とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索
月別アーカイブ  [ 2009年05月 ] 

反グローバル的グローバル主義2~日本人の特徴~

上海近郊・朱家角の風景/photo by福家金蔵
ところで、この「変」な日本人の特徴とは、何でしょうか?私なりに感じていることは、

1.経済的に豊かになったのに、いまだに集団間で激しい競争をしている
2.ファミリー(派閥)を形成するのが好きで、そこから外れた人をいじめ、異質の才能を認めようとしない
3.自分と違う人を認めることで成立する民主主義が、先進国なのに根付かない

4.トップに、未来を考えたシステマティックな戦略がなく、行き当たりばったりの判断がいつも下されている
5.グループの中で、見栄の張り合いっこをして、いい格好をしたがる

6.宗教心はほとんどないが、「恥」の文化のおかげで、なんとか欲望を抑制できている
7.経済的な自立を目指そうとせず、組織に属したままの人が多い
8.マスコミ、官僚、政治家が公僕としての意識やエリートとしての使命感に欠けている

9.正しい金銭教育がなされておらず、カネを口にするのはまだまだ卑しく思われている
10.庶民レベルでも、モノには異常にこだわるし、品質面で非常にうるさい

といったところです。この「変」なおかげで、北アジアの小国が経済的に豊かになったとも言えます。狭い視野の「変」な日本民族は作り手と買い手が一体となって、こだわりの逸品を生み続けているように思います。

庶民レベルで、商品に対して、非常に細かいレベルまで要求するのは日本人だけではないでしょうか。パナソニック、キャノン、トヨタ、任天堂のような一流メーカーの商品だけではありません。

果物(おいしい桃、甘いスイカ、ジューシーなリンゴなど)や紙製品(カラフルな包装用紙、きれいな印刷物、すべすべの衛生紙など)といった日本では、むしろ遅れていると思われている産業の製品が、高級品として、今後、ますます中国のお金持ち層に受け容れられていくのではないでしょうか。

日本は、グローバル資本主義が最終的に到達する金融ビジネスに目もくれず、各国から馬鹿にされても、ひたすら「ものづくり」に専念することで、世界の中で存在感を示していくのが妥当のように思います。

中国人は、結構、欧米人と同じような考え方をしています。それは、アジア人というよりか、大陸人として、そうなったのかもしれません。中国は、グローバル主義が肌に合う国のように感じました。

日本人は、アジア人で島国人です。欧米人で大陸人の国々とは、大きくかけ離れていて当然です。

この「変」な日本人の特徴は、一朝一夕に変わるものではありません。賢くなって、欧米流(グローバル主義)に合わせていくことが、逆に日本を衰退させていくのではないでしょうか。


反グローバル的グローバル主義1~変な日本~に もどる

[ 2009/05/31 08:33 ] 何でも話 | TB(0) | CM(0)

反グローバル的グローバル主義1~変な日本~

上海雑技団劇場/photo by福家金蔵
数年前、上海に行きました。4日間だけでしたが、地下鉄、タクシー、公共バスを利用して、繁華街、観光地、スラム街、田舎町を歩き、デパート、市場、問屋街、レストラン、場末の食堂、劇場に入り、そこに住んでいる庶民の活気と息吹に触れながら、上海を自分なりに、体感してきました。

その時、今後、アジアの中心は上海になるなと感じました。経済発展しているというだけではなく、地球儀を見れば、上海は地政学的に見てもアジアの中心です。日本は、大陸から離れた辺境の地です。

上海は、超高層ビルの数も、世界第4位になっています。(ニューヨーク、香港、シカゴに次ぐ)上海は地震がないとはいえ、この15年間の建設ラッシュは、異常なスピードです。

約1900万人の人口ですが、中心部から、20~30㎞離れると、まだまだ田畑だらけでした。山一つ見えない、未開発の平野部です。日本と違って、平野部が延々と続きます。交通網などの社会資本の整備が進行すれば、更に、発展していくと思いました。

日本に帰ってきて、まず感じたのは、人の少なさと人の精気のなさでした。繁華街でも、人がまばらなように感じられました。こんな感覚になったのは初めてです。さらに、道行く人々の目がうつろのようにも感じられました。

このような、発展する上海、発展する中国と今後どういう付き合い方をしていくかが、日本の大きな課題になります。今、大多数の日本人は、中国人を正当に評価していないように感じます。それは、中国製の商品を見て、中国をそう思っているだけのことです。

逆に、大多数の中国人は、日本人を羨望と嫉妬の眼で見ています。それは、日本製の商品を見て、日本をそう思っているだけのことです。

商品だけでなく、大きな意味での、政治力、経済力、軍事力、外交力、教育レベル、人口、国土面積などを総合して見ると、20年後には、日本人は中国人からバカにされるように思います。

「北アジアの小国の変人」と思われる時代が確実にやってきます。これから先、中国人に少しでもバカにされないためには、日本はどうすべきなのでしょうか。

私の考えは、不思議に思われるかもしれませんが、「今の体制を変えないことにある」と思います。頑なに、精神面でのグローバル化を防いでいくことが大事なように思います。

グローバル主義を唱える人の言うことを、「つまらん!お前の言うことは、つまらん!」と、商品以外のもの(考え方、思想、システム、制度、体系など)が日本に入ってくるのを徹底的に拒否したらいいと思います。

反グローバル化が、本当の意味での日本のグローバル化を進めていくのではないでしょうか。

世界をいろいろ回れば、日本が変な国、日本人が変な民族であることがわかります。でもこの「変」が逆に長所になっています。「変」を変えてはいけないと思います。「変」だからこそ、日本という国の存在意義があります。

中国が発展すればするほど、ますます、日本の変が大事になるように思いました。中国、アメリカと同じ土俵で相撲を取っては負けるに決まっています。


反グローバル的グローバル主義2~日本人の特徴~へ つづく

[ 2009/05/29 08:25 ] 何でも話 | TB(0) | CM(1)

