とは学

「・・・とは」の哲学

人間的成長2~成功モデルと内部講師~

須磨アルプス・馬の背の岩場/photo by福家金蔵
その当時、日経新聞の「私の履歴書」も欠かさずに読んでいました。毎朝、経済記事より先に読んでいました。

とにかく、成功者がどういう行動をとるのか、その行動パターンや性格、生い立ち、思想などを知りたいと真剣に思っていたのだと思います。成功モデルを探し、自分のものにしようと必死だったのかもしれません。

また、本の上だけでなく、仕事柄、成功を収めた多くの社長と実際にお会いして、話す機会を得ることができましたので、商売の成功者、人生の成功者の共通項を肌で感じることができたのも大きかったように思います。

本を読むのは疲れる、本が嫌い、本は読んでもフィクションだけという方で、人間的成長をしていこうと思えば、このような成功者に習い、その方を成功モデルとするのが一番ではないでしょうか。

しかし、
「身近にそんなに偉い人もいません」
「偉い人に来てもらえるお金もありません」
という方もいるかもしれませんが、心配ご無用です。

長所だけを見つめれば、身近な人の中にも、偉人伝がいっぱいあるのです。

例えば、
「ある商品だけは、他の営業マンより、よく売る人」
「企画書をまとめさせたら天才的な人」
「パートさんを使うのが抜群に上手な店長」
「レジを異常に速くこなすパートさん」
など、身近なところに成功モデルはウヨウヨあります。

成功者に頭を下げて会いにいかなくても、外部講師として呼ばなくても、このような社員やパートさんに、この「小さな成功談」を内部講師として発表してもらえばいいのです。

これが他の社員の刺激となり、参考となり、社員全体のレベルアップに波及していきます。このように、小さな成功者であっても、謙虚に学ぶ環境をつくることが、人間的成長の要になると思います。

また、誰でも先生、誰でも生徒といった関係をつくることは、お互いの長所を認め、尊敬し合って、組織を円滑にもします。

人間的成長と組織円滑、つまり「進歩と調和」です。内部講師は、組織運営において、一石二鳥の制度だと考えています。


人間的成長1~人物伝と名言録~に もどる

[ 2009/06/30 08:14 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

人間的成長1~偉人伝と名言録~

切通しの写生/岸田劉生/東京国立近代美術館/POST CARD
3年ほど前を境にして、息子が、急に、何事も真面目に取り組み、辛抱強く頑張り、勉強も一生懸命するようになりました。人間的成長をしているように感じ、うれしく思っています。

なぜ、急に変わったのか?その訳は、「世界の偉人物語」を図書館で借りて、読むようになってからと推測しております。

その頃、1年間で、100冊以上読破していました。エジソン、野口英世、アインシュタイン、織田信長など洋の東西、年代、ジャンルを問わず、とりつかれたように、熱心に読んでおりました。

息子は、偉人伝に出てくるような人物の「勇気」「知恵」「人望」「情熱」「努力」「誠実」といった共通項に感化されて影響を受けたのだと思います。

逆に、その頃を境にして、私に小言や説教をするようにもなりました。偉人伝に出てくる人物に比べて、お父さんがだらしなく見えたのかもしれません。

このだらしなく見えるお父さんは、小学校時代は、本嫌いで、偉人伝など3冊くらいしか読まなかったと思います。

中学校、高校、大学でも、本嫌いでほとんど読みませんでしたが、社会人になってから、成功しようという欲がでてきたのか、これではいかんと感じたのか知りませんが、本を貪り読むようになりました。

その中で、ドラッカー、マズロー、司馬遼太郎、松下幸之助、山本七平、堺屋太一、梅原猛などの著者の本を多く読み、感化されました。

しかし、これらの著者に負けず劣らず、影響を受けて、今でも大切に保管している本があります。(15冊ほどしかありませんが・・・)

この本とは、「日本名言辞典」「日本史名言名句総覧」「家訓・遺訓の叡智」「シニセの家訓」「商家の家訓」「有訓無訓」「成功への名語録」といった多くの先人たちの珠玉の言葉をエッセンスとしてまとめた名言録の本です。

