とは学

「・・・とは」の哲学

『超訳・ゲーテの言葉』ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

超訳 ゲーテの言葉超訳 ゲーテの言葉
(2011/03/15)
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

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ドイツの文豪ゲーテの本を紹介するのは、「ゲーテ格言集」「いきいきと生きよ・ゲーテに学ぶ」などに次いで、これで5冊目になります。

詩、小説、戯曲、紀行文、エッセイ、論文など、莫大な種類と数の文章を残しているだけあって、名言をまとめた本だけでも、相当な数が出版されています。本書もその一つですが、その中で、心に響いた箇所を、幾つか紹介させていただきます。



・何の努力もせずに何の能力も得ていない者は、人になりきれていない

・装飾品は、本当の自分を隠すことはできても、変えることはできない

・人は、役立つ人間しか評価しない。だから、他人の評価を喜ぶのは、自分で自分を道具扱いすること

・相手を楽しませて、「一緒にいること」を喜ばれるのが、紳士の第一条件

・知っていることを確認するのは楽だが、知らないことを覚えるのは辛い

・たいていの人は、進む道を誰かに指示されないと前進できない

・他人に命令を下す者には、資格が要る。それは、これから築く未来の姿をはっきり見据えていること

・愚かな人間には、次の三つの型がある。一つは「高慢な男」、もう一つは「恋に狂った娘」、そして、最後の一つは「嫉妬に駆られた女」

・人間は、いつも忙しくて騒がしい人間たちの中でこそ、何かを創り出せる。その騒がしさが創造のヒントになり、きっかけになり、エネルギーになり、参考になる

力を持つ者は、行動するのが義務。その者が語るだけで済まそうとするのなら、それは卑怯な逃避だ

・純粋な正しさなど、世間では滅多に役立たない。それどころか、世間の動きを止めてしまうことさえある。だから、正論を唱える者は、たいてい反論にさらされて、苦い思いをする。結局、人の世は清濁併せて成り立っているのだから

・美しい虹でも、15分も消えずに空に架かっていたら、誰も見上げ続けようとはしない。感動とは、短命なもの

・興味、関心、好奇心。これらの心なくしては、人生には何も残らない

・その時々の流行や風潮に合わせるだけの生き方だと、人生はあっという間に過ぎてしまう。人生をじっくり味わいたいなら、もっと根本的な人の世の仕組み約束事を学ぶこと

・人は結局「最高の自分になること」が唯一の目的だ。「他人とそっくりになること」や「世間の求める姿になること」などは、人生の本当の意味ではない

・人の道は、選ぶものではない。自分で切り開いていくものだ

・若いうちに老人の偉大さに気づき、老いてからも若い頃のひたむきさを忘れなければ、もっと実りある人生が送れる

・人のするべきことは、ただ一つ。それは、他人の幸福を祈ること。それだけで、すべての不幸はなくなる、他人の不幸も、自分の不幸も

・人は、忙しければ悪事を為さない。悪事というのは、暇な人間がやらかすこと

・本当に完成したものなら、時が経っても変わらない。全くそのままの姿で、後の世に伝わっていく

・誰からも反論されない意見は、中身が空っぽの言葉の羅列に過ぎない

・人が不機嫌になるのは、誰かが悪事を企んでいることに、感づいたときである。だから、いつでも機嫌の良い者は、勘の鈍い者である

勇敢な戦士は、敵を恐れない。賢明な戦士は、敵をあなどらない

気高い人物は、気高い人物を引き寄せる。気高い人物は、気高い人物を尊敬するから



本書を読んで、再度、ゲーテの慧眼、叡智に触れることができました。やはり、ゲーテは立派な存在です。

世の中とは何か、人間とは何か、そして、人生とは何かを考え続け、求め続けて、そこで得た貴重な言葉は、後の世のわれわれにも、数多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。


[ 2013/06/28 07:00 ] ゲーテ・本 | TB(0) | CM(0)

『いきいきと生きよ-ゲーテに学ぶ』手塚富雄

いきいきと生きよ―ゲーテに学ぶ (サンマーク文庫)いきいきと生きよ―ゲーテに学ぶ (サンマーク文庫)
(2008/03/15)
手塚 富雄

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本書は、1968年に刊行された本の復刻版です。著者は、ゲーテやニーチェの翻訳を主にされていた手塚富雄さんで、亡くなられて、すでに30年近く経ちます。

