジアで商売を成功させるための基本が、この中にいっぱい詰まっているように思いました。



[ 2009/06/26 07:36 ] 華僑の本 | TB(0) | CM(2)

『江戸の繁盛しぐさ』越川禮子

江戸の繁盛しぐさ―イキな暮らしの智恵袋 (日経ビジネス人文庫)江戸の繁盛しぐさ―イキな暮らしの智恵袋 (日経ビジネス人文庫)
(2006/08)
越川 禮子

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江戸の商売について書かれている本と思い、書店で手にしました。しかし、内容は、商売という枠を超越したもので、江戸の町人が「人間関係を円滑にする知恵」「粋に暮らす社会の暗黙の掟」が詳細に書かれた良書でした。

江戸時代、きちんとした法律もないのに、社会秩序が守られていた理由が、この書を見て、理解できました。

現在にも伝わっているものもあれば、途絶えてしまったものもあります。是非とも、このような“社会の暗黙の掟”は今後とも継承されていくことを望みたいものです。

例によって、「本の一部」ですが、ためになった箇所を紹介していきたいと思います。


・見て分かることは言わない
・新人新顔を歓迎
講は人をしばるべからず(会則・規則なし)

お心肥(おしんこやし)・・・教養をつけること
・人の話を聞く時は、体を少し前に傾け、乗り出す格好で聞く
・知らないふりしていろいろ聞いてあげる

・言葉は惜しみ惜しみ言う。仰々しく言わない
手紙の作法お手すきの時にでもご覧いただければ幸いです)
戸締めの言葉はタブー(でも、だって、しかし、そうは言っても)

時泥棒はタブー(押しかけて相手の時間を勝手に奪う)
・目的のものしか売らない買わない
念入りしぐさ(念には念を入れて確認するしぐさ)

年代しぐさ(60歳を越えたらハツラツさとユーモアの精神を忘れない)
うかつあやまり(相手に非があっても、うっかりしていましたと謝る)
・右回り(大勢の前に出るとき、右手をちょっと前に出し、左から右へ通る)

かごとめしぐさ(社用車を家の前から乗らない、乗りつけない)
かに歩き(狭い道ですれ違う時は横歩き)
こぶし腰浮かせ(満席でも、後から来た人に席をこぶし分つめるしぐさをする)

七三の道(自分たちの道は三分、端を歩き、横に並んで歩かない)
・複数形で敬意(私より私たちを使う)
・行き先をきくのは野暮

・おかげ様で~をよく使う
・威張るのは品がない、弱い人をいたわることが大事
おあいにく目つき

・片目つぶり(了解のしぐさ)
・死んだらごめん(「死なない限り約束を守ります」の言い方)
束の間つきあい(見知らぬ人にも仏頂面せず軽く挨拶、名前や職業はきかない)


商人が客に接するような心遣いで、人と接することができたら、円滑な人間関係や安心安全な社会を築くことができるのではないかと前々から思っていました。

江戸時代に、すでに、そのような精神が普及していたのは、江戸の商人や町人が本当の意味で賢かったからではないでしょうか。

現在でも十分に通用するものばかりです。むしろ、現在に通用させたいものばかりです。是非、一度読んでほしいと思います。おすすめです。

 

[ 2009/06/25 08:28 ] 江戸の本 | TB(0) | CM(0)

『史上最強の投資家バフェットの教訓』

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵
(2008/01)
メアリー バフェット、デビッド クラーク 他

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前回、「ゲイツとバフェット後輩と語る」で、バフェットの人物像について書きましたが、今回は、バフェットの教訓です。

教訓といっても、そんなに難しいものではありません。投資家としての細かなテクニックが書かれているのではなく、投資に対する考え方、成功した要因、人生全般についてを、125の語録として、まとめられている読みやすい本です。

世界第2位の資産家になった背景や精神の源流を、この本で垣間見ることが可能です。投資に興味のない方も、参考になるのではないでしょうか

例によって、「本の一部」ですが、ためになる!と感じた箇所を紹介したいと思います。

・ルールその1、絶対に金を損しないこと。ルールその2、絶対にルールその1を忘れないこと

・目覚ましい結果を得るのに必要なのは、必ずしも目覚ましい行為ではない

愚か者でも経営できるビジネスに投資しなさい。なぜなら、いつか必ず愚かな経営者が現れるからだ

・仕事選びも投資と同じ。いかなる手間も惜しんではならない。正しい列車に乗りさえすれば、金と痛みを節約することができるのだから

・成長に大量の資本が必要とするビジネスと必要としないビジネスとでは、天と地ほどの差が存在する
(前者は競争の波を食らって沈没しないため、絶え間なく資本を注ぎ込む必要がある。後者は余剰キャッシュを業務拡張、異業種買収、自社株買いに回すことができ、株価が上昇する可能性が高い)

・誰かを雇おうとするときには、誠実さ、知力、実行力という3つの資質に注目するとよい。中でも一番重要なのは誠実さである。なぜなら、不誠実な従業員を雇った場合、その知力と実行力があなたを窮地に陥れるからだ

・ウォール街は動くことで金が転がり込んでくる。あなたは動かないで金が転がり込んでくる

・あなたが車を1台持っていて、一生その車にしか乗れないと仮定しよう。当然、あなたはその車を大切に取り扱おうとするだろう。あなたは、一生に一つの心と一つの体しか持てない。人間の主要資産が自分自身だとすれば、常に心身を鍛練し、心身の手入れを怠ってはいけない。

・我々がすべきことは単純だ。他人が強欲なときに臆病になり、他人が臆病なときに強欲になりさえすればいい

・やる意味にないことをうまくやれても意味がない

・入札競争が勃発したときは、負けるが勝ちである

・われわれが歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばない事実だ

・わたしの知り合いの億万長者はみな、財産を持ったからといって豹変するようなことはなく、逆に生来の特質が強調されてきている


ちょっと禅問答的な言い回しもありますが、世界で最も成功した投資家バフェットを1冊で知るためには、とっても便利な本だと思います。

 

