とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

生真面目と不真面目1~アリとキリギリス~

(フォト蔵)キリギリス/photo by yamanao999さん

仕事で成功する秘訣は、生真面目な人が不真面目な業界に入り、真面目に働くことだと思います。

しかし、ほとんどの場合、生真面目な人ほど、生真面目な業界に入ります。そして、真面目に働いているにもかかわらず、収入面や待遇面で、報われていないというのが実情ではないでしょうか。

このような、真面目の罠に陥ってしまう「真面目病」を患っている人が案外多いように思います。

本当は、不真面目ならぬ非真面目な人が、生真面目な業界に参入し、一攫千金を狙って、高付加価値商品を開発・販売し、大騒動になるぐらいで、ちょうどいいと思います。

業界のマーケットを創りだす人は、大体、非真面目な人たちです。創業オーナーの方々は、個性あふれる(あくは強いが、前向きな、変わり者)人たちが多いのが常です。真面目にコツコツというよりか、勘で勝負するタイプの人たちです。

ところが、時が経つと、非真面目な人が創った業界に、生真面目な人たち(アリとキリギリスのイソップ寓話で言えば、アリタイプ)が勤め始めてきます。

さらに、その生真面目な業界に生真面目な会社が数多く参入してきて、非真面目な人たち(キリギリスタイプ)が築いたマーケットを食い荒らすようになります。

その結果、競争も激しくなり、業界も成熟してしまい、皆、真面目に働いているのに、儲からなくなってしまうのです。いつしか、生真面目どころか糞真面目に働いても、業界の誰もが、しあわせにならなくなってしまうのです。

こうなるのが、世の常と言えば、そうなのですが、バブル崩壊以降、デフレになったのは、生真面目になってしまった業界に、生真面目な人たちが多く参入してきて、糞真面目になってしまったからだと思います。

このような例から考えますと、理性的な教育を受けた生真面目な優等生は、今、不真面目と思える業界で、働くべきだと思います。それが、雇う側、雇われる側、双方ともしあわせになれる構図です。

それでは、不真面目な業界とは、いったいどんな業界なのでしょうか?

・その1
業界への参入を規制、制限している業界です。例えば、許認可が多く、政治家や役所に絡んで、参入阻止戦略を駆使している業界、金融業界、医療業界、製薬業界、建設業界、放送業界、電力・ガス業界などです。

・その2
心理的に新規参入しづらい業界です。賭博を商品化したパチンコなどのギャンブル業界、性を商品化した風俗業界、死を商品化した葬儀、霊園などの業界もそうです。

・その3
まだまだ成長期で、ボロ儲けできている業界です。例えば、テレビコマーシャルがよく流れている業界、ゲーム機器・ソフト、健康食品通販、化粧品通販、各種中古買取センター、などの業界もそうです。

不真面目な業界と書きましたが、「職業に貴賎なし」です。法律的な罪を犯さない限り、問題はないと思います。


生真面目と不真面目2~働かないアリの駆除~へ つづく


[ 2009/01/31 16:49 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

大相撲に学ぶ2~人を動かす方法~

日本の企業で、従業員がよく頑張る優秀な会社は、この大相撲のしくみや制度と同じ様なことをやっています。特に、給与以外で、従業員を喜ばして、人を動かす方法を有効に活用しています。

例えば、どんなことをやっているのでしょうか?今まで、自分が関わった企業がやっていることや、その企業の関係先から聞いた話をここに書き出しますと、以下の表のようになります。

 (しくみ・制度例)(具体的説明)
011等地の駐車場所に車が置ける権利オフィスに近く雨に濡れない駐車場所を優秀者に提供
02上等の椅子に座れる権利月間優秀者だけが使える名誉の椅子
03帽子、ジャンパー、腕章対外的にも、目に見える形で、地位を証明
04名札・バッジ 色や大きさを変えて、組織内での格の違いを示す
05机の上に人形トロフィーの替わり、誰の目にも見えて、おもしろいもの
06マイスターや師匠の社内称号肩書きや地位だけでなく、長年頑張った人を評価する名称
07週に1回の昼食パーティー寿司やピザをチーム全員で食しながら、目標の確認
08地元新聞に記事掲載 成績優秀者を対外的に発表する記事広告
09その場で手渡す署名入りカードいいことを行った人をすぐに評価するしくみ
10社員食堂で1品サービスみかん、豚汁、冷奴、デザートなどがんばったチームへの賞品
11社員の家庭にプレゼント奥さんや子供に喜ばれるもの
12成績トップ社員の家庭に社長が直接電話労をねぎらい、家庭での地位を上げてあげる
131日休暇提供給与でなく、休日を成績優秀者に与える
1410年勤続評価永年の貢献者に記念品、金一封、長期休暇の付与
15製作に携わった社員の名を製品に記名恥ずかしい仕事をしたくない気持ち

等々・・・皆さんの勤務先でも、同様のことがあると思います。あくまで、ゲーム感覚で仕事ができるように楽しくやることがコツと思われます。

江戸時代より、技術は大きく進歩してきましたが、日本人の心は大きく変化しているようには思えません。そう考えると、日本の国技である相撲が長年培ってきた「人をやる気にさせ方法」「人を動かす方法」を見習う余地がまだまだありそうに思えます。大相撲を旧い体質とバカにしてはいけないのではないでしょうか?

自分の勤めている会社の方が、もっと旧い体質に染まってしまっているのかもしれません。


大相撲に学ぶ1~人をやる気にさせる方法~に もどる


[ 2009/01/30 16:30 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

大相撲に学ぶ1~人をやる気にさせる方法~

(フォト蔵)sumo1-2 photo by まちへいさん
相撲協会の体質が旧いと言われて、何かと批判されていますが、私は、以前から、日本相撲協会の制度やしくみに興味を持っていました。

その制度やしくみの中には、人をやる気にさせる方法人を動かす方法のヒントがいっぱい詰まっています。相撲文化が何百年と、試行錯誤して、つくりあげた、日本人をやる気にさせる集大成が、そこにあります。日本的経営システムを知る上で、非常に参考になります。

さらに、お金で人(力士)をやる気にさせる方法だけでなく、お金以外で人(力士)をやる気にさせる方法は何か?を知る上で、大相撲は日本的経営の教科書になると思います。

具体的に、力士をやる気にさせるために、どういう制度やしくみがあるのでしょうか?

