とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

ムリムダムラ、離見の見(2)

多くの中小企業を見て回っての感想ですが、日本では、この「管理する人」の役職はあっても、「管理する人」になっていません。実際は、「作業する人」になっている場合が多いと思います。

大企業でも、俗に言うホワイトカラー職において、「管理する人」がムリムダムラをなくす管理をほとんど実行できていないように感じます。

会社組織の中で、「管理する人」は、次のようなことだけに専念したいものです。

1.経営数値を頭に入れる
2.現場・客・従業員・商品を観察する
3.この経営数値との因果関係を考える

4.カイゼンすべき課題を発見する
5.やるべき課題に重要度、緊急度の優先順位をつける

6.「作業する人」に課題を指示する
7.「作業する人」のスケジュールを決めて実行させる
8..「作業する人」が指示どおりに出来ない場合、やり方を教育する

ところが、大抵の場合は、「管理する人」が、現場に埋没してしまい、直接作業をしてしまっています。

これでは、
何のために、分業しているのか分かりません。
何のために、「管理する人」の役職に対する「高い給料」が払われているのか分かりません。

日本人には、「職人を尊ぶ」精神的背景はあるのですが、「リーダーを尊ぶ」精神的背景は希薄です。したがって、義務教育においても、マネジメントが余り教えられていません。

ほとんどの学生は、マネジメントについて知らないまま、社会人になってしまいます。ということは、「管理する人」になってもらうためには、会社が、マネジメントを教えなければいけなくなります。

しかし、それほど難しく考える必要もないように思います。ひたすら、この(1)から(8)を繰り返すことだけをやればいいと思います。それさえ出来れば、十分に「管理する人」になれます。これが、基本中の基本です。

以上のことを箇条書きに要約しますと、次のようになります。

1.ムリムダムラを省き、効率よく仕事をしなければならない
2.「今すぐ」ムリムダムラを省くには、「離見の見」が必要である
3.この「離見の見」ができない場合は、組織をつくり、「管理する人」と「作業する人」に分業するしかない
4.「管理する人」は、管理する手法の基本を身につける必要がある

日本人は、皆、一生懸命に働いているのに、先進国の中で、労働生産性が低いと言われるのは、「管理する人」が本当の管理できていないからだと思います。「管理する人」が管理を出来ない限り、ムリムダムラという言葉は、あと70年たっても、残っているのではないでしょうか。


ムリムダムラ、離見の見(1)に もどる

[ 2008/12/31 08:51 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

ムリムダムラ、離見の見(1)

商人経/上野陽一/photo by 福家金蔵
半分趣味なのですが、私は、戦前の商売に関する本を収集しています。
「商売の本質とは何だろうか?」
「今、話していることは、本当に間違いのないのだろうか?」
それらを確認する方法として、いつしか古本屋巡りをするようになりました。

手に取った古本に書かれている言葉を見ては、
「自分の考えは間違っていないんだ」
と自信の拠り所にしてきました。

しかしながら、一目で見て、わかりやすい、いい古本には、なかなか巡りあいません。大抵の本は、「一代繁盛記」や「老舗の家訓」のようなものです。

「一代繁盛記」は、体験談としては面白いのですが、体系的にまとまっていません。
「老舗の家訓」は、本質的な面は素晴らしいのですが、具体的な商売ノウハウの記述に欠けています。

そんな中で、唯一のお気に入りの本が、「商人経」(著者:上野陽一、昭和12年實業之日本社発行)という本です。

後で、調べて分かったのですが、著者は、産業能率大学の創始者です。昔の経営コンサルタントのような存在です。その本の中に、「ムリムダムラ」という記述が度々出てきます。

この「ムリムダムラ」という言葉は、最近の言葉かと思っていたのですが、70年前に、既に使われていたので、驚きました。つまり、ムリムダムラをなくすということは、今も昔も変わらない課題のようです。

ムリムダムラをなくすことは、本当に難しいことです。感情や私見が入ったりすると、目が曇ってしまいます。客観的、合理的に判断して、行動しない限り、ムリムダムラは生じてしまいます。

この客観的、合理的に判断する手段として、一般的に、データベース化といった方法があります。この方法を使うと、とりあえず、ムリムダムラの削減に役立ちます。

しかし、データベース化は、後々において、客観的に合理的に判断する材料として、有効ですが、「今」「現在」において、判断する手段にはなりません。あくまで、「過去」を判断する材料なのです。

それでは、「現在」を客観的、合理的に判断する手法はないのでしょうか?

それは、室町時代の世阿弥が書いている
離見の見
<舞台に上がって演技をしている自分の他に観客席から、その演技を見ている、もう一人の自分をつくらないと演技力は向上しないということを説いた言葉>
がヒントだと思います。

「もう一人の自分をつくる」ことができれば、ムリムダムラのほとんどは解消できます。ところが、もう一人の自分をつくるという「一人二役」は、現場で作業していると、そうしようと強く願っていてもなかなかできるものではありません。

したがって、そのためには、「作業する人」と、「もう一人の自分役」である「管理する人」を分ける組織をつくっていくしかありません。


ムリムダムラ、離見の見(2)へ つづく

[ 2008/12/30 09:17 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

すっきり暮らす「素敵な暮らし」(2)

今から20年前に、アメリカの流通業を視察した時、不思議なことに気付きました。高級住宅地に近いスーパーの来店客は、「スリムな人が多い」のです。逆に、スラム街に近いスーパーの来店客は、「肥えている人が多い」のです。

その当時から、アメリカの食品は、驚くほど安かったのです。例えば、オレンジジュースが1リットル約30円、コーラが500CCで約30円、おいしそうな牛肉が100gで100円しなかったと思います。

こんなに、物価が安いと、裕福でない人でも肥えてしまうと思ったものでした。

およそ10年前、ベトナムの企業視察に行った時、会社を訪問して、出会った経営者たちはほとんど肥えていました。その逆に、従業員は、ほとんどガリガリでした。

2年前、再度ハノイを訪れた時、現地の人に、「おいしい店を教えてくれませんか?」と尋ねたら、「ベトナムでは、店主が肥えていたら、おいしいよ」との答えが返ってきました。
「繁盛して、儲かっている店ほど裕福だからよく肥える」とのこと。ベトナムは、10年前と状況は変わっていませんでした。

本来は、このベトナムの例のように、「お金持ち」=「肥えている」という図式が当てはまるのが普通だと思います。ところが、先進国では、GDPアップ→平均所得アップ→通貨高→デフレとなり、何でも安く手に入るようになると、この図式が崩れていきます。

さらに、競争社会アメリカのようになると(今の日本も同じ道を辿っていますが・・・)、「お金持ち」=「スリム」という図式に変化していくのだと思います。

欧米では、「肥えている人は、管理職になりにくい」と言われます。欲望をコントロールし、自己管理ができない人は、出世競争に勝ち抜けないというのが、この意味するところだと思います。

今、話しているのは、「肥えているか?スリムか?」というカラダについてのことですが、これを、家のモノの数に置き換えたらどうなるでしょうか?