[ 2009/06/24 07:34 ] バフェット・本 | TB(0) | CM(0)

『ゲイツとバフェット後輩と語る』

バフェット&ゲイツ後輩と語る 英日バイリンガル版―学生からの21の質問【DVD付き(英語字幕)】バフェット&ゲイツ後輩と語る 英日バイリンガル版―学生からの21の質問【DVD付き(英語字幕)】
(2008/06/30)
センゲージラーニング

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先週、昨年2月にNHKのBSで放映された「ゲイツとバフェット後輩と語る」を録画したDVDを改めて見ました。

世界1位の資産家であるビル・ゲイツ(資産500億ドル≒5兆円)と世界2位の資産家であるウォーレン・バフェット(資産400億ドル≒4兆円)は、実は1991年からの友人です。

この世界1位と2位のお金持ちである2人が、バフェットの出身校であるネブラスカ大学経営学部の学生の質問に答えるという番組です。

これを見て、書物でしか読んだことがなかったバフェットが、ジョークをよく飛ばす、気さくなおじいちゃん(1930年生まれ、ゲイツの25歳も年上)であることがわかり、身近な存在のように感じられました。

この番組でのバフェットの話で面白かったところは、

・バフェットの会社(バークシャー・ハサウェイ社)の取締役にゲイツを年間900ドル≒9万円の給料で雇っている

・バフェットの車のナンバープレートには、「倹約」の文字が書かれている

・今でも、1957年に31500ドル≒315万円で購入したネブラスカ州オマハの自宅に住んでいる

・子供は公立の学校に通わせ、親がどんな仕事をしているのか知らせなかった

・ゲイツが初めてバフェットの家を訪問した時、ダイニングルームに椅子のシートがなかった。さらに、ないことにバフェットは気づいていなかった

・死んだら、99%の財産をゲイツの慈善事業団体(ゲイツが60億ドル≒6000億円出資、世界のポリオワクチンの90%以上をこの団体が寄付)を初めとする各慈善団体に寄付することを遺言

・子供にお金を残さないのは、「才能ある人が成功を手にする公平なチャンスがあるのがアメリカ。裕福な家に生まれただけで社会の高い地位が得られるのはアメリカらしくない」と思っているから

といったバフェットの人格者ぶりをうかがわせる言葉がふんだんに出てきます。まるで、となりの億万長者で紹介されている億万長者を絵に描いたような存在でした。

再度、バフェットに興味を持ちましたので、書店にバフェットの最近の本はないか?探しに行きました。

すると、バフェットの息子の元妻とバフェット家と長年友人関係にある二人が書いたバフェットの教訓という本がありました。

 

[ 2009/06/23 07:43 ] バフェット・本 | TB(1) | CM(0)

『堺屋太一の見方』

堺屋太一の見方 (PHP文庫)堺屋太一の見方 (PHP文庫)
(2009/04/01)
堺屋 太一

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堺屋太一さんは、言わずと知れた元通産省の官僚で、大阪万博のプロデューサー。退官後、執筆活動に入り、数々のベストセラー作品を世に出しました。また、執筆活動の傍ら、経済企画庁長官など、多くの要職を務められています。

私も堺屋太一さんの本を今までに10冊以上読みました。どの本も問題提起と同時に未来予測もされる素晴らしい書ばかりでした。

私は、堺屋太一さんを、日本のドラッカーだと思っていますが、その実績の割には、日本では、正当に評価されていないように思います。マスコミや学界の見方も堺屋太一さんを「ベストセラー作家」として見ており、「稀有の才能を持つ社会学者」として見ていません。

今回、この本を推薦したのは、堺屋太一さんが過去に問題提起し、未来予測した、本質を捉えた言葉がこの本には400以上詰まっており、非常にお得だと感じたからです。

それでは、いつものとおり、この中で、私が感銘した箇所を「本の一部」ですが、紹介したいと思います。


・能力があって意欲のない人間ほどいやな奴はいない。能力がなくて意欲のある人間ほどかわいい奴はいない
・人間は所得の格差よりも消費の格差を嫉妬する

・一番の贅沢は世間の評判を気にしなくてよくなること
(人間がお金を求める4つの段階 第1:今日の飢えからの自由 第2:明日の不安からの自由 第3:未来の心配からの自由 第4:社会の評判からの自由)

・日本では独創を「我流」と呼んで軽蔑する
・インフレは経済問題だが、デフレは社会問題
(インフレの苦しみは大多数に降りかかる。デフレの痛みは少数者に集中する)

・組織人は人事評価で動く。社長の演説や社是で動くのではない
(社長が環境を重視せよといっても、人事評価が売上伸率で決まれば、社員は売上を伸ばすことに必死になる)

・起業に必要なのは憤りと実業化の志
・自分の特徴を客を喜ばせることに利用する
・組織における個人の権威は内部の「伝説」で決まる

・未来の企業価値を測るのは理想・構想・独想
知識は客観的で、倫理は主観的な方がよい。経営者の陥りやすいのは、その逆だ

・未来への冒険に出発するのは、現状維持が不可能と分かったあとである
・人類の進歩の一つには、より怠惰に生きられる条件を創ることである

・教育を見れば、その国の人々が目指している未来像が見える
辛抱強さの教育は、子供には嫌いなことを多くさせる
・利権化は誇りと尊敬を失う

ホームレスのいない自由社会こそ、これからのあり様
・他人を支配したいのは、自分の正義を守らせたいから
正義感の強い人は、支配欲も強い)
・最も贅沢な需要とは、先行投資のことだ


他にも、本質を捉えた素晴らしい言葉がいっぱい載っています。読む立場(年代、職業、階層など)によって感動する箇所はそれぞれ違うと思います。どのような立場の人にでも、おすすめできる本であり、買って損はしない1冊だと思っています。

 

[ 2009/06/22 07:51 ] 堺屋太一・本 | TB(0) | CM(0)