ゲーテには、詩や哲学的な文章が多いので、翻訳者の癖や性格がよく出ます。本書は、正統派の翻訳だったので、復刻の声が大きかったのかもしれません。ゲーテを堪能する書として、ここに、ゲーテの遺した言葉の一部を紹介させていただきます。



・こころが開いているときだけ、この世は美しい(格言詩)

・いきいきとした天分豊かな精神を持った人が、実質的な意図をもって、ごく身近なことに力を注ぐ場合こそ、この世における最もすぐれたものである(箴言と省察)

・活動だけが恐怖と心配を追い払う(箴言と省察)

・時を短くするものは何か、活動。時を耐えがたく長くするものは何か、安逸(西東詩集)

不機嫌は怠惰と同じです。つまり怠惰の一種です。私たちは生まれつき怠惰に傾きやすい(若いウェルテルの悩み)

・大いなる事業が完成されるためには、一つの精神があれば足りる、千の手を動かすために(ファウスト)

・意欲と愛は偉大な行為に導く両翼である(イフィゲーニエ)

・われわれは誰しも酔っているべきだ。若さは酒のない酔いなのだ(西東詩集)

・誰でも、他の人々の好意を喜びとする場合にだけ、本当の意味でいきいきしているのだ(ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代)

畏敬を感じることは、人間の持つ最もよきものの一つである(箴言と省察)

・本当の自由な心とは「認める」ということである(箴言と省察)

・誰しも人を許すときが、自分を最も高めるときである(箴言と省察)

・思索する人間の最も美しい幸福は、探求しうるものを探究しつくし、探究しえないものを静かに敬うことである(箴言と省察)

・人は至高のものに向かって努める場合にのみ、多面的である(箴言と省察)

・生産力を持つものだけが、真実である(詩・遺言)

・あらゆる賢いことはすでに考えられている。ただわれわれは、それをもう一度考えてみなければならない(ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代)

・耳目はあざむかない。判断があざむくのだ(箴言と省察)

・学問は、知る価値のないものや、知ることのできないものに携わることによって、はなはだしく妨げられる(箴言と省察)

・外国語を知らぬものは、自国語についても何も知らぬものである(箴言と省察)

・他の人々をよく導こうと努める者は、多くの欲望を断念する能力を持たねばならぬ(カール・アウグストに与えた言葉)

・批評は近代人の単なる習慣にすぎない、そんなものに何の意味があろうか(ミュラーとの談話)

・人間のことは考えるな、事柄を考えよ(温順なクセーニエン)

・友人の欠点だけを考えている人たちがいる。そこからはどんな利益もうまれてはこない。私はいつも私の敵の価値に注意を向けてきた。そして、そのことから利益を受けた(箴言と省察)

・愛を感じないものは、おもねることを学ばねばならない。そうでなければ世を渡ることができない(箴言と省察)

・人は本当に劣悪になると、他人の不幸せを喜ぶこと以外に興味を持たなくなる(箴言と省察)



「生きているあいだは、いきいきとしていなさい」の一言が、ゲーテの人生観と生き方を一番手短に言い現わした言葉であると、著者は述べられています。

この言葉こそ、ゲーテの知恵が凝縮されているのではないでしょうか。この言葉のように、不機嫌にならずに、いつも上機嫌でいたいものです。


[ 2012/10/10 07:02 ] ゲーテ・本 | TB(0) | CM(0)

『ゲーテに学ぶ賢者の知恵』適菜収

ゲーテに学ぶ 賢者の知恵ゲーテに学ぶ 賢者の知恵
(2010/04/28)
適菜 収

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ゲーテに関する本を紹介するのは、「ゲーテに学ぶ幸福術」「ゲーテ格言集」に次ぎ3冊目です。ゲーテは、膨大な数の著作を残しているので、まだまだ読み飽きることがありません。