食品だけでなく、様々な商品が安くなってしまいました。100円均一ショップに行くと、思わず、要らないものまで買ってしまいます。

これは、つまみ食いをして、食べ物を必要以上に、摂取していることと同じことにならないでしょうか?つまり、自宅がモノだらけになれば、カラダと同様、「家が肥えてしまった」状態と言えなくはないでしょうか?

これからは、家がモノだらけになっている人は、「自己管理ができない人」とレッテルを貼られても仕方ないのかもしれません。そして、「お金持ち」=「モノが少ない」という図式になっていくのかもしれません。

いずれにせよ、「すっきり暮らす」ということは、勇気と自己管理能力がないと実現できない、結構大変なことなのではないでしょうか?

それだけに、これを目標とすることは悪くはないと感じるのですが・・・


すっきり暮らす「素敵な暮らし」(1)に もどる

[ 2008/12/29 11:40 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

すっきり暮らす「素敵な暮らし」(1)

藤田嗣治/ドルドーニュの家/ブリヂストン美術館/POST CARD
私の大学時代の友人で、大学の卒業アルバムを捨てた者がいます。別に、OBであることがイヤで捨てたわけではありません。

その捨てた理由は、
1.重くてかさばる
2.この10年間、1回も開けたことがなかった
3. 卒業アルバムくらいに執着しているような、ちっぽけな人間になりたくなかった
ことのようですが、思わず「お見事!座布団3枚!」と叫んでしまいました。

すると、彼に、「座布団もすぐに捨てたい!」と言い返されてしまいました。人間、一番捨てにくいのは、写真です。他のモノは、思い出の品であっても、代用の新しいモノに買い換えることができますが、自分の昔の写真は、一度捨てると、もう元に戻ってきません。これを捨てることができたのですから、「あっぱれ!」と言うしかありません。

整理整頓・清掃清潔の章でも、書いたのですが、「掃く」「拭く」「磨く」で、キレイにピカピカにしようとすると、要らないものをまず「整理」し、捨てないといけません。この「捨てる」行為がなかなかできないのです。とりあえず保管する場所があると、「まあいいか」と妥協し、先送りにしてしまいます。

「捨てる」ことがどうしてもできない人は明確に期間(1年、3年、10年)を決めて、見なかった、使わなかったものを感情の入らない、第三者に捨ててもらうしかありません。

今から13年前、阪神淡路大震災の被害に遭い、自宅は半壊になりました。所有するモノがいっぱい壊れ、(お気に入りで、よく使うモノほど壊れ、お気に入りでない、使わないモノほど、箱に保管しているので、壊れず残るのですが・・・)相当モノを捨てました。

自宅を2週間以上かけて、家族全員で大掃除し、いたんだ箇所を応急処置でリフォームして、一応キレイになった時、なぜか、すがすがしい気分になりました。「明日から、よしやるぞ!」という気持ちになったのを覚えています。

あれから13年もたつと、再び、家にモノがあふれ返ってきています。あの時の「すっきりとした空間」が懐かしく思えてきます。

もし、「今、何が一番欲しいですか?」と質問されたら、私は、「すっきりとした空間」と答えると思います。この「すっきりした家」で「すっきり暮らす」ことが夢です。これが、一番贅沢ではないかと思うようになってきました。

本当は、新しい家を建てて、今あるモノを、引越しを契機に、きれいさっぱり捨ててしまいたいのですが、諸般の事情で、それができません。したがって、理想の「素敵な暮らし」を目指すには、最低限必要なモノ以外は、捨てるしかありません。

また、この「素敵な暮らし」をずっと維持しようとしたら、新たに、モノを買ってはいけないことになります。これも大変なことです。ということは、次の二点に集約されると思います。

1.モノを捨てる
2.モノを買わない

つまり、家の中にあるモノの点数を少なくしないと、「素敵な暮らし」は実現できません。モノを買わないというのも、勇気のいることです。今、会社に

7年前に買った携帯電話を持ち、
10年前に買った靴を履き、
15年前に買った自動車に乗って、
20年前に買ったカバンを持ち、
25年前に買った腕時計をして、

通勤している人がいるとしたら立派です。どうしても、世間体が気になり、モノを買ってしまいます。しかも、デフレ時代を経て、モノが安くなってしまいました。モノを買う誘惑に負けないためには、強靭な意志力が必要です。


すっきり暮らす「素敵な暮らし」(2)へ つづく

[ 2008/12/28 11:28 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

偽物の見分け方、本物の見分け方(3)

偽物の見分け方<その2>は、

初めに、本物をじっくり見て、それに触れることだと思います。そうすると、価値基準の目が養われ、偽物を偽物と見破ることができます。

次に、もっと大きな視点で、本物と偽物について、考えてみたいと思います。

ある意味において、「本物」であっても、それが不当な価格なら、「偽物」と言えないでしょうか?そういう考えをすれば、先ほどのロレックスは、1000円なら「偽物」ですが、100円なら「本物?」なのかもしれません。

世の中には、価格相応という観点でいけば、「本物」であっても「偽物?」が蔓延しています。

本物のブランド品とは、丈夫な「素材」、過酷な環境に耐える「製法」に飽きのこない「デザイン」が伴ったものです。このようなものなら、ブランド品としてOKなのですが、ブランドという「記号」を意図的に操り、商品価値がわからない客を少し騙そうと企んでいる場合もあります。

騙される方が、「その時点」で、満足して買っているので、口を挟みにくいのですが、「その後」の満足が提供できないものは、やはり「本物」と言えないと思うのです。

「その後」の満足を提供できて、価格相応の商品は、大抵の場合、ロングセラーになっています。このロングセラー商品を選ぶことが味噌だと思います。

偽物の見分け方<その3>は、

ずっと売れ続けているロングセラーを選ぶことだと思います。飽きのこない、ベーシックな定番アイテムは、世の中に多く出回ってもいますが、それだけ愛され続けている証拠です。

このロングセラーを買うことが、お買い得であり、偽物を見分ける上でも、無難です。その気になって、ネットで検索すれば、基本の売れ筋商品(ロングセラー)なら、偽物を判断できるページを探し出すこともできます。

このように、皆がよく見て、知っているロングセラー商品なら、買う方も騙されにくいし、売る方も騙しにくいのではないでしょうか?

