とは学

「・・・とは」の哲学

講演の仕方、発表の仕方(4)~話のオチ~

鸚鵡図/伊藤若冲/草堂寺蔵/POST CARD
12.失敗談や笑わせる話を入れる

話に、起承転結をつくるにこしたことはありません。「結」の前に「転」がほしいところです。

聞き手は、話し手に対して、「人気」「憧れ」「尊敬」「立派な肩書き」を求めています。しかし、それと同時に、「自分たちと同じなんだ」という「親近感」も求めています。

ビジネスの講演や発表の場は、笑わせるのが、目的ではありません。しかし、「この人は、自分とは違う人」と思われたら、おしまいです。

ビジネスの講演や発表の目的は、聞き手が話を聴いた後で、
「よし!帰ったら早速やってみよう」
「よし!すぐに買ってみよう」
と思わせることです。

「自分たちも、やればできるんだ!」という気になってもらうためには、親近感、つまり、完璧でなく、少し抜けているような感じを抱かせることも重要です。そのためには、失敗談や笑い話も必要です。

この失敗談も余りなく、笑わせるのも下手なら、方言や訛ることをを上手に使って、それをカバーすることもできます。

私の知りあいの社長で、東北弁丸出しでしゃべる方がいます。非常に頭の切れる、鋭い方なのですが、どこかほんわかして、親しみを感じさせてくれます。冷たいイメージを払拭するには最適です。

13.最後にオチを用意する

いよいよ起承転結の「」です。話芸で言えば、「オチ」です。先ほども述べましたが、ビジネスの講演や発表では、「やってみよう!」「買ってみよう!」と思わせなければなりません。つまり、やる気を起こさせることです。

同じ話芸?でも、漫才や落語とは違います。これら芸能の世界は、落ち込んでいる人を癒したり、その場を楽しませることです。

しかし、ビジネスの世界の話し手が、「おもしろくて、楽しめたけれど、何も残らなかった」では失格です。

したがって、「やってみよう!」「買ってみよう!」と思わせる手法として、最後にまとめることが極めて重要です。

例えば、
「本日言いたかった大事なことは、この5点です」(3、5、10になるべく集約する)と黒板(ホワイトボード)に書きます。

「これだけは、是非やってみてほしいのです」
という形で、話を締めくくります。これが、ビジネスの世界での「オチ」になります。

以上、「講演の仕方、発表の仕方」を、13項目に、まとめましたが、重要なのは話のテクニックではなく、内容です。司会をするのではありません。「言語明瞭意味不明」では困ります。

自分が体験したこと、自分が見聞きしたこと(その気になれば、町を歩くだけでも、いろんな発見があります)を泥臭くても、自分の言葉で話すことが大事です。

一見、不器用で話下手に見えても、自分が体験したこと、見聞きしたことを自分の言葉で必死にしゃべっていると、聞き手は、その話に次第に引き込まれてしまうものです。

自分の体験談、見聞録が基本で、話すテクニックは応用
自分の体験談、見聞録が目的で、話すテクニックは手段
自分の体験談、見聞録がガソリンで、話すテクニックはオイル

ということでしょうか。そこを間違うと本末転倒になってしまうと思います。


講演の仕方、発表の仕方(1)~レジュメの書き方~に もどる

[ 2009/04/30 07:28 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

講演の仕方、発表の仕方(3)~間の取り方~

ホワイトボード/photo by福家金蔵
9.初めで引っ張り、時間が足りない状態に

仮に、用意したレジュメが4枚あり、2時間話すとして、単純計算したら、1時間で2枚になります。ところが、実際は、初めの1時間が1枚で、後の1時間で3枚というようにします。

初めは、テキストどおりに話さなくてもよいと思います。出来るだけ、受けた事例で引っ張り、大いに話の「道草」をします。

なぜ、こんなことをするのか?というと、心の余裕を生ませるためです。話し手にとって、一番怖いのは、予定していた時間より、話が早く終わってしまいそうになることです。早く、終わりそうだと感じたら、あせりが生じてきます。

このあせりが、客に見透かされているのではないかと自意識過剰になり、ますます心の余裕がなくなっていきます。こうなると、話がしどろもどろになってしまうのです。これだけは、絶対に避けなければいけません。

したがって、初めで出来る限り、引っ張り、後を、話し切れない状態にするのが話し方のテクニックです。特に、場数を踏んでおられない方には、この方法がおすすめです。

10.「間」の操り方

お笑いの世界を見ていても、長く生き残っているタレントは、「発想力」「つっこみの速さ」「間の取り方」「場の空気の読み方」「話の展開力」に長けています。最初の2つは、持って生まれた才能だと思います。