『本質を見抜く「考え方」』中西輝政

本質を見抜く「考え方」本質を見抜く「考え方」
(2007/11)
中西 輝政

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著者は、国際政治学で有名な京都大学大学院の教授です。著者の言動で印象深いのは、小泉内閣発足の時です。世の中は、驚異の支持率で、小泉内閣に賛辞を送っていました。例によって、マスコミも小泉首相や田中眞紀子外相を熱狂的に持ち上げていました。

そのブームになっている真最中に、中西教授は、テレビで公然と田中眞紀子外相を批判したのを憶えています。世の中を敵に回してしまうかもしれない空気の中で、堂々と意見する姿になぜか感銘しました。

この中西教授の勇気と気概を貫く自信の根底がこの「本質を見抜く考え方」の中に詰まっています。

この本の中で、すごく参考になったのは、以下の文章です。

・敵との対比で自分自身をよりよく知ることができる
・動いてみると、今まで気づかなかった問題点を発見できることが多い
・「作用反作用」「慣性」「鹿威し」の三つのセオリーでものごとを考えると整理しやすい

・一つの時代しか見えていないと、考えの妥当性がわからない。歴史に学ぶことが、ものごとの真偽を教えてくれる
・ものの考え方には、「よき異端の哲学」が大事。あえて異端の考えを取り入れることで、考えに深みが出る
・欧米文明は「魂の世界の使命感」と「俗世の世界はゲーム感覚」という二重性を持っている

・迷ったら、自分がおもしろいと感じるほうを選ぶ
・世界には、論理を優先する民族感性で行動する民族がいる。論理思考する民族の方が、「最後の勝負」に強いから、発展や効率面で優位に立っている
・日本人が集団で大きな間違いをするときは、必ず、自分たちに都合のいい論理を引っ張ってきて、都合の悪い論理を退けようとする

耳に心地よいきれいな言葉は、一度疑ってみる習慣をつける
全員一致は、まず間違いと心得る。情報化の現在、「多くの人が言っているから」というのは危険な誤り

・歴史を重視して考えるということは、「何が変わらないものなのか」を考えること
・危機は、まず人の心の中に現れる。それが形になって表れた結果が「出来事」


商売をする上でも、非常にためになる考え方が多いように感じました。特に、オリジナリティーを目指して、生きていきたい方にはおすすめの1冊です。

ところで、私はこの本を1年半前に読んでから、何でも「作用反作用」「慣性」「鹿威し」の三つのセオリーで物事を捉える癖がついてきました。

そのおかげで、世の中の「時流、流行ブーム、景気循環」、自分の「運、ライフサイクル」などを大局的、客観的に見ることができるようになり、何でも一喜一憂しなくなったように思います。

そうなると、無駄なものにお金を使わなくなるのと同時に、買う時は、底値で買おうというように考え方が変わってきました。結構、節約にもなる考え方です。

つまり、
一喜一憂すると、お金が貯まらない
一喜一憂しないと、お金が貯まる
一喜一憂させると、お金が儲かる
ということではないかと思います。お金について考える上でも、貴重な1冊かもしれません。

 

[ 2009/06/21 08:08 ] 仕事の本 | TB(0) | CM(0)

『ザ・階級偏差値』人生戦略会議

ザ・階級偏差値ザ・階級偏差値
(2006/08/23)
人生戦略会議

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この本は、まことに厳しい本です。データやグラフをもとに、現実に発生している格差を提示し、その根拠や実態を立証しています。

でも、下流になりそうな若者に現実を直視させることにより、奮起を促そうとしている意図も見受けられ、厳しさの中にも優しさが感じられます。

現状の貧しさから抜け出したい方は、腹を立てずに、筆者の言うことに素直に耳を傾けるのが得策ではないでしょうか。

また、将来、貧しくなってしまうのでは?と不安に思われている方は、反面教師として、この本を読まれるといいのかもしれません。

この本で、筆者が書いている厳しい言葉の数々の中で、私なりに納得できた箇所は、以下のような所です。

・仕事ができる人とできない人の選別は月収39万円で分けられている
・年収が上がらない人は会社から「価値が低い」と言われているのと同じ

・未婚の人ほど早死。間違っても「独身でも楽しい」などと言わないこと
・25~34歳の男性で、年収300万円以下の未婚率は5割以上。600万円以上と大きな差
面倒くさがりは結婚できない
・「出会いって運命だと思う」は、モテない人の口グセ

・安いファストフードが主食の貧乏デブは病気になってもお金がないから治せない
・喫煙と飲酒でしかストレス解消できない低所得者は病気になりやすい
・低所得層ほど、テレビ視聴時間が長い

見た目をあきらめると、階級が落ちる
・ダメな人ほど言いわけが多く、よくひがむ
・考えない人ほど貧しく死ぬ

・貧しい人ほどマナーを守らない
・人格者は「もったいない」と「みっともない」の精神を失わない

・時給800円なら、無知で無愛想な若者より、シニアの方が雇う価値が高い
・格差社会というのは、200万円も持っていない方たちを底辺とした社会
・30代で600万円の貯蓄が社会人のひとつの基準

・「お金のために仕事をしているわけじゃない」は稼いでいる人が言うセリフ
・お金は結婚するために必要な「資格」

この本の中では、これらの言葉以外にも、さまざまな階級格差のことが詳しく書かれています。読んで、損はない本だと思います。

この商業主義の世の中では、甘い言葉ばかりが氾濫していますが、たまには、厳しい言葉の洗礼を受けてみるのもよいのではないでしょうか。

 

[ 2009/06/19 06:47 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

『となりの億万長者-成功を生む7つの法則』

となりの億万長者―成功を生む7つの法則となりの億万長者―成功を生む7つの法則
(1997/09)
トマス・J. スタンリーウィリアム・D. ダンコ

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今から11年前に、この本を初めて読んだとき、大変感動しました。その当時は、お金持ちを綿密なアンケート調査をもとに分析した本は皆無でした。この本以後、雨後の筍のごとく、類似本が続々と出てきたのは、この本が与えた影響が大きかったからではないでしょうか。