若く見える人2~なんでだろう?研究心~

ミュシャ/サロン・デ・サン/POST CARD
大人になるにつれ、

「そんなこと考えても仕方ない」
「役に立たないこと、勉強して何になるの?」
「そんなの知って何の意味があるの?」

といったことを言い始めます。

そして、「真理の探究」にあまり価値を見出さず、

「楽しかった」「気持ちよかった」「おもしろかった」
「おいしかった」「くつろげた」「興奮した」

などの「快楽の追求」にお金を使おうとします。しかし、快楽にお金を使っても、一瞬で終わることがほとんどです。

以前、足マッサージに行ったのですが、気持ちよかったのは、マッサージをしてもらった後、3時間ぐらいだけでした。

3時間経つと、軽やかだった足も次第に重たくなり、いつもと変わらないようになってしまいました。

このマッサージも立ち仕事をして、足が棒になりがちな方たちを除けば、「快楽の追求」ではないかと感じました。

快楽の追求のほとんどは「現実からの逃避」です。酒、たばこ、パチンコ、カラオケ、風呂、グルメなども同様で、それらにお金を使っても、一時的な快感で終わってしまいます。

しかし、現実から逃げてしまいたい人が多いのか、巷では、この快楽主義者へのビジネスが大繁盛です。

人間の欲望に忠実に応えて、商品やサービスを提供すると、ビジネスとして成功します。しかし、消費者として、この欲望の提供者の言いなりになってしまうと、人間としての機能が退化し、向上心も失せて、老化のスピードが進んでしまうように思います。

前回、若く見える人は、子供の気持ちを失っていない人と書きました。

それならば、美容法、化粧法、体の運動法などで、カラダをシェイプアップするより、好奇心研究心を持ち続けて、脳をシェイプアップすることの方が重要なように思います。

人の話を聞いたり、本を読んだり、街を歩いたり、ネットで新しい情報に触れたりして、実用性のないムダな知識であっても、どんどん吸収していけば、脳のシェイプアップが可能です。

何これ!」の好奇心と「なんでだろう?」の研究心がなくなってきて、解明、解決、究明、探究、発見するのが億劫になったとき、老化が始まっているのかもしれません。

若さを保つには、脳のお手入れを怠らないようにしたいものです。


若く見える人1~何これ!好奇心~に もどる

[ 2009/05/28 07:22 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

若く見える人1~何これ!好奇心~

アンリ・ルソー/イヴリー河岸/ブリヂストン美術館/POST CARD
子供が小さかった頃、よく動物園に行っていました。子供たちは、好奇心旺盛で、好きな動物の前では、立ち止まり、離れようとしません。

そして、「フラミンゴの体は何で赤いの?」「ゾウの体重は何㎏あるの?」「パンダは何で白と黒なの?」「白クマは、体が大きいのに、何で泳げるの?」など、いろいろ訊いてきます。

一方、入園者の中では、いつものことながら、人気動物の前で、「カワイイ」「スゲ~」「デッカ」「キャ~」とか言って、写真を撮っている人たちも多く見受けられました。日本の観光地でよく見る光景です。

その当時、ほとんどの動物を見て回った後は、動物園内にある動物資料館に、よく立ち寄っていました。

動物資料館では、「動物が何を食べているのか?」「冬の森の中の動物はどうしているのか?」「速く走る動物は?」などを、面白く、分かりやすく、工夫を凝らして展示しています。

また、動物の骨格展示、猿と人間の進化に関する展示など、頑張っているのですが、この資料館は、いつも人が入っていませんでした。

そこにいるのは、真面目そうな家族連れの姿だけです。先ほどの「カワイイ~」「スゲ~」「デッカ」「キャ~」を連発するような人たちが全くいないのです。

動物園の中なのに、ここだけが別世界という感じでした。この空気の違いは何なのでしょうか?

子供は、誰でも好奇心旺盛で、「何これ?」「何で?」「どうして?」「なぜ?」などの質問を繰り返します。要するに、「真理の探究」の勉強が大好きです。

一方、子供は、遊ぶのも大好きです。乗り物に乗り、遊具やゲームで、時間を忘れて遊び、一日中、はしゃいでいます。つまり、「快楽の追求」も大好きです。

ところが、一般的に、人は年をとるとともに、「真理の探究」の気持ちが失せていき、「快楽の追求」に気持ちが傾きかけてきます。

この「快楽の追求」に気持ちが傾きかけた大人が、「真理の探究」の場である資料館に足を運ぶのが億劫になっていたのではないでしょうか。

ところで、大人になっても、子供のように、「何これ?」「何で?」「どうして?」「なぜ?」と訊いてくる人がいます。この人たちは、子供の時の好奇心を失っていません。子供のような眼をしています。

今まで会った人の中で、実際の年より、若く見える人は、ほとんどが、この好奇心旺盛な人だったように思います。

考えてみたら、子供の気持ちを失っていない人が、若く見えるのは、当然なのかもしれません。


若く見える人2~なんでだろう?研究心~へ つづく

[ 2009/05/27 08:20 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

時間の流れ3~商品サイクル~

上海外灘夜景/photo by福家金蔵
この「チョロ・ドカーン・サー」を商品サイクルとして見ると、

チョロ」は、少しだけ仕入れて売る段階です。

売れるか売れないかまだ判断しかねても、すぐに、「チョロ」っと、商品を仕入れます。仕入れた商品を誰よりも早く、店頭に並べ、その売れ行き状況を観察します。

ドカーン」は、大量に仕入れて売る段階です。

その商品が売れ始めるやいなや、勇気を出して、「ドカーン」と注文して、商品を押さえ、他店に流れるのを防ぎ、独占販売状態にしてしまいます。そして、取った商品が速く売れるよう努力します。

サー」は、仕入れるのをやめ、売り切る段階です。

しばらくして、その商品が、他店でも扱い始めたら、追加仕入を一切やめて、在庫をきれいになくし、「サー」とやめてしまいます。誰もがその商品を扱い始めた時、大体、流行は去っていきます。

このような行動がとれたら、高値で売って、不良在庫も抱えず、しっかり儲けることができます。こういった「商品サイクル」の感覚を磨くことが商売において、とっても大事です。

「今、どの時期なのか?」
「その時期に、どういう行動をとることがベストなのか?」
という視点で、すべての事象を時間の流れで考える癖づけをすることが基本ではないでしょうか。

最近、商売を上手にする上で、一番大事なのは、5W1Hの中では、WHEN(いつ)ではないかと考えています。

他の
・WHERE(どこで)
・WHO(誰が)
・WHAT(何を)
・WHY(どんな目的で)
・HOW(どのように)
は、情報化社会では、簡単に調べて、手に入れることが可能です。

しかし、それらを実行に移すタイミングや上手にやめるタイミングは、自問自答して、自分でその時を決めないといけません。

WHENは意外と難しいのです。時系列に状況を判断して、最適のタイミングで決断実行できる人は、そうざらにいません。

でも、これができない人は、リーダーとして失格です。先送りが好きな人が、リーダーをやっているようでは、その組織は、発展していかないものです。

このような困ったリーダーがいれば、大きな組織であっても、「盛者必衰」が早く訪れてしまうのではないでしょうか。


時間の流れ1~盛者必衰の理~に もどる

[ 2009/05/26 07:46 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

時間の流れ2~青春・朱夏・白秋・玄冬~

佐伯祐三/モランの寺/東京国立近代美術館/POST CARD
このタイムサイクルの考え方で、商売を大きく捉えると、どうなるのでしょうか?