<優秀者賞賛>  
優勝力士表彰トロフィー、賞状、副賞などを総理大臣等、日本社会のトップから表彰
優勝力士額国技館に永久に写真が飾られるという名誉
優勝パレード・祝賀会後援会や地元住民の前での祝賀、マスコミも取材
殊勲・技能・敢闘賞優勝者だけでなく、頑張った力士を勝星以外でも評価
十両・幕下等優勝表彰レベルに分け、低いレベルでも身近な目標設定と表彰
  
<見える目標> 
番付と地位短期的な勝敗だけでなく、位という目標を与える。役職や肩書きと同じ
化粧まわし・まわし色・羽織袴位の違いを衣装という目に見えるもので差を表現
個室、送迎車、付き人番付が上がるとラクできるサービスの付与
親方制度、部屋承継活躍すれば、将来の地位と生活を保障する権利
  
<短期の目標>  
懸賞金負け越していても、今日絶対に勝とうと思わせる
中日給金見直し前半だけでも頑張れば、給与が上がる
金星弱者が強者に物怖じせず、今を戦う目標
  
<数値目標> 
通算勝星・幕内在位数長年頑張っている力士の目標
年間勝星今年、1年間頑張り続ける目標
対戦成績特定力士に負け続けないように、努力する目標
  
<その他> 
公傷制度一生懸命戦った結果の負傷に対する相互扶助
横綱土俵入・これより三役地位の高い力士だけが行なえる儀式・振る舞い



など、大相撲には、力士をやる気にさせるものやしくみや制度があります。

さらに、細かなことを言えば、各部屋毎に、「稽古の順番」「ちゃんこを食べる順番」「座る場所」に至るまで、いろいろなものがあると思います。


大相撲に学ぶ2~人を動かす方法~へ つづく

[ 2009/01/30 09:49 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

チラシの効果・集客チラシと行動チラシ

パウル・クレー/11のグループ/スイス・ベルン美術館/POST CARD
チラシで、絶対に当たる企画は、オープンとバーゲンです。したがって、年1回、創業祭決算売りつくしを行い、春夏秋冬、季節ごとに、春のオープン、春のバーゲンというように、年4回、オープンとバーゲンを繰り返します。そうすると、1年に計10回の、当たるチラシ企画が完成します。

昔は、さらに、そういう企画以外でも、チラシがよく当りました。というのは、新製品が多かったからです。チラシ=広告です。広告は新製品を普及させていくのに必要です。テレビCMのほとんどは、新製品です。

したがって、新製品が開発され、普及していく段階(普及率曲線が0%から100%へ)の商品が多い時、小売のチラシはよく当りました。今や何でも普及してしまい、モノに対する夢もなくなり、商品力で集客するのが難しくなってしまっています。

唯一、今でも、その時にしかないものには、人が集まります。季節商品、旬の商品、限定個数商品といった類のものです。

しかし、このような、季節、旬、限定商品が少ない業界では、チラシの効果が少ないと嘆かれ、チラシを打つのをやめていかれます。

でも、やめてはいけないと思うのです。
・紙のサイズを小さくしても、
・紙の質を落としても、
・1色刷りにしても、
・まく地域を絞り、枚数を減らしても、
・まく回数は減らさずに、
続けていくべきだと思います。

その理由は、チラシを打つということが、「売場を変えるぞ!」と、対外的に宣言することになるからです。

人間は対外的に発表すると、止むを得ずの状況に追い込まれ、行動しようとします。さらに、期限が決まっていたら行動せざるを得なくなってしまいます。この行動を促すためにもチラシのような媒体が必要です。

客は変化を求めています。その変化を売場に反映しようとすると、
・残っている商品を売り切り、
・新たに商品を仕入れ、
・新しい売場をつくる
という大変な作業をしなければなりません。その作業を実行に促すための手段として、チラシが欠かせません。

したがって、このような目的の「行動チラシ」は基本的に当たりません。「集客チラシ」としての効果は薄いです。というのは、売れている商品をチラシに載せるのではなく、売れる前の導入直後の商品をチラシに載せるからです。

それでは、余りにも当たらず、困るので、集客用特売商品コーナーも設け、帳尻を合わせますが、チラシの目的はあくまで、「集客チラシ」というより、従業員が一致団結して、行動を起こすための、「行動チラシ」と考えます。

しかし、この方法を使うことによる、会社全体に及ぼす効果は、計り知れないものがあります。実際にチラシとは、こういうものだと悟り、この手法を実行し、大きな効果を上げている会社が存在します。

このチラシ手法は、考えてみれば、私たちの日常生活にも役立ちます。人も、
自ら目標を宣言し、
過去を清算し、
新たな実行期限を決め
行動することが必要だと思います。

例えば、家で、パーティー(宴会)を開くと決め、その日に向けて大掃除をし、家具やインテリアの模様替えをして、参加者を迎えたとします。もし、パーティー(宴会)を開くと決めていなければ、家は永久にキレイにならなかったはずです。

このように、課した目標に対して「チラシ」を打つことが、自らの成長に繋がるはずです。誰にも「チラシ」が必要なのかもしれません。ちなみに、私の「チラシ」は、最近は、このブログだと考えているのですが・・・


[ 2009/01/29 11:46 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

すぐ売れる家、すぐ売れるビル(2)

すぐ売れる家に個性は禁物です。世の中の大多数の人が望む家の形が、売れやすいはずです。また、望む家の形に簡単に変えることができることも条件のはずです。

理想を言えば、3500万円で買って、10年後に2500万円以上で売れるような家です。これだと、月当たり8万円近くですみます(ローンは別ですが)。10年毎に、引越しを繰り返して、最新設備が施されている家に住み替わることができたら最高です。

現実は、そう上手くいくとは思えませんが、そうなることを頭に描いているのといないのとでは、将来大きな差になるのではないでしょうか。

精神衛生上、家に「個性」も必要だと思います。その場合、住宅の間取りや設備や外観といったハード面でなく、家具・インテリア・雑貨などのソフト面で個性を表現して、自分の思いどおりにするのがいいかもしれません。

ところで、話は変わるのですが、以前、勤めていた会社で、労働組合の業務に関わっていたことがありました。ちょうど、東京に自社ビルが建築されることになったころでした。

労働組合として、設計段階で、社員の希望を聞きながら、ビルの間取り、設備に注文を出そうということになりました。その時、組合員にアンケートをとると、

大会議室でも、何グループかが仕事ができるように、仕切れる設備がほしい
仕事が徹夜になることが多いので、簡易睡眠できる部屋がほしい
皆がよく使うコピー機の場所を考えてほしい

等々、いろいろな要望が出てきました。
そして、これらの要望アンケートを携えて、経営陣と交渉することになりました。

その時、ビルのおおよその設計図面ができており、その外観イメージ図や各階の図面をじっくり見ました。その図面が、余りにも、無機質で、殺風景で、面白味がないように思いましたので、社長に「このビルのコンセプトは何ですか?」と生意気ながら質問をしました。