読み終えたときの感想は、「やっぱりそうか」でした。仕事柄、日本のお金持ちに会う機会が多かったのですが、皆、真面目で質素で、どこにでもいるような人ばかりで、世間がイメージするのとは大違いだったからです。

この本は、アメリカの富裕層(資産100万ドル≒1億円以上、世帯数の3.5%が該当)500人以上にインタビュー、1000以上にアンケート調査したものをまとめたものです。

これらの調査から導き出された億万長者のデータをいくつか挙げると、

・現役の億万長者の3分の2は事業家、自営業者
・自営業者のうち、4分の3は自分で事業を始めた起業家

・97%は持ち家。家の評価額は32万ドル≒3200万円。20年住み続けている
・億万長者の半分は、いわゆる高級住宅地に住んでいない

・399ドル以下≒4万円以下のスーツしか買ったことがない人が50%
・車の購入価格の平均は24800ドル≒250万円。そのうち37%が中古車を購入
・3分の2は食費・衣料費・住居費の支出額を把握。妻が予算や支出計画を立てている

・教育レベルはそこそこ高い。大学を卒業してない人は20%、18%が大学院を卒業
・小学校から高校の間に私立の学校で学んだのは、妻も含め17%
・遺産をもらった人はごくわずか。8割は自分一人の力で金持ちに

・億万長者が、人口比で4倍以上輩出する人種は、ロシア系ハンガリー系起業家タイプ)スコットランド系倹約家タイプ)
・資産の20%以上を上場株に投資。しかし42%の人が過去1年間株の売買をしていない

ここから浮かび上がる億万長者の条件とは、「勤勉、我慢、計画性、自分を律する強い精神力」であり、世間が考える「幸運、遺産、高学歴、頭の良さ」ではないということのようです。

億万長者の家族像も、

夫が、家族を大切にし、よく働き、欲望に流されない
妻が、倹約、安全確実な投資に励む
子には、両親が金持ちだと絶対に教えず、倹約とけじめを教える

という全く面白くない人たちのようです。

よく勉強して、高所得の安定した職業に就いただけでは、お金持ちには、なれないということがよくわかります。

少し、古い本ですが、今でも輝きを放っている良書だと思って推薦しました。ちなみに、私は、この初版本を書棚の1等地に今でも置いております。

 

[ 2009/06/18 10:03 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

『お金に学ぶ-東大で教えた社会人学』草間俊介、畑村洋太郎

お金に学ぶ 東大で教えた社会人学お金に学ぶ 東大で教えた社会人学
(2005/10/14)
草間 俊介畑村 洋太郎

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草間氏は、会社の社長で、税理士業務を行う傍ら母校の東京大学で特別講師を務め、講義を行っています。

私がこの本をすすめるのは、草間氏の金銭観金銭語録が、お金の本質を見事に捉えていると感じたからです(恩師の畑村氏が解説されていますが、実戦でもまれている草間氏の文章が参考になります)

この草間氏の金銭語録で同感したところは、以下の箇所です。

・年収300万円まではお金があればあるほど幸せに。800万円まで、その効用はあり
・親がお金をどう使い、どう考えていたかが、子の金銭観の大きな部分を形成する
お金はパワーである。そのパワーゆえ嫉妬を生む

・お金は自由を獲得する道具。金銭を制するものが人生を制する
・私は人生をこう生きる。だからお金をこう稼ぎ、こう使うと考えることが大切
・金持ちより貧乏人の方が必要ないものにお金を使う。だから商売は貧乏人相手が儲かる

・借金するのは「鵜飼の鵜」になるようなもの
・知らない人が詐欺話を持ってくる。知らない人が儲け話を持ってくることはない
・お金が十分にあれば、物事の判断もそう間違わないし、行いも正しくなる。お金がないとお金が一番大事だと考えるようになる。だから、お金がないことは怖いこと

・人がいやがること面倒くさいこと難しくてできないことが儲けになる
・交際費(飲み代)と本代は、自分を広げるために必要
・世の中に買って得するものは一つもない

・投資で負けるのは素人。素人はお金も技術も道具も情報も少ないのに、欲だけは人一倍大きいから
・貧乏人はなくなると困る大事なお金を投資に使ってしまうので負ける

・市場からお金を奪いとるしか儲ける道はない。プロの投資家や機関投資家が勝つと、他の投資家の利益の総和は必ずマイナスになる
・情報は発信者に有利にできていて、そんな情報に頼って投資すれば、情報を発信した人情報を最初に得た人に食われてしまう

この箇所以外にもためになる文章が満載です。この本を読めば、お金とどうつきあうべきかを学べます。お金とのつきあい方を修得できれば、豊かな人生を手に入れたのも同然ではないでしょうか。

有意義な人生を送りたいと人生設計を練っている人は、読まなければいけない1冊だと思います。

 

[ 2009/06/17 07:49 ] お金の本 | TB(0) | CM(0)

商品アイデアは、お困り・お悩み・ご不安から2

my garden/photo by福家金蔵
このように、日本で、メーカーとして生き残っていこうとしたら、客に近づき、客の「お困り・お悩み・ご不安」を聞き出し、その商品アイデアで企画開発し、製造は、中国など周辺諸国に任せるスタイルを採るしかないと思います。

このスタイルの経営の中で、大事なことは、前回も述べましたが、どの客から要望を聞き出すかを間違えないことなのかもしれません。

例えば、私に、車やファッションのことをきいても意味がないと思います。ところが、庭いじりのことをきかれたら、自分も含めて、庭に関心のある方達が、何に困っているか、何に悩んでいるか、何に不安を持っているかをある程度話すことができると思います。

頭の中に、コンピュータでいう、庭ファイルが出来上がっており、ある程度の情報量に達しているからです。町を歩いていても、見ず知らずの家の庭を覗き込んでいます。庭好きの人の話も関心をもって、よく聞いています。そのため、どんどん情報量が増えています。