需要と供給の関係は、一般的に、

青春期は、 需要↑ 供給→
朱夏期は、 需要↑ 供給↑
白秋期は、 需要→ 供給↑
玄冬期は、 需要→ 供給→

というようになります。

これに対して、生産(つくる側)と販売(売る側)の体制は、どう変えていけばいいのでしょうか?

売る側は、

・青春期には、「商品の確保、大量仕入」
・朱夏期には、「品揃え追求、多種仕入」
・白秋期には、「売れ筋追求、安価仕入」
・玄冬期には、「死に筋カット、多頻度仕入」

という行動をとるのがいいかもしれません。したがって、つくる側は、売る側の行動に合わす必要に迫られます。

このように、それぞれの時期に、最適な行動をとったところが、生き残り、最終的に勝者となるのだと思います。

しかし、理屈では分かっていても、人間の頭は、そう簡単にスイッチを切り替えられません。決断するタイミングは本当に難しいものです。

今、例に出しましたのは、大きな時間の流れ時流)です。したがって、大きな決断をすることはあっても、決断の回数は少ないのです。

では、小さな決断を、毎日のようにしなければならない、もっと身近な、小さな時間の流れ流行)に対して、どう対処すべきなのでしょうか。

このような場合、何か、判断する基準を自分に持っていないと、悩んでばかりいることになります。この流行のタイムサイクルに対処する方法の一つに、「チョロ・ドカーン・サー」という基準が考えられます。


時間の流れ3~商品サイクル~へ つづく

[ 2009/05/25 07:17 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

時間の流れ1~盛者必衰の理~

スイス・ローザンヌの移動式メリーゴーランド/photo by福家金蔵
祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色盛者必衰の理をあらはす
驕れる者久しからずただ春の夜の夢のごとし

有名な平家物語の巻頭の言葉です。高校生の時に、あまり古典を熱心に勉強したわけでもありませんが、なぜか、今でも、初めの三行はスラスラ言えます。

この平家物語の「盛者必衰の理」と人間の一生である「誕生から死亡まで」の時間の流れであるライフサイクルは、他の事象にも応用できます。また、何でも時間軸で物事を考えることができます。

人生においても、組織においても、商品においても、業種業態においても、必ず、衰え、滅び、消えて(死んで)いきます。寿命は必ずやってくるのです。

この寿命には、逆らうことはできません。せいぜい、寿命と向き合いながら、「上手に延命していくか」「死を上手に迎えるか」しかありません。

ところで、今から20年近く前のことですが、もう亡くなられましたが、ちょっと哲学者風の顔をした、その当時で70才近い、ある専門店の社長が、

「うちの店も古くなってしまった」
朱夏も、とっくに過ぎ、白秋も過ぎようとしている」
玄冬が、もう目の前だ」
「ここらで、店の大改装をしないと、売場も老け、商品も老け、客も老け、従業員も老けてしまう」
「すべてを、もう一度青春に戻してやらんといけない」

という話を、まだ若かった私にしてきました。

その時は、青春以外の、朱夏、白秋、玄冬と聞いても、ピンときませんでした。変なことを言う社長だなと感じた程度でした。

でも、後にして考えれば、含蓄のある言葉を投げかけ、若造だった私を試していたのだなと思います。

この青春朱夏白秋玄冬という言葉は、時間の流れそのものを表しています。青春(青い春)朱夏(赤い夏)白秋(白い秋)玄冬(黒い冬)という順序で、タイムサイクルを季節と色で表現しています。

この専門店の社長が、話したかったのは、経営状況を判断する上で、今どの局面(青春・朱夏・白秋・玄冬)かを考えることが大事で、「それぞれの局面で、打つ手が違ってくるんだよ」ということだったのだと思います。


時間の流れ2~青春・朱夏・白秋・玄冬~へ つづく

[ 2009/05/24 09:48 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

バツイチ子持ち女性と結婚しない女性の戦力化2

須磨離宮植物園の菖蒲/photo by福家金蔵
結婚しないと決めた女性は、実力で、この世の中を渡っていかなくてはなりません。

誰にも頼らず、自らの力で生きていくために、何にでもチャレンジし、一生懸命学ぼうとしてきます。

男性のように、学歴や肩書きにとらわれている人も少ないように感じます。また、自分で稼いだお金で、マンションを買い、親から自立して生きていこうとする人も多いように思います。

したがって、真剣味が違います。若い男性の中で、異常に少なくなった、目が輝いている覇気あるタイプが「結婚しない女性」の中には、結構高い確率でいるように思えるのです。

「バツイチ子持ち女性」は、この真剣に生きている「結婚しない女性」より、さらに、真剣に働いてくれます。

その理由は、いい条件で「バツイチ子持ち女性」を雇用する会社が日本では少ないからではないでしょうか。

結婚して、いったん家庭に入り、35才を過ぎ、また再就職しようと思っても、日本では、パート採用ならあるのですが、正社員として、雇ってくれる会社は多くありません。

男性は、実力がほとんどなくても、年収500万円近くもらうのは、“当然の権利”のような顔をする人が多いのですが、この「バツイチ子持ち女性」に、実力に応じて、年収500万円近くの給与を出すと、非常に喜んでくれ、遮二無二働いてくれます。

大企業では、「バツイチ子持ち女性」の履歴は、マイナス要因かもしれませんが、中小零細企業にとっては、大企業の有名大卒の学歴に匹敵する、プラス要因として、見てもいいのではないでしょうか。