すると、すぐ返ってきた答えが、「すぐ売れるビル!」だったのです。お見事でした。さすがです。叩き上げの商売人の考え方です。

この世の中、一寸先は闇です。特に、経営者は、立場上、最悪の事態を考えておかないといけません。したがって、経営者とはかくあるべきと妙に感心してしまい、その後まともな交渉ができなかったことを記憶しています。労働組合の代表メンバーとしては、失格だったと思います。

自社ビルに、社長の夢やロマンといったものが入ってくるのが普通です。それを排除する姿勢は立派でした。家とビルは少々違うかもしれませんが、この世の中、一寸先は闇ということには、法人も個人も違いはありません。

闇になっても、最小限に食い止めるためには、家は売れやすくするよう、個性的にしない方がいいと思います。

そのためには、有名な建築士の先生に頼まない方がいいように思います。外観が周辺環境になじむ普通のデザインで、丈夫な家であれば、それで十分ではないでしょうか。

時代に適応できない立派なおしゃれな家より、時代に適応できる軽やかな「すぐ売れる家」に移り住み続ける方が、一生という長期スパンで考えた場合、何回も快適に暮らせるはずです。そういう意味では、すぐ売れる家に住む人=お金の貯め方・使い方が上手な人と言えるかもしれません。


すぐ売れる家、すぐ売れるビル(1)に もどる

[ 2009/01/28 16:45 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

すぐ売れる家、すぐ売れるビル(1)

釜山・海雲台(ヘウンデ)高層マンション/photo by福家金蔵
私の家は、17年前に建てた注文住宅です。建築士の方に注文をいっぱい、つけさせていただき、できた家です。しかし、「注文の多い家」にもかかわらず、今では、全く使い勝手が悪い家になっています。

建築士が悪いのか?私が悪いのか?

どちらかと言うと、私の方が悪いのだと思います。私の将来予測が当たらなかったからです。しかし、技術の進歩、時代やライフスタイルの変化、家族の未来を予測するのは難しいものです。

その当時は、ウォシュレットのトイレ、追焚き機能付きの風呂、広いフローリングのリビング、収納しやすいクローゼットがあるだけで満足でした。

しかし、今では、

階段下の収納スペースがもっとあればよかった
エアコン4台分の室外機設置場所を確保しておけばよかった
ベランダに電源や水道を設置しておけばよかった

雨に当たらない自転車スペースが3台分あればよかった
防犯対策を施した窓にしておけばよかった
老後のことを考えたら、バリアフリーにしておけばよかった

浴室乾燥の設備がほしかった
台所に自動食器洗い機の置けるスペースがあればよかった
台所近くにパソコン机の置ける場所があればよかった

等々、不満だらけです。

将来的にも、

「太陽光発電・燃料電池」「オール電化」「お掃除ロボット」
「耐震設備」「防犯設備」「介護対策設備」「電動車イス・四輪車」
「マッサージチェア」「床暖房」「ペットの設備スペース」

等々、技術の進歩や家族の高齢化で、不満が蓄積されていくと思います。

こういう変化が度々起こるのなら、小さな家で、増改築を繰り返すより、新しい家への引越しを繰り返した方が、経済的にも得策のように思います。

そのためには、「自分の好みの家」をつくるより「すぐ売れる家」に住んだ方がいいのかもしれません。

それでは、「すぐ売れる家」とは、一体どんな家なのでしょうか?

多分、それは、標準的な面積、標準的な間取り、標準的な設備、標準的な価格の、個性が少ない分譲マンションや住宅メーカーの家だと思います。


すぐ売れる家、すぐ売れるビル(2)へ つづく

[ 2009/01/28 07:56 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

マッチポンプ商法2~仲間はずれ、劣等感心理~

第1の「仲間はずれにされる不安感」消費としては、

・携帯電話通話料、
・冠婚葬祭費、贈り物ギフト代、
・サークルの月謝、
・帰りに一杯の居酒屋飲食代
などがあげられると思います。
一般家庭でも、月に5万円は超えているのかもしれません。

先日も、私の母(76才)から、老人仲間でも、メールのやりとりが常識的になってきたことを聞きました。メール派が多数になると、仲間はずれにされるのを恐れ、皆が追随し始めてきたようです。このように、幾つになっても、仲間はずれに対する不安は付いて回るものだと納得した次第です。

日本は、この仲間はずれ(ムラ社会で言うところの村八分)にされることを極端に嫌う社会だと思います。この消費は、「皆と同じになるために」お金を使っているようなものです。

第2の「劣等感心理の不安感」消費としては、

<女性の場合>
・衣服、履物、服飾雑貨、宝石アクセサリー、
・化粧品、理美容、エステ、ダイエット、矯正下着など

<男性の場合>
・車、時計、スーツ、住んでいる家など

が代表としてあげられると思います。

これらは、どちらかと言えば、贅沢品と言われているものです。この消費は、見栄を張る気持ち、自慢したいという気持ちも根底にあります。つまり、自分に対する自信のなさ、劣等感心理の裏返しです。

見栄は、

1.異性に対する見栄
2.同性グループに対する見栄
3.ご近所に対する見栄
4.組織の中(会社など)での見栄
5.故郷、同窓に対する見栄

といった分け方ができると思います。

1の異性に対する見栄を除けば、すべてが、知り合いの集団組織内での見栄です。「仲間はずれの不安感」消費は、集団内で、「同じになるため」のお金の使い方ですが、この「劣等感心理の不安感」消費は、集団内で、「差をつけるため」のお金の使い方です。

自信があって、人の目を気にしないのなら、お金を使わなくてもいいのですが、いい格好してみたいと思う気持ちがあると、それらの商品を消費してしまいます。

持ち運べたり、人の目に晒される商品や人通りの多いところから見えてしまうものなどは、この見栄を刺激することで、マッチポンプ商法として使われます。

第3の「将来への漠然とした不安感」消費としては、

・各種保険(自動車、火災、地震、三大疾病、介護、学資など)、
・健康食品、リストラされないための資格取得費、
・占い・相談費用、防犯グッズ、ウイルス対策ソフト、
といったものがあげられると思います。

今あるものがなくなってしまう、崩壊していくのではないかという恐怖。つまり、将来を考えれば、恐ろしく思えてしまうような不安感です。これまた、保険の積み立ても含めると、一般家庭で月に5万円近く、お金を使っているのではないかと思われます。

以上、金儲けの方法として、不安感についての話をしましたが、逆に考える(消費者の立場で考える)なら、肝っ玉が小さいと不安になって、お金を使ってしまい、お金が貯まらなくなるということかもしれません。