今、考えれば、このような名言録の本のおかげで、何とか生きてこられたように思います。つまり、自分自身のバイブルだったのかもしれません。

今でも、名言録の本をたまに読み返すと、鉛筆で、線をいっぱい引いて、真っ黒になった頁が多く、昔の自分を誉めてあげたくなります。


人間的成長2~成功モデルと内部講師~へ つづく

[ 2009/06/29 09:43 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

『正しく生きるとはどういうことか』池田清彦

正しく生きるとはどういうことか (新潮文庫)正しく生きるとはどういうことか (新潮文庫)
(2007/05)
池田 清彦

商品詳細を見る

著者は、現在、早稲田大学の教授です。専門分野は生物学、昆虫学です。最近は環境問題に異を唱える学者として有名です。

ところが、この本は哲学書です。今から、4年前に図書館で偶然手にし、本質を捉えた内容が面白く、読みふけりました。

世の中、理屈だけでは生きていけませんが、非常に頭のいい著者の理屈は、一読の価値があると思います。思わず、うなってしまいます。

そのうなってしまった箇所を「本の一部」ですが、ご紹介したいと思います。


・道徳や倫理や法律というのは、欲望を調整するための道具。ところが、おかしいことに、目的と道具をひっくり返し、道徳や倫理を守ることこそが社会や人生の目的になってしまう

・人間が善く生きるのには二つの相がある。一つは、規範をよく守り、何気ない日常生活や人生の目標の中に楽しみを見出して生きる。一つは、規範からの逸脱、すなわちエクスタシーを感ずることに楽しみを見出す。善く生きるとは、この2つの欲望を調和させて、結果的に欲望を上手に解放すること

・人は、他人の快楽への嫉妬を道徳にすり替えて正当化する。新聞の投書の多くの部分はこの類の道徳で埋まっている。不道徳だと思えば、自分だけしなければ、それですむこと。

・すべての規範はフィクション。しかし、規範なしに人は生きられないもの。そのことをわきまえて、自分が納得した規範に従って生きること。善き生き方はこの心構えからの中から生まれる

欠如感が大きければ大きいほど、それが埋まった時の幸福の程度が大きい。だから、お金が十二分にあっても、自分で自分を律しない限り、善く生きることはできない

・本来、人々の欲望や楽しみは多様なはずだが、資本主義は人々に金を消費させることによって成立しているため、人々をして金を使わなければ楽しくないと思い込ませる

・資本主義における欲望は、他人に差異をつけること、他人との差異を埋めることに収斂する

・画一的な差異化過程(羨望・嫉妬システム)の中では、新しい情報や製品はそれだけで価値があるものとなる。このシステム内で生きていると、新しさを獲得することだけに欲望の大半が収斂されてくる

・生物の最善の生き方は、食うためにだけに最小限働いて、後はボーッとして生きること

・自分の気持ちをくんでほしいと相手に要求することは、相手に自分と同じ行動パターンをとれと要求することと同じ。これほど傲慢な態度はない

・他人の選んだ規範は、自分の選んだ規範と原理的に等価である。さしあたってこれを承認すること。これは正しく生きるための第一歩


少し難しく思われるかもしれませんが、じっくり読むと、その深い意味が理解できると思います。

そして、今、自分たちがどういう社会の中で生きているのかがよくわかります。それを踏まえた上で、どう生きたらいいのかを示してくれる良書です。

良質の哲学に触れてみるのも、たまにはいいのではないでしょうか。日頃から何かモヤモヤとしていたものが晴れ、視界良好になると思います。

 

[ 2009/06/28 06:39 ] 池田清彦・本 | TB(0) | CM(0)

『客家大富豪18の金言』甘粕正

客家大富豪 18の金言客家大富豪 18の金言
(2007/10/25)
甘粕 正

商品詳細を見る

客家(ハッカ)とは、中国で長い間「よそ者」扱いされてきた、漢民族とは一線を画す移民集団のことです。一部の地域では、土楼という城壁で囲まれた中で、一族まとまって暮らしています。