私の関係した先で、社員は20人もいないのに、バツイチ女性を5人抱えている会社がありました。彼女たちは、その後、ドンドン出世していきました。今は、幹部として名を連ねています。

この例だけでなく、「バツイチ子持ち女性」と「結婚しない女性」を戦力化して、伸びている中小企業をよく見受けます。

20年以上前の大企業は、女性の実力を見ないで、外見ばかり見て、美人の女性を優先的に、採用していたように思われます。

考えてみたら、のどかな時代だったのかもしれません。今や、本当に実力のある、やる気のある社員を揃えていかないと、企業も競争に勝ち抜けません。

大企業が、まだまだ見落としている「バツイチ子持ち女性」が、言い方は悪いのですが、まだまだ“お買い得”かもしれません。少なくとも、「親離れできない若い長男」よりも“お買い得”なことは確かだと思います。


バツイチ子持ち女性と結婚しない女性の戦力化1に もどる

[ 2009/05/22 08:04 ] 出世の話 | TB(0) | CM(1)

バツイチ子持ち女性と結婚しない女性の戦力化1

須磨離宮植物園の赤ボタン/photo by福家金蔵
私が関係している企業のほとんどが、中小零細企業です。有名大学卒の社員に、ほとんど出会ったことがありません。

一見、優秀な社員がいないように見えますが、実は、そういう中でも、優秀な社員が、いっぱいいます。

その優秀な社員とは、どんな人かと考えると、結構高い確率で「バツイチ子持ち女性」である場合が多いのです。

高学歴で、頭の優秀な、元OLの主婦は、数多くいるのですが、最終的に、逃げ場があるのか、自ら進んで、汚い仕事をしようとしません。また、責任ある立場から逃げようともします。でも、この主婦たちは、家族をサポートするのが役目なので、このように行動するのが当然です。

したがって、この主婦たちを社員採用すると、既存の女性社員や、パートさんと上手くいかず、組織がギクシャクすることがしばしば起こります。会社としては、この主婦たちを社員採用より、パート採用に留めて置く方が、お互いのためにいいように思います。

それに比べて、「バツイチ子持ち女性」は、逃げ場がありません。守ってくれるものがありません。逆に、子供を守らなければならない立場です。

皆が嫌がる仕事や世間体が気になる仕事も厭わず、一生懸命働いてくれます。プライドを捨てて働いてくれます。向上心も旺盛です。いい意味での出世欲金銭欲があります。

また、最近、この「バツイチ子持ち女性」に限らず、「結婚しない」と決めている、若い女性も、よくがんばってくれます。中小零細企業にとっては、貴重な戦力となっています。

反対に、若い男性を正社員採用しても、失敗に終わるケースが増えています。少子化で長男が増えたからかもしれません。

親に甘やかされ、親に依頼心もあるのか、経済的にも精神的にも自立して、親元を離れて生きていこうとしません。さらに、親に頼るだけでなく、会社にも頼って生きていこうとします。

若い男性の中で、目が輝いている覇気あるタイプが、異常に少なくなっているように思います。


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[ 2009/05/21 09:43 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

金持ちの貧乏人ごっこ2~侘び寂び~

上海・南京東路/photo by福家金蔵
3年前、上海に行って、南京東路(上海一の繁華街)のユニクロをのぞきました。自分の思っていたとおり、日本のように繁盛していません。上海では、まだ早いのかなと感じました。

上海人は、今、自分は金持ちですよと自慢したい時期のように思います。金持ちは金持ちらしいファッションが必要なようです。豪華絢爛さ、派手さが求められ、高くて目立つものが売れているように思いました。

まさに、そこに「秀吉と利休」のようなものを感じたのです。

金持ちになったばかりで、成金の“豊臣秀吉”は、「金持ちの金持ちごっこ」で豪華絢爛ド派手な美を求めます。

商人として、代々金持ちで、教養人の“千利休”は、「金持ちの貧乏人ごっこ」で侘び寂びの美を尊びます。

ユニクロは、ヨーロッパで大人気の無印良品の侘び寂びテイストにまでは、及びませんが、「金持ちが貧乏人ごっこ」するのに便利な服です。

それなりのセンスと品質を維持(金持ちが着て恥ずかしくない)しながら、安い(服には、もう、お金をかけませんよという意思表示)からです。

巷では、日本人は、「ブランドが大好き」と言われています。でも、その実態はというと、ブランド品の購入者が、昔は金持ちの大人だったのが、今は一般の若い世代に変化してきています。

若い時は、自分というものに、まだまだ自信が持てないので、見栄を張り、虚栄心を満たすためには、ブランド品が必要なのかもしれません。誰もが当然辿る道です。

ところで、最近、若いころから、環境活動やボランティアに傾注していく人がいます。でも、その後も、継続できている人は、裕福な家に生まれた人か、公務員のような安定した職を得た人に限られています。

若い時は、皆が、「自主自立」「独立自営」の精神で、人の力に頼らず、自分の力で、経済的基盤を作っていくのが普通のように思います。

そして、中年以降、ある程度、経済的余裕が生まれ、生活の心配がなくなった人が、「少欲知足」な生き方をするのが普通と言えるかもしれません。

裕福な文化人が発する「金持ちの貧乏人ごっこ」の言葉に、若い人や金持ちになっていない人が、影響を受けすぎることは、あまり良くないように思います。

自分の立場をよく見極めて、今、自分にとって、何が大事なのかで、言葉を判断すべきではないでしょうか。

そういう意味で、高所得地域で、「労働者の味方」であるA新聞が多く、低所得地域で、「資本家の味方」であるS新聞が多かったというのは非常に健全な姿のように思ったのでした。


金持ちの貧乏人ごっこ1~少欲知足~に もどる

[ 2009/05/20 08:32 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

金持ちの貧乏人ごっこ1~少欲知足~

ストックホルムのエコ長屋/photo by福家金蔵
15年近く前のことですが、関係先の企業が、大阪~神戸間に、宣伝用のチラシをまくのに、何新聞を使うのが効果的かを調べる機会がありました。