マッチポンプ商法1~不安感解消~に もどる

[ 2009/01/27 15:39 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

マッチポンプ商法1~不安感解消~

コペンハーゲン市街/photo by福家金蔵
昨日、久しぶりに、家計調査年報(総務省統計局)速報をじっくりチェックしていました。この家計調査データは、平成20年11月の勤労者世帯(世帯人数3.45人、世帯主47.0才)平均値の統計を現したものです。

大きくは、
実収入 439,394円
実支出 382,876円
実消費 310,146円
というようなデータが出ていましたが、さらに、その内訳を見ていました。

すると、 
交際費21,006円
通信費14,148円
教養娯楽月謝 4,053円
貯蓄型保険料25,796円
こづかい17,718円
自動車関係費25,005円

などの面白そうな項目が目に付きました。

消費項目の中で、最大と思われた食費は、外食費を含めても、わずか70,564円しかありません。実消費に対する比率は23%を割っています。つまり、エンゲル係数(実消費の中の食費の割合)が23%以下ということです。

バブル崩壊後15年以上経ち、閉塞感だ、リストラだ、経済危機だと騒がれている間でも、エンゲル係数が少しずつ低下していたのです。昭和40年には、38%あったエンゲル係数が、およそ半減していたのです。本当に生活が大変で、貧しかったら、食べることに必死で、他の消費を抑えていたはずです。

ところが、デフレが続いていた中でも、食費以外の他の消費項目は確実に増えていました。その増えていた消費とは、何なのでしょうか?

家計調査データを見る限り、所得階層のどの層でも増えているのが、不安感を取り除く消費です。

この不安感解消ビジネスに関する消費をさらに細かく分析すると、段階別に次の3つのように分かれていると思われます。

1.仲間はずれにされる不安感
2.劣等感心理の不安感
3.将来への漠然とした不安感

この不安感解消に関する消費は、俗な言い方をすると、マッチポンプ商法に当たるものがほとんどです。

それらは、つまり、以下のような手順を辿ります。

a.不安感を発見(人の深層心理に潜む不安感を顕在化)
b.不安感を助長(皆にこの不安感を認識させる作業)
c.不安感を解消(不安感解消の商品の提案)

これが、金儲けになります。このマッチポンプ商法は、古典的なマーケティング手法ですが、いつの時代でも効果てきめんです。


マッチポンプ商法2~仲間はずれ、劣等感心理~へ つづく


[ 2009/01/27 07:37 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

就業か?就社か?就職か?

前々回の天職の見つけ方の記事について、メールをいただきました。その内容を要約しますと、就業と就社と就職、どれがいいのか?ということです。

再度、この件について考えましたが、やはり、優先順位として
1.就業
2.就社
3.就職ではないかと思いました。

なぜ、そう思ったのか?と言いますと、

・(就業)自分と似た感覚の人が多い、好きな業界に入るため、活動をした
・(就社)そして、何とか好きな業界の会社で働くことができるようになった
・(就職)数年たって、希望の部署にも配属された
・(転機)ところが、数年たち、どうしても会社を辞めざるを得なくなった
・(転社)でも、経験を生かし、急成長している関連業界の会社に移った
・(転職)結果的には、好きな部署には配属されていないが、まずまず満足だ

という姿が自然なように感じるからです。

よく、不満に思ったら、キッパリ会社を辞めるべきという意見を出される方もいますが、私は、そうは思いません。

会社の辞め方の記事にも書きましたが、
・会社を辞めようと思っても、
・すぐには辞めず、
・その会社のノウハウや業界のノウハウをさまざまに吸収し、
経営者的視点を身につけるまで、経営感覚を養い、
・給与分以上の働きを続け、会社に恩を売り続け、
・スカウトが来るくらいの実力になり、
・それでも会社側に冷遇された場合
・同業界に好待遇で転職する
・そうでない場合は、もちろん今の会社で出世していく

ということができるように働くべきだと思っています。

つまり、好きな業界に入ったら、その好きな業界をそう易々と辞めるべきではないと思っています。好きな業界なら結構我慢できるからです。

給料が高いというだけで、嫌な仕事に耐えられるか?
好きな職種というだけで、違和感を覚える人が多い会社の人間関係に耐えられるか?
その答えは、短期間ならYESだけれど、長期間ではやはりNOではないでしょうか。

それより、何となく同じような匂いのする人たちが多い、自分の好きな業界で、給料や職種に若干の不満はあるけれど、何とかずっと生きている。

こういう状態で定年を迎える人の方が、長期で見れば、幸せではないでしょうか。


[ 2009/01/26 14:10 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

ハレとケ、ケのハレ(2)

ところで、以前から、近くの食品スーパーへ買物に行くのですが、同じ店に、何百回も行くと、日常的な年間定番商品には、飽き飽きしてきます。

何か目新しいものはないか?旬のおいしそうなものはないか?と、店の中を血眼で探しています。

そして、最近で言えば、ミルキークイーン(お米)、ルイボスティー(南アフリカのお茶)、マテ茶(南米のお茶)、秋の鱧、ル・レクチェ(西洋梨)、などの、おもしろそうな、手頃な値段の商品を発見した時は、うれしくなって、買ってしまいました。

もちろん、それほど、おいしくなかったものもありましたが、それはそれでいいと思っています。今まで余り食べたことのないものを食べたのですから、満足しています。

こういう自分が、変なのかなと思い、昔の友人と会って、そういう話をしたら、その友人も、大体似たり寄ったりのことをしていました。

若い頃は、車、ファッション、音楽、異性、スポーツの話をしていたのに、そんな話は、全然しなくなって、どこそこの○○○がおいしいとか、○○○へ行けば、安くて楽しめるなどの話がほとんどでした。

これは、一体どういうことなのでしょうか?考えてみたら、若い時が異常だったのではないでしょうか。

東京のマスコミから発信される「ハレ情報」の影響を受けて、振り回されて、知らず知らずのうちに、頭デッカチになっていたのだと思います。今、ようやく正常な姿に戻ってきているだけではないかと感じています。

しかし、人間は本来、「ケ」だけでは満足できないものです。やっぱり「ハレ」を求めてしまうものだと思います。

しかし、ここで言いたい「ハレ」は、「ケのハレ」です。つまり、「小さな幸せ」ということかもしれません。先ほどの、食いしん坊の私の例で説明しますと、食パン、チョコレートケーキ、豚まん、焼き鳥は「ケ」の食品です。

この「ケ」の中で、「ハレ」の味を求めているのです。

近くの食品スーパーは、「ケ」の店です。

この「ケ」の店の中で、「ハレ」の商品を求めているのです。

日常性の中の、ふとした変化に喜びを感じ、「ケ」の中に「ハレ」を見出し、そこに「小さな幸せ」を感じる自分に満足しております。

商売においても、このような「小さな幸せ」を提供できている店は、大きくなくても、結構元気に頑張っています。

業種を問わず、誰もが、このような「小さな幸せ」を味わうことができる店が欲しいのだと思います。しかも、遠くではなく、身近にあればいいなあと思っているはずです。

このように、今求められているのは、非日常の「ハレ」ではなく、日常のすぐ近くにあり、手の届くところにある「ケのハレ」ではないでしょうか?