後の3つは、聞き手の目、顔色、表情を見る、心の余裕があれば、何とかなります。

講演や発表の場合でも、図々しい人の方が、間の取り方が上手です。聞き手と無言の「会話のキャッチボール」つまり、阿吽の呼吸が自然と成立します。

それに比べて、気弱であがり症の人は、間の取り方が下手です。しかし、間を取ることが下手でも、間を操ることは可能です。私の場合、黒板(今はホワイトボード)で間をつくっています。

黒板は、私にとって、心の余裕を取り戻すための存在です。何を話しているのかわからなくなった時(話の流れや論理が狂った時)、黒板の前に立ち(聞き手にお尻を向け)、聞き手に悟られないように、頭の中を整理し直し、再出発します。

また、時間調整にも、黒板を大いに活用します。早く話が終わってしまいそうな時は、黒板に字を書き、「間」をつくって、時間稼ぎをします。

今は、パワーポイントなどを使う方が多いようですが、私は講演する時、必ずホワイトボードを用意してもらっています。

実際、使うことは余りないのですが、ホワイトボードが後ろにあると安心します。私にとって、“お守り”みたいな存在です。

間をとる“お守り”が何になるか個人によって違うと思いますが、お守りの作り方によって、間を上手に操ることができるのではないでしょうか。

11.誰か一人を見つめて話す

話していて、聞き手の反応がない時ほど、つらいものはありません。間の取りようもありません。そうなると、いいことを話していても、どんどん自信がなくなってきて、悪循環に陥っていきます。「講師殺すにゃ刃物は要らぬ、皆があくびをすればいい」状態になってしまうのです。

ところで、万人受けする話は、なかなかしにくいものです。業界の中での講演であっても、メーカー生産者、卸、小売、サービス部門、経営者、店長、営業マン、中堅幹部、若手社員とそれぞれ聞く立場が違います。自分に関係する話でないと、真剣に聞いてもらえないものです。

しかし、対象者を絞り込んだ講演や発表会は、人数が集まらず、活気に欠けますし、費用対効果も合わないものです。

したがって、全員が喜ぶ話をしたいが、それはできないものと悟るしかありません。

この矛盾を解決するために、私がとっているのは、「肯いている人」「目を向けてくる人」を探して、その一人を見つめて、しゃべりかけるように話をする方法です。

もし、「肯いている人」や「目を向けてくる人」が誰もいないよう(反応が悪そう)なら、その話題を飛ばし、次の話に換えていきます。これが、業界という枠の中で講演発表するテクニックかもしれません。


講演の仕方、発表の仕方(4)~話のオチ~へ つづく

[ 2009/04/28 08:37 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

講演の仕方、発表の仕方(2)~話の仕方~

デンマーク・ファルムで市長の講演受講/photo by福家金蔵
4.事例の話し方(順序を変える)

話の仕方の基本的なことですが、結論を先に言います。
「昨日、○○で、△△たちと、××していたら、面白かった」と話すより、
「昨日、面白いことがあったのです。それは、・・・・・・・・・・」と話した方が、聞き手の目を、こちらに向けさせることができます。

5.事例の話し方(情景を思い浮かばせる)

小説家は、書き出しに、必ず季節を感じる言葉、色や音をイメージする言葉を使います。これと同じ手法です。要するに、五感を総動員して、説明するのです。

(色、明るさ、大きさ、動き)
(音、声、音楽)
(におい、香り)
(味、甘苦酸辛)
(温度、柔かさ、感触)

出来るだけ、五感の記憶を頼りに話をすると、聞き手に現場の光景が目に浮かび、臨場感が伝わります。

6.事例の話し方(遠近法)

例えば、
「とってもパンジーを売る店があるんです。その店とは・・・・・・・・・」
と話したとします。

この「・・・・・・・・・・」の部分に遠近法を使います。

この例なら、
「人口万人もいない小さな市で、郊外の山際に立地し、強い風がよく吹く、150坪ばかりのお店です」
「少し肌寒くなった11月上旬になると、道路際の入り口付近には、地元で話題になるほど、パンジーを500ケース、ギッシリ並べます」
「もちろん、品質も特上で、花びらがキラキラ輝いています。色揃えも豊富です。黄色が絶えず、40%以上あります。オレンジ、黒、ピンクの色も揃っています・・・・・」
という話し方をすると、聞き手が引き込まれていくと思います。

カメラをズームしていくように、実際に見た光景を遠くから近くに迫りながらしゃべります。これはテクニックではなく、自分の頭に、その情景が思い浮かぶと、誰でもそういう話の仕方ができるようになります。

7.事例の話し方(数字を入れる)