以上、偽物の見分け方について述べましたが、これを裏返すと、本物の見分け方にもなります。本物とは、

それ以外の部分も本物である」
「偽物にない気品がある
ベーシックで、ずっと愛され続けている」

ということではないでしょうか?

物を者にして(商品を人物に置き変えて)も同じことが言えるのでしょうか?


偽物の見分け方、本物の見分け方(1)に もどる


[ 2008/12/27 10:04 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

偽物の見分け方、本物の見分け方(2)

以前、古伊万里収集家のお家を訪ねたことがあります。興味が少しあることを話したら、実際に、本物に触れさせていただけることになりました。

その方の収集品は、大手出版社が「古伊万里の写真集」を出す時に、撮影依頼が来たほどのものです。実際に、その写真集には、その方の所蔵品の写真と、名前(○○△△氏所蔵品)が記載されています。

その写真集に出ている実物を最初に持たせてくれました(素手ではなく、白い手袋をはめたのですが)。少し緊張し、手が震えましたが、その感触を楽しめました。

古伊万里についての詳しい知識などありませんが、何とも言えない「まろみ」と、楚々とした「気品」を持ち合せた作品であることはわかりました。

その時、
これ、いくらだと思いますか?
ときかれました。

突然のことで、戸惑ってしまいましたが、茶碗のような大きさなので、よくて500万円かと値踏みし、その方を喜ばしてあげようという心遣いも含め、
700万円くらいですか?
と答えました。

すると、
これは、1300万円なんですよ
と言われてしまいました。

その場は、
見る目がないので、失礼しました
と取り繕うしかありませんでした。

さらに、次の所蔵品を持たせてくれました。その感触を確かめている時、また、
これ、いくらだと思いますか?
と尋ねられました。

前の作品が1300万円だとすると、これは、それほどではないなと思い、サイズが小さいことも考えて、
200万円くらいですか?
と答えました。

すると、
これは、150万円なんです
と言われました。

またさらに、次の所蔵品も持たせてくれました。同様に、
これ、いくらだと思いますか?
ときかれました。

前の2作品の値段が頭の中に入っていましたので、
70万円ですか?
と、すんなり答えますと、

これは、80万円です。当たってきましたねえ
と言われました。

古伊万里のことなど、全く知らなかったのに、初めに「いい作品」に触れると、
「いい」か「普通か」の検討がつき、ある程度値踏みすることができるようになったのです。


偽物の見分け方、本物の見分け方(3)へ つづく

[ 2008/12/26 18:23 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

偽物の見分け方、本物の見分け方(1)

上海夜景/photo by福家金蔵
4年前、上海の豫園という地区を歩いていたら、怪しいニイチャンが近づいてきて、
シャチョー、ロレックス、1000円ヨー
と話しかけてきました。

無視していると、ずっと付いてきて、
ロレックス2個、1000円スルヨー
と言ってきました。

不是(プーシー)」(いいえの意味)
と言うと、

またまた、足早に近づいてきて、
ロレックス100円スルヨー
と言ってきました。

これには、ビックリ!仰天しましたが、要らないものは、要らないので、またまた
不是(プーシー)
と言うと、

何デ、買ワナイヨー!
と言って、怪しいニイチャンは立ち去りました。

このようなバカげた例を出すまでもありませんが、
「偽物を売る人は、偽物の顔をしている」ことは間違いないと思います。

偽物の見分け方<その1>は、

単に、その商品を見るだけでなく、それを売っている人の表情、服装、言葉遣い、売っている店の陳列、内装、周辺環境などを見て、判断することだと思います。

そこに違和感を覚えるようなら、それは、偽物です。その違和感とは何ですか?と質問されても困るのですが、怪しい、胡散臭い、品位がない、薄っぺらいのようなものです。

これは、一度痛い目にあうと、この「違和感」がわかります。口惜しい思いをすれば、感じ取ることができると思います。

さらに、実際に商品を見て、その商品が、本物か偽物かを見分けることも必要です。


偽物の見分け方、本物の見分け方(2)へ つづく

[ 2008/12/26 12:33 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

店什器・商品什器2~無料でもらえる~

11.中古ビール箱 無料でもらえる

これは、丈夫で軽いから便利です。しかも、コンテナになっていますので、形を自由自在に変えることが出来ます。しかし、見た目が汚いので、ビニールクロスか樹木用麻布(業務用だから安い)をカバーして使うと便利です。

什器ではないですが、これを使って、上に畳を敷けば、従業員の休憩室も事務所や倉庫に作れます。

12.中古パレット 無料でもらえる

大体、1平方メートルサイズです。山積みコーナーによく使います。高さ調整のために、先ほどのアイアンスタンドを四隅の下に置いて使います。半分に切断加工して使うのも手です。

13.電線ケーブルを巻いていた大型木製ドラム 無料でもらえる

これは、大型木製テーブル什器として、利用できます。また、円形ですから、これを使うと、客がぐるっと回ってくれます。高さがあるので、目線に持っていくと売れる商品によく使います。ペンキを塗るか、布を敷くか、少し工作すると見た目もきれいになります。

14.各種木箱 無料でもらえる

日本には、もう少なくなってしまいましたが、そのまま使っても、はげたシールと古いデザインがアンティークな感じでいい雰囲気になったりします。

15.ギフト用各種ラッピング用紙 約300円 (あれば無料)

ギフト用のラッピング用紙で、金属、コンクリート、プラスチックなど汚いところを覆います。奥の暗いところには、明るい色の用紙を壁面全体に使います。和感覚の商品の下には、和紙を使うと商品が映えます。色柄にこだわらないのなら、従業員の各家庭の押入れに眠っている包装紙を使うのも手です。