庭で言えば、私の<困っていること、悩んでいること、不安なこと>は、

・雑草抜くのが面倒・毛虫等の害虫が発生する・猫が勝手に入ってきて庭に糞をする・蚊にさされる・爪に土が入り、なかなかとれない・長時間かがむと疲れる・西日がきつく暑い・日陰が多く植物が育たない・隣の家の視線が気になる・隣の家に落ち葉が飛ぶ・アリがいっぱい巣をつくり、家の中にも侵入してくる・ナメクジがつくった野菜にたかる・生垣の隙間から空き巣に入られないか・剪定した枝や葉を埋める場所がもうない・池に藻が繁殖する・・・等々

ところが、ホームセンターの園芸商品をじっくり見ても、このような商品開発がまだまだなされていないように思います。もっと、素材や産地を飛び越えて、商品開発してくれたらいいのにと思います。

ところで、東京のかっぱ橋道具街、大阪の千日前道具屋筋を歩いていると、各飲食店が求める不思議な商品が山のように積まれています。一般人には、分かりづらい商品ですが、飲食業界で働く人々にとっては、なくてはならない商品です。

このような、万人に受ける商品でなくても、特定の人だけに受ける商品なら、まだまだ商品開発できるように思います。

中小の良き専門業者と組んで、売れすぎないがずっと売れていく、競争相手が少ない商品を開発することは可能ではないでしょうか。

このやり方をしようと思えば、誰を相手に商売するのかを決めることがスタートです。そして、相手を決めてしまったら、その相手のお困り・お悩み・ご不安の声に全面対応します。

とにかく、誰を相手として商売するかを決めることが、大事なのではないでしょうか。


商品アイデアは、お困り・お悩み・ご不安から1に もどる

[ 2009/06/16 08:27 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

商品アイデアは、お困り・お悩み・ご不安から1

しまなみ海道・伯方島/photo by福家金蔵
客の要望、欲望、願望。手っ取り早く商品化しやすいのが、客の要望、つまり客のニーズです。この客のニーズのほとんどが、客のお困り・お悩み・ご不安から生じています。商品アイデアに困ったら、客の声を聞くことが基本です。

しかし、どんな客に、何を聞くかを間違えてはいけないように思います。自らやっている人に、聞かなければなりません。また、その分野に長けている人でないと意味がありません。

普通、メーカーの商品開発担当者は、今、自分の周りにある素材にこだわります。そして、その素材でつくった商品をどこに売ろうかと考えています。木製品であれ、金属製品であれ、プラスチック製品であれ、大体同じような考え方の人が多いと思います。

この発想は、客不在の発想かもしれません。経済が成熟してくると、客はメーカー都合の商品より、困っていること、悩んでいること、不安に思っていることをすぐに解決してくれる商品を待ち望んでいます。

今の時代は、メーカー、製造業者であっても、工場を持たなくても良い時代です。要するに、企画メーカーになればいい時代です。

先月、しまなみ海道を自転車で走りました。伯方の塩の伯方島も1周しました。しかし、塩を作っているところがありませんでした。島の北部の塩田跡地は、エビの養殖池になっていました。

帰ってから、伯方の塩のホームページを見ると、「メキシコの天日塩田塩を日本の海水で溶かして」と記されていました。これもありかなと思います。

考えたら、今まで神戸で牛をほとんど見たことがありません。神戸牛を育てている畜産業者が、神戸にあるとは思えません。

でも、おいしい牛肉について、客と対話しながら、客の好みを畜産業者に厳しく要求する人が他の地域に比べて神戸に多いということは事実ではないでしょうか。

肉に舌の肥えた客の要望を、業者に伝え、つくらせていく能力のある業者がいる以上、「産地でない産地」は永遠に続いていくことと思われます。

この考え方は、非常に大事です。常に、客の方に目が向けられているからです。素材や工場に縛られた発想から解放されています。


商品アイデアは、お困り・お悩み・ご不安から2へ つづく

[ 2009/06/15 13:21 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

『生きがいの探求』出口日出麿

生きがいの探求生きがいの探求
(1997/01)
出口 日出麿

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著者は、明治30年生まれ。京都大学文学部中退の宗教家です。「大本教弾圧事件」で国家から宗教弾圧を受けた、大本教の3代目教主の婿になります。当然、本人も長い獄中生活を経験し、数々の拷問を受けています。

この本は、著者が26~27歳の時(大正12~13年)に書いたメモから抜粋されたもので、昭和41年に初出版されました。

大正時代に書かれたものとは思えないほど、今でも読みやすい文章です。また、若き日の思索メモにもかかわらず、理屈っぽくありません。感受性と知性を若くして持ち合わせていたのだと思います。

気分が落ちこんでいる時に、この本を読めば、元気の素が回復します。私にとって、常備薬のようになっています。しかも、すっと心にしみいるので、すぐ効き目があらわれる即効性の高い薬のような存在でもあります。

私は宮本武蔵の「神仏を尊び神仏を頼まず」の考え方が好きで、特定の宗教に関わることはしませんが、宗教心を心の支えとして、上手に利用させてもらっています。

このようなスタンスを有している人に、この本は特におすすめです。

この本の中で、私の気に入っているところを抜粋すれば、以下のようになります。簡潔に上手くまとめられませんでしたが、参考にしていただければと思います。

・ドンドンなせ、次々になせ。消極は地獄、積極は極楽。なすのが生活
・間断なく望み、間断なく為し、間断なく省み、間断なく悟れ
・真の財産は体験、体得のみ
・生きていることの面白さは、絶えず何かを発明、発見、創造するうれしさ

・人は今のベストに生きるべき、真の幸福はここに存する
・どんなに程度が低くても、自分にとってのベストならば、恥じることはない
・すんだことは忘れる。くやしかったこと、恥ずかしかったこと、恐ろしかったこと、みんな忘れる。より賢くなってさえいればいい

