とは考

「・・・とは」「・・・人とは」を思索

『オヤジの知恵』早坂茂三

オヤジの知恵 (集英社文庫)オヤジの知恵 (集英社文庫)
(2002/04/18)
早坂 茂三

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著者は、田中角栄の第一秘書をされていました。田中角栄を真横で見てこられた方なので、田中角栄の言動が手に取るように伝わってきます。

本書には、田中角栄の回想録も数多く載っています。それらの一部を要約して、紹介させていただきます。



・「失敗はイヤというほど、したほうがいい。そうすると、バカでない限り、骨身に沁みる。反射神経が身についてくる。判断力、分別ができてくる。これが成長の正体だ」

・「大勢の人に寄ってもらうためにはどうするか?約束したら守る。実行することだ。人のいやがることを進んでやる。他人のために汗を流すことだ」

・「自分のことは自分でやれ、他人に甘ったれるな、人様に迷惑をかけるな。この人間の在るべき三条件を幼時から子供の肌に焼きつけたほうがいい」

・「大切にしているのは、何よりも人間との接し方だ。それは戦略や戦術ではない」

・「心せよ惻隠の情。これをなくすな。なければ、すぐにも用意せよ」

・「すぐれた指導者は、人間を好き嫌いしない。能力を見分けて、要所、要所に配置する。進むべき方向を明確に示し、後は裁量に任せる。肝心なのは大事を任せられる人を見つけることだ」

・「世間で何よりも恐ろしいのは人の口だ。善行は簡単には伝わらないが、悪口はテレビのCMよりも伝播能力がある」

・「頂上を極めるためには敵を減らすことだ。人の好き嫌いはするな。誰に対しても一視同仁。いつでも平らに接しろ」

・「喧嘩をしても勝てる。この自信があれば心に余裕ができる。この余裕が言動すべてに行き届く」

・「大事なのは数字と事実だ。耳ざわりのいい形容詞にだまされるな。嘘か本当か。調べればすぐ分かる。根拠に乏しい屁理屈は、たちどころに化けの皮がはがれる」

・「若い人にぜひ言いたいのは、頑固であれということだ。簡単に妥協するな。少数派になることを恐れるな。そして意地を張れ。突っ張れ。爪先立ちをしろ肩に力を入れろ。それが若さというものだ」

・「金と女は追いかければ逃げていくが、自分を作ることに本気で専念すれば、今度は向こうから追いかけてくる。そのときが必ず来る。男はそう思って仕事の鬼になったほうがいい」

・「無名の人は失うものがない。ならば、彼がなすべきことは、前進、また前進だけである」

・「日本人は熱しやすく、また、冷めやすい。ツキモノが落ちれば、すとんと伝統的な日常に戻る。これを繰り返してきた」

・「すぐ手を出す人に、それほど悪い人はいない。手の早いというのは、性、善なる人である」

・「凡なること、普通であることは、生きていく上で最大の武器にもなる。相手は油断する。相手は身構えない」

・「インテリ、文化人は安全地帯で人民を見下し、実験室の論理と感性を他人に押しつける人種である。陰湿で執念深い」

・「二千年にわたる水田稲作社会を生きてきた日本人は、今でも本質的に農耕民族である。この実態に目をつぶれば、すべての事実認識を誤ることになる」

・「ワキが甘くて、フトコロの深い人のそばに人間は集まってくる。ワキが固くて、フトコロの浅い人には寄ってこない」

・「日本は大中小無数のボスを中心とした車座社会の連合体だ。メンバーは尻を外に向け、顔はボスに向けて、重層的に同心円を描いて暮らしている」

・「金儲けは人間が流した汗や涙の分量、絞り出した知恵の重さに見合った正当な報酬だ、と見るほうが実態的である」



力とは何か。力を得るには、何を身につければいいのか。そして、人の上にどうすれば立てるのか。

本書には、日本で成功するためのシンプルな鉄則が、記載されています。ここに書かれてあることは、百年経っても変わらないのではないでしょうか。


[ 2013/07/24 07:00 ] 田中角栄・本 | TB(0) | CM(0)