その客家は移民集団ゆえに、流通や商業で才能を発揮してきました。また、教育熱心なことでも知られ、「中国のユダヤ人」とも呼ばれています。

中国革命の父、孫文を初め、小平、胡耀邦やシンガポール建国の父、リー・クアンユー、台湾の李登輝総統、タイのタクシン元首相などが客家出身です。

著者は、自ら起業した飲食事業がうまくいっていない時に、客家の老人に偶然出会い、客家のビジネスの極意を伝授されました。その結果、成功をおさめ、現在は投資会社を経営されています。

その客家のビジネスの極意を18にまとめたのがこの本です。

また、例によって、「本の一部」ですが、ためになった箇所を紹介したいと思います。


・他人に親切にしても、その人から何か返ってくることはまずない。しかし、その人の友人やそれを見ている人間が必ずいて、その人間から「運」を与えられる

・相手を許すことによって、その心を開き、自分の思いどおりに操ることができる。許すことを知れば、自分の運命を変えることができる

・頭がよいと尊敬されても1円の得にもならない

・少し抜けているくらいの印象を他人に与える方が、他人に好かれてビジネスが成功する

・他人を恨む気持ちは、あなたの表情や言葉に伝染して、本来あなたに「運」を運んでくれる人々を遠ざける

・何を始めるかを考えるために最も多くの時間がいる。大局さえ正しければ、中局、小局で間違いを犯しても、必ず成功する

・大義名分を大切に。他人の金儲けを手伝いたい人間などいないから

・50人の仲間が自分の手足となってくれることが成功のコアとなる

・商いに成功する者には、必ず愛嬌がある。嫉妬は成功の敵

考えることこそ富を生む。世の中を動かすようなアイデアを生み出すことが重要

・人間の欠点は基本的に直らない。欠点が直らない分、長所を伸ばし、その長所によって、欠点を見えなくする

貸しは広くばらまくことで効果が出る

・自分の欲望を満たすためには、周りの人間の望みを満たして幸せにしてあげねばならない。


西洋的な金言とは違い、東洋的なので、我々に通じるものが多いように感じられました。優しく簡易に書かれた、読みやすい本です。日本だけでなく、アジアで商売を成功させるための基本が、この中にいっぱい詰まっているように思いました。



[ 2009/06/26 07:36 ] 華僑の本 | TB(0) | CM(2)

『江戸の繁盛しぐさ』越川禮子

江戸の繁盛しぐさ―イキな暮らしの智恵袋 (日経ビジネス人文庫)江戸の繁盛しぐさ―イキな暮らしの智恵袋 (日経ビジネス人文庫)
(2006/08)
越川 禮子

商品詳細を見る

江戸の商売について書かれている本と思い、書店で手にしました。しかし、内容は、商売という枠を超越したもので、江戸の町人が「人間関係を円滑にする知恵」「粋に暮らす社会の暗黙の掟」が詳細に書かれた良書でした。

江戸時代、きちんとした法律もないのに、社会秩序が守られていた理由が、この書を見て、理解できました。

現在にも伝わっているものもあれば、途絶えてしまったものもあります。是非とも、このような“社会の暗黙の掟”は今後とも継承されていくことを望みたいものです。

例によって、「本の一部」ですが、ためになった箇所を紹介していきたいと思います。


・見て分かることは言わない
・新人新顔を歓迎
講は人をしばるべからず(会則・規則なし)

お心肥(おしんこやし)・・・教養をつけること
・人の話を聞く時は、体を少し前に傾け、乗り出す格好で聞く
・知らないふりしていろいろ聞いてあげる

・言葉は惜しみ惜しみ言う。仰々しく言わない
手紙の作法お手すきの時にでもご覧いただければ幸いです)
戸締めの言葉はタブー(でも、だって、しかし、そうは言っても)

時泥棒はタブー(押しかけて相手の時間を勝手に奪う)
・目的のものしか売らない買わない
念入りしぐさ(念には念を入れて確認するしぐさ)

年代しぐさ(60歳を越えたらハツラツさとユーモアの精神を忘れない)
うかつあやまり(相手に非があっても、うっかりしていましたと謝る)
・右回り(大勢の前に出るとき、右手をちょっと前に出し、左から右へ通る)