・苦しまないと他人のことがわからない。苦しむための苦しみでなく、悟るための苦しみ
・おだやかな、ぼんやりとした温かい心が神の心。冷やかな理屈っぽいのは、けものの心
・理知は感情の目付け役。感情は理知により清純に、理知は感情により、深く広くなる

・他を見るは自己であり、自己を見るは他である
・自分がつまらなく思えたときは、非常に進歩したとき
・すべて、世界を大局的に見渡して、ものを考える人は公平無私

・人を悪く思うのは、自分が悪いから。天地を狭く感じるのは、自己が狭いから
・ちょっとしたことに行き詰ったり、へこたれたりするのは坊や嬢ちゃん育ちの証拠
・自分のごとく他人をあらしめようと思うのは間違い。その人はその人として、あるべきようになったらいい

・金銭は物質の代表、ゆえに精神と相対立する。頭から金銭を卑しむ考えはよくない。といって、精神を忘れて金銭だけを追求してはならない
・世にもまれた人は、どうしても、一面非常に疑い深いところがある。しかし、もう一歩すすんで、真の神心まで磨かねばならない
・過去を忘れ、過去を葬式して、時々刻々と新しく生まれ変わったらよい。真の罪は、自己をごまかすこと

・興味のあることだけしていけば、自然にその職能が果たしていけるよう仕組まれている
・その道の堂奥に達している人は、それを見せびらかしたり、鼻にかけたりしない。ちょっとぼけているような人に、案外悟っている人が多い。
・弱虫にかぎって、すぐ人を恨み、世を呪うもの

没我的行為ほど人に感銘を与えるものはない
一時一事を一心にすべき
・少しずつ得つつあることに満足すべき。理想を急激に実現しようとしてはいけない

・他を責めてはならない。自分自身を省み悟るべき。この心がけが、この世の中をおだやかに美しくする基本
・上に立つ人には、人を見分ける力さえあればいい。
・虫の好く人同士、気の合う同士がいっしょにいることができることが幸福

・母性的愛にしてはじめて、人を教えることができる
・人にすすめたり、教えるのはよいが、けっして人に強いてはいけない
・なんとなしに興味がわいて勉強したくなるのがほんもの

・赤子のような清浄で無邪気な心と、英雄のような勇猛心があれば、頼まずとも神は来たり給う
・持つ人と持たない人が、相応したとき、両者は一つに合して大きな光輝を放つ
・自分の愉快はなるべく他人に分かち、不愉快はなるべく他に移さないように
・心豊かな人の傍にいれば、自分もまた豊かな世界に居住することになる

・意念があることに向かって集中しているとき、インスピレーションはやってくる。いわゆる三昧状態に入りえた人が道の奥儀を極めることができる
・吉凶、禍福、悲喜、善悪は己から出たものが己に帰るだけのもの
・利己的な人ほど自己に向かう人を熱愛し、自己より離れる人を悪魔視する

・同じ仕事でも、気が入っているのといないのとでは、大変な違い。気持ちが主
・真の個人主義は真の共栄主義。他に迷惑を及ぼさない限り、自己の天職使命を果たすように努力すべき
・世の中をよくするたった一つのものが好意

・どんな人でも一芸一道に達した人の心境は、皆必ず一致している
・外交も最後は信仰と胆力と人格。言葉や身振りや術策ではない
・善悪一如が宇宙の真諦。善ばかりになろうとすれば窮屈になる。悪から次第に善に入り、善悪不二の真理を悟る心も大切

・明けぬ闇はなく尽きぬ冬はありません。歯を食いしばってでも土にかじりついてでも、どうなりこうなりこの峠を越えてください。“ああだめだ”などとはけっして言わぬことです
・東でゆきづまったら西へまわりなさい、南がふさがったら北へお逃げなさい、東西南北みなだめでしたら、しばらくそこで臥ていてください
・ゆきづまったままの状態が永久につづくかのように思いなさるな



[ 2009/06/14 15:30 ] 出口日出麿・本 | TB(0) | CM(1)

『バルタザール・グラシアンの賢人の知恵』

バルタザール・グラシアンの 賢人の知恵バルタザール・グラシアンの 賢人の知恵
(2006/12/20)
バルタザール・グラシアン

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この本の著者は、400年前のスペイン・イエズス会の修道士です。しかし、説教くさい、古臭い本ではありません。

冷静に現実を見つめて生き抜く処世術が、事細かに書かれています。400年前(日本の江戸時代初め)に書かれたとは驚きです。それだけ、人間の本質は変わっていないということでしょうか。