『田中角栄に訊け!― 決断と実行の名言録』後藤謙次

田中角栄に訊け! ― 決断と実行の名言録田中角栄に訊け! ― 決断と実行の名言録
(2011/12/21)
後藤 謙次

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田中角栄に関する本をこのブログで紹介するのは、「田中角栄処世の奥義」「日本列島改造論」に次ぎ、3冊目です。

田中角栄は、今も功罪を論じられていますが、そのスピードと実行力という点においては、抜群のものがありました。今でも、「田中角栄待望論」が囁かれるのも、十分に納得できます。

本書には、田中角栄の名言録が数多く掲載されています。それらの中から、印象的な言葉を抜粋しました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・政治は瞬時として停滞を許さない。たえず動いている。静かに瞑想にふけったりしているうちに、死んでいく政治家が何百人、何千人といる

・政治家にオール・オア・ナッシングというものはない。一に最善手を目指す、二に次善、三に三善の策まで考えろ

・学者は専門バカが多い。了見が狭くて片寄りがち。それに、許認可の権限がない。俺は、役人を手足に使う。学者の話は君が聞け

・役人は権威はあるが、情熱はない

・住宅は一家の団欒所魂の安息所、思想の温床。家があるならば、それからいろいろなことを考えてやっていける。働く人たちに家を与えずして、何が民主主義か

・政治の仕事は、国民の邪魔になる小石を丹念に拾って捨てることと、国の力でなければ壊せない岩を砕いて道をあけること。それだけでいい

・ノーと言うのは、たしかに勇気がいる。しかし、長い目で見れば、信用されることが多い。ノーで信頼度が高まる場合もある

・他人にわからないようにしてこそ、好意は生きる。最後に車から降りる。運転手がドアを閉める。その瞬間、運転手の手の下からチップを滑り込ませる。そうすれば、誰にも見えない

・カネは受け取る側が辛い。相手のメンツを重んじられなくてどうする

・できるだけ、敵を減らしていくこと。世の中は、嫉妬とソロバンだ。インテリほどヤキモチが多い。人は自らの損得で動くということ

・人と会うのが醍醐味になってこそ本物

・借り物でない自分の言葉で、全力で話せ

・どうしても悪口を言いたければ、一人でトイレの中でやれ

・無理してつくった味方は、いったん世の中の風向きが変われば、アッという間に逃げ出していく。だから、無理をして味方をつくるな。敵を減らすこと。自分に好意を寄せてくれる人たちを気長に増やしていくしかない

・壁にツメを立ててはい上がってこい。塀の上に顔を覗かせたら、ひょいとつまみ上げてやる

・一本調子、イノシシみたいに直進しようとするだけでは、何も前に進まない。間の取れない奴は、相手にされない

・まず、身内を知ることに神経を使え。身内のことも知らないで、一人前の口なんてきいてはいけない。自分の物差しばかりで物を言うなということ。こういうのは、使いものにならない

・黙って、汗を流せ。いいところは、人に譲ってやれ。損して得取れだ。そうすれば、人に好かれる

・明朗闊達、和して流れず

寝言を言ったり、不満ばかり言っている奴は、人生終わるまで不満を抱き続ける人間になる。社会が悪い、政治が悪いなんて言って、一体何がある。人に貢献できるようになってから言うべき



田中角栄が亡くなってから、二十年近くになりますが、このような本が出版されているのは、過去の首相経験者の中でも、稀有のことです。

田中角栄のすごい逸話だけが一人歩きしているように感じますが、政策面でもきちんと評価することが、大事なのではないでしょうか。

功と罪を正確に判断して、この稀有の政治家の実績を、後世にきちんと残してもらいたいものです。
[ 2012/06/15 07:03 ] 田中角栄・本 | TB(-) | CM(0)

『日本列島改造論』田中角栄

日本列島改造論 (1972年)日本列島改造論 (1972年)
(1972)
田中 角栄

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十数年前に古本屋で手に入れた本です。出版されたのは、昭和47年(今から40年前)です。家の本棚の奥にしまってあったのを取り出して読んでみたら、なかなか面白いのです。