大きな幸せ=ハレ」は、何年かに1度体験すれば、よいのですが、「小さな幸せ=ケのハレ」は、週に1度は欲しいものです。それが、日々の活力源になるから尚さらのことです。


ハレとケ、ケのハレ(1)に もどる

[ 2009/01/23 12:09 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

ハレとケ、ケのハレ(1)

リスボン・サンジョルジェ城より市街望む/photo by福家金蔵
ハレとは、日頃のいやなこと、つまらないことから解放され、ワクワク、ウキウキできる非日常的空間であり、時間です。晴れ着、晴れ姿の語源はここから来ています。
この反対がです。

マスコミは、性格上、大々的にハレを取り上げます。東京近辺の店やスポット、京都のような観光地を取材して、その「ハレ情報」を全国に撒き散らします。それを求めている人が多いから、自然とそうなったのかもしれません。

私自身、以前は、この「ハレ情報」に、敏感に反応していたこともありました。時代がそうさせたのか、若いからそうなったのか、わかりませんが、いろんな所に行きました。

しかし、今は、このハレ情報に全く興味ガなくなってしまいました。

かといって、日常的なケの世界だけに満足しているかというと、そうではありません。自分のことを言うのは、恥ずかしいのですが、今、私が凝っているのは、おいしい食パン、おいしいチョコレートケーキ、おいしい豚まん、おいしい焼鳥、とれたての旬の魚、など俗に言う、B級グルメを地元で探すことです。

これを食べて、おいしいと思えた時、幸せな気分になれます。そういうことに喜びを見出しております。

一流料亭やフランス、イタリア料理店のような、高級な店(ハレの店)のグルメは、格好よく言えば卒業しました。

さらに、B級グルメであっても、自分の価値観の中では、高い価格の店は好きではありません。店舗、内装、食器、包装紙にお金をかけず、立地が悪くて、店も狭いのに、いい材料を使い、おいしくて安い、素朴な店が大好きです。

要は、地元の固定客で賑わっている店(観光客、若い年代の客が少ない店)を選んでいます。客数より客筋をチェックしています。

食パンなら1斤350円以内、チョコレートケーキなら1切れ380円以内、豚まんなら1個180円以内、焼き鳥なら1串180円以内、旬の魚も4人分の量で2000円以内、が私の基準です。通常の2倍くらいまでの値段で、おいしいものを食べたいのです。


ハレとケ、ケのハレ(2)へ つづく

[ 2009/01/22 15:52 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

天職の見つけ方2~適職チェック~

このギフトショーで、自分が感じた主な業界別出展者の性格?は以下のようなものでした。

健康食品業界
「目がギラギラで、かなり積極的」
「展示センスはあまりいいとは言えないけれど、人への説得方法に長けている」

食品グルメ業界
「威勢がよく、かなり積極的。体育会系のにおいがする」
「展示に少し堅さを感じるけれど、ボリューム感と活気づくりに長けている」

コスメ・化粧品業界
「欲望や積極性といったものを上手にセンスでカムフラージュしている」
「雰囲気、イメージづくりに長けた人が多い」

ジュエリー・アクセサリー業界
「度胸と根性が座る雰囲気を持つ人が多い」
「いつまでも夢を見続けていそうな中年男性が意外に多い」

テーブルウェア・食器・陶磁器業界
「真面目そうな人が多いが、全体的に大人しい感じ」
「展示センスはまずまずだが、活気に欠ける。声も余りかけてこない」

手づくり玩具業界
「子供がそのまま大人になった父ちゃん坊やタイプで純で真面目な人が多い」
「プライドが高そうで、自ら声をかけてこない。こちらが聞くと、丁寧な応対」

キャラクターグッズ業界
「頭脳・熱意・センスのバランスがとれた現代のエリートとも呼べる若者が多い」
「業界全体として、活気があり、商品や展示センスにも独創性がある」

インテリア・インドアグリーン業界
「少しセンスのいい真面目な中年の女性が多い」
「自分の世界を持っており、積極的ではないが、商売を楽しんでいる感じがする」

服飾業界1(ド派手で、奇抜なデザイン)
「個性的な髪型・服装で、人を驚かせるのが好きそうな若者が多い」

服飾業界2(エレガンスなヨーロピアン調)
「小奇麗な装いのプライドの高そうな中年女性が多い」

服飾業界3(アジア、アフリカ等のエスニック調)
「モノ静かで世を捨てる感のある気丈な女性が多い」

服飾業界4(を基調)
「やや地味だが、年配でセンスが良く、親しみやすい女性が多い」

といったように、本当に百人百様の顔がありました。

このような人間観察をして、思ったことは、業界ごとに「同じ穴のむじな」が何となく集まって、業界を形成しているということでした。

就職する時に、
1.とにかく、いい会社に「就社」するのがいいのか?
2.自分の求める職種を探し、どんな会社でもいいから「就職」するのがいいのか?
3.自分の肌に合う業界にとにかく「就業」するのがいいのか?

どの選択がいいのか?
どの優先順位がいいのか?ということです。

私は、天職の見つけ方としての、優先順位は、
3.自分の肌に合う業界で働き「就業」
2.その中で、自分に最適な職種を見つける「就職」
のが、自然でいいと思っています。

経済的な面はともかく、この方法で、働き場所が見つかれば、少なくとも、長続きできることは確かだと思います。

適職チェックする上で、見本市に出かけていくのも、一つの手です。是非「同じ穴のむじな」を感覚的に探し出してほしいと思います。

「類は類を呼び」「類は類に呼ばれて」いく人生も楽しいかもしれません。


天職の見つけ方1~性格と適職~に もどる

[ 2009/01/21 12:49 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

天職の見つけ方1~性格と適職~

アルベール・アンカー/いちごの少女/スイス・ローザンヌ美術館/POST CARD
ギフトショー(生活雑貨の日本で一番大きな見本市)を視察する機会が、過去に数回ありました。毎年、2000社以上が出展し、約20万人が訪れるビッグイベントです。