400年前から古今東西で翻訳されてきましたが、日本でも、森鴎外によって、部分翻訳されています。 

「人とのかかわりについて」「駆け引きについて」「会話について」
「知性について」「自分自身について」「才能について」
「成功について」「人生について」

の8章で構成され、全部で240の処世訓が書かれています。

その中の処世訓を30ほど、紹介したいと思います。

処世訓内容
1好ましい人とつきあう 相手から学び、お互いの知識や意見を交換できる高潔な人とつきあう
3人を見きわめる 人生で大切なことは、人の教えや中身を、その言葉と行動で探ること
12明るい話題を話す本人のいない所で悪口を言う人は相手にされず、良いところをほめる人は人気に
19萎縮しない 実質が伴っている地位の高い人は少ない。委縮せず、節度を保ち大胆に対応
24強情な人と付き合わない 会う人は皆敵で、自分の望みを叶えようと企んでいる人は避ける
35他人のあら探しをしない 罪を犯していない人はいない。欠点を指摘すれば、嫌われ、不人情と思われる
37人の不幸に同調しない 人の不運は他の誰かの幸運。不運な相手に必要以上の好意は不要
41秘密を話さない、聞かない 秘密を話すと相手の言いなりになり、目上から秘密を打ち明けられても苦しむ
47誰にも借りをつくらない 束縛なく生きるには、大勢から頼られながらも、自分は誰にも依存しないこと
51真実をすべて話さない うそをつかず、正直であることも重要だが、真実を語らないことも極めて重要
83いつも礼儀をわきまえる 対立相手に対しても、丁寧な言葉で礼儀正しくすると、人物として評価される
111質を重視する 手を広げるよりも集中することに価値がある。最高級のものを少しだけが一番
114情報を鵜呑みにしない 情報の出所や先入観の混ざった伝聞には注意し、真実は目で確かめて理解する
122うわべにだまされないうわべにはうわべだけの人がすぐ群がるが、真実は時を味方に遅れてやってくる
136知性をもって生きる 理路整然と考える力は先の予見、正しい選択を導き、良い結果を確実にもたらす
137幸運を受け入れる 幸運は受け入れる余地のある人に集まる。気乗りしない時も気配を見せてはだめ
142見かけを軽視しない外見に左右されず、実質で判断を下せるのはごく限られた人だけ
154大きすぎる期待を持たせない 現実に出せる成果の範囲で期待を持たせること。期待外れは称賛を非難に変える
156気取らない 立派な人は気取る必要がないはず。美徳は秘め、関心を抱かせることが大事
161心の声に耳を傾ける 直感は人に備わった神からのお告げ。直感で正しいと思ったら、必ず信じるべき
180今いる場所で一番になる 勝った者だけが上を目指せる。一流の中の二番より、二流の中の一番が望ましい
181何でも屋にならない 誰かの役に立っても、皆の役に立とうとしてはだめ。酷使され便利に使われるだけ
188こつこつと働く高い地位に達せないのは、才能の欠如でなく、こつこつ働く意欲の欠如が原因
191大衆に迎合しない 無知な大衆にもてはやされても成功しない。本質のわかる人から評価されて本物
195絶頂期を見きわめる 教養ある優れた人は、物事の周期を知り、最高潮の時をつかみ、うまく利用する
202チャンスを逃さない チャンス到来を理解することは知性の中で最も重要。チャンスは二度と訪れない
217いつも何かに思いこがれる 欲望が失せると心配が始まる。満足は不運。精神の活力には情熱と好奇心が必要
226楽しく過ごす 平等に与えられているのは時間だけ。この貴重な時間を雑務に費やすのは愚か
237堂々と退場する 満場の拍手喝采で退場できるのは優れた演技を見せた者だけ。登場よりも重要
240善をもって生きる 善ある人は先を見通し、理解し、知恵と勇気が持て、崇拝され、人として完成する

この30だけではなく、240すべてがためになります。社会人としての処世術が満載です。学校では教えてくれない本当に大事なことをこの「賢人の知恵」が補ってくれます。

この本を読んだ人と読まなかった人とでは、10年後、大きな差が如実に現れるのではないでしょうか。

 

[ 2009/06/12 06:42 ] 偉人の本 | TB(0) | CM(1)

『相場ローテーションを読んでお金を増やそう』岡崎良介

相場ローテーションを読んでお金を増やそう相場ローテーションを読んでお金を増やそう
(2008/02)
岡崎 良介

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このブログには、お金の増やし方というカテゴリーがありません。なぜないのか?それは、自分自身、投資でお金を大きく増やしていないからです。

この10年間で年1%くらいしか運用できていません。銀行に預けるのに少し毛の生えた程度です。成功できていないことを堂々と文章に書くような厚かましさを持ちあわせてはおりません。

しかし、部分的には、成功しています。それは、長期投資の部分です。ここ5年では、長期投資においては、何とか5%以上は運用できています。

いろいろやった結果、わかったのが、個人が勝てるのは、5分か5年かというタイムスパンではないでしょうか。徹底して分刻みのデイトレードで勝負するか、ほったらかしの長期投資で行くかのどちらかのように思います。

でも、5分勝負のデイトレードは、仕事を持っているとできません。また、ご飯を食べていても気が気でなりません。早死にしてしまいそうです。

今は、長期運用がほぼ100%です。そのわけは、2006年初めに、著者の「これから10年長期投資のロードマップ」と「フリーランチ投資家になろう!」を読んで、長期投資とは何たるかを教えてもらったからです。

このおすすめする「相場ローテーションを読んでお金を増やそう」は、岡崎氏がさらに長期投資を詳しく書かれた最新版です。

私は、この本を読んで、自分で相場ローテーション表をつくりました。それを簡略化すると、以下のようになります。

 アメリカ  日本 投資対象 
1米不動産         
 (REIT指数)          
           
2米株  日本株  米ETF
 (NYダウ)    (日経平均)   日経平均
           
3米長期金利       米10年国債
 (10年国債)          
           
4米政策金利  日政策金利  日3年定期
 (FFレート)    (公定歩合)     
           
5ドル    ドル/円
 (INDEX)    (ドル/円)     
           
6米不動産         
 (REIT指数)          
           
7米株  日本株  米ETF
 (NYダウ)    (日経平均)   日経平均
           
8米長期金利       米10年国債
 (10年国債)        ドルMMF
           
9米政策金利  日政策金利    
 (FFレート)    (公定歩合)     
           
10ドル    ドル/円
 (INDEX)    (ドル/円)   ドルMMF
           
1戻る          



時系列の表ですが、1→2→3→4と順に起きてくるのではなく、(1・2・3・4)の時期、(5・6・7・8)の時期、(9・10)の時期くらいのざっくりした感じが大事だと思います。

その時にどういう商品を買って、何を売るかを判断して行動するだけです。

このローテーション表をつくってからは、大局観が養われるようになりました。一喜一憂して騒いでいるマスコミや実況中継するだけの経済評論家たちが滑稽に見えてきます。

是非、この本を読んで、自分の頭で理解して、自分の表をつくり、天底の時期と価格を確認して、行動されるといいのではないでしょうか。

ちなみに、今は(5・6・7・8)が終わり、(9・10)に移ろうとしている段階に思えます。底が確認できた時期ではないでしょうか。1~2年後くらいには、この半年で仕込めたものを売ろうと考えているところです。

 