新聞には、全国紙のY新聞、A新聞、M新聞、S新聞、地元紙のK新聞があります。仕事柄、事前に、エリア別の所得指数を調べることにしました。

Y新聞は、所得指数の高い地域も、低い地域も万遍なく、高いシェア率をとっていました。際立った特徴が出ていたのは、A新聞とS新聞です。

A新聞は、どちらかというと「左より」に分類される新聞です。“労働者の味方”的な論調が多いように感じます。S新聞は、どちらかというと「右より」に分類される新聞です。“資本家の味方”的な論調が多いように感じます。

ところが、A新聞は、「労働者の味方」のはずなのに、芦屋、西宮北部、神戸東部などの高所得地域で高いシェア率を獲得していました。

S新聞は、「資本家の味方」のはずなのに、高所得地域ではさっぱりで、低所得地域で、まずまずのシェアを獲得していました。

その当時は、何やら矛盾しているように感じましたが、その後、いろいろな体験を積むにつれ、その意味が理解できるようになってきました。

ところで、文明の先進国の多いヨーロッパ諸国では、

“自由・平等・機会均等・公正”な社会、
“平和・安全・安心”の国づくり

を真剣に目指しています。

その延長線上に、

“地球環境保護・CO2削減・安全エネルギー・スローフード・
福祉介護政策・男女平等・労働時間削減”

などの「少欲知足」的な概念や運動が生まれてきました。

しかし、考えてみたら、ヨーロッパも、

“森林破壊・狩猟・商業捕鯨・空気汚染・水質汚染・土壌汚染・
身分制度・人種差別・男女差別・奴隷制度・過剰労働時間・
兵器開発・武器輸出”・・・

など、過去に「際限なる欲望」で悪事の限りを尽くしてきたのです。

すべて、やってきたことの反省から、今の概念や運動が生まれているのだと思います。

「少欲知足」的な、今の概念や運動を、“植民地政策・産業革命・資本主義”に遅れて参加してきた国々の人に、口を酸っぱくして、言っても、本当の意味を、なかなか理解してもらえないのではないでしょうか。

「少欲知足」は、「金持ちの貧乏人ごっこ」のようなものです。金持ちにならなければ、貧乏人ごっこはできません。貧乏人は、大きな欲望を持ち、まずは金持ちになってみたいと思うものです。

誰もが、実際に経験して、失敗して学んでいくことが大半です。言論で、人を動かすというのは、なかなか難しいのではないでしょうか。おせっかいと思われたり、お説教に聞こえたりするものです。


金持ちの貧乏人ごっこ2~侘び寂び~へ つづく

[ 2009/05/19 09:11 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

おじさんおばさんのファン心理2~垢抜けない子~

Slight Fever2001/奈良美智/POST CARD
人は、20才まで不平等です。(生まれる所を選べないので、仕方ありません)それから、10年たっても、まだ不平等かもしれません。でも、40才を過ぎ、50才になると、人類皆平等になってくるような気がします。

この50才以上の、酸いも甘いも噛み分けた人が、昔の自分を見る思いの若者に対して、「こうしたら成功するよ、こうしたら失敗するよ」と、おせっかいながら、人生をいい方向に導いてあげたいと願います。

成功した人(昔、一生懸命頑張った人が多い)が、昔の自分に瓜二つの若者に出会えば、絶対に目をかけ、応援したくなり、自然とボランティアをしてしまいます。

このように、世代間と異性間において少し違いはありますが、共通している部分が多くあります。この共通している部分とは、応援したくなる若者が「頑張り屋」「根が真面目」「垢抜けない子」ということではないでしょうか?

おじさん、おばさんが惹かれるのは、「完成品」としての姿ではないと思います。若者が持つ魅力的な「素材」に対して、「育ててあげたい」「育ってほしい」と将来の成功を思い浮かべるファン心理のようなものが楽しいのではないでしょうか?

植物を種や苗から、苦労しながらも育てて、収穫していく「育てる喜び」と全く同じだと思います。おじさん、おばさんが経験的に知っているいい種、いい苗とは、上記の「頑張り屋」「根が真面目」「垢抜けない子」なのかもしれません。

これから、さらに、おじさん、おばさんが消費をリードしていきます。お金の使い方を知った世代です。昔のジイサン、バアサンのように、孫へのプレゼントか神社や寺に寄付するしかお金が使えなかったのとは違い、自分のためにお金を使うようになってきます。

ウチのオヤジ、オフクロは、昭和一ケタ生まれですが、都会で生まれ、その後もずっと都会暮らしです。そのためか、消費生活に慣れてしまい、お金をあるだけ使っています。お金を残そうという気持ちは全くありません。

毎日が酒盛り、毎週が習い事、毎月が同じ団体の仲間と小旅行、毎年が気の合う友人と海外旅行といった具合です。日本における高齢者消費の先端を走っているような気がします。

このように、これからは、年配の方に可愛がってもらい、商売として、お金をいただくだけでなく、何かにつけ、応援してもらうことが、若者の上手な生き方術になるように思います。


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[ 2009/05/18 07:50 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

おじさんおばさんのファン心理1~頑張り屋~

なんばグランド花月・吉本新喜劇/photo by福家金蔵
ある関係先で、イケメンタイプではないのですが、柔和で優しそうな顔つきの若い男性社員が、お客さん(おばさん)から、プレゼントをもらいました。

彼は、真面目で、一生懸命仕事をする頑張り屋さんです。そういう姿をお客さん(おばさん)がしっかり見ていたのだと思います。

おばさんは、彼のような素朴で飾り気がなく、素直で純情、でも一生懸命な今時珍しい若者を応援したくなるようです。ファン心理とは、こういうものかなと思います。おばさんの乙女心をキュッととらえたに違いありません。

私は、その男性社員に、「氷川きよしになりましたね」と要らないことを言ってしまいましたが、高齢化社会では、「氷川きよし」になると若者は絶対に得します。

「ヨン様」には、素質的になれる人は少ないかもしれませんが、「氷川きよし」なら、心がけ次第で、誰でもなれそうに思います。

これは、男性だけに限ったことではありません。他の関係先でも、美人ではないけれども、一生懸命頑張っていて、擦れていない、少し泥臭い女の子に、おじさんのファンがついています。

こういう子に、「この○○○がいいですよ」と言われてしまいますと、おじさんは、絶対に断われないものです。自分もおじさんになりましたので、こういう心理がよくわかります。