1日かけて、隅から隅まで、全部の出展ブースを見て回る(万歩計が、1日で2万歩を刻むほどの広さ)のですが、私の仕事柄、直接的に、モノを仕入れるわけではありません。

いつも、モノを仕入れない代わりに、「どの業界が元気いいか?」「どんなブースに人が集まっているか?」などの情報を仕入れています。

前回は、そのような視点に加えて、出展者の人間観察(年代・顔つき・センス・性格?)をすることを自分に課しました。

このギフトショーは、あらゆる業界を網羅しています。さまざまなカテゴリーの専門業者が参加しています。それらの業種の方たちが、一同に介しています。

以前から、業界人の特性に興味がありました。

一般的に、マスコミ関係、金融関係、ファッション関係、建築関係、飲食関係、小売関係、公共サービス関係といったそれぞれの業界に勤務する人たちに対して、「この業界には、こういう人たちが多いのでは?」と皆さんも感じているはずです。

さらに、小さな業界では、この傾向が顕著のように思います。なぜなら、組織が、機能(営業、経理、店長、企画など)や階層(取締役、部長、課長、係長など)に大きく分かれていないからです。取締役であっても、何でもこなさないといけないのが実情です。

よく、適職診断テスト(営業職、販売職、事務職、管理職などの適職チェック)のようなものがありますが、これは、大企業に就職するときには有効だと思うのですが、中小零細企業に就職するのには、余り役に立たないように思います。

こういった適職診断テストより、業界人の性格と自分の性格がどう合致するのか?つまり、
そこにいると、何となく居心地がいいか?
そこにいても、違和感がないか?
そこにいる人たちと一緒に上手く仕事ができそうか?
といった性格と適職をチェックした方がいいと思うのです。

ギフトショーのような催しは、自分と肌が合う業界とは、どんな業界なのか?を知って、感じる上で、格好の場となり得るものだと思います。

まさに、業界人が、日本全国(一部海外含む)から一斉に一ヶ所に集まり、人種のるつぼと化すのです。天職の見つけ方として、こんな、いい機会は滅多にないのかもしれません。


天職の見つけ方2~適職チェック~へ つづく


[ 2009/01/20 15:23 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

お金の勉強2~お金の貯め方・お金の増やし方~

もう一つだけ、お金の勉強をしたいと思います。

私は、社会人になってすぐの時、
生命保険に入らされました(独身だと必要ないのに・・・)
新車をローンで買いました(金利は7%近くあったと思います)
駐車場も借りました(週に1回しか乗らないのに・・・)

これは、考えてみたら、お金持ちがよりお金持ちになる法則
「金を貸して儲ける」
「土地を貸して儲ける」ことに、貢献していたのだと思います。

「金貸し」と「土地貸し」には、基本的には、労働力が伴いません。したがって、極めて、労働生産性(1人当たり年間粗利益)が高い仕事だと思います。言い換えれば、手間をとられずに儲かるのが、金と土地です。

お金の稼ぎ方は、額に汗を流し、マーケティングも少々駆使して、モノやサービスを売り続けると成就します。

お金の使い方は、適正価格を判断する目を養うことで、無駄遣いをなくす方法が習得できるようになります。

お金の貯め方は、「お金の稼ぎ方」と「お金の使い方」の両方をマスターすれば、稼いだお金が減らずに貯まるので、自然と成就します。

お金の増やし方は、一般的に、お金と土地を貸すことによって、成就することになります。

お金や土地を借りている人は、貸す立場にならない限り(お金を貸す原資をつくらない限り)お金を増やすことは難しいと考えるべきかもしれません。

そういう意味で、住宅ローンなどの多額の借金には、相当慎重にならないといけないと思います。

日本では、義務教育で「お金の教育」がありませんが、私が好きなスウェーデンでは、中学校の教科書で、

「家族の収入と支出」
「お金を稼ぐ難しさ」
「支出の切り詰め方」
「クレジットで物を買う危険性」
「購買意欲を誘う広告の影響」
「財産管理と資源節約」

といったことを教えています。

日本は、まだまだ企業側の論理で動いており、消費者側の論理は軽視されています。日本の教科書では、企業が得にならないことは基本的に教えてくれません。したがって、自己防衛として、自分でお金の勉強をするしかありません。

受験勉強の100分の1の時間を、お金の勉強の時間に割けることができれば、その後の人生が100倍豊かになるかもしれません。つまり、10000倍の効果があると思うのですが・・・


お金の勉強1~お金の稼ぎ方・お金の使い方~に もどる

[ 2009/01/19 11:43 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

お金の勉強1~お金の稼ぎ方・お金の使い方~

釜山・梵魚寺の毘沙門天(財宝の神)/photo by福家金蔵
何年か前に、「よーく考えようお金は大事だよ♪」というコマーシャルがよく流れていましたが、「まさに、そのとおり!」とテレビの前で相槌を打っていました。

この大事な
お金の稼ぎ方
お金の使い方
お金の貯め方
お金の増やし方
について、日本では何の勉強もしないで、社会にいきなり放り出されている場合が多いようです。

家庭で学べる一部の人(家が商売をしていたとか・・・)を除けば、社会に出て、痛い目に遭って、失敗を繰り返して、お金の勉強をしていくしかありません。

私は、長年マーケティングに携わってきましたので、お金の稼ぎ方については、多くを学んできております。

マーケティングとは、「欲しくさせて、買わせる技術」です。

しかし、マーケティングは、深く追求すればするほど、
・無知な人に、
・錯覚を与えて、
・欲しくないものを、
・欲しくさせて、
・高く買わせる技術、

しかも、その
・無知な人に、
・後々まで、
・その意図を
・気づかれないようにする技術

であるということがわかってきます。

もう15年近く前になりますが、我が家に、高級洗剤の販売業者の方がセールスに来られたことがありました。初めは、話をじっと聞いていました。

すると、「この商品が、いかにいいものであるか」をすすめてこられました。とりあえず、いいことはわかりました。でも、値段が高すぎます。価値/価格のバランスが悪いと思いました。つまり、お買い得ではないと判断しました。

そこで、「この洗剤の成分表示にある、界面活性剤のスルホン酸ナトリウムのグラム当たり単価は今いくらですか?」と聞いてみました。すると、その人は答えることができませんでした。

売り方のテクニックだけを教えられているわけですから、答えられるわけがないと思います。メーカーのマーケティング論理は、いいことを数多く強調して、高く売ろうとするのが常套手段です。

別に、売りに来られた人に問題があるわけでもなく、メーカー側にも大きな問題があるわけでもないと思います。

適正価格(価格分の価値バランス)を判断できない消費者が多いのが問題ではないかと感じました。消費者が、もっとお金の勉強をしていたら、このビジネスは存在しないはずだと思ったものです。

適正価格でないモノを買ってしまわないためには、

1.モノの原価構成要素を調べる
2.モノに関わる労働人数と労働時間を調べる
3.買う前に、何回使えるか、何年使えるかを考える
4.一回当たり、時間当たりに換算して、いくらかかるかを考える