[ 2009/06/11 07:11 ] 投資の本 | TB(0) | CM(0)

『あなた自身の社会-スウェーデンの中学教科書』

あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書
(1997/05)
アーネ リンドクウィストヤン ウェステル

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スウェーデンには、7年前に行きました。この国は何かが違う、凄い国だとすぐにわかりました。単に文明国というだけでなく、知的に洗練された国家で、人類が目指すべき答えが、スウェーデンに在りと感じました。

日本に帰ってから、スウェーデンについていろいろ調べました。その中で、スウェーデンの国家が成立している所以は、教育にあるということがわかりました。

おすすめする「あなた自身の社会」は、スウェーデンの中学教科書です。中学生の道徳教科書とも言えるのですが、国家の考え方と国民主権の考え方が論理的に、理性的に、しかも平易にまとめられています。

主な内容としては、

法律と経済
(私たちの法律・犯罪・警察・裁判所・無益な暴力・犯罪者更生施設

あなたと他の人々
(女の子と男の子・若者とアルコール・若者と麻薬・さまざまな団体・クラブ)

あなた自身の経済
(家族の経済・物を買う・消費者情報・クレジットで物を買う・広告は購買意欲を誘う)

私たちの社会保障
(児童福祉・家族での生活・離婚・病気になったら・たくさんの障害者がいる・仕事を失う人もいる・特別な援助が必要なこともある・老人になる・社会的安全のネット)

社会人としての掟や社会人になっても不利益を被らないために書かれた実践書です。

日本は経済的に豊かになりましたが、社会も豊かになったと勘違いしている人が多いように思います。日本という国は「理性的でないのに、金持ちになってしまった世界で最初の国」ではないでしょうか。

この本を読むと、日本は、既得権者や体制側にとって有利な国家で、庶民が不利を強いられていることが、よくわかります。スウェーデンに比べて、国家の総合レベルで、30年以上は遅れていることが認識できると思います。

ということは、日本社会が、今後辿るであろう道の預言書にもなるということです。道に迷わないためにも、読んでおいて損はない1冊のように思います。余談ですが、皇太子妃が推薦された本でもあるということです。

[ 2009/06/10 07:43 ] 北欧の本 | TB(0) | CM(0)

『酒池肉林-中国の贅沢三昧』井波律子

酒池肉林―中国の贅沢三昧 (講談社学術文庫)酒池肉林―中国の贅沢三昧 (講談社学術文庫)
(2003/01)
井波 律子

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この本は名著です。中国人の贅沢を階級・職業別に歴史的に紹介したものです。お金儲けのヒントにもなりますし、無駄遣いをしないための戒めにもなります。

誰が、どんな贅沢をしてきたか?

(財宝、建築、珍奇動物、庭園、美女、グルメ、音楽、サディズム)
貴族(哲学論義、神霊術、麻薬、コレクター)
貴族婦人(衣服、アクセサリー、変装、芝居、手作り料理、手作り小物、ミニチュア庭園
商人(女遊び、宴会、名画骨董、芸術家のパトロン
宦官(邸宅、飼い犬、飼い馬の装飾、墓づくり)
知識人(酒、批評、田舎暮らし、隠居)

といったことが書かれていますが、これは、まさしく現代の日本人も同じではないでしょうか。

例えば、日本の独身正社員の方は、「宦官」とよく似ているのかもしれません。子供がいなくて、お金に余裕があれば、高級マンションを購入し、ペットを飼って、ペットの衣料やグッズにお金を使います。

まだ、本格化していませんが、最後は、自分が生きてきた証を残すことにお金を使うのではないでしょうか。

私は、「貴族」と「知識人」的な消費の性格があるように思います。いずれにしても、人間の本性は、古今東西、変わらないということが確認できます。

 

[ 2009/06/09 07:23 ] 華僑の本 | TB(0) | CM(0)

お値段以上の商品作り3~自作自慢~

スイス・ジュネーブ市電/photo by福家金蔵
3.アーティスト作品

以前、デパートへ、金属アーティストの個展を見に行ったことがあります。ガーデン用の椅子が10万円近くしたと思うのですが、注文のあった方の体のサイズを測ってから、つくるそうです。

しかも、アーティストですから、プライドがあります。同じデザインのものを二度とつくりません。不揃いだが、なぜだか調和している、存在感のあるこの椅子は、本当の意味で、世界に一つの、オリジナルです。

こういう、世界に一つしかない「一品もの」には、当然愛着が沸いてくると思います。しかも、このアーティストが、将来有名になれば、値段も上がっていくかもしれないという楽しみもあります。

4.手作り作品

日曜大工でつくった家具、旅行先で描いた水彩画、陶芸教室でつくった器・・・等々 アーティストの作品と比較すると、明らかに見劣りしますが、自分の思いが重く込められています。

つくった本人は、相当な贔屓目で自分の作品を見ます。しかも、人に自慢したくなるようです。

見て!見て!この商品いいでしょう?」こう思わず、言いたくなる(自分の価値観を押し付けたくなる)気持ちに、手作り作品はさせてくれます。この「自作自慢」の気持ちに、どれだけさせてくれるかが、商品の持つ本当の価値ではないかと思います。

本当は、鉄道DVDを、自分で撮影しに行くのが一番いいのですが、
「撮りに行く時間」もなく、
「撮るお金」(いい機材の購入と行く旅費)もかかります。
「撮る技術」も腕を磨くために勉強しなければなりません。

要するに、手作り作品を自作自慢するには、「たっぷりの時間」と「それなりのお金」が必要です。そう考えると、一番贅沢な商品だと思います。この贅沢ができないために、価格と相談して、妥協しながら商品を購入しているのかもしれません。

逆に、工業製品、工芸品であっても、「見て!見て!この商品いいでしょう?」こう思わず、言いたくなる自作自慢の要素を商品に加味していくことが、お値段以上と思わせる商品作りの鍵になるのではないでしょうか。


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[ 2009/06/08 09:49 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)