いくら美人で、スタイルが抜群であっても、そこから、にじみでてくるものがなければ、惹かれるものを感じないものです。

このにじみでてくるものとは、「生意気で、自分勝手で、不真面目で、すぐサボり、言い訳を繰り返し、後ろ向きで、世間慣れしていて、人を小馬鹿にするような態度」とは、無縁のものです。

おじさんもおばさんと同様に、今はまだ、垢抜けなく、泥臭いけど、「素直で、純情で、真面目で、頑張り屋で、何事も前向きに取組む姿勢」が見える子を応援したくなります。これまた、ファン心理のようなものです。

今、おばさんが好きな男の子、おじさんが好きな女の子、といった異性間の話をしました。これと少し似ている反面、少し屈折していますが、おじさんが好きな若僧、おばさんが好きな小娘といった同性間の若者にも応援したくなる心理が働きます。

そのファン心理とは、「昔の自分を見ている」から応援してしまうようなものです。自分のイヤな部分も含めて、境遇や性格において、昔の自分と同じものを感じ、ハラハラドキドキしながらも、ついつい、かまってしまうような心理です。


おじさんおばさんのファン心理2~垢抜けない子~へ つづく

[ 2009/05/17 07:54 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

エコエコ生活3~一石三鳥~

京都議定書の国立京都国際会館/photo by福家金蔵
余談ですが、一石三鳥と言えば、私の大学時代からの友人で、非常に変わった独身者がいます。

彼は、今でも、非常にスリムな体型を維持しています。身長172センチで、体重は55キロしかありません。その体型がずっと維持できている理由は、彼が、土日にする不定期のアルバイトに、その秘密が隠されています。

彼は、一流ホテルのベッドメイキングのアルバイトを、最近までやっていました。20部屋もベッドメイキングをすると、汗びっしょりになり、痩せられるそうです。

彼は、ニューヨークにも留学していましたので、英語は堪能です。ホテルマンより英会話ができるので、外人の長期滞在者の要望を通訳することも多いそうです。

そのホテルにとっては、ベッドメイキングのアルバイトという枠を超えて、貴重な人材として、一目置いている存在なのかもしれません。

その彼曰く、
「フィットネスクラブに、お金を使って痩せに行くより、お金が稼げて、ダイエットできる」
「しかも、英語力の衰えを防ぐことができる」
一石三鳥と思わないか?」

この話は、エコロジーとは、少し違うのですが、一石三鳥を目指した、いい事例だと思うのです。

前々回述べた、自転車は、

・気持ちよくて
・何かと移動するのに便利で
・健康の維持、ダイエットにもなって
・環境にもよくて
・節約できる

というように、私にとっては、一石五鳥にもなりました。

私は、欲張りなので、エコロジー、エコノミーにプラスもう1点は、欲しいと考えています。

目指すは、

1.自分のためになるか、自分が楽しめて
2.環境にもよくて
3.節約できる

一石三鳥エコエコ生活です。

消去法的に考えれば、まずは、この生活にふさわしくないモノを
できるだけ買わない
トコトン使い切る
ことをやるだけでもいいと思っています。


エコエコ生活1~アウフヘーベン~に もどる

[ 2009/05/15 07:27 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

エコエコ生活2~正味価値~

ストックホルム・環境共生住宅/photo by福家金蔵
最近、自動車も小型車が増えてきました。国土もデカく、人の体もデカいヨーロッパが、小型車が多かったことを考えれば、国土も小さく、人の体も小さい日本で、今まで小型車が少なすぎたのかもしれません。

高級大型車を買っても、長期の固定資産になりません。10年近く経つと、正味価値がゼロになっていく消耗品です。高級大型マンション・一戸建住宅とは意味が違います。この消耗品にお金をかけるのは異常だと思うのです。

鉄道や車のない時代の「」の方が、実用面で20年は活躍するので、固定資産的に、よっぽど価値があったのかもしれません。

普通は、残るものに、お金をかけた方が利口です。また、絵画、骨董、宝石など、将来値が上がりそうなものに、趣味と実益を兼ねて、お金をかけた方がさらに利口です。

10年経てば、正味価値がゼロになる商品を、ローンで買われる方もいますが、考えたらバカげたことです(私も昔はこのおバカさんの一人でした)

自動車メーカーの宣伝やマーケティングに上手にのせられていたのかもしれません。

ここにきて、ようやく、車が売れなくなってきたのは、賢い消費者が増えてきた証ではないでしょうか。

ところで、私の大学時代の先輩で、太陽光発電の販売会社を経営している人がいます。最近、いい成績を上げているようです。

その先輩曰く、
「まだまだ、費用対効果で言えば、太陽光発電は得するようになっていない」
「それを承知の上で、買っていただこうとすると、“モノ”を売るのではなく、“思想や考え方”を売らないと 営業が成り立たない」
「そういう意識の高い人に営業できる能力を持つことが営業マンの必須条件」
だそうです。

しかし、この意識の高い人たちが、太陽光発電パネル設置後、晴れた日に、電力会社に「売電」できるようになると、ニコニコするそうです。そして、毎日、天気予報を気にして、ソワソワするそうです。本音は皆、「得になる」ことを求めているのかもしれません。

私も同様に、いくら、エコロジーが大事だと分かっていても、将来に渡って、得することが確認できなければ、面白くないと思っています。

・設置費用が短期間に回収できる減税や補助制度が整備されて
・夏の電気使用量が増える時に、電気代がかなり節約できて
・おまけに、地球環境に貢献できる

一石三鳥くらいになれば、すぐにでも、太陽光発電パネルを取り付けたいと思っています。


エコエコ生活3~一石三鳥~へ つづく

[ 2009/05/14 11:49 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

エコエコ生活1~アウフヘーベン~

明石大橋を背景に/photo by福家金蔵
最近、自転車によく乗ります。繁華街の大型書店に行くのも、蔵書数の多い中央図書館に行くのも、ほとんど自転車です。しかも寄り道しながら、海沿いを風に吹かれて走っています。

