仕事で成功する秘訣は、生真面目な人が不真面目な業界に入り、真面目に働くことだと思います。
しかし、ほとんどの場合、生真面目な人ほど、生真面目な業界に入ります。そして、真面目に働いているにもかかわらず、収入面や待遇面で、報われていないというのが実情ではないでしょうか。
このような、真面目の罠に陥ってしまう「真面目病」を患っている人が案外多いように思います。
本当は、不真面目ならぬ非真面目な人が、生真面目な業界に参入し、一攫千金を狙って、高付加価値商品を開発・販売し、大騒動になるぐらいで、ちょうどいいと思います。
業界のマーケットを創りだす人は、大体、非真面目な人たちです。創業オーナーの方々は、個性あふれる(あくは強いが、前向きな、変わり者)人たちが多いのが常です。真面目にコツコツというよりか、勘で勝負するタイプの人たちです。
ところが、時が経つと、非真面目な人が創った業界に、生真面目な人たち(アリとキリギリスのイソップ寓話で言えば、アリタイプ)が勤め始めてきます。
さらに、その生真面目な業界に生真面目な会社が数多く参入してきて、非真面目な人たち(キリギリスタイプ)が築いたマーケットを食い荒らすようになります。
その結果、競争も激しくなり、業界も成熟してしまい、皆、真面目に働いているのに、儲からなくなってしまうのです。いつしか、生真面目どころか糞真面目に働いても、業界の誰もが、しあわせにならなくなってしまうのです。
こうなるのが、世の常と言えば、そうなのですが、バブル崩壊以降、デフレになったのは、生真面目になってしまった業界に、生真面目な人たちが多く参入してきて、糞真面目になってしまったからだと思います。
このような例から考えますと、理性的な教育を受けた生真面目な優等生は、今、不真面目と思える業界で、働くべきだと思います。それが、雇う側、雇われる側、双方ともしあわせになれる構図です。
それでは、不真面目な業界とは、いったいどんな業界なのでしょうか?
・その1
業界への参入を規制、制限している業界です。例えば、許認可が多く、政治家や役所に絡んで、参入阻止戦略を駆使している業界、金融業界、医療業界、製薬業界、建設業界、放送業界、電力・ガス業界などです。
・その2
心理的に新規参入しづらい業界です。賭博を商品化したパチンコなどのギャンブル業界、性を商品化した風俗業界、死を商品化した葬儀、霊園などの業界もそうです。
・その3
まだまだ成長期で、ボロ儲けできている業界です。例えば、テレビコマーシャルがよく流れている業界、ゲーム機器・ソフト、健康食品通販、化粧品通販、各種中古買取センター、などの業界もそうです。
不真面目な業界と書きましたが、「職業に貴賎なし」です。法律的な罪を犯さない限り、問題はないと思います。
生真面目と不真面目2~働かないアリの駆除~へ つづく
(しくみ・制度例) | (具体的説明) | |
01 | 1等地の駐車場所に車が置ける権利 | オフィスに近く雨に濡れない駐車場所を優秀者に提供 |
02 | 上等の椅子に座れる権利 | 月間優秀者だけが使える名誉の椅子 |
03 | 帽子、ジャンパー、腕章 | 対外的にも、目に見える形で、地位を証明 |
04 | 名札・バッジ | 色や大きさを変えて、組織内での格の違いを示す |
05 | 机の上に人形 | トロフィーの替わり、誰の目にも見えて、おもしろいもの |
06 | マイスターや師匠の社内称号 | 肩書きや地位だけでなく、長年頑張った人を評価する名称 |
07 | 週に1回の昼食パーティー | 寿司やピザをチーム全員で食しながら、目標の確認 |
08 | 地元新聞に記事掲載 | 成績優秀者を対外的に発表する記事広告 |
09 | その場で手渡す署名入りカード | いいことを行った人をすぐに評価するしくみ |
10 | 社員食堂で1品サービス | みかん、豚汁、冷奴、デザートなどがんばったチームへの賞品 |
11 | 社員の家庭にプレゼント | 奥さんや子供に喜ばれるもの |
12 | 成績トップ社員の家庭に社長が直接電話 | 労をねぎらい、家庭での地位を上げてあげる |
13 | 1日休暇提供 | 給与でなく、休日を成績優秀者に与える |
14 | 10年勤続評価 | 永年の貢献者に記念品、金一封、長期休暇の付与 |
15 | 製作に携わった社員の名を製品に記名 | 恥ずかしい仕事をしたくない気持ち |
等々・・・皆さんの勤務先でも、同様のことがあると思います。あくまで、ゲーム感覚で仕事ができるように楽しくやることがコツと思われます。
江戸時代より、技術は大きく進歩してきましたが、日本人の心は大きく変化しているようには思えません。そう考えると、日本の国技である相撲が長年培ってきた「人をやる気にさせ方法」「人を動かす方法」を見習う余地がまだまだありそうに思えます。大相撲を旧い体質とバカにしてはいけないのではないでしょうか?