田中角栄という人物を批判的な目で見る人が多くいますが、この本を読んでの印象は、日本の高度成長時代末期に、出るべくして出た人物であると感じました。

その当時の田中角栄に罪はなく、田中角栄的なるものをずっと引きずってきた後輩の政治家や官僚たちに罪があるように思いました。

日本列島改造論には、田中角栄の理想と夢と予測が、数多く描かれています。40年経って、その理想と夢が実現されて、その予測が当たったのかどうか、「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・都市と農村の人たちがともに住みよく、生きがいのある生活環境の下で、豊かな暮しができる日本社会の建設こそ、一貫して追求してきたテーマ

・土地、人口、水などを総合的に組み合わせた地域別の発展目標を設ける

・明治から一貫してとり続けてきた財政中心主義(財政資金による資源配分で国を運営)は、明らかに改める時期にさしかかっている。これまでの制度は発展途上国の制度

・電力料金は、過密地域と過疎地域との間で料金差を設ける。工業用水道も同じような政策的配慮を加える。住民税も過疎地域のほうが相対的に安くなるような配慮をする

行政の広域化を促進すべく、市町村の第二次合併を積極的にすすめ、適正規模とすることによって、その行政力、財政力を強化する。周辺市との再編をすすめることによって、大都市行政の一元化と広域化をはかることが必要

・新しい広域地方団体を設置できれば、府県事務の3分の2を占めている国の機関委任事務や国の地方出先機関の大半は、この中に吸収、一元化され、激変している経済社会の体制に対応できる

・国際農業に対抗し、食糧の安定した自給度を確保するためには、高能率、高収益の日本農業をつくることが絶対に必要。そのためには、農業の大型機械化、装置化、組織化が大胆にはかられなければならない

・人間は自然と切離しては生きていけない。世界に例をみない超過密社会、巨大な管理社会の中で、心身をすり減らして働く国民のバイタリティーを取り戻すためには、きれいな水と空気、緑あふれる美しい自然にいつでもふれられるように配慮することが緊急に必要

・わが国が今後とるべき対外経済政策の重点は、「1.貿易取引のルール(国際分業)」「2.国際投資のルール(国際企業活動)」「3.援助と受け入れのルール(南北間)」「4.国際通貨体制のルール(国際収支の不均衡調整、通貨準備の量的不足、信用喪失)」

・これまでの生産第一主義、輸出一本ヤリの政策を改め、国民のための福祉を中心にすえて、社会資本ストックの建設、先進国並みの社会保障基水準の向上など、バランスのとれた国民経済の成長をはかること

・「人間の一日の行動半径の拡大に比例して、国民総生産と国民所得は増大する」原則からして、「地球上の人類の総生産の拡大や所得の拡大は、自らの一日の行動半径に比例する」という見方もできる

・今後の産業構造は、経済成長の視点に加えて、わが国を住みよく働きがいのある国にするという視点が必要。つまり、今後の日本経済をリードする産業は、従来の重化学工業ではなく、環境負荷基準労働環境基準という尺度から選び出すことが必要

・将来の産業構造の重心は、人間の知恵や知識をより使う産業=知識集約型産業に移動させなくてはならない。知恵や知識を多用する産業は、生産量に比べて、資源エネルギーの消費が低いので、環境を破壊することも少ないし、知的満足できる職場を提供できる

・知識集約型産業こそ、産業と環境の共存に役立ち、豊かな人間性を回復させるカギを持つ。「知識、技術、アイデアを多用する研究開発集約産業」「高度組立産業」「ファッション産業」「知識、情報を生産し提供する知識産業」などを発展させること

・「都合の悪いものは隣村へ持っていく」ことでは、問題の本質的解決にはならない。住民の生活環境や自然を守りながら開発をすすめることが必要

・これからの内陸型工業団地は、本格的インダストリアルパークにしたい。緑の並木道、噴水のある芝生の広場、整然とした工場の建物、色も明るく落ち着いて、工場団地全体が公園を思わせる外観にし、工業を地域社会に組み込んでいくことも可能