気持ちいいだけでなく、往復500円の節約にもなりますし、健康の維持にも最適です。

さらに、一昨年、折りたたみも買いましたので、京都や奈良に、この2年で10回近く行って、ポタリング(自転車散歩)を楽しんでいます。

京都は、車で移動すると渋滞しますし、駐車場にも困ります。バスも混み合っていますし、本数が少ないバス停もあります。タクシーはお金がかかります。

その点、自転車は、京都の碁盤の目の路地をスイスイ走ることもでき、清流の鴨川沿いに魚影を追いながらポタリングすることもできます。

京都の歴史的風情を肌で感じることができ、短時間で、多くの寺社を訪れることができるのに、お金が1円もかかりません。こんなに素晴らしいことはありません。

最近では、自転車の1年間の走行距離が約2000kmにもなっています。車の走行距離が約3000kmなので、そろそろ逆転するかもしれません。

今の車は、すでに12年乗っていますが、今度、買い替える時は、見栄を張らずに、軽のワゴン車でもいいかなと考えています。これまた節約できそうです。

自転車は、
気持ちよく
・何かと移動するのに便利
・健康の維持、ダイエットにもなって
環境にもよくて
節約できます

雨の日や、猛暑・極寒・強風の時期を除けば、本当にお得な交通手段です。エコロジーでエコノミー、まさにエコエコ生活です。

従来、エコノミー(安さ)を追及すると、大量生産大量消費大量廃棄につながり、エコロジーでなくなる場合が多いのですが、自転車は、エコロジーとエコノミーが見事に統合されています。

ドイツの哲学者ヘーゲルが提唱したアウフヘーベン止揚)の概念「新旧2つの考え方を統合して、新たな考え方に発展させていく」に合った最適の乗り物です。

アウフヘーベン的に考えれば、自転車は、新しい交通手段であると再認識する必要があるのではないでしょうか。


エコエコ生活2~正味価値~へ つづく

[ 2009/05/13 07:49 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

優秀な社員は、会社を辞めたい人2~働き甲斐~

和田三造/南風/東京国立近代美術館/POST CARD
これは自分自身も体験したことなのですが、独立して、個人商店(小企業)を自営したとします。しかし、いきなり、大きな仕事はできません。いや、大きな仕事がやってきません。

小企業で、いくら正しいことを言っても、誰も信用してくれません。必然的に、低単価の誰もがやらない、すき間を狙うしかありません。小さなことからコツコツと頑張るしかないと思います。

それが、しばらく続く(我慢する)と、ある程度のお金は貯まります。でも、先行きが不安定な分、お金を使う気になれず、人生を楽しむ気分にもなれないものです。

さらに、「もっと、世間に大きく影響を与えるような仕事をしてみたい!」という気持ちも生まれてきます。そうすると、フラストレーションが溜まってきます。

何が「働き甲斐」かと考えると、

会社の規模と信用を背景に、
・大きなやりがいのある仕事を任されて、
・多くの人を自由に使えて、
・そこそこ高収入で、
・地位や身分が安定している
ことではないでしょうか。

ところで、独立心旺盛で会社を辞めたい人は、社長に対しても、率直に意見を言います。へりくだった言い方もしません。いざとなったら、辞めてもいいですよという態度をとります。

この優秀な社員たちは、社長より客の声の方が、大事だと考えています。

実際に、仕事の関係先で、社長と大喧嘩になっている場面に、何回か遭遇しました。また、本当に辞めてしまった人もいました。

でも、この実力者(会社側から見れば、厄介者)に代わる人がなかなかいません。本当に辞めてしまった人も、その後、また社長に呼び戻されて、働いている例もありました。

会社側とすれば、代わりになる人がいない以上、その厄介者の要求をある程度、呑まないといけません。これこそ、雇用者と被雇用者が対等となった、非常にいい関係だと思います。

このような関係になれば、わざわざ、辞めて独立しなくても、先述の「働き甲斐」と同じような気分が味わえます。

これから伸びていくビジネス(客に密着したサービス産業)こそ、こんな関係がいいのだと思います。小企業には、初めから優秀な人は、なかなか来てくれません。そのためには、まず、普通の社員を採用し、「辞める気」にさせて、優秀になってもらうことが重要です。

そして、この優秀になった社員を、驕り高ぶらせず、辞めさせないように、対処することが、会社を発展させます。小企業が大きく伸びていくには、この方法しかないのではないでしょうか。


優秀な社員は、会社を辞めたい人1~独立心~に もどる

[ 2009/05/12 07:26 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

優秀な社員は、会社を辞めたい人1~独立心~

大黒天立像(鎌倉時代)/奈良国立博物館/POST CARD
優秀な社員は、「やめる気」で働いている人です。「やる気」で働く人でも、「死ぬ気」で働く人でもありません。

とくに、小企業の優秀な社員は、ほとんどが、この「辞める気」で働いている人ではないでしょうか。

人は、「独立しよう!」「独立したい!」と独立心を持った瞬間に、

今、どの技術を、習得しておかねばならないか?
将来自分についてくれる顧客を何軒獲得しなければならないか?
経営するということはどういうことなのか?
経営者は何を考えているのだろうか?

勤めている会社の技術、ノウハウ、経営手法、さらに、業界の周辺情報を必死になって吸収しようとします。

また、「もっと、いい会社に転職したい!」と、今の会社を辞めたいと思った瞬間に、

スカウトされる(自分を高く売る)ためには何が必要なのか?
今の自分に欠けているのは何なのか?

自省します。冷静に判断します。そして、自分が高く売れるスキルを、現場を通して、習得しようとします。ムダなく、必死になって働きます。

「独立心」と「会社を辞めたい」こそ、普通の社員が優秀な社員に大変身を遂げる原動力となります。

会社側としては、この独立心旺盛で会社を辞めたい人、つまり「優秀になってしまった社員」が辞めないように、経営を考えないといけません。

この人たちに、

働き甲斐のある仕事を与えないといけません。
いつ辞められてもいいように、代わりの人も養成しておかないといけません。
辞められないように、そこそこの給与も出さなければなりません。