先ほどのパンジーの例でも、5万人、150坪、11月上旬、500ケース、40%というような数字で、大きさや割合の表現をしました。

聞き手によっては、50ケースでも多いと感じる人や、500ケースでも少ないと感じる人もいます。

多い少ないの基準が人それぞれ違います。聞き手のイメージを膨らませるためにも、話の中に数字を入れておくことが大事です。

もう一つ、数字を入れた話の仕方としては、「分類や枠としての数」が大事です。

例えば、
「この中で重要な点がつあります」
と話すと、不思議なくらい、聞き手のほとんどが、メモを取り出します。

人間の頭の中は、コンピュータのファイルと同じで、同じファイルにいろいろな情報を詰め込み保存しても、情報の中身を忘れてしまうことが多いのです。

ファイルを幾つかに分けて、各ファイルに名前をつけて保存しておくと、情報を取り出しやすくなります。したがって、聞き手は、数字に敏感に反応するのだと思います。

8.つかみは最近の話題から

話の初めは、聞き手の全員が知っていそうな、最近の話題から入ることがベストだと思います。社会現象になっているようなことがあれば、これを上手に使っていきます。出来たら、次の本題に結びつけやすい話題がいいと思います。

この話題になるものを、朝刊や朝のテレビを見て、前もって、探しておきます。出来れば、おもしろい話題、明るい話題がいいと思います。

「つかみ」は緊張をほぐすのと同時に、「探りを入れる」ことが目的です。少しおもしろいことを言って、それが受けるのか?客の反応を見て、本題の話の展開をどう持っていくか考えます。


講演の仕方、発表の仕方(3)~間の取り方~へ つづく

[ 2009/04/27 07:36 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

講演の仕方、発表の仕方(1)~レジュメの書き方~

セミナーで講演する私
数年前まで、夏に2泊3日で、1人で15時間しゃべりまくるという過酷なセミナーを10年連続で行っていました。

学生時代、人前に出ると、あがってしまい、10分もしゃべれなかったことを考えたら、自分でも不思議なくらいです。

その夏のセミナーで、ある人から、
「こんなに話せるのは、何かノウハウみたいなものがあるのですか?」
と聞かれたことがあります。

その時、自分は何を心がけて、話しているのだろうかと、改めて考え直し、体系的にまとめました。

今回、このまとめたメモを再び書き改め、講演の仕方発表の仕方として、13項目にまとめてみました。

我流ですが、20年近く人前で話してきた中で、体得してきたものです。講演や発表等で話す機会のある方は、何かの参考にしていただければ幸いです。

1.レジュメは箇条書きでつくる

その夏のセミナーは、「すぐに役に立つ成功事例100」と題して、経営編20、商法編10、商品A編30、商品B編15、売場編10、販促編5、人材編10のテーマで構成しました。

このように、箇条書きにまとめていると、話し手としては、時間の調整がしやすく、時間通りにピッタリ終わることができます。聞き手も、わかりやすく、記憶に残りやすいと思います。

2.レジュメの箇条書きはキーワードのみでシンプルに

若い頃は、不安で、レジュメをいっぱい書きすぎる傾向がありました。分厚い資料を用意すると、うまくしゃべれそうに思いますが、実際はそうはなりません。

話し手は資料を棒読みするだけ、聞き手も下を向いて資料を読むだけになり、場が沈みきった状態になります。

講演や発表の場は、聞き手の頭の中に想像を膨らませることが大事です。講演や発表は、「テレビの感覚」より「ラジオの感覚」の方が受けます。聞き手の頭の中に想像を膨らませることが重要です。

また、聞き手の目を見て話さないと、感動を伝えることができません。そして、聞き手との微妙な「間」もつかめず、独り善がりの講演や発表になってしまい、場がシラけてしまう恐れがあります。

自分用のレジュメ(配布するレジュメに比べ、改行スペースを広げたものを用意)には、「箇条書きキーワード」別に、「事例」を手書きでできるだけ多く書き込んでおきます。

そして、聞き手の目を見て、この事例は、受けているなと実感したら、その話をできるだけ、引き伸ばします。受けていないなと判断したら、すぐに次の話に換えます。

3.キーワードを事例で説明していく

自分で体験したこと、自分が現場を見聞きしたことだけしゃべるようにします。これが「事例」です。

人の話やテレビ・雑誌の話をそのまま真似して、しゃべる人も多いようですが、その話からは、現場の空気が伝わってきません。したがって、講演、発表で大事な、聞き手の心を揺さぶることができないと思います。

しゃべり方が少々下手でも、自分で体験したことと、自分が現場を見聞きしたことを自分の言葉で、身振り手振りや仕草を交えて話すと、伝えたいことが聞き手に必ず伝わります。