など、合理的に、冷静に判断することが必要だと思います。何も考えていないと、マーケティング上手な人にお金を吸い取られていきます。

特に「自分に自信がない人」「自分の考えを持っていない人」「おだてに弱い人」「威張る人」「自慢したい人」「意地っ張りな人」「勉強嫌いの人」は要注意です。

これらの人たちの多くは、大事なお金の使い方を知らなかった結果、自分の将来に投資するという正しい「お金の使い方」が困難になっています。非常に残念なことです。


お金の勉強2~お金の貯め方・お金の増やし方~へ つづく


[ 2009/01/17 11:43 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

価格決定戦略2~粗利額最高値~

昔、20坪で2億円売る店の仕事をしたことがありました。そこの社長はユニークで、新製品が入ってきたら、店頭にその新製品を仕入原価のままで、1週間陳列します。つまり、儲けは0円です。

しかし、データはしっかりとっており、1週間で何個売れたかを参考にして、以下のように仕分けします。

a.粗利額をおさえて、大量に売る商品
b.粗利額をしっかりとって、少しの量だけ売る商品
c.取扱いを止める商品

cはともかく、aとbは、粗利額が最高値となる売価設定方法の違いによるものです。

例えば、原価100円の商品が、

「売価200円で、100個売れる」=「10000円の粗利額」
「売価150円で、300個売れる」=「15000円の粗利額」
と予測するのなら
150円の売価にする。

「売価200円で、100個売れる」=「10000円の粗利額」
「売価150円で、150個売れる」=「 7500円の粗利額」
と予測するのなら
200円の売価にする

という極めて単純な仕分け方を行っていました。

つまり、
安くしたら量が出るものは少々安くし、
安くしても量が少ししか出ないものは少々高くし、
安くしても量がほとんど出ないものはすぐにカットする
ということです。

この基準は、すべて、「粗利額が最高値」に合わせて、決められていました。これなら、簡単だと思いませんか?

よく考えれば、この方法は商売の真理をついたやり方です。皆さんも、価格決定に迷われた場合は、この価格決定戦略を参考にすれば、解決できるのではないでしょうか?


価格決定戦略1~要因分析10~に もどる
 

[ 2009/01/16 07:03 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

価格決定戦略1~要因分析10~

価格をサッと決められたら一人前、
価格をパッと下げて、処分できたらもっと一人前、
安い価格で買って、高い価格で全部売ったらさらに一人前

このように価格を正しく決めることは、本当に難しいものです。時、場所、状況、相手によっても違い、何が正解なのかよく分かりません。価格決定の微妙なサジ加減は、客と接して、自分で仕入れて、業界にも精通している者でないと難しいのかもしれません。

この難しい「価格」というものは、一体、何で決まるものでしょうか?価格決定戦略というものは存在するのでしょうか?その要因を分析すると、10項目にまとめられます。

1.希少性

ネットオークションで買物をされる方も増えてきました。オークションで高値がつくのは、需要があるのに、供給が極めて少ない場合です。

この供給量が少ないという希少性が、ワインのように、「○○年ものが少ないので、飲みたくなる」おいしい店のように、「行列ができているから、並んで食べたくなる」というように、欲望を刺激し、需要を高めます。その結果、価格が高騰するという循環を招きます。

2.機能性

家電製品を買う時、機能性を調べることが多いと思います。例えば、掃除機を買おうとした場合、「吸引力」「吸引量」「静寂性」「操作性」「軽量」「コンパクト」などの機能性を比較して、商品を選ぶことになります。

この機能性の優劣こそが、価格を決める基本になります。多くの商品は、この機能性によって価格の高低の序列が決まっています。

3.デザイン性

衣服やインテリアなどの場合、素材や縫製の良し悪しもありますが、決め手となるのは、色、形、柄といったデザイン性です。特に、人目によく触れる商品は、このデザイン性が価格を左右します。

4.信頼性

俗に言う、ブランド品がこれに当たります。このブランドによる信用や信頼が、購入の最終決定の際に、重要な役割を果たします。これらのブランド品だけでなく、生命に関わる医薬品、ベビー・衛生用品、自動車などの商品もこの信頼性が付加されないと、売ることが難しい商品です。

5.プラスの将来性(お宝)

骨董品や美術品といった「お宝」は、希少性もさることながら、年月が経れば経るほど、値上がりしていくという楽しみ、つまり、「プラスの将来性」が価格に含まれてくる商品です。

6.マイナスの将来性(鮮度)

フラワーショップでは、満開の花を見せながら、横に三分咲の花を置くと、三分咲の花の方がよく売れます。食品スーパーでも、賞味期限を見て、買物をする主婦が圧倒的です。

要するに、後、何日楽しめるか?後、何日持つか?といった「時間当たり価格」を考えて購入します。これはマイナスの将来性です。こういった商品は、「鮮度」が命です。

7.立地性

高く売れる地域、高く売れる立地、高く売れる場所によって、価格が変わります。例えば、平地で缶コーヒーが120円。山の頂上で300円だとしても、誰も文句を言いません。また、観光地やデパートといった「ハレ」の場所とディスカウント店、地元の食品スーパーといった「ケ」の場所では、同じ商品でも、少々の価格差が生まれます。高く売れる場所は、土地の値段や賃借料が高くなります。

8.戦略的効果狙い(ロスリーダー)

あえて、ある商品を安くすることがあります。例えば、食品スーパーの牛乳や卵はこれに当たります。購買サイクルが短い(毎週必ず買う)ため、客の来店促進として、「損して得とれ」として、戦略的に使われる(ロスリーダープライス)商品です。

どの業界にも、この「牛乳」と「卵」に当たる商品があります。当然、これらの商品の値入は厳しいものがあります。

9.競争状況と独占状況

もっと高く売りたいのに、競合商品、競合店があり、どうしても消費者に比較されるため、仕方なく安く売る場合があります。これとは逆に、「談合して価格を決める」「輸入や参入を制限する」「独占企業(電力、ガスなど)の原価がかかった分値上げする」といった場合があります。このように、ムダな競争がなければ、「言い値」が通ることになります。

10.値ごろ感

原価の2倍の値入をしている商品があったとします。原価525円の商品なら、1050円の売価になります。でも、この場合は、980円という値ごろに合わせると思います。これで損したかと言うとそうでもありません。1000円を切ると、量が出る場合が多いのです。この980円以外にも、580円、380円、198円、98円といった価格も値ごろ感があります。

以上、価格決定戦略の要因を10項目にまとめて、述べましたが、こんなこと、余り考えたくないという人には、以下のような価格決定戦略をおすすめします。その方法とは、客に価格を決めてもらうやり方です。