・明治以来、わが国の交通政策は鉄道中心におかれてきた。これは、点と線の交通政策であり、大都市拠点主義はここから出発した。これから必要なのは、点と面の交通政策であり、その新拠点は、道路と鉄道、海運、航空の結節点である

・高速道路ができればできるほど、市場が広がる反面、産地同士の競争も激しくなる。それは、貿易の自由化と同じことで、日本経済全体からみれば、適地適産がすすみ、価格が平準化し、生産は合理化する

・産業道路と切り離して、休日に都市を離れる人々が自然に溶け込むレクリエーション道路の建設を急がねばならない。サイクリング道路や森や神社、史跡を巡る緑の散歩道を大量につくることが必要

・道路政策について当面、重要なことは、通過道路と生活道路を切り離すこと。今は、通過道路をはみだした車が生活道路にまで入り込んで、わがもの顔に走っている。これでは、自分の家のまわりもおちおち歩いていられない

・隅田川、淀川の河口で魚釣りを楽しむところまで河川をきれいにしなければ、日本列島の改造が本当にできたとは言えない

・地方都市の多くは、工場や商店があっても、中枢管理機構や文化、学問の場が乏しい。いわば、胴体や手足は一応揃っているものの、神経中枢が十分でないようなもの。そうした状態では、経済活動の完結性が低くなるから、資金が大都市に吸い上げられてしまう

・行政上の許認可権限は、できるだけ地方自治体におろし、地方自治体が中央と同じ量の情報を駆使する企画を自由に行えるようにすべき、広域ブロック都市には、シンクタンク、コンサルタント、調査研究機関などの情報産業が必要

・当面、東京にある大学を地方に分散することが、都市への人口の過度集中を緩和する一方法である。それと同時に、地方にある大学を、特定の学問分野で世界をリードする特色のある大学に改めていきたい

・限られた土地条件を前提にして、農業で高い生産性と高い所得を確保するためには、少数精鋭による経営の大規模化、機械化が必要。その過程で、農業人口の大幅な減少は避けられない

・都市の立体化は建物の高層化それ自体が目的ではない。高層化によって生じる空間を公共の福祉のために活用するところに最大の目的がある。貴重な都市の空間は、空中も地下もフルに利用しなければならない

・汗と力と知恵と技術を結集すれば、大都市や産業が主人公の社会ではなく、人間が主人公となる時代を迎えることができる。自由で、社会的偏見がなく、創意と努力さえあれば、誰でもひとかどの人物になれる日本は、国際社会でも誠実で尊敬できる友人になれる



この「日本列島改造論」で、田中角栄が打ち出している政策や戦略(環境政策、格差是正対策、地方分権政策、農業成長戦略、大都市成長戦略、知識集約型産業移行政策、エネルギー政策など)は、今でも新鮮に感じられます。

とても、40年前に書かれたものとは思えません。ということは、田中角栄が進んでいたというより、この40年間、日本社会が、ほとんど進歩していないということではないでしょうか。

現実面だけに合わせ、お金に執着させる政策を行ってきたツケが今の日本のあわれな姿でないかと思います。

田中角栄のような、理想を語り、目標を掲げ、それを強引に推し進めるリーダーシップある人物の登場が、今の日本には必要なのかもしれません。


[ 2011/11/22 07:20 ] 田中角栄・本 | TB(0) | CM(0)

『田中角栄処世の奥義』小林吉弥

田中角栄 処世の奥義田中角栄 処世の奥義
(2006/01)
小林 吉弥

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私が中学生の時、福田赳夫と田中角栄の自民党総裁選の決選投票の場面をテレビで食い入るように見ていました。

下馬評を覆し、若い田中角栄が勝った時、気持ちが高揚したのを、今でも鮮明に憶えています。学歴はないが、本当の意味で頭の良い首相の誕生が、中学生にもうれしく感じられました。