この本の中にも、ゲーテの素晴らしい格言を新たに発見しました。「本の一部」ですが、紹介させていただきます。



・重要なことは、知らないもの、知らない人に対して、どこまでも心を開いて触れてみること

・才能があるだけでは十分ではない。博打の世界をのぞいてみたり、そこで勝負に加わってみることも重要だ

・あらゆる泥棒の中で、バカがいちばん悪質だ。彼らは、時間と気分の両方を盗む

・いろいろ気兼ねしているうちに、いつしか心も麻痺してしまい、私たちに備わっているかもしれない偉大なものを自由に表現できなくなる

・個人的な利害損失に追い立てられないと、安易な仕事をするというのは、人間の本性らしい

・私たちは、自分の上にあるものを認めないことで、自由になるのではない。自分の上にあるものに敬意を払うことにより、自由になる

・巨匠は常に先人の長所を利用している。そのことが、彼を偉大にしている

・人間の到達できる最高のものは、驚くということ。根本的な現象に出会って驚いたら、そのことに満足するべき

・一般的な概念と大きな自負は、恐ろしい不幸を引き起こす

・ほとんどの人間にとって、学問は飯の種になる限りにおいて意味があるのであり、彼にとって都合がよければ、間違いさえも神聖なものになってしまう

・多数というものは気に障る。なぜなら、多数を構成しているのは、一部の有力な先導者のほかは、それになびく弱者ならず者無知な大衆ばかりだから

・本物の自由主義者は、できる範囲で、よいことを実行しようとするもの。必要悪を力ずくで根絶しようとはしない。彼は、賢明な進歩を通じて、少しずつ社会の欠陥を取り除こうとする

・法律というのは、いい気になって、幸福の量を増やそうとするよりは、弊害の量を減らそうと努めるべき

・誰でも、健康に暮らせて、自分の職に励むだけの自由さえあれば、それで十分

・偉大な人間は容積が大きいだけ。長所も短所も持つことは、卑小な人間と変わりない。ただ、その量が大きい

・偉大な先人と交わりたいという欲求こそ、高度な素質のある証拠

・現世で努力し戦っている有能な人間は、来世のことは来世にまかせて、現世で仕事をし、役に立とうとするもの。不死の思想は、現世で最も不運であった人たちのためにある

・教会は支配することを望んでいるのだから、平身低頭し、支配されて喜んでいる愚かな大衆が必要。身分の高い聖職者は、下層階級が目覚めることを一番恐れている

・自分の境遇以上のものを頑固に否定するのが俗物。彼らは、他人の境遇を否定するだけでなく、他のあらゆる人間が、自分と同じ存在でなければならないと要求する



ゲーテは人間の本質、社会の真実を十分に理解している賢者です。その賢者の意見に、そっと目を向けるか、目を背けるかで、その後の人生が変わっていくように思います。

ゲーテの辛辣な言葉に、目を背けたくなっても、それを我慢できる度量をまず身につけないといけないもかもしれません。
[ 2012/02/20 07:09 ] ゲーテ・本 | TB(0) | CM(0)

『ゲーテ格言集』

ゲーテ格言集 (新潮文庫)ゲーテ格言集 (新潮文庫)
(1952/06)
ゲーテ

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ゲーテは作家活動の他に、自身の叡智を短い言葉で数多く書き遺しました。それらの格言は、今でも、さまざまな国のさまざまな人に引用され続けています。

この「ゲーテ格言集」は、太平洋戦争中でも出版が許されていた数少ない書です。つまり、戦時下の日本人に、多大な影響を与えた書であるとも言えます。

古典とも言うべき「ゲーテ格言集」を何十年の時を経て、読み直し、再度共感した箇所が20ほどありました。「本の一部」ですが、紹介したいと思います。



・憎しみは積極的不満で、妬みは消極的不満である。それゆえ、妬みがたちまち憎しみに変わっても怪しむに足りない

・誤りを認めるのは、真理を見出すのより、はるかに容易である。誤りは表面にあるので、片づけやすい。真理は深いところにおさまっているので、それを探るのは、誰にでもできることではない