お金はかかりますが、金や銀のラッピング用紙を使えば、光に反射して、派手になります。何はともあれ、これを使うと売場の雰囲気が一挙に変わります。

16.アンティーク家具 約+30000円

売れる什器!これが、一番賢い方法です。新品ですと、汚れると価値が下がりますが、アンティークだと心配ありません。しかも、什器が売れると儲かり、アンティークで、いい雰囲気を醸しだすとなれば、一石二鳥です。椅子、テーブル、食器棚などが商品什器として使えます。

このように、店什器・商品什器「安い」「無料」「儲かる」ものを使い、少し加工・工作すれば、楽しい売場ができます。創意工夫で、個性ある売場になると思います。

オリジナリティは「ケチ」から生まれるものではないでしょうか。


店什器・商品什器1~アイデア工作~に もどる


 

[ 2008/12/25 15:20 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

店什器・商品什器1~アイデア工作~

商品に合わない店什器、店に合わない商品什器、どっちをとるべきか?

本来は、商品を主役として考えるべきだと思います。ところが、一般店舗では、店什器を一列に並べ、それに無理やり合わせた形で、商品を放り込んでいます。商品が窮屈そうで、圧迫感も感じます。商品が良く見える高さ、角度、棚の色、明るさは千差万別のはずなのですが・・・

また、「触ってみたい!」と思っても、パッケージが邪魔をして、触れない場合や中身の見えない商品まであります。効率を優先した陳列がまだまだ残っています。

その点、早くから成熟したファッション業界や雑貨業界の商品什器は、客の視線を惹きつける意味において、進んでいると思います。

・供給不足の場合、効率主義は最善の思想
・供給過多の場合、効率主義は最悪の思想

でも、効率運営を否定する気もありません。会社経営は、基本的に、効率運営しないと、組織が回っていかないからです。しかしながら、モノが売れない時代では、効率運営を少しは抑えて、客が楽しいと感じる売場を作るべきだと思います。

景気のことを考えると、什器に、お金をかけられないのも事実です。したがって、知恵を出すしかありません。

1坪当たり売上高が低い業界では、什器にお金をかけることができません。しかし、情緒的に売らないと売れない商品もあります。高さや位置を変えるだけで、急に売れ出す商品もあります。

この矛盾を克服するため、1坪当たり売上高が低い業界は、お金をかけずに、什器を開発しています。このアイデア工作方法や「無料でもらえる什器」について、今から逐次説明していきたいと思います。

1.樽什器キャスター付 約1000円

化粧品、ワインなどの店頭販売でよく使われています。ボトルタイプの商品を乱雑に放り込むのに適しています。園芸用木製樽を買い、下にキャスターを工作して付けると移動にも便利です。

2.プラスチック鉢上げ底加工 約1000円

樽什器と同じような使い方をしますが、色が豊富(茶、白、深緑、深青、黒など)なのとサイズが豊富で、商品に合わせて、使い分けができます。包装資材のプチプチなどを下に敷くと商品が少なくてもボリュームがあるように見えます。しかも木製に比べ、さらに軽いので持ち運びしやすいです。

3.アイアンスタンド 約500円

樽什器やプラスチック鉢を引っ掛け、高い位置に調整します。「後方の陳列は高く、手前の陳列は低く」が一般的です。また、それ自体に長尺もの、ロールものなどを放り込むのにも適しています。倒れなくて便利です。

さらに、最近は、浅型陶器鉢(約500円)に園芸用寒水砂利(約500円)を入れ、このアイアンスタンドを使うと、おしゃれな店舗用灰皿が簡単に出来ます。

4.フラワースタンド 約1000円

陳列の基本である、ひな壇陳列をする場合、使いやすいと思います。3段が一般的です。壁面などで使ってください。プラスチックだから、軽くて移動に便利です。残念ながら、白が主流で安いので、見栄えがよくありません。麻布や藍染の布(約500円)でカバーして見栄えを整えるのも手です。

5.木製縁台 約1000円

陳列の高さを整えるに便利です。先ほどの、樽やプラスチック鉢の高さを整えるために、組み合わせて使うことがよくあります。

6.単管パイプ(建築足場用鉄製パイプ)什器 1m当たり約300円

これを組み合わせると、丈夫な什器ができます。棚にコンパネ(合板1㎡当たり約300円)を使ってアイデア工作すると、立派な什器が本当に安く出来上がります。

7.庭の目隠しフェンス 約1500円

壁面の空間処理や間仕切りによく使うのですが、このラティスフェンスを3枚か4枚組み合わせて、アイデア工作して立てると、フック陳列できる什器に早替わりします。

8.各種コンテナ、カゴ、バケツ 約100円

大型100円均一ショップの収納コーナーで、使えそうなものを物色します。結構大きな手提げプラかご、カラフルなバケツ、収納コンテナなどいっぱいあります。

9.木製デッキすのこ 約300円

突き出し陳列や山積み陳列をする下に使用します。各サイズ(30cm角、45cm角、60cm角)を上手に利用すると、床陳列がきれいに見えます。

10.園芸用壁掛けプランター、アイアンバスケット 約500円

関連販売の時やエンドネットのフックにこれを掛けます。ついで買い商品などを放り込みます。これを使うと、空間の余っているところにも商品が置けるようになります。バスケットですと、天井から吊るすことも可能です。これも最近、100均で小さいものが売られています。

店什器・商品什器2~無料でもらえる~へ つづく

[ 2008/12/25 08:29 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

接客サービスとは?接客の基本とは?(2)