講演の仕方、発表の仕方(2)~話の仕方~へ つづく

[ 2009/04/26 08:37 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

小規模店のユニークイベント・フェア・処分法(3)

釜山チャガルチ市場/photo by福家金蔵
16.その場でオークション

処分したい商品の横に、名前と落札希望価格欄付のボードを貼り、落札希望客に記入してもらって、2週間限定のオークションをする。趣味嗜好の強い商品は面白い。

17.台車新鮮均一セール

週に1~2回、市場から荷が入ったら、すぐに台車に詰め換えて、店頭近くで、均一価格販売。新鮮さとお得感で客がたかり、盛り上がる。

18.買い物カゴ詰め放題

1カゴ500円、お1人様1カゴ限りといった企画で処分品を売り切る。

19.2個1000円、3個1000円、5個1000円

1000円といった価格の単位は変えずに、売れ残りそうなら、徐々に個数を増やしながら、最終的にすべて処分する。大量処分したい時に使う。

20.1品1割引、2品2割引、3品3割引券

高単価商品をオフシーズンに処分する時に、その前にこの券を来店者に渡して、事前予告する。決算前などによく使う。

21.だんだんセール

年末などに、28日2割引、29日3割引、30日4割引、31日半額のようにして一掃処分する。狙っている商品が売れているかどうか確認のため複数回来店する客も多い。

22.売れ筋ベストテン割引週間

各部門の売上ベストテン商品に順位付けのPOPを貼り、その商品を全品1割引、2割引というようにする。

23.毎日、先着100名様ミステリー特価

当日朝発表で、1品を強烈な価格で販売する。朝一番からにぎわいがあると気持ちがいい。しかも、たとえ儲からなくても朝から売上があると気が楽になる。

24.グラム売り処分

横にハカリを置き、個数でなくグラムで処分する。客もこれ何グラムなのかと想像するので、楽しく処分できる。

25.ちびっこバスケット

ロスになりそうな商品を集め、子供に限り、1箱100円で詰め放題といった企画をする。郊外店なら必ず親も来店するので集客効果がある。


以上、過去にやってきて、一定の成果を上げたものばかりです。しかも、お金がかからないものだけを選びました。自分の体質、業界、規模に合いそうなものを参考にして、実施されれば面白いと思います。



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[ 2009/04/24 07:27 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

小規模店のユニークイベント・フェア・処分法(2)

イベント輪投げ
6.ユニークくじ引き

ダーツ、ピンポン玉、輪投げ、じゃんけん、ひもくじなど。当たりが出たら店内に大きな声や鐘を響かせ活気づける。セールの時だけでなく、日常の処分法として使うと効果的。

7.売りたい1品コンテスト

従業員の1人が、売りたい商品を1品に絞り、1週間1等地でセルフ販売する。陳列技術、声POP(エンドレスカセットテープに吹き込み)などチャレンジする。これは、客のためというより、どうしたら商品が売れるかを従業員に体得させる教育に抜群の効果あり。

8.自宅でアンケート

アンケート・意見用紙に記入して、来店いただいた方に豪華プレゼント。客は自宅でならアンケート・意見に厳しいことも書くので、非常に参考になる。また、持参してもらうので、次の来店にもつながり、一石二鳥。

9.メール・FAXで限定予約注文

いいものをつくっている、小さな優良メーカー・生産者の旬の商品や限定商品を、メールFAX会員の優良顧客に早期予約注文してもらうしくみ。安く売ってもロスがないので、店も儲かる。

10.客層限定プレゼント

年金手帳持参の方、12歳以下の子供連れの方、3人以上の美人の女性連れの方など、年金支給日や季節行事日などに掛けて来店を促進する。

11.夏の夜市

7月下旬~8月中旬の毎土曜日夕方に、タイムバーゲンとお子様プレゼントを組み合わせる。金魚すくい、スーパーボールすくいゲームなど水ものの屋台もあると盛り上がる。

12.週末夕方コンサート

店の2階や奥などに50席以上座る場所があるなら、町でプロはだしのギター、フルート、オカリナ奏者などに来てもらって演奏会を開く。これに参加してくれる客は、50才以上の方が多く、お金に余裕のある人が多い。

13.配達無料セール

重い、かさ張る商品を値段にかかわらず、オフシーズン(店が忙しくない時)に1品でも無料配達する。お年寄りに喜ばれる。

14.講習会セット

手作り講習会などに参加できなかった方に、同じ素材を、作り方解説図付でセット販売する。

15.似た者同志、共通カード・割引券

客層と感性がよく似ている店同志(例えば、花屋、洋菓子屋、パン屋、美容院)で共通カード・割引券を使い、お互いの客を融通し合って集客につなげる。


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[ 2009/04/23 07:11 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)