かごとめしぐさ(社用車を家の前から乗らない、乗りつけない)
かに歩き(狭い道ですれ違う時は横歩き)
こぶし腰浮かせ(満席でも、後から来た人に席をこぶし分つめるしぐさをする)

七三の道(自分たちの道は三分、端を歩き、横に並んで歩かない)
・複数形で敬意(私より私たちを使う)
・行き先をきくのは野暮

・おかげ様で~をよく使う
・威張るのは品がない、弱い人をいたわることが大事
おあいにく目つき

・片目つぶり(了解のしぐさ)
・死んだらごめん(「死なない限り約束を守ります」の言い方)
束の間つきあい(見知らぬ人にも仏頂面せず軽く挨拶、名前や職業はきかない)


商人が客に接するような心遣いで、人と接することができたら、円滑な人間関係や安心安全な社会を築くことができるのではないかと前々から思っていました。

江戸時代に、すでに、そのような精神が普及していたのは、江戸の商人や町人が本当の意味で賢かったからではないでしょうか。

現在でも十分に通用するものばかりです。むしろ、現在に通用させたいものばかりです。是非、一度読んでほしいと思います。おすすめです。

 

[ 2009/06/25 08:28 ] 江戸の本 | TB(0) | CM(0)

『史上最強の投資家バフェットの教訓』

史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵史上最強の投資家バフェットの教訓―逆風の時でもお金を増やす125の知恵
(2008/01)
メアリー バフェット、デビッド クラーク 他

商品詳細を見る

前回、「ゲイツとバフェット後輩と語る」で、バフェットの人物像について書きましたが、今回は、バフェットの教訓です。

教訓といっても、そんなに難しいものではありません。投資家としての細かなテクニックが書かれているのではなく、投資に対する考え方、成功した要因、人生全般についてを、125の語録として、まとめられている読みやすい本です。

世界第2位の資産家になった背景や精神の源流を、この本で垣間見ることが可能です。投資に興味のない方も、参考になるのではないでしょうか

例によって、「本の一部」ですが、ためになる!と感じた箇所を紹介したいと思います。

・ルールその1、絶対に金を損しないこと。ルールその2、絶対にルールその1を忘れないこと

・目覚ましい結果を得るのに必要なのは、必ずしも目覚ましい行為ではない

愚か者でも経営できるビジネスに投資しなさい。なぜなら、いつか必ず愚かな経営者が現れるからだ

・仕事選びも投資と同じ。いかなる手間も惜しんではならない。正しい列車に乗りさえすれば、金と痛みを節約することができるのだから

・成長に大量の資本が必要とするビジネスと必要としないビジネスとでは、天と地ほどの差が存在する
(前者は競争の波を食らって沈没しないため、絶え間なく資本を注ぎ込む必要がある。後者は余剰キャッシュを業務拡張、異業種買収、自社株買いに回すことができ、株価が上昇する可能性が高い)

・誰かを雇おうとするときには、誠実さ、知力、実行力という3つの資質に注目するとよい。中でも一番重要なのは誠実さである。なぜなら、不誠実な従業員を雇った場合、その知力と実行力があなたを窮地に陥れるからだ

・ウォール街は動くことで金が転がり込んでくる。あなたは動かないで金が転がり込んでくる

・あなたが車を1台持っていて、一生その車にしか乗れないと仮定しよう。当然、あなたはその車を大切に取り扱おうとするだろう。あなたは、一生に一つの心と一つの体しか持てない。人間の主要資産が自分自身だとすれば、常に心身を鍛練し、心身の手入れを怠ってはいけない。

・我々がすべきことは単純だ。他人が強欲なときに臆病になり、他人が臆病なときに強欲になりさえすればいい

・やる意味にないことをうまくやれても意味がない

・入札競争が勃発したときは、負けるが勝ちである

・われわれが歴史から学ぶべきなのは、人々が歴史から学ばない事実だ

・わたしの知り合いの億万長者はみな、財産を持ったからといって豹変するようなことはなく、逆に生来の特質が強調されてきている


ちょっと禅問答的な言い回しもありますが、世界で最も成功した投資家バフェットを1冊で知るためには、とっても便利な本だと思います。

 

[ 2009/06/24 07:34 ] バフェット・本 | TB(0) | CM(0)