自分の勤めている会社の方が、もっと旧い体質に染まってしまっているのかもしれません。
<優秀者賞賛> | |
優勝力士表彰 | トロフィー、賞状、副賞などを総理大臣等、日本社会のトップから表彰 |
優勝力士額 | 国技館に永久に写真が飾られるという名誉 |
優勝パレード・祝賀会 | 後援会や地元住民の前での祝賀、マスコミも取材 |
殊勲・技能・敢闘賞 | 優勝者だけでなく、頑張った力士を勝星以外でも評価 |
十両・幕下等優勝表彰 | レベルに分け、低いレベルでも身近な目標設定と表彰 |
<見える目標> | |
番付と地位 | 短期的な勝敗だけでなく、位という目標を与える。役職や肩書きと同じ |
化粧まわし・まわし色・羽織袴 | 位の違いを衣装という目に見えるもので差を表現 |
個室、送迎車、付き人 | 番付が上がるとラクできるサービスの付与 |
親方制度、部屋承継 | 活躍すれば、将来の地位と生活を保障する権利 |
<短期の目標> | |
懸賞金 | 負け越していても、今日絶対に勝とうと思わせる |
中日給金見直し | 前半だけでも頑張れば、給与が上がる |
金星 | 弱者が強者に物怖じせず、今を戦う目標 |
<数値目標> | |
通算勝星・幕内在位数 | 長年頑張っている力士の目標 |
年間勝星 | 今年、1年間頑張り続ける目標 |
対戦成績 | 特定力士に負け続けないように、努力する目標 |
<その他> | |
公傷制度 | 一生懸命戦った結果の負傷に対する相互扶助 |
横綱土俵入・これより三役 | 地位の高い力士だけが行なえる儀式・振る舞い |
など、大相撲には、力士をやる気にさせるものやしくみや制度があります。
さらに、細かなことを言えば、各部屋毎に、「稽古の順番」「ちゃんこを食べる順番」「座る場所」に至るまで、いろいろなものがあると思います。
大相撲に学ぶ2~人を動かす方法~へ つづく
交際費 | 21,006円 |
通信費 | 14,148円 |
教養娯楽月謝 | 4,053円 |
貯蓄型保険料 | 25,796円 |
こづかい | 17,718円 |
自動車関係費 | 25,005円 |
などの面白そうな項目が目に付きました。
消費項目の中で、最大と思われた食費は、外食費を含めても、わずか70,564円しかありません。実消費に対する比率は23%を割っています。つまり、エンゲル係数(実消費の中の食費の割合)が23%以下ということです。
バブル崩壊後15年以上経ち、閉塞感だ、リストラだ、経済危機だと騒がれている間でも、エンゲル係数が少しずつ低下していたのです。昭和40年には、38%あったエンゲル係数が、およそ半減していたのです。本当に生活が大変で、貧しかったら、食べることに必死で、他の消費を抑えていたはずです。
ところが、デフレが続いていた中でも、食費以外の他の消費項目は確実に増えていました。その増えていた消費とは、何なのでしょうか?
家計調査データを見る限り、所得階層のどの層でも増えているのが、不安感を取り除く消費です。
この不安感解消ビジネスに関する消費をさらに細かく分析すると、段階別に次の3つのように分かれていると思われます。
1.仲間はずれにされる不安感
2.劣等感心理の不安感
3.将来への漠然とした不安感
この不安感解消に関する消費は、俗な言い方をすると、マッチポンプ商法に当たるものがほとんどです。
それらは、つまり、以下のような手順を辿ります。
a.不安感を発見(人の深層心理に潜む不安感を顕在化)
b.不安感を助長(皆にこの不安感を認識させる作業)
c.不安感を解消(不安感解消の商品の提案)
これが、金儲けになります。このマッチポンプ商法は、古典的なマーケティング手法ですが、いつの時代でも効果てきめんです。
マッチポンプ商法2~仲間はずれ、劣等感心理~へ つづく
もう一つだけ、お金の勉強をしたいと思います。
私は、社会人になってすぐの時、
生命保険に入らされました(独身だと必要ないのに・・・)
新車をローンで買いました(金利は7%近くあったと思います)
駐車場も借りました(週に1回しか乗らないのに・・・)
これは、考えてみたら、お金持ちがよりお金持ちになる法則の
「金を貸して儲ける」
「土地を貸して儲ける」ことに、貢献していたのだと思います。
「金貸し」と「土地貸し」には、基本的には、労働力が伴いません。したがって、極めて、労働生産性(1人当たり年間粗利益)が高い仕事だと思います。言い換えれば、手間をとられずに儲かるのが、金と土地です。
・お金の稼ぎ方は、額に汗を流し、マーケティングも少々駆使して、モノやサービスを売り続けると成就します。
・お金の使い方は、適正価格を判断する目を養うことで、無駄遣いをなくす方法が習得できるようになります。
・お金の貯め方は、「お金の稼ぎ方」と「お金の使い方」の両方をマスターすれば、稼いだお金が減らずに貯まるので、自然と成就します。
・お金の増やし方は、一般的に、お金と土地を貸すことによって、成就することになります。
お金や土地を借りている人は、貸す立場にならない限り(お金を貸す原資をつくらない限り)お金を増やすことは難しいと考えるべきかもしれません。
そういう意味で、住宅ローンなどの多額の借金には、相当慎重にならないといけないと思います。
日本では、義務教育で「お金の教育」がありませんが、私が好きなスウェーデンでは、中学校の教科書で、
「家族の収入と支出」
「お金を稼ぐ難しさ」
「支出の切り詰め方」
「クレジットで物を買う危険性」
「購買意欲を誘う広告の影響」
「財産管理と資源節約」
といったことを教えています。
日本は、まだまだ企業側の論理で動いており、消費者側の論理は軽視されています。日本の教科書では、企業が得にならないことは基本的に教えてくれません。したがって、自己防衛として、自分でお金の勉強をするしかありません。
受験勉強の100分の1の時間を、お金の勉強の時間に割けることができれば、その後の人生が100倍豊かになるかもしれません。つまり、10000倍の効果があると思うのですが・・・
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Author:多角つつむ
経営コンサルタントをリタイア
趣味:歴史散策,読書