・友達の欠点をあげつらう人々がいる。それによって何の得るところもない。私は常に敵の功績に注意を払い、それによって利益を得た

・適切な真理を言うのに、二通りの道がある。民衆はいつも公然と、王公はいつも秘密に言うものだ

・若い時は、興味が散漫なため忘れっぽく、年をとると、興味の欠乏のため忘れっぽい

・われわれの処世術の本領は、生存するために、われわれの存在を放棄するところにある

・すべての旅人が必ずつまづくところのつまづきの石がある。しかし、詩人がその石のあるところを暗示する

生活をもてあそぶものは、決して正しいものになれない。自分に命令しないものは、いつになっても、しもべにとどまる

自負し過ぎない者は、自分で思っている以上の人間である

・卑怯者は、安全な時だけ、威たけ高になる

・気前が好ければ、人から好意を受ける。特に、気前の好さが謙遜を伴う場合に

・君の値打ちを楽しもうと思ったら、君は世の中に価値を与えなければならない

大衆に仕える者は、あわれむべき奴だ。彼は散々苦労したあげく、誰からも感謝されない

・われわれは結局何を目指すべきか。世の中を知り、これを軽蔑しないことだ

・生活はすべて次の二つから成り立っている。「したいけれどできない」「できるけれどしたくない

・なぜ、こう悪口が絶えないのか。人々は、他のちょっとした功績でも認めると、自分の品位を損ずるように思っている

・愚か者と賢い人は同様に害がない。半分愚かな者半分賢い者とだけが、最も危険である

・どんな場合にも、口論なんぞする気になるな。賢い人でも無知な者と争うと、無知に陥ってしまう



今再び読んでも、ゲーテの人間に対する鑑識眼に驚かされます。いや、再び読んだからこそ、驚かされたのかもしれません。

ゲーテは若者が読むものではなく、人生経験を積んできた者こそが読むべきもののように感じました。

書棚から再度取り出して読めば、ゲーテの凄さを発見できるように思います。
[ 2011/09/30 06:42 ] ゲーテ・本 | TB(0) | CM(0)

『ゲーテに学ぶ幸福術』木原武一

新潮選書 ゲーテに学ぶ幸福術新潮選書 ゲーテに学ぶ幸福術
(2005/01/15)
木原 武一

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かの有名な文豪ゲーテの言葉をコンパクトにまとめた良書です。

ゲーテは、詩人、小説家、劇作家、哲学者、自然科学者、政治家、法律家といった多彩な顔を持つ、ドイツが生んだ天才です。

50歳を越えて、ゲーテの格言を再び読むと、心に響いてくる箇所が、かなり増えていることに気づかされました。

この本は、数あるゲーテ本の中でも読みやすい本だと思います。本の一部ですが、心に響いた箇所を紹介したいと思います。



・われわれの願いは、われわれのうちにある可能性の予感であり、われわれがなしうるであろうことの先触れである

・何か意味あることは、孤独のなかでしか創られないことを、私は痛感した。広く喝采を博した私の作品は、孤独の産物である

・私は世の中でいろいろなことをやってきたが、いつも同じことを発見した。習慣のなかにこそ、人間にとってかけがえのない快楽があるということを

・よき人はつねに初心者である

・人にはそれぞれ固有の性癖があり、これから逃れることはできない

・誰しも自分に理解できることしか耳にはいらないものだ

・他人の長所について考えるのが習慣になると、知らず知らずのうちに自分自身の長所もひとりでにわかってくるものだ

・悪いものを悪いと言ったところで、いったい何が得られるだろうか

・人はだまされるのではなく、自分で自分をだましているのである

・すばらしい人生を築きたいと思ったら、過ぎ去ったことは気にせず、腹を立てないようにつとめ、いつも現在をたのしみ、とりわけ誰も憎まず、先のことは神様にまかせること

行儀作法は、すべての人間の姿が映し出される鏡である

・自分自身を大切にすることが道徳であり、他人を尊重することが行儀作法である

・年をとったら、寛大になりなさい。私が目にする過ちは、すべて私自身も犯したことのあるような過ちばかりなのだから

・人間が到達できる最高の境地は、驚きを感じるということである

・有用なるものから本物を経て、美にいたれ

・自分は自由であると宣言した瞬間、制約を感じる。敢えて、自分は制約されていると宣言すると、むしろ自分が自由であることを感じる

・人間はみな、自由を手に入れるや、自分の欠点をさらけだす。強者は行き過ぎ、弱者は投げやりになる

・心の底から出たものでなければ、けっして心から心へ伝わるはずがない

・モットーとは、その人が持っていないもの、その人が追い求めているものを示している。これをいつも忘れないようにしよう


ゲーテなんて、名前だけは聞くが、読んだことはないという方に、この本はおすすめです。
さらっと読み進んでいくことができるゲーテを知る入門書ではないでしょうか。

[ 2009/10/09 08:58 ] ゲーテ・本 | TB(0) | CM(0)