価格決定戦略2~粗利額最高値~へ つづく

[ 2009/01/15 07:43 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

イライラ解消法とストレス対策(3)

没頭

単純作業の仕事をひたすらする
・日曜大工等、モノづくりをする
・好きな研究をする
・部屋を模様替えする、
・部屋にいい香りを充満させる
・新しい服を着る、鏡を見る


子供に返っての遊び

・ボール投げ
的当てゲーム(ダーツ、弓矢、射撃など)
・砂遊び、水遊び
・虫捕り、魚捕り、化石掘り
・人形ごっこ、変身遊び


昔返り

・昔の写真、昔の日記を見る
・昔見た映画、アニメを再度見る、昔読んだ本を読み返す
・仏壇の前で故人に話しかける
・お墓参りをする


本能行動、破壊行動

・騒ぐ、はしゃぐ、笑い転げる
・大声を出す、声援する、
・踊りまくる、歌いまくる
・お祭りに参加する
・お座敷遊びに興じる
・叩く、音を出す、
・思い切って捨てる、壊す、つぶす、
・破る、紙吹雪にする、モノにあたる
・ムダづかいする


その他行為

愚痴を聞いてくれるところに行く
・偉そうにさせてもらう
・肌を触れ合わせてもらう
・日記に書いて、イヤなことを忘れる
・誰にも会わない


このように、挙げれば切りがありませんが、

・自然との接触
・植物、動物、子供との接触
・乗り物
・芸術・スポーツ・ゲーム
・飲食
・身体の休息
・没頭
・子供に帰っての遊び
・昔返り
・本能行動、破壊行動
・その他行為

これらの11分類の中で、時と場合に応じて、幾つ持っているかが、非常に大事なことではないでしょうか。

管理社会の中で、日常的に真面目に行動すればするほど、その対極として、休息時は、不真面目にならなければいけないのだと思います。世間様に迷惑をかけないのなら、何でもありだと思います。

人から何と言われようと、自分がいいと思えたのなら、それでいいのではないでしょうか。それを貫くことこそ、一番のイライラ解消法ストレス対策になるのかもしれません。


イライラ解消法とストレス対策(1)に もどる


[ 2009/01/14 07:46 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

イライラ解消法とストレス対策(2)

自然との接触

・星を見る、夜景を見る
・夕陽を見る
・滝を眺める、海を見に行く
・バードウォッチングをする
・森林浴をする
・静かで自然豊かな寺社仏閣巡りをする
・釣りをする、海水浴に行く
・スキューバダイビングをする
・サーフィンをする
・スキーをする
・山登りをする、ウォーキングをする


植物、動物、子供との接触

・ガーデニングをする、盆栽の剪定をする
・花を生ける
・家庭菜園をする
・犬の散歩をする、猫の世話をする
・観賞魚を眺める
・孫と遊ぶ、子供とどこかに行く


乗り物

・車、バイクを運転する
・サイクリングをする
・飛行機、熱気球、パラグライダーで大空を飛ぶ
・船、ヨットで海に出る
・電車、バスに乗っている
・遊園地で観覧車、ジェットコースターに乗る


芸術・スポーツ・ゲーム

・音楽を聴く、楽器を演奏する
・カラオケで歌う
・芝居、映画を見る、コンサートに出かける
・お笑い番組を見る、寄席を見に行く
・ひいきタレントの追っかけをする
・コレクターになる、お宝鑑賞する
・絵を描く、陶芸をやる、絵を鑑賞する
・ゴルフをする、テニスをする
・ボーリングをする、ビリヤードをする、卓球をする
・水泳をする
・テレビゲームに興じる
・競馬、パチンコなど賭け事をする


飲食

・料理をつくる
やけ食いをする、間食する
・おいしいものを食べに行く
・お茶、コーヒーを合間に飲む
・ビール、酒を飲む
・タバコを吸う


身体の休息

・風呂に入る、温泉につかる
・寝転がる、枕を抱く、ふかふか布団で寝る
・マッサージしてもらう

イライラ解消法とストレス対策(3)へ つづく


[ 2009/01/13 07:09 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

イライラ解消法とストレス対策(1)

ユングフラウヨッホ/photo by福家金蔵
今の世の中は、ストレスが溜まる社会です。特に、日本人は、このストレスが溜まる方に、好んで身を置き、ストレス耐性を楽しんでいるようにも思えます。

例えば、学生時代、一生懸命に勉強してきたエリートと呼ばれる人たちが、

・満員電車での長時間通勤
・暑い夏でも長袖シャツにスーツ
・長時間勤務とサービス残業
・転勤や単身赴任
・過大な予算ノルマ
・膨大な住宅ローン返済
・上司の命令に対する服従

といった奴隷とも言えかねない処遇に甘んじて、文句も言えず、モクモクと働かされているように感じられます。

欧米のエリートの目標は、束縛されない人生を送ること、ストレスの溜まらない人生を送ることにあるとされています。そのような人生を送るために、一生懸命に勉強すると言われているのですが・・・

例えば、日本の中で、

・ワガママに振る舞う
・行き当たりばったりで行動する
・時間に束縛されない
・言いたいことを言う
・イヤなことをしない
・好きなことしかやらない

といったストレスの溜まらない生き方が許されているのは、財産を蓄えた老人だけです。このような老人のように、皆が皆、なれたらいいのですが、なかなかそうはなれません。

一般的な日本人として、社会を生き抜いていくためには、ストレス対策を考え、ストレスと上手につきあうイライラ解消法を見つける必要があるのかもしれません。

少し前のことですが、深夜に何気なくテレビを見ていたら、ある大学教授が、
「現代人のイライラ解消法の根本は、古代シャーマンからの贈り物である」
という話をしていました。

古代のシャーマン(巫女、呪術師など)は、神や精霊との交信をするために、

・アルコールの濃い酒を飲み、酔っ払い、
頭がくらくらするほどのタバコ、大麻などを吸い、
・熱い蒸し風呂に入って、汗をびっしょりかき、
・踊り狂って、トランス状態に入り、

預言や病気の治療を行っていました。

その行為を軽くしたものが、

酒、タバコ、風呂、スポーツ

として、受け継がれ、現代人のストレスを解消する役目を担っているという説でした。確かに、言われてみたらそのとおりです。

このように、イライラ解消法というものは、非日常に身を置き、羽目を外し、本能的に行動し、緊張を緩和することではないかと思われます。

形はどうであれ、どのようなイライラ解消法とストレス対策があるのか?
ここで自分なりに考えて、列挙しました。


イライラ解消法とストレス対策(2)へ つづく


[ 2009/01/12 07:09 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)