それを、実行していこうとすれば、自ずと、会社は発展し続けなければなりません。また、利益も確実に出し続ける必要があります。

経営する側としても、必死です。この両者のせめぎ合いが、結果として、両者を成長させ、お互いにプラスを生みます。


優秀な社員は、会社を辞めたい人2~働き甲斐~へ つづく

[ 2009/05/11 12:03 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

労働時間削減手法6~観察力~

京都黄檗山萬福寺の魚板/photo by福家金蔵
8.集中一元化する


例えば、店舗では、レジが2箇所に1台ずつあるより、1箇所に2台あったほうが効率的です。1箇所がヒマな時でも、人数が1人分、そこに取られてしまうからです。

事務所でも、狭いスペースを2フロア借りるより、広いスペースを1フロア借りた方が、社員のコミュニケーション時間、事務品の共同使用等々明らかに効率的です。

また、灰皿、ゴミ箱、自動販売機などを離れたところに数箇所設置するより、客に大きな迷惑をかけない限り、集中一元化することを考えた方がいいと思います。

このように、身近なもので、分散したものがあれば、それを1箇所に集めるだけでも、労働時間削減手法としてかなり有効です。


9.チームを再編成する

ある作業を何人ですると、一番効率的なのか?いつも点検する必要があります。

例えば、仕事で関係した、ある花束加工場では、お盆、お彼岸、年末、母の日などの販売が集中する時期には、流れ作業のラインをつくって、チームで花束を製作した方が効率的でしたが、日ごろは、ラインをつくらず、一人一人が一つの花束をつくる完結型の仕事の方が効率的でした。

また、造園工事業者の方と話していると、3人体制(トラック1台で行ける体制)が効率的なようです。

同じ庭の簡易工事の仕事であっても、

A.1人×6日=6人・日
B.3人×2日=6人・日
C.6人×1日=6人・日

といった人日計算が考えられます。

一般家庭の造園工事では、Bが一番効率的なので、チーム組織人員の基本を3名にしているところが多いのです。

ところが、法人や公共の大きな工事が入った時は、この3人基本チームを再編成します。その際、チームリーダーは固定して動かさないのですが、その下の人は、流動的に動かせる体制(他チームにレンタルできる制度)をとっているところが、労働生産性が高くなっていました。

このように、業界や時期、仕事の内容如何によって、流動的にチームを再編成できる体制をとることがベターだと思います。


10.個々の責任を明確にする

最後は、何と言っても「やる気」です。人のやる気如何で労働時間削減効果が大幅に違ってきます。

この「やる気」を促すための最善の方法は、やる気の出し方7策にも書きましたが、担当者のそれぞれの責任を明確にすることが重要です。

その責任を明確にした上で、その成果が万人の目に晒される、数字や一定のルールで誰の目で見てもわかるようにします。

しかも持ち場持ち場で、各々が競い合うようになれば、労働時間削減目標にまい進するようになります。


以上、労働時間削減手法について、説明してきましたが、大事なことは、この10原則の視点で、人の動きを「観る」ことです。観察眼がすべてです。

頭がよくなる方法2~脳の鍛え方~でも触れましたが、観察眼や観察力は、関心を持つことから始まります。

見ていたはずなのに、見えていなかったものが、見えるように』なるために、【労働時間削減手法・原理原則10項目】が「観る」参考になれば幸いです。

1. 省く、止める
2. 他者に任せる
3. 空き時間をなくす
4. 速める(時間目標、期限)
5. 順序を変える
6. 設備、器具を導入、改良する
7. 誰もが見てわかるように簡単にする
8. 集中一元化する
9. チームを再編成する
10. 個々の責任を明確にする


労働時間削減手法1~労働集約産業~に もどる

[ 2009/05/10 11:04 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

労働時間削減手法5~直接時間と間接時間~

スイス・ルツェルン世界最古の時計塔/photo by福家金蔵
6.設備・器具を導入、改良する

数年前、観賞魚業界の仕事をした時の最大のテーマが、この「労働時間削減」でした。

その時、従業員と一緒になって、どうしたらムダな時間をなくすことができるか討議しました。

その話し合いの中で、一番時間がかかっており、労働時間削減効果が高かったのが、水槽掃除&水管理時間でした。

この水槽掃除&水管理作業の質を落とすと、販売面でマイナスになります。(水槽がピカピカで魚がイキイキでないと売れないし、客に信頼されない)

その時、質を落とさずに、労働時間を削減する手法として、

1.横型脚立の導入(上段水槽の掃除を一挙にすませてしまうため)
2.巾広スポンジ、巾広鉄ベラなどの時間短縮掃除道具の導入
3.四隅のすき間を擦る、曲がる素材でできた掃除用ブラシの開発
4.魚のフンをこす浅型網の開発
5.これらの「七つ道具」をすぐに取り出すための腰に巻きつける収納ベルトの開発

といったものが考え出されました。

もちろん、
「清掃中には、清掃している本人への電話取り次ぎをしない」
「ディスプレイ水槽の効果を再点検して、ムダなディスプレイの数を減らす」
「費用対効果を考えながら、コケの繁殖しやすい水槽には、除藻剤を投入」
「最適インターバルを考えた、週間水槽管理スケジュール表の作成」

といったことも労働時間削減には重要です。

しかし、この簡易な器具を導入、開発するだけでも、労働削減時間が1店舗当たり、年間トータルで、約2500時間と推測されたのです。

この器具を購入しても、ロボットや高価な機械の導入と違い、大した金額にならないこともわかりました。

このように、創意工夫によって、お金がかからない設備・器具はいっぱいあるように思います。大型100円均一ショップや大型ホームセンターを見ていると、この労働時間削減効果の高い設備・器具の宝の山のように思います。


7.誰もが見て、わかるように簡単にする

数々の小売業の仕事をしてきた感想ですが、ダメな店ほど、整理整頓ができていません。

例えば、
ストック在庫の保管場所
値をつけるラベラーの管理
POPを書くPOPペンや紙の収納場所
各種書類の収納ケース など

こういったものの収納場所がいい加減で、従業員が探しているムダな時間が相当あるように思います。

モノを売る人が、モノを売る時間を「直接時間
モノを売っていない時間を「間接時間

として、この時間を集計すると、整理整頓できていないダメな企業ほど間接時間比率が高いのです。

倉庫管理が無茶苦茶で、在庫を探すのに時間がかかる
ラベラーが見あたらないので、アルバイト君に仕事をさせられない
POPを書こうとしたらペンがないので、15分余分に時間がかかった
伝票をなくして、それを業者に問い合わせるだけで、相当時間がとられた

など、これらは、本来するべき仕事の「直接時間」ではありません。

このようなムダな間接時間を削減する手法として、「誰もが見て、わかるようにする」ことが何より大事なのです。


労働時間削減手法6~観察力~へ つづく

[ 2009/05/08 06:58 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)