何年か前に、接客サービスで、腹立ったこと、イヤだったことをメモしていた手帳が出てきました。そこに、メモしていることをまとめると、以下のようになります。

1.販売員について

・言葉遣いが悪く、偉そうだった
・愛想が異常に悪かった
・顔を見ないで、形だけで、心のこもった挨拶でない

・店員同士が私語に夢中で、無視された
・呼んだのに、気づいてくれなかった
・平気で待たされた

・質問しても、いい加減なことばかり言われた
・アドバイスどおりにしたけど、うまくいかなかった
色眼鏡で見るような接客に感じた

・まるで、万引きをしたかのように、ジロジロ見られた
・しつこく、付きまわられた

2.レジにて

・レジで何分も並ばされた
・レジで順番を抜かされたのに、上手く対応してくれなかった
・値段の確認のため、何分も待たされた

・釣銭が少なかった
釣銭の渡し方が乱暴だった
・レジを間違えて打たれていた

・レシートを渡してくれなかった
包装の仕方が悪く、持ちにくかった
・不良品の返品、交換の対応が悪かった

・配達を断られた

3.運営について

・電話をかけても、なかなかつながらなかった
・電話でクレームを言ったけど、対応が悪かった
・商品が入ったらすぐに連絡すると言ったのに、連絡してこなかった

・配達時間が遅れて、大分待たされた
・マイク放送の声が、異常にうるさかった
駐車場の誘導が下手で、大分待たされた

・重い商品を運ぶのに、手伝ってくれなかった
・椅子が少なく、休憩する場所もなく、立たされっ放しだった

このメモした以外にも、実際にはまだまだいっぱいあると思います。まずは、このような方法で、従業員全員に、他の店で、腹が立ったこと、イヤだったことを一度レポートに書いてもらうといいと思います。自分のことは見えなくても、他人のことはよく見えるものです。

これをもとに、「客を怒らせない接客サービス術」をどう実行するか、従業員全員で意見を出し合い、対処法を検討していけばいいと思います。

「されたらいイヤなことを絶対にしない」
人の振り見て我が振り直せ
この当たり前の理屈は、誰もが納得するはずです。

「接客サービスの心」を当事者として、従業員自らが考えてくれるきっかけにもなると思います。これが、接客サービス術の第一歩ではないでしょうか?


接客サービスとは?接客の基本とは?(1)に もどる


[ 2008/12/24 15:31 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

接客サービスとは?接客の基本とは?(1)

接客サービスとは、「心」の販売術です。正確に言うと、「心」を付加する販売促進術です。

マニュアルとは、「」を教える最適資料です。「心」を教えるのが苦手です。しかし、マニュアルを読む人の「」が込められると、マニュアルは「」を教えます。

その「魂」は、マニュアルを読む人、自らが、「接客サービスとは何か?」について真剣に考えることによって生まれます。

このように、接客サービスの「心」が、当事者の問題として、理解されないと、接客サービス術は、永遠に、レベルアップしていかないと思います。

しかし、それほど難しく考える必要もありません。

接客サービスとは、

1.客を感動させる接客サービス

2.客を怒らせない接客サービス

3.客を怒らせてしまう接客サービス

の段階があると思います。

今の時代の接客サービスは、客に感動を与えないといけないという人がいます。でも、そう言う人の出身を見ますと、客室乗務員、ホテルマン、イベント運営、テーマパーク運営等「ハレとケの世界」で言えば、「ハレ」出身の人たちばかりです。

世の中には、「ハレ」の職業は、ごくわずかです。日常的な「ケ」の一般的な職業における接客サービスは、上記2の段階の「客を怒らせない」レベルで十分です。これが、接客の基本です。これも出来ていない人が、客を感動させようとしても、無理だと思います。

接客の基本とは何か?客を怒らせない接客サービスとは何か?

それは、単純明快です。自分がされて嫌なことは絶対にしないようにするだけです。

自分が他の店に行って(自分が客の時)腹が立ったこと、嫌だったことを接客サービス手帳にメモします。

感動したことをメモしても、企業の置かれている立場と事情が違うため、すぐに、実行できることは、極わずかです。大半は、参考意見に終わってしまいます。

ところが、腹が立ったこと自分がされて嫌なことは、すべての接客サービスにおいて、共通していることです。これを、自分の企業に当てはめて、問題があった場合、すぐに改善できます。腹が立ったこと、嫌だったこととは、具体的には、どんなことでしょうか?


接客サービスとは?接客の基本とは?(2)へ つづく

[ 2008/12/24 11:20 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

説得する方法とプレゼンテーションの仕方(3)

私は、「自分の気持ちを伝える」手段として、優先順位をあげるとしたら、以下のような順になると思っています。

 

 順位 (伝達手段) (情報レベル)
 1 視察、現物提示、生の声 3次元五感リアル情報
 2 動画映像 2次元視聴覚リアル情報
 3 写真 2次元視覚リアル情報
 4 グラフ・数値 客観的加工情報
 5 文章 主観的加工情報
 

一番は、現地に連れて行って、そこで説明することですが、それが無理なら、会議の席に現物や試作品を持ち運んで、説明することです。そして、その商品を購入した人に成功ポイントをその場でしゃべってもらうことです。

それが、不可能な場合、それを補う資料として、「ビデオ映像」「写真」「グラフ・数値」があります。本当は、優先順位が低いのだと思います。

プレゼンテーションする人は、この優先順位が頭に入っていないといけないと思います。

このように、人を説得する方法と効果的なプレゼンテーションの仕方がわかったとしても、仕事を大きく膨らますことは、まだできません。

最後に、本当に大事なことは、営業マンが相手先に対して発する「オーラ」のようなものです。その「オーラ」のようなものとは、

1.夢の共有
2.大義名分
3.錦の御旗

のように、理念から生まれてくるのです。つまり、利己的な欲得から離れ、純粋に世の中の役に立とうと思っている気持ちから生まれてくるのだと思います。

この気持ちがあれば、気迫と自信が生まれ、すべての言動に対して、自信を持って、言い切ることができるようになります。

こうなると、目上の人であっても、その人の心を動かすことが容易に出来るようになります。

最終的に、人を説得するのは、「99%の良心と1%の技術」と考えるべきかもしれません。このことは、時代が変わり、技術が進歩しようとも、普遍の真理に違いないのではないでしょうか。


説明する方法とプレゼンテーションの仕方(1)に もどる

[ 2008/12/22 18:51 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

説得する方法とプレゼンテーションの仕方(2)

2.人気の提示

会社の信用を得られたら、次は、客からの評価です。その第一は、「人気」です。これを示すには、
a「売れ行き状況」が必要です。

この場合、総論を言うのではなく、「○○で、100台買っていただいた」、「小さな会社の△△でも、30台買ってもらった」、「地方の小さな町の××会社でも、毎月20台納入しています」というように、具体的に話す方が説得力が増します。