それから後、ロッキード事件で表舞台から退きましたが、その実行力は、その後のどの首相と比較しても、群を抜いた存在でした。

良きにつけ、悪きにつけ、歴史に残る天才であった田中角栄の凄さが、この本のエピソードの中に盛られています。

ためになったエピソードが20ほどありました。「本の一部」ですが、これらを紹介したいと思います。



・どんな話でも、ポイントは結局一つだ。そこを見抜ければ、物事は3分あれば片付く。あとはムダ話だ

・角さんは、本当に困った相手には敵味方、関係なく助けていたね。ときには獣道も教えていた。こうして、敵を味方にすることによって城を増やしていった。一匹の蚊にたっぷり自分の血を吸わせ、そっと放してやる優しさもあった。こういうの、日本人は好きなんだ

・世の中は白と黒ばかりではない。敵と味方ばかりではない。その間にある中間地帯、グレーゾーンが一番広い。そこを取り込めなくてどうする。真理は、常に中間にあるということだ

・政治家は人に会うのが商売。人と会うのが醍醐味になってこそ本物

・わかったようなことは言うな。気の利いたことを言うな。そんなもの、聞いている者は一発で見抜く。借りものでない自分の言葉で、全力で話せ。そうすれば、初めて人が聞く耳を持ってくれる

・一人の悪口を言えば、十人の敵をつくる。よほど信用している相手でも「お前だけに言うが、実はアイツは・・・」とやれば、1日もたたないうちに知らぬ者なしとなる。悪口を言いたければ、一人でトイレの中でやれ

自分の物差しばかりで物を言うな。こういうのは、使いものにならない。黙って、汗を流せ。いいところは、人に譲ってやれ。損して得取れだ。そうすれば人に好かれる

・田中角栄は、フルネームすべて忘れてしまったのに、
「やあしばらくだな。元気か。アンタの名前が出てこない・・・」
「○○ですよ」
「そんなことはわかっている。下のほうの名前だ」
「△△△です」
「そうだ、思い出した」
と、下の名前だけを忘れたフリをして、フルネームをよく引き出していた

・話をしたいなら、初めに結論を言え。理由は、三つに限定しろ。世の中、三つほどの理由をあげれば、大方の説明はつく

・身銭を切ると、自分が額に汗したカネだから、人との話も真剣勝負になる。他人のカネやおごってもらった場合は、そのヘンにユルみが出る。何事にも全力投球のオヤジ(角栄)は遊びで終始することには我慢できなかった

・冠婚なんてお祝い事はいつでもできる。死んだほうは待ったなしだ。自分と関わりのあった人に対しては、心から冥福を祈る。そんなことがわからんで、お前ら政治家の事務所が勤まるのか

・田中派候補のポスターを貼りまくり、「コイツはカッコをつけているが、目が死んでいる」「アイツは、上から有権者を見下ろしている。目線が間違っている」「そんな奴に誰が票を入れるんだ」と秘書に命じ、取り換えさせた

・トップリーダーがギリギリの決断をしなければならないときの判断材料について、田中角栄が強調してやまなかったのは、「公六分、私四分」の精神だった

・お前はたいそうな話はするが、どうも心を打つものがない。一言で言えば、うわついている。相手の気持ちが眼中にない。自分を売り込むばかりだ。誰がマジメに聞くものか。もっと頭を使ったらどうだ

・銃弾飛び交う生死を分ける戦争ではなく、論争、意見対立にすぎないのなら、相手に余地を残してやれ。時間がたち、諸般の事情が変われば、またこのケンカ相手と手を握ることがある

・「いや、笑いの中に真実がある」。田中角栄のスピーチで随所に出てくるのがこの一節

・内閣はできたときに、最も力がある。会社の社長も、他のポストも同じだ。新しいポストについたとき、力のあるうち、注目されているうちに、できるだけ大きな仕事をやるべきだ。熟慮断行も。ヘチマもあるもんか

・カネというものはチマチマ使うより、ここぞというときは一気に使え。そのほうが、効果は何倍も大きい



田中角栄の言動やエピソードを読むと、急成長する会社の、やり手創業オーナーという感じです。

こういうタイプの人が、政治家として活躍できていないことが、日本衰退の要因になっているのかもしれません。

上品さより、実行力。事業意欲のある人なら、坂本竜馬の本だけでなく、田中角栄の本も読むと、参考になるところが多いのではないでしょうか。
[ 2010/02/01 08:55 ] 田中角栄・本 | TB(0) | CM(0)