ドイツの文豪ゲーテの本を紹介するのは、「
ゲーテ格言集」「
いきいきと生きよ・ゲーテに学ぶ」などに次いで、これで5冊目になります。
詩、小説、戯曲、紀行文、エッセイ、論文など、莫大な種類と数の文章を残しているだけあって、名言をまとめた本だけでも、相当な数が出版されています。本書もその一つですが、その中で、心に響いた箇所を、幾つか紹介させていただきます。
・何の努力もせずに何の能力も得ていない者は、人になりきれていない
・装飾品は、本当の自分を
隠すことはできても、
変えることはできない
・人は、役立つ人間しか評価しない。だから、他人の評価を喜ぶのは、自分で自分を道具扱いすること
・相手を楽しませて、「一緒にいること」を喜ばれるのが、
紳士の第一条件・知っていることを確認するのは楽だが、知らないことを覚えるのは辛い
・たいていの人は、進む道を誰かに
指示されないと前進できない
・他人に
命令を下す者には、資格が要る。それは、これから築く未来の姿をはっきり見据えていること
・愚かな人間には、次の三つの型がある。一つは「高慢な男」、もう一つは「恋に狂った娘」、そして、最後の一つは「嫉妬に駆られた女」
・人間は、いつも忙しくて騒がしい人間たちの中でこそ、何かを創り出せる。その騒がしさが
創造のヒントになり、きっかけになり、エネルギーになり、参考になる
・
力を持つ者は、行動するのが義務。その者が語るだけで済まそうとするのなら、それは卑怯な逃避だ
・純粋な正しさなど、世間では滅多に役立たない。それどころか、世間の動きを止めてしまうことさえある。だから、
正論を唱える者は、たいてい反論にさらされて、苦い思いをする。結局、人の世は清濁併せて成り立っているのだから
・美しい虹でも、15分も消えずに空に架かっていたら、誰も見上げ続けようとはしない。
感動とは、短命なもの・興味、関心、好奇心。これらの心なくしては、人生には何も残らない
・その時々の流行や風潮に合わせるだけの生き方だと、人生はあっという間に過ぎてしまう。人生をじっくり味わいたいなら、もっと根本的な人の世の
仕組みや
約束事を学ぶこと
・人は結局「
最高の自分になること」が唯一の目的だ。「他人とそっくりになること」や「世間の求める姿になること」などは、人生の本当の意味ではない
・人の道は、選ぶものではない。自分で切り開いていくものだ
・若いうちに老人の偉大さに気づき、老いてからも若い頃のひたむきさを忘れなければ、もっと実りある人生が送れる
・人のするべきことは、ただ一つ。それは、
他人の幸福を祈ること。それだけで、すべての不幸はなくなる、他人の不幸も、自分の不幸も
・人は、忙しければ悪事を為さない。悪事というのは、
暇な人間がやらかすこと
・本当に完成したものなら、時が経っても変わらない。全くそのままの姿で、後の世に伝わっていく
・誰からも
反論されない意見は、中身が空っぽの言葉の羅列に過ぎない
・人が不機嫌になるのは、誰かが悪事を企んでいることに、感づいたときである。だから、いつでも機嫌の良い者は、
勘の鈍い者である
・
勇敢な戦士は、敵を恐れない。
賢明な戦士は、敵をあなどらない
・
気高い人物は、気高い人物を引き寄せる。気高い人物は、気高い人物を尊敬するから
本書を読んで、再度、ゲーテの慧眼、叡智に触れることができました。やはり、ゲーテは立派な存在です。
世の中とは何か、人間とは何か、そして、人生とは何かを考え続け、求め続けて、そこで得た貴重な言葉は、後の世のわれわれにも、数多くの示唆を与えてくれるのではないでしょうか。