さらに、今でもグングン伸びていることを強調するために、
b「売上伸び率」の提示も大事です。

この伸び率でいけば、200×年には、普及率が○○%に達するというように、躍進の度合いを示していくと、それに乗りたくなる心理になっていきます。


3.第三者の声

最近、ネットでホテルをとったり、買物をしたりするとき、一般的に、客の判断材料にされているのが、
a「利用者の声、買った客の声」です。

幾らいいことを言われても、最後に信じるのは、これしかありません。これをリアルなまま(加工せずに)載せていくことが大事です。

また、商品が
b「人の噂、評判」になっている
c「マスコミ記事」があれば、鬼に金棒です。決定的です。

さらに、
d「著名人推薦のことば」があれば、購入の意志が強くなっていきます。

もう一つの決め手は、
e「使用前使用後写真」です。
その商品を購入して、どう劇的に変化したのか目で効果のほどを見てもらうことです。

これで、購入の意思は強固なものとなっていきます。後は、いくらで買うか、幾つ買うかの問題です。


4.儲かる、得する金額

その商品を購入すると、
a「費用対効果」がどう変化するか?
b「類似商品との差」も説明しながら、
c「利益予想」のシミュレーションをしていきます。

大がかりなものになった場合は、
d「投資採算計算」する必要が出てくることも考えられます。

でも、最後は、その商品を購入したら、どういう未来が待っているかを説明して、「結局、お得!」であることを強調することだと思います。


5.限定の提示

人間は、ないもの、なくなるかもしれないものに対して敏感に反応して、決断を急ぎます。したがって、
a「手持ち数量の残り少なさ」と次回納入までの
b「手に入らない期間」を説明して、量の購入も促進していきます。

さらに、エリアや業種を指定し、
c「取引先限定」をすることで、
競争相手を意識させ、最終決断を促します。

以上のような手順で、人を説得していくのですが、それを、どういう手段をつかって、プレゼンテーションしていくかが重要なのです。


説得する方法とプレゼンテーションの仕方(3)へ つづく

[ 2008/12/22 10:46 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

説得する方法とプレゼンテーションの仕方(1)

プレゼンテーションとは、集まった人の心を動かすための手段です。したがって、感動を与えないプレゼンテーションなんて全く意味がないと思います。

パワーポイントなどのソフトを使い、技術的に説得することをプレゼンテーションだと勘違いしている人が多いのではないでしょうか?自己満足でつくられた表やグラフを見せられても、最近では、何の感動もしなくなっているのかもしれません。

プレゼンテーションの意味をもう一度考え直した方がいいように思います。どうすれば、人の心を動かすことができるのか?この点を踏まえて、人を説得する方法と効果的なプレゼンテーションの仕方について考えていきます。

人を説得するには、

1.信用の提示
2.人気の提示
3.第三者の声
4.儲かる、得する金額


そして、最後に決断を促すためには、

5.限定の提示

が必要です。

ここでは、ある中小企業の営業担当が、開発したばかりの新製品を引っさげて、新規取引先を開拓していくことと仮定します。そして、初めて足を踏み込む会社の初対面の重要ポストの人を前にして、プレゼンテーションするという過酷な場面を考えてみます。


1.信用の提示

信用を得ようとする上で、手っ取り早いのは、
a「人からの紹介」です。

これがあると、「○○を知っているのか?」といって、心を開いてくれます。人からの紹介という芋づる式は、無名の会社が信用を得る最適の手法だと思います。

でも、これだけでは、次にはつながっていきません。どこと付き合っているのかが、信用のバロメーターとなってきます。

そこで、
b「納入先・取引先一覧」が必要になってきます。
これには、数の多さが要求されますので、びっしり書き込んでいるのがいいと思います。

さらに、その中から、リストアップした
c「著名企業の取引先」も必要になってきます。

これを見て、一応信用されたとしても、長く付き合える先かどうかは、まだ判断できません。

そこで、
d「会社の履歴」がなければなりません。
どういう姿勢で、今まで、会社を経営してきたのか知りたいものです。

この履歴において問題がなかったとしても、これから、どうなっていくのかも知りたいものです。

そのためには、
e「正直さを示す言葉」が必要です。

誰のためにモノをつくり、何を実現しようとしているのかを示す明確な経営理念、経営方針がないと、優良会社からは信用されません。

a~eの過程を経て、ようやく、信用の下地が生まれます。


説得する方法とプレゼンテーションの仕方(2)へ つづく


[ 2008/12/22 07:24 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

住みやすい町は「景観・緑地・水・出会い」(2)

今、日本の行政も、環境問題について、ようやく口うるさくなってきましたが、何か違和感を覚えてしまうのです。

スウェーデンの小都市の役所を訪問した時、都市計画の担当者は、

都市づくりの基本は、

1.景観
2.緑地
3.水
4.出会い


の4つの条件を満たすことにあると言いました。

1.景観については、建築材料、レンガの種類、色指定などで、町並みの景観維持政策、工場の郊外への移転促進政策など

2.緑地については魅力ある町づくりのため、緑地の確保と緑地のつながりを重視。航空写真で毎年成果を市民に発表(定点航空観測)

3.水については、川の蛇行や沼地の確保により、葦や藻による自然浄化作用で、水質改善。地下下水道を廃止し、町に川の流れを復活させ、潤いをもたらす政策

4.出会いについては市の中心を環境面で魅力的にして、なお且つ、様々な人が効率よく集まりやすくして、出会える場をつくる政策

このように、景観・環境・人が一体になっています。ヨーロッパ各国では、生活者の住みやすいい町づくりから、「環境」がクローズアップされてきた経緯があります。

環境は、企業や役所のものではなく、生活者のものです。しかも、ヨーロッパでは、環境に対して、余りお金をかけていません。

先ほどの市の担当者は、350円のバケツを10個ばかり、ホームセンターで買ってきて、自分たちで、下水管に栓をして、下水を地上の沼地に誘導し、水質を浄化して、環境改善を行ったことを、自慢していました。

彼らは、公務員ですが、公務員の給与は民間に比べて、2割近く低いので、早く、民間に移りたいと言っていました。

日本では、「環境」という大義名分の下に、まだまだ役所や産業側の論理が優先しています。「もっと、きれいな町、潤いのある町に住みたい」という、生活者の自然な感情から、環境を論じるべきだと思います。

そのためには、環境だけが一人歩きするのではなく、景観・環境・人を一体で考えていかないといけないと思うのです。

まずは、出発点として、町の景観から見つめていくべきではないでしょうか?もっと、生活者の視点が必要だと思いませんか?


住みやすい町は「景観・緑地・水・出会い」(1)に もどる


[ 2008/12/20 11:13 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

住みやすい町は「景観・緑地・水・出会い」(1)

スイス・グリンデルワルト風景/photo by福家金蔵
「昔建設、今緑化」
この言葉は、ドイツ北部の小都市で、市の環境保護主任の方から聞きました。昔(1970年代まで)は、今の日本のように、建設課が中心になって、町づくり計画を行い、環境課(緑化部門)の意見は、どうしても、後回しになっていたそうです。

ところが、1980年代以降、市民の環境意識の高まりとともに、緑化部門の、景観計画担当者が、まず、都市のデザインを行い、その後、建設課に回すという手順になり、順序がまるっきり、逆になったそうです。

ドイツという国は、機能的な国です。したがって、都市設計でも、実によく考えられています。ドイツの小都市全般に言えることですが、町の中心に、石畳が敷き詰められています。

単に、「美観」というだけでなく、石畳のデコボコ道で、車のスピードが出ません(20キロ以下)したがって、安全だけでなく、騒音も少なく、快適です。この石畳だと、道路も、子供の遊び場になります。つまり、公園としての機能も兼ね備えることになります。

ドイツは、アウトバーン(超高速道路)が有名です。実際、私も、時速170キロを体験しましたが、皆、そこでは、猛スピードで走っています。

しかし、アウトバーンは、決して町の中心を通ったりしません。(日本の都市高速は町の中心を横断して、町を分断し、町の景観を損ねています)時速150キロ以上を出せる、産業用高速道路と、時速20キロ以下の生活道路をはっきりと区分しています。

今の、日本の都市は、もう無茶苦茶です。私の家から、程近い県道(本来は生活道路のはず)に、40フィートのコンテナを載せた大型トラックが頻繁に走っています。ブレーキをかける時などは、地響きを立てています。

高速道路は、すぐ近くにあるのですが、高速道路に乗ろうとしません。都市高速は、一律料金設定のため、近くても遠くても料金は同じです。不況になれば、至近距離のトラックは、節約のため、下の生活道路を走ります。本来、高速道路は、産業道路で、生活道路と区分するためにできたはずなのですが・・・

例えば、ドイツでは、休日のトラック運転が全面禁止になっています(生鮮食品だけは特例で許可)生活者が、休日に不快な思いをしないためだそうです。

今、ドイツの都市では、さらに、町中の一般自動車も規制し始めています。自転車先進都市を目指しています。安全地帯に花を植え、道路標識までも、緑化の対象です。景観を損ねる看板も当然のことながら、規制の対象です。

日本では、コンクリート電柱はむき出しのまま。暑い国なのに、黒いアスファルト道路。生活道路に大型車の運行や、一般車の猛スピード運転。生活者の快適さなど、何も考えてくれていないと思います。


住みやすい町は「景観・緑地・水・出会い」(2)へ つづく


[ 2008/12/20 08:21 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

家計簿のつけ方を再考(2)

ところが、「2.今を楽しむ支出」は、昔に比べて、余り、減っていないのではないかと思います。「今を楽しむ支出」は、考え方によっては、死に金かもしれません。今の満足しか生み出さないことの方が多いと思われます。

もちろん、人間は、精神バランス維持のためや、ストレス解消のためには、今を楽しむことも重要です。しかし、その楽しみが、将来の糧にならず、今の快楽だけに終わる場合が多いと思われます。

一方、「4.将来のための支出」は、あくまで、将来の不安を解消するために行っているだけです。金融用語では、これも投資かもしれませんが、本当の意味の投資とは言えないように思います。

ここで言う投資とは、将来の自分に対する投資です。この投資は、ある意味、博打と同じです。投資して、見返りが必ずあるわけではありません。でも、将来の自分を信じて、お金をかけるのです。これを、ケチってはいけないと思うのです。

大学時代、悪質な勧誘員に騙されて、英会話教材を買わされた友人が二人いました。その友人は、30万円近くの借金を背負い、深夜におよぶアルバイトをしながら、コツコツ返済していました。当時、私は、傍観者的立場で、「大変だなあ」と思っていただけです。

しかし、この二人は、25年以上経った今、1人は、海外勤務を経て、本社貿易部勤務。もう1人は、旅行代理店に勤務して、世界を飛び回っています。英会話教材販売会社に騙された分を、十分に取り返しています。人生って、面白いものだなあと思います。

不況時には、会社も、リストラや経費削減等で、「将来のための投資」まで、削減しているところを多く見かけます。

「今を楽しむ支出」は、どんどん削減しても構わないと思いますが、研究開発費、教育費などの「将来のための投資」まで、削減しているところは、不況が終わった後、競合他社に差をつけられてしまうのではないでしょうか?

このように、将来の投資は、収入の○○%と予算化して、惜しみなく使うべきだと思っています。

もし、それができない場合は、「今を楽しむ支出」と「将来のための投資」の混合型支出(例えば、趣味教養講座の受講料、目的を決めての視察旅行費、健康維持のためのスポーツ費など)を考えるべきかもしれません。

いずれにしても、目標や夢が希薄になると、ついつい自己投資額をケチってしまいがちです。それに気づくためにも、家計簿をつけて、その支出内容を一度チェックしてみる必要があるように思います。


家計簿のつけ方を再考(1)に もどる

[ 2008/12/19 15:01 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

家計簿のつけ方を再考(1)

我が家は、ここ3年、真面目に家計簿をつけています。Excelで一度つけ始めてみたら、不思議なことに、ずっと続いています。今では夫婦で「家計のやりくり」を楽しんでいます。

毎年、年度の集計を出して、項目別の詳しい集計を見ています。職業柄、決算書を見るような感じで、じっと眺めていたら、面白いことに気づきました。

家計簿の項目が、

1.今を生きる支出
2.今を楽しむ支出
3.将来のための投資
4.将来のための支出

に何となく分類できるのです。これらの代表的な支出項目を表にまとめると、以下のようになります。

(分類)(支出項目)
今を生きる支出食費、住居費、水光熱費、医療費など
今を楽しむ支出衣料服飾費、娯楽費、旅費、車両費、通信費など
将来のための投資教育費、書籍・雑誌・新聞代など
将来のための支出貯蓄型預金、年金、各種保険料など


厳密に言えば、衣料の中の下着は、「今を生きる支出」だと思いますが、自己判断で、衣料はすべて「今を楽しむ支出」にしました。

このように、きっちり分けることは、なかなか難しいのですが、家計簿のつけ方を再び考え直して、大雑把に、整理分類してみました。

そして、再度、家計簿を出してみた結果、「3.将来のための投資」が意外に、少なかったのに、びっくりしました。子供の塾の月謝、学校の授業料を除けば、夫婦の自分たちに対する投資を、最近怠っていたのではないかと反省させられました。

思い起こせば、大学卒業前に、借金して、海外旅行に行きました。新入社員の秋には、借金して、パソコン(「NECのPC88」当時で20万円強)を、気前よく、買いました。

20代は、実用書中心に、月に10冊くらい、本を見境なく買っていたと思います。(実際読んだのは3分の1くらいでしょうか?)多分、月に2万円近く使っていたと思います。

今から考えると、将来の自分のために、投資をしていたのだと思います。これは、生きたお金だったと信じています。家庭を持ち、子供が出来てからは、いつの間にか、「3.将来のための投資」が減ってしまっているのです。


家計簿の付け方を再考(2)へ つづく

[ 2008/12/19 11:40 ] お金の話 | TB(0) | CM(0)

企業が求める人材像と管理職の役割(3)

管理職の条件とは

このように、企業側からの論理だけで言いますと、

・地方出身、
・実家は裕福とは言えないが、
・都会の1.5流大学文科系学部を卒業

・大学在学中は、体育会系のクラブに所属し、
・キャプテン、副キャプテンを務めるが、
・性格は、コツコツ真面目型

・結婚後、子供をもうけ、
・郊外に一戸建てをローンで購入
・子供の教育にも熱心で
・妻はパートには出るが、基本的に専業主婦である

といった人がいたなら、また、そのようになりそうな人がいたなら「管理職」に適任です。

しかし、こういう人材は、上場企業が既に採用済で、辞めさせないので、中小企業は採用できません。したがって、このような「管理職」の適任者を自ら養成していかないといけないのです。

中小企業で、このような「管理職」を養成していくには、初めに、相当厳しいことを言わなければなりません。以下のようなことを理解してもらうことから始まります。

1.企業は、法人の「しあわせ」を大事にするところ。個人の「しあわせ」は、法人が「しあわせ」になった後

2.個人の「しあわせ」を第一に考える人は、企業に属さず、自分の力で生きていくこと

3.管理職になりたくない人は、準社員扱いの「時給」で働くことを覚悟してほしい

個人側の論理に立つと、非常に厳しいのですが、企業の論理と個人の論理はなかなか合致しないものです。

企業に社員として勤めている以上、まずは、企業側の論理に合わせていくしかありません。
それがイヤなら、自分で会社を起こすしかありません。

つらいことかもしれませんが、自立せずに、「自分のやりたいこと」が思い存分やれるほど世の中は甘くないと思います。


企業が求める人材像と管理職の役割(1)に もどる

[ 2008/12/18 21:10 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)

企業が求める人材像と管理職の役割(2)

1.そこそこ賢い人、努力する人

賢すぎるのも困りものです。日本的資本主義への参加は、日本ガンバル教に入信することから始まるのですが、賢すぎる人は入信しようとしません。

この日本的資本主義の構造を早くから理解して、日本ガンバル教を避け、競争が少なく、ラクして稼げ、安定している先(公共関係、独占、寡占化業種など)に就職しようとします。したがって、このような賢すぎる人は、一般企業の管理職になろうとしません。

だからといって、管理職は、賢くない人で務まるかというと、そういうものでもありません。やはり、そこそこ賢い人でないといけないのです。計算能力や説明能力といった経営管理的センスも最低限必要です。

また、日本の社会で、組織をまとめていくには、管理職自らが、一所懸命ガンバル背中を下に見せていかないと、人は付いてきてくれません。そういう意味で、天才型の賢すぎる人より努力型のそこそこ賢い人の方が管理職に向いていると思われます。


2.体力のある人

日本ガンバル教に入信した以上、朝早くから、夜遅くまで働き続けないといけません。一に体力、二に体力です。三、四、五も体力です。頑丈なカラダでないと、長時間の労働は務まりません。

また、部下に「背中」を見せようとするには、誰よりも早く出勤して、誰よりも遅く帰らないといけません。そのけなげさが、日本人の心を打つことになります。残念ですが、この手法を使わない限り、なかなか部下が付いてきてくれないものです。


3.公共心のある人

社長がいないと、すぐサボるような「管理職」では困ります。いようがいまいが、モクモクと働く人でないと、経営者は「管理職」に安心して任せられません。また、そういう表裏のある「管理職」には、部下は付いていかないものです。

それと、「管理職」には、それなりの決裁権が認められています。ということは、公共心のない人は、気が緩めば、業者との癒着や社内での不正を行うことも考えられます。

そのような危険性のある「公共心のない人」には、安心して「管理職」を任せるわけにはいかないものです。


4.リーダーシップのある人

人をまとめていくには、長時間労働で「背中」を見せるだけで務まるわけでもありません。目標を掲げ、従業員の能力を見極めて、適材適所に人を配置し、皆を団結させて、チーム一丸で、目標達成を遂行させる能力が必要です。

もし、目標どおりに行かなくても、お互いに励ましあって、日々確認、修正を繰り返しながら、皆の気持ちを新たな目標に向かわせないといけないのです。

さらに、「人を育てる」教育者でないとも困るのです。従業員に納得させて、やらせる「コミュニケーション能力」といった力量も必要なのです。

このリーダーシップという能力は、学校教育で養成してくれません。クラブ活動などで、団体スポーツの主将を経験したような人が適任かもしれません。


5.ハングリー精神のある人

「管理職」として、やる気を持続していくためには、何といっても、ハングリーさが必要不可欠です。住宅ローンを抱え、専業主婦も抱えてしまい、子供にも期待して、教育費をかけてしまった人なら、否が応でも、やる気を持続していかないといけなくなります。

親から譲り受けた「持ち家」があり、独身を満喫しているか、結婚していても、配偶者がバリバリ働いていて、子供のいない人は、なかなかハングリーには、なれないものです。

ハングリーでない人は、最終的に厳しい仕事から逃げます。したがって、「管理職」には適任と言えません。


企業が求める人材像と管理職の役割(3)へ つづく

[ 2008/12/18 21:02 ] 出世の話 | TB(